新語時事用語辞典とは?

2018年8月29日水曜日

打ち言葉

読み方:うちことば

電子機器へのテキストの入力という形で表現される言葉。

文化庁は2018年3月、「分かり合うための言語コミュニケーション(報告)」と題する資料において、電子メールやSNSでのコミュニケーションに用いられる特殊な表現を、話し言葉とも書き言葉とも異なる「話し言葉の要素を多く含む新しい書き言葉」として区分し、これを「打ち言葉」と呼んでいる。

打ち言葉は視覚的媒体で表現されるという点においては「書き言葉」に区分し得るが、文体はくだけた「話し言葉」に近い。さらに打ち言葉では絵文字などの記号が多用される等、書き言葉において欠落しがちな(話者の感情などの)言語外の情報を補うための特殊な方法が発達している。

また、「おk」「う p」のような俗な(ローマ字入力の誤変換を起源とするネット俗語的な)表記も、打ち言葉独特の表現として特筆される。

文化庁の報告書では「打ち言葉」を「新しいコミュニケーションの形」として認めつつ、使われ方の世代差などもあって誰にでも通じるとは限らないことや、従来の書き言葉とは書式・書き方が異なる部分もある、といった点への意識は必要との旨を指摘している。

関連サイト:
「分かり合うための言語コミュニケーション(報告)」について  ― 文化庁 報道発表 2018年3月2日(PDFファイル)

サイレントインベージョン

別名:静かなる侵略
英語:silent invasion

武力を行使するような表だった侵略行為ではなく、献金などを通じて「頭が上がらない」状態にすることで国の実力者を言いなりにし、最終的には実質的な属国・傀儡国家とする、というような他国への干渉の在り方。

サイレントインベージョンは、オーストラリアの大学教授クライブ・ハミルトン(Clive Hamilton)が著書「Silent Invasion: China's Influence in Australia」において、オーストラリアの政権に対する中国共産党の党略を指す語として用られている。

2016年にはターンブル政権がオーストラリア北部ダーウィン(Darwin)の港を中国企業へ99年間という長期にわたり貸与する契約を締結し、米国をはじめとする環太平洋諸国の安全保障の問題が大きく取り沙汰された。

ハミルトンが著書「Silent Invasion」を出版する際には、当初刊行予定だった大手出版社が自粛という形で同著の販売中止を決めている。


モブジャスティス

別名:群衆の正義
別名:暴徒の正義
英語:mob justice

民衆が正義感に駆られた暴徒と化し、罪人・悪人を制裁するという大義名分のもとに集団で私刑(リンチ)を加えること。特にアフリカ諸国において現在でもしばしば発生する集団私刑を指す場合が多い。

モブジャスティスは民衆が法的な規定や手続きを無視して行う感情任せの行為である。被疑者が死に至るまで徹底的に暴行を加えられる場合も、残虐な方法によって殺害される場合も決して少なくない。モブジャスティスはさまざまな点において法の秩序とは相容れない問題を含んでいる。