新語時事用語辞典とは?

2019年1月22日火曜日

デイリーハッスル

別名:デイリーハッスルズ
英語:Daily hassle
英語:Daily hassles

日常生活の中でちょくちょく経験する、些細なストレス要因(ストレッサー)のこと。たとえば家族の言動に少しイラッとするような、慢性的な煩わしい出来事。

デイリーハッスルはストレス心理学におけるストレッサーの区分モデルのひとつである。提唱者としてラザルス(Richard S. Lazarus)やコーエン(Judith B.Cohen)の名が挙げられる。一般的には cataclysmic events(世間的な大事件)、life events(個人の一大イベント)、そして daily hassles(デイリーハッスル)といった区分において対比的に言及される。

「世間的な大事件」は世の中が震撼するような大きな出来事を指す。典型的には大地震などの天災あるいは戦争などが挙げられる。

「個人の一大イベント」は、進学、就職、結婚、離婚、あるいは家族の死といった、個々人にとって大きな転機となる出来事を指す。

そしてデイリーハッスルは特別大きなイベントではなく、日常生活の中で遭遇する、ちょっとしたストレスを感じる細々とした出来事である。個々の出来事から得るストレスは大したことはないが、慢性化・常態化しやすく、知らず知らずのうちに鬱積して不調の原因となりかねない。その意味でデイリーハッスルは現代社会のストレス管理の対象として注目される。

なおデイリーハッスルの「ハッスル」は hustle(奮発)ではなく hassle(煩わしさ)のことである。

関連サイト:
「大学生のデイリーハッスルとタイプ A行動パターンおよびアレキシサイミアの関連」(佐瀬 竜一・児玉 健司・佐々木雄二、「駒澤大学心理学論集第7号」、2005) ― 駒澤大学(PDFファイル)

419詐欺

別名:ナイジェリアの手紙
別名:ナイジェリア詐欺
別名:ナイジェリア刑法419条に抵触する犯罪

国際送金や資金洗浄のために銀行口座を貸して欲しい、貸してくれれば謝礼として膨大な見返りを約束する、という虚偽の儲け話を持ちかけ、手数料などと称して金銭を別口座へ振り込むように誘導し、そのまま連絡を絶つという詐欺の手口の呼び名。

419詐欺の手口は1980年代には確認されている。当初はナイジェリアを舞台として騙る事例が典型的であったこともあり、「ナイジェリアの手紙」という俗称が半ば定着している。なお「419」という数字は、同手口がナイジェリア刑法419条(資金洗浄に関する規定)に抵触するという事実に由来している。

419詐欺は、当初は相手を選んで手紙(郵便物)を使って話を持ちかける手口として行われてきたが、2000年代に入り電子メールが一般に浸透すると、スパムメールとして無差別的にばらまかれるようになっている。

国際ロマンス詐欺

読み方:こくさいロマンスさぎ
別名:国際恋愛詐欺
別名:国際結婚詐欺
別名:国際結婚型詐欺

海外在住の異性とインターネット等を通じて懇意になり、恋愛感情を抱かせ、適当な理由をつけて金を無心した挙げ句に連絡を絶つという詐欺の手口。結婚詐欺の一種。

国際ロマンス詐欺は、典型的にはSNSなどでターゲット探しが行われる。プロフィールに用いられる写真や肩書きは相手を騙しやすいように選ばれた虚偽の設定である場合が多い。しばらく交流を続け、ターゲットにされた異性が気を許した頃に、病気や怪我の治療費あるいは会いに行くための旅費といった理由をつけて金銭が必要であることを明かす。

国際ロマンス詐欺に引っかかり、送金してしまった場合、被害額を取り返すことは極めて困難であり不可能に近いとされる。

日本貿易振興機構(JETRO)によれば、国際ロマンス詐欺が集団で(組織的に)行われ、詐欺に用いる偽ウェブサイトまで用意されていた事例もあるという。

JETROは国際ロマンス詐欺への対策として、金銭を要求されたときにはたとえ少額でも安易な送金を絶対に行わないよう呼びかけている。

関連サイト:
国際的詐欺事件について(注意喚起) - 日本貿易振興機構