新語時事用語辞典とは?

2019年1月17日木曜日

スーパーホエール

英語:super whale

鯨類(クジラ・イルカ)全般のあらゆるイメージが総合された観念的で多分に理念的な「クジラ」像。捕鯨反対の立場をとる欧米などの国において思い描かれがちな、現実と乖離したクジラのイメージ。

スーパーホエールは、「クジラは高い知能レベルを有する生き物である」「クジラは人間に対して友好的な生き物である」「クジラは絶滅が危惧される稀少な生き物である」というような要素がもれなく盛り込まれた抽象的なクジラのイメージであるといえる。現実には、こうした要素は特定種のクジラの特徴とは言いがたい。クジラやイルカの種類は数十種におよび、たとえば絶滅の危機に瀕していると目される種もあればそうでない種もある。

世界には捕鯨に反対する国・捕鯨に忌避感を抱く国が少なくないが、その論調が多分に抽象的であり感情論的ではないかという指摘が挙がる場合もある。その抽象的・感情論的な論が念頭に置いているクジラのイメージは架空のスーパーホエールではないかと疑われ得る。

スーパーホエールという概念はノルウェーの文化人類学者アルネ・カラン(Arne Kalland)によって提唱された。ちなみにカランの生国ノルウェーは捕鯨国である。

ネウボラ

英語:neuvola

妊娠・出産から幼児期の子育てに至る親の育児の取り組みを包括的・継続的に切れ目なく支援する制度やサービスないしは機関のこと。フィンランドの福祉制度が日本に伝わり、日本でも導入する地方自治体が増えつつある。

旧来の枠組みで子育てに臨む場合、妊娠や出産は産科をはじめとする診療所が主な相談先であり、産後は保育所などが主な相談先となるなど、支援を求める対象は育児の段階に応じて移行する。ネウボラでは出産前の妊娠の段階から相応の資格を有した担当者がつき、同じ担当者が窓口となって産前産後の母子(ないしは家族全体)のケアに携わる。健康診断や予防接種も含めた子育て全般にかかる助言や指導を一貫して同じ窓口(担当者)に頼ることができる。