別名:transgender
身体上の性別と自己の性自認が一致しない、性同一性に齟齬を抱えている人を指す意味で用いられる語。典型的には「体は男で心は女」あるいは「体は女で心は男」という内面的境遇の人がトランスジェンダーであるといえる。性自認が男女どちらか一方に帰属する場合に限らず、中間的、流動的、超越的な性自認を抱いている人もトランスジェンダーに該当する。
身体的・解剖学的な性別と自己の性認識とが一致している人は、トランスジェンダーに対して「シスジェンダー」と呼ばれる。
トランスジェンダーの「ジェンダー」(gender)は、「性」を意味する英語表現であるが、もともとは文法における「性」を指す語であり、身体的な雌雄(sex)よりも、むしろ「社会的・文化的な意味・役割としての性別」を指す意味合いが強い。つまり「男たるもの」とか「女はかくあるべし」という風に背負わされる内面的性である。ちなみに「トランス」(trans-)は「向こう側へ」「超えて行く」という意味合いで用いられる英語の接頭辞である(恍惚・トランス状態のtranceではない)。
トランスジェンダーと「性同一性障害」は、自己の心身の性が食い違うという点において共通しているが、同義ではない。性同一障害は、心身の性別の不一致ないしは乖離に強い違和感を抱き、身体を性自認と一致させる(いわゆる性転換)を望む、精神障害の一種と位置づけられる状況である。トランスジェンダーは性自認に対する齟齬・不一致を感じている状況を広く包含する。性同一性障害もトランスジェンダーに包含され得る。
近年、欧米を中心に、トランスジェンダーを理解し受容するための社会制度の変革が進みつつある。日本では2003年に「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」が成立し翌年に施行された。同法により、性同一性障害を抱えており特定条件を満たす者は戸籍上の性別記載の変更が認められるようになった。同法は文脈によっては「特例法」と略される場合が多い。
新語時事用語辞典とは?
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令和
読み方:れいわ
英語:Reiwa
英語:Reiwa era
「平成」に代わる元号。2019年(平成30年)4月1日に閣議決定され、同日公表された。5月1日午前0時に、皇位が継承され皇太子徳仁親王が天皇へ即位すると同時に、元号も正式に「平成」から「令和」へ切り替わる。
「令和」は4月1日午前に正式に決定した。同日朝に新元号に関する懇談会が開かれ、衆参両院の議長および副議長の意見聴取と、全閣僚における協議の上、閣議決定に至った。ただちに宮内庁長官が天皇陛下の御許へ参上して陛下へ新元号を伝え、そして首相官邸において菅義偉官房長官が記者会見を開き、報道陣を通じて新元号を「令和」とする旨を発表、令和の2字が認められた書を掲げた。正午から安倍晋三内閣総理大臣が記者会見室で談話を発表した。
新元号「令和」の典拠は「万葉集」である。万葉集に収載されている梅の花の歌32首の序文にある、「初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す」というくだりからの引用であるという。
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● 初春の令月にして(しょしゅんのれいげつにして)
― 初春の、世にもめでたげな月が見える。
● 気淑く風和ぎ(きよくかぜやわぎ)
― 空気も快く、風も穏やかである。
● 梅は鏡前の粉を披き(うめはきょうぜんのこをひらき)
― 梅の花は、鏡の前で白粉(おしろい)をめかすように咲き、
●蘭は珮後の香を薫す(らんははいごのこうをかおらす)
― 蘭は身にまとった香のように薫っている。
「令月」は良い月、めでたい月という意味の語である。「令嬢」「令兄」「令名」「令望」などの語に同種の意味合いの用法がある。「令」の字が過去に元号に用いられたことはなく、「令和」が初の事例となる。
「和」は協調、協力、調和、平和の意味合いのある語である。飛鳥時代の「和銅」を筆頭に、承和・仁和・応和・安和・寛和・長和・康和・養和・正和・弘和・貞和・文和・永和・元和、天和、明和、享和、そして平成の手前の「昭和」と、元号としては定番といえるほど多く用いられてきた字である。
「令和」は、典拠に基づき解釈すれば「素晴らしき、協調性に富んだ(時代)」といった意味合いと受け止められる。また、「令」の字は漢語としては「命じる」「させる」という字義もある。漢文としては「令和」は「協調・調和させてゆく」という意味合いとも読める。
元号はこれまで漢籍(中国古典)を典拠としてきた。日本の古典を典拠とする元号は「令和」が初である。なお、皇位継承に先立って元号を公表・周知する段取りも憲政史上初となる。
英語:Reiwa
英語:Reiwa era
「平成」に代わる元号。2019年(平成30年)4月1日に閣議決定され、同日公表された。5月1日午前0時に、皇位が継承され皇太子徳仁親王が天皇へ即位すると同時に、元号も正式に「平成」から「令和」へ切り替わる。
「令和」は4月1日午前に正式に決定した。同日朝に新元号に関する懇談会が開かれ、衆参両院の議長および副議長の意見聴取と、全閣僚における協議の上、閣議決定に至った。ただちに宮内庁長官が天皇陛下の御許へ参上して陛下へ新元号を伝え、そして首相官邸において菅義偉官房長官が記者会見を開き、報道陣を通じて新元号を「令和」とする旨を発表、令和の2字が認められた書を掲げた。正午から安倍晋三内閣総理大臣が記者会見室で談話を発表した。
新元号「令和」の典拠は「万葉集」である。万葉集に収載されている梅の花の歌32首の序文にある、「初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す」というくだりからの引用であるという。
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● 初春の令月にして(しょしゅんのれいげつにして)
― 初春の、世にもめでたげな月が見える。
● 気淑く風和ぎ(きよくかぜやわぎ)
― 空気も快く、風も穏やかである。
● 梅は鏡前の粉を披き(うめはきょうぜんのこをひらき)
― 梅の花は、鏡の前で白粉(おしろい)をめかすように咲き、
●蘭は珮後の香を薫す(らんははいごのこうをかおらす)
― 蘭は身にまとった香のように薫っている。
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「令月」は良い月、めでたい月という意味の語である。「令嬢」「令兄」「令名」「令望」などの語に同種の意味合いの用法がある。「令」の字が過去に元号に用いられたことはなく、「令和」が初の事例となる。
「和」は協調、協力、調和、平和の意味合いのある語である。飛鳥時代の「和銅」を筆頭に、承和・仁和・応和・安和・寛和・長和・康和・養和・正和・弘和・貞和・文和・永和・元和、天和、明和、享和、そして平成の手前の「昭和」と、元号としては定番といえるほど多く用いられてきた字である。
「令和」は、典拠に基づき解釈すれば「素晴らしき、協調性に富んだ(時代)」といった意味合いと受け止められる。また、「令」の字は漢語としては「命じる」「させる」という字義もある。漢文としては「令和」は「協調・調和させてゆく」という意味合いとも読める。
元号はこれまで漢籍(中国古典)を典拠としてきた。日本の古典を典拠とする元号は「令和」が初である。なお、皇位継承に先立って元号を公表・周知する段取りも憲政史上初となる。