新語時事用語辞典とは?

2020年2月21日金曜日

パワーハラスメント

別名:パワハラ

パワーハラスメントとは

パワーハラスメント(略称:パワハラ)とは、職場で自分の立場が優位であることを利用して、社内の人間に精神的・身体的に嫌がらせをしたり、過剰な叱り方をしたりして職場環境を悪くするような行為のこと。

パワーハラスメント(パワハラ)は、和製英語である。英語では、一般的には「power harassment」などとは言わず、abuse of authority(職権乱用)、あるいはworkplace bullying(職場でのいじめ)といった表現が用いられ、日本語のパワーハラスメントに対応する意味で使われている。欧米諸国では、単にbullying(いじめ行為)と呼ぶこともある。bullyingは、元々は子どもの間で行われる弱い者いじめを指す語であったが、昨今は職場におけるいじめ行為(すなわちパワハラ行為)を指す意味でbullyingの語が用いられることがある。

2019年5月に参議院本会議で可決・成立した改正労働施策総合推進法(通称「パワハラ防止法」)は、パワーハラスメントを職場における「優越的な関係に乗じ」、「業務上あってしかるべき範囲を逸脱した(過剰な)言動により」、「心身に苦痛を与えて就業環境を害する」、という3要素全てに該当する行為のことであるとしている。

パワーハラスメントは、必ずしも「上司が部下に対して行う」ものとは限らず、「部下から上司へ」、あるいは同僚の関係においても行われる場合もある。パワーハラスメントの要件に含まれる「優越的な関係」は、役職の上下関係だけでなく、経験や知識の豊富さ、あるいは職場の人間関係の良好さといった、優劣関係によっても生じる。そしてその優位にある者からから受ける行為が不適切なほど過剰であり、その過剰な行為を受けた当事者が精神的・身体的に苦痛を感じた場合、その行為はパワーハラスメントに該当する。

パワーハラスメントの種類

パワーハラスメント(パワハラ)は、その言動の内容に応じて、6種の類型に区分される。

殴る・蹴る・物を投げつけるといった直接的な攻撃行為は「身体的な攻撃」と呼ばれる。人前で必要以上に叱責したり、人格を否定するようなことを言ったりして相手の心を傷つける行為は「精神的な攻撃」と呼ばれる。無視したり、別室になどにおいて隔離したりして、社内あるいは部署から孤立した状態に置く行為は「人間関係からの切り離し」に該当する。

遂行・達成が不可能ほど過大なノルマを与え、しかも達成できなかったことを叱責する行為を「過大要求」という。立場や職能に全く釣り合わない低レベルな仕事しか与えなかったり、あるいは仕事を全く与えなかったりする行為を「過小な要求」という。そして、相手の私生活に過度に踏み込み、プライバシーを侵害される苦痛を与える行為が「個の侵害」と呼ばれる。

パワーハラスメントの事例

日本では近年、パワハラ問題が深刻な社会問題となっており、法廷でパワーハラスメントの有無が問われた事例も増えつつある。

亀戸労基署長事件

亀戸労基署長事件は、ある会社の社員が会社での業務が原因で出血性脳梗塞を発症したと当該社員の妻が亀戸労基署長に労災保険給付を求めた事件である。

脳梗塞を発症した社員の時間外労働時間は、発症前の1ヶ月間では80時間近くに達していたという。また、部長が社員を立たせたまま叱ることが1月に2回以上あった。時間外労働の多さと叱責の多さが大きなストレスとなり、脳梗塞の起因になったと認められ、パワーハラスメントがあったと認める判決が下された。

松蔭学園事件

高校の女性教論が担当や担任といった教員としての仕事が与えられず、隔離された環境に置かれるなどして、女性教員が精神的苦痛を受けたとして慰謝料を請求した事案である、高裁(控訴審)では職場においてパワーハラスメントがあったと認められ、被告である学校法人に損害賠償の支払いを命じた。

訴訟して法廷で争われた結果、パワーハラスメントがあっとは認められず、原告が敗訴した事例もある。

損保ジャパン調査サービス事件

同事件は、対人トラブルが多い傾向にあった社員が上司から退職を強要されたり威圧的・脅迫的な言葉を浴びせられたりし、さらに不当な移動も命じられたと主張し、損害賠償を求め提訴した事件である。原告は、上司から受けたストレスによってPTSD(心的外傷後ストレス障害)になり、休職せざるを得なくなったと主張し、不法な嫌がらせ等の行為の有無を巡って争われた。

判決では、上司の言動には正当性がありパワーハラスメントとは認められず、パワーハラスメントには該当しないとされ、最終的にパワーハラスメントは認められないとする判決が下った。

判決は上司の指導や注意が(受けた当人には不満に感じられたとしても)職務上適切な範囲内であったと判断したわけである。

パワーハラスメントに関する日本における法整備、欧米諸国の事例

日本におけるパワーハラスメント対策は、通称「パワハラ防止法」の成立により法的に整備されつつある。「パワハラ防止法」の正式名称は、「改正労働施策総合推進法」という。パワハラ防止法により企業・事業者はパワーハラスメントを防止するために必要な措置をとることが必須となり、適切な措置が行われていない場合は、指導対象となる。

企業には、職場のパワハラ防止に関する方針の明確化や周知、パワーハラスメントの要因となり得る就業規則や就業規則の見直し・是正、職務として適正な言動とパワーハラスメントに該当する行動の線引きに関する教育・啓発、あるいは相談窓口の設置など、おのおの必要な対策を講じることが義務づけられる。

ルールや指針を決めるだけでなく、社員に対してのケアも必要である。パワーハラスメントの実態調査アンケート、パワーハラスメントについての社員研修、パワーハラスメントを受けた労働者の心のケアや再発防止策などの対策をしなければいけない。

パワハラ防止法は大企業では2020年6月に施行される。ただし施行当初は大企業に対して飲み設置義務が生じる。いわゆる中小企業は2022年4月からまでは努力義務と位置付けられ、猶予が設けられる。

欧米をはじめ諸外国でもパワハラを防止するための法整備が進んでいる。例えば、イギリスでは「ハラスメントからの保護法」(Protection from Harassment Act 1997)がハラスメント行為全般を禁じており、ハラスメント行為に対する損害賠償を請求可能としている他、ハラスメントを行った加害者に刑事罰を科することができるようになっている。

インバウンド

英語:inbound

インバウンドの意味、語源

インバウンド(英: inbound)とは、主に日本の観光業界において「外国人の日本旅行(訪日旅行)」あるいは「訪日外国人観光客」などの意味で用いられる語。インバウンドは、英語のinboundに由来する語である。英語のinboundは「内側」を意味する接頭辞in-と「~行き」を意味する語boundから成り立つ形容詞で、「本国行きの」「市内に向かう」といった意味がある。

日本におけるインバウンドの推移

インバウンド(日本を訪れた外国人観光客)の数は2000年代初め頃までは500万人程度だった。2003年に始まったビジット・ジャパン・キャンペーン、2007年の観光立国推進基本法施行、2008年の観光庁設置といったさまざまな施策により、インバウンドは2013年頃から急増し始めた。日本政府観光客(JNTO)によれば、訪日外客(=インバウンド)数は2017年には約2869万人、2018年には約3119万人、2019年には約3188万人となっている。国籍・地域別では、韓国、中国、台湾、タイなどの東アジア・東南アジアからの観光客が多数を占めている。

インバウンド増加に伴う問題点

インバウンド増加は経済振興をはじめとする好ましい影響をもたらすが、その一方で問題点もある。インバウンド増加の問題点としては、オーバーツーリズムや文化の違いによるマナー問題などが挙げられる。オーバーツーリズムとは、特定の観光地に大勢の観光客が集中し、許容限度を超えてしまっている状態のことである。オーバーツーリズムが発生すると、観光施設や宿泊施設がパンク状態に陥り、観光客の満足度が低下しやすくなる他、騒音や混雑などによる地域住民の生活環境の悪化なども懸念される。オーバーツーリズムが常態化している都市としてはロンドン、ベネチア、バルセロナなどがよく挙げられるが、インバウンドが急増している日本においても、京都、沖縄、岐阜の白川郷などでオーバーツーリズムによる問題が発生しており、早急な対策を講じることが望まれている。

文化の違いなどによる観光客のマナー違反の問題は、観光客に事前にマナーを周知する取り組みが求められる。そうした取り組みの実例としては、京都府が旅行口コミサイトのTripAdvisor(トリップアドバイザー)と連携しマナーに関するリーフレットを頒布した事例が挙げられる。

インバウンド消費・インバウンド需要、インバウンドビジネス

旅行で日本を訪れた外国人による宿泊・飲食・買い物などの消費行動は「インバウンド消費」あるいは「インバウンド需要」と呼ばれる。観光庁の訪日外国人消費動向調査によると、2019年の訪日外国人旅行消費額は4兆8,113億円で7年連続で過去最高を更新した。同調査によると、一般の訪日外国人1人あたりの支出は15万8千円で、国籍・地域別ではオーストラリアが最も多く24万9千円、次いでイギリス(24万2千円)、フランス(23万8千円)となっている。

外国人観光客をターゲットとしたビジネス全般は「インバウンドビジネス」と呼ばれる。インバウンドビジネスに該当する分野は広範に及び、宿泊業や飲食業、観光施設事業などはもちろんのこと、外国人観光客が日本滞在中に購入する商品や利用するサービスなどはすべてインバウンドビジネスに該当すると言い得る。

インバウンドビジネスにおいては、いわゆる「インバウンド対策」をいかに講じるかが重要な課題となる。インバウンド対策とは、外国人観光客の消費体験の向上に特化した各種の施策の総称である。インバウンド対策の主な例としては、公共交通機関やデパートなどにおける通訳の配置、施設の案内表示や飲食店のメニューの多言語表記、免税レジの設置、Wi-Fi環境の整備、イスラム教徒向けのハラルフードの提供などが挙げられる。

インバウンド需要が期待できる業界


  • 百貨店・デパート・モール、家電量販店、ディスカウントストア、コンビニエンスストアなどの小売業
  • 食堂・レストラン、すし店、そば・うどん店、バー、料亭、居酒屋、ビヤホールなどの飲食業
  • 旅館、ホテル、簡易宿泊所などの宿泊業
  • 博物館、動物園、水族館、テーマパークなどのレジャー・サービス業
  • 鉄道、バス、タクシー、航空、船舶などの運輸交通業


インバウンドの対義語

インバウンドの対義語としては、アウトバウンド(英: outbound)が挙げられる。アウトバウンドは「日本人が諸外国を旅行すること」という意味で使われる用語である。インバウンドは官民による積極的な推進が成果を上げ、数字を伸ばし続けているが、アウトバウンドは2000年頃をピークにあまり大きな変化は見られない。しかし、近年はLCC(ローコストキャリア、格安航空会社)の路線拡大なども影響してかアウトバウンドも増加傾向にあり、2019年には統計開始以来初の2,000万人を突破した。

インバウンドを使った例文


  • インバウンドは近年増加傾向にある。
  • オリンピックに向けてインバウンド対策を講じる必要がある。
  • インバウンド向けに古民家をリノベーションする。

2020年2月20日木曜日

ノーマライゼーション

英語:normalization
別名:ノーマリゼーション

ノーマライゼーションとは

ノーマライゼーションとは、社会福祉の分野において、障がいの有無や性別、年齢の違いなどによって区別をされることなく、主体的に、当たり前に、生活や権利の保障されたバリアフリーな環境を整えていく考え方を意味する語。ノーマライゼーションを簡単に言うと、何らかの障がいや違いがあることを個性として捉え、すべての人が自分の意思で社会に参画する状況・意識を当然のものとして考えようということである。

厚生労働省でもノーマライゼーションの理念に基づき、障がい者の自立と社会参加の促進を図る施策を行っており、「障がいのある人はこれ」と福祉サービスを限定して押しつけるのではなく、利用者自らが介護や看護などの福祉サービスを選択できる取り組みを行うことで、障がい者の主体性を尊重するようになっている。

ノーマライゼーションの語源である英語の「normalization」には、「標準化・正常化」という意味がある。「違いのあることが標準(当たり前)にしよう」という、社会福祉におけるノーマライゼーションの理念は、この「normalization」に由来する。

ノーマライゼーションの歴史は、「1959年法」と呼ばれるデンマークの「知的障害者福祉法」に始まる。この法律の中にはじめて「ノーマライゼーション」という言葉が登場したためで、この1959年法はノーマライゼーション法と呼ばれることもある。

ノーマライゼーションを提唱したのは、デンマークのニルス・エリク・バンク ミケルセン(N.E.Bank-Mikkelsem)であった。バンク ミケルセンは、知的障がい児の親の会の活動に1951年から取り組み、障がい者の親たちと活動した成果が1959年法であると言われている。

ノーマライゼーション8つの原理

ノーマライゼーションは、スウェーデンのニィリエ(Bengt Nirje)によって「8つの原理」として取りまとめられた。ベンクト・ニィリエは、ノーマライゼーションの理念を実現させるための具体的な指針として、「ノーマライゼーション8つの原理」を策定した。

  1. 一日のノーマルなリズム
  2. 一週間のノーマルなリズム
  3. 一年間のノーマルなリズム
  4. ライフサイクルにおけるノーマルな発達経験
  5. ノーマルな個人の尊厳と自己決定権
  6. その文化におけるノーマルな性的関係
  7. その社会におけるノーマルな経済水準とそれをえる権利
  8. その地域におけるノーマルな環境形態と水準

ノーマライゼーション8つの原理が満たされたとき、ノーマライゼーションの理念は実現するとしたベンクト・ニィリエ。この原理を具体的なスローガンにすると、下記で示すような内容になる。

  • 障がいがあるからといって、家に閉じ込めらるのではなく、当たり前に学校や会社に行きましょう。
  • 障がいがあるからといってスプーンだけで食事を強制されることはなくしましょう。
  • 自分の食べたいときに食べたいものを食べましょう。
  • 週末は楽しい集いに参加して、月曜日になれば職場や会社に行きましょう。
  • 単調な生活を繰り返すのではなく、季節ごとの様々な文化、活動を楽しみましょう。
  • 年齢によって抱く興味や責任も変化するでしょう、その当然の過程をふんでいきましょう。
  • 職業も住むところも自分の意思で決めましょう。
  • 性に興味を持ち恋愛をし、結婚をしましょう。
  • 生きていくために必要な経済的な保障を得ましょう。
  • 障がい者だからといって施設に住むことを強制されず、地域の人たちと共に生きられる普通の家を選びましょう。

ノーマライゼーションの具体例

ノーマライゼーションの実現に向けて、障がいを持つ人たちに社会的な役割を与え、施設に限定されない生き方をできるようにした取り組みが行われている。教育現場での障がい者と健常者の関わり合い方については、3つの考え方に基づいた取り組みが存在する。 

インテグレーション(統合教育)とは、「障がい者と健常者が違うということを理解した上で同じ場所で同じ教育を受ける」という意味であり、この考え方によって、障がい者であっても養護学校に限定されず、普通学級での教育を受ける権利が浸透するようになった。

メインストリーミング(主流化教育)とは、「健常者の通う学校に障がい者の生活を置く」という意味である。同じ社会(学校)の中に障がい者と健常者の区別がない環境があるという点で、ノーマライゼーションの理念実現に向けた取り組みの一つとして考えることができる。

インクルージョン(包括教育)とは、メインストリーミングをさらに拡張した考え方で、「障がい者が学校の中で過ごす時間のほとんどを、普通学級で過ごす」という意味である。障がい者用に配慮された特別学級での授業以外の日常を、普通学級の児童たちと過ごす。このインクルージョンが学校内で行われることで、日常の生活のなかに、障がいを持つ者と健常者とが当たり前に存在するのだという概念が生まれ、真のノーマライゼーションが実現してくと言われている。

ノーマライゼーションに関連するWebサイト




フリーランス

英語:freelance

フリーランスの意味とは

フリーランスとは、企業や団体に所属することなく、個人として仕事を請け負う活動・契約形態、および、そのような形で仕事を請け負う人。フリーランスは、英語で「freelance」と表記する。「freelance」の語源は、自由な立場であることを表す「free」と槍を表す「lance」が組み合わさったものである。中世ヨーロッパの時代、傭兵団に所属せず、戦争のたびに傭兵団と契約して戦地に赴く人々のことをフリーランサー(free lancer)と呼んだことに由来して、企業に属さず働く人たちのことをフリーランス、フリーランサーと称するようになった。

フリーランスの主な職種

フリーランスで働く人が多い職種としては、エンジニア、デザイナー、ライター、イラストレーター、翻訳家、通訳などが挙げられる。

フリーランスになる方法とフリーランスのための保険「小規模企業共済」のメリット

フリーランスになるには、特別な資格や手続きを必要としない。ただし、個人事業主として開業届を出しておくことによって得られるメリットがある。なお、開業届の正式名称書類は「個人事業の開業・廃業等届出書」であり、提出先は事業を行う最寄りの税務署となる。

開業届を提出するメリットの一つとして考えられるのが、税務に関する青色申告が可能になるということ。白色申告よりも青色申告の方が控除される額が大きく、同じ売上の場合、可処分所得(手取り)が多くなる。また、赤字を翌年以降に繰り越していくことが可能になるので、節税効果が高くなる。たとえば、開業初年度に仕事が少なくて赤字になり、二年目以降に黒字であったとしても、繰り越した赤字を二年目の黒字と相殺して納税対象の利益を減らすことが出来る。

開業届を出すメリットとしては「小規模企業共済」にも加入できるという点が挙げられる。小規模企業共済とは、廃業時に生活資金が支払われる制度のことで、「退職金と同じような扱いを受けることができる」「事業用の資金を借り入れることもできる」という利点がある。共済に加入するための掛け金は、全額が損金扱い(経費として処理できる)となるので、節税効果もある。

フリーランスが請求書を発行する時や、支払いをする時の消費税と源泉徴収税の扱い

2020年1月現在の法令によると、売上高が1000万円未満または開業から2年間は消費税の納税義務が免除される仕組みになっていて、フリーランスの立場で働く人たちも該当する。ただし、納税義務が免除されていても、フリーランスが請求書を発行するときは相手方に消費税を請求しても問題はない。

売上の金額に応じて、フリーランスを含むすべての人(事業主)は確定申告によって税金を支払う必要がある。ただし、以下に該当する報酬の場合は、フリーランスの取引先(フリーランスからの請求書を受けて支払いを行う側)が源泉徴収税を差し引いて、差し引いた分を納税する義務を負う。


  1. 原稿料、講演料、デザイン料など
  2. 弁護士、公認会計士、司法書士等へ払う報酬
  3. 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
  4. プロ野球選手、プロサッカー選手、モデル等に支払う報酬
  5. 芸能人や芸能プロダクションを営む個人に支払われる報酬
  6. 宴会等で接待を行うコンパニオンへ支払われる報酬
  7. 契約金など役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
  8. 広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金


留意するべきは「1」のデザイン料であり、これに「ウェブサイトの制作費用」は該当しない。つまり、「ウェブサイトのデザイン」は源泉徴収の対象となるが「ウェブサイトのプログラミング、設計など」は源泉徴収の対象とはならないということである。

フリーランスとして仕事を得るための方法、フリーランスのデメリット

時間や場所に束縛されず働くことのできるフリーランスだが、競争も激しく、仕事がない、または仕事があっても報酬が安く生活ができないといった問題点がある。最近では、就業したまま副業もする就労スタイルを認める企業も増えてきたので、いわゆるダブルワークとしてフリーランスとしての活動に取り組む人も増えつつある。

仕事を得るために、副業として取り組める業務を仲介しているサービス(いわゆる副業サイト)に登録する人も多い。ランサーズ、クラウドワークス、ココナラなどのサービスをはじめとして、副業紹介サイトは複数あるが、ひとつの案件に対して応募する人の多い傾向があり受注単価が安くなってしまう可能性もある。

フリーランスに関連するWebサイト





2020年2月17日月曜日

デポジット

英語:deposit

デポジットの意味、語源

デポジット(英: deposit)とは、あるサービスを利用する際に、そのサービスの提供者に一旦預けておき、のちに返却もしくは別の支払いに充当される金銭のこと。

「デポジット」は、英語で保証金、預金、供託金などを意味する名詞depositに由来する語である。英語depositは、降下することを意味する接頭辞de-と、置くことを意味するpositから成る語で、「下に置くこと」が原義である。

「デポジット」の言い換え

「デポジット」は、「預かり金」「預かり保証金」などということもある。国立国語研究所の「『外来語』言い換え提案」では、「デポジット」をわかりやすく言い換える場合は「預かり金」「預かり金払い戻し」などとすることが提案されている。

デポジットの例、およびデポジットがいつ返ってくるか

デポジットは、典型的には、コインロッカーを含む荷物預かりのサービスにおいて、荷物を預ける際に一旦いくらか支払い、その荷物を受け取る際にあわせて返却される金銭などがこれにあたる。

缶・瓶入りの飲料や、専用の容器で販売される食品では、販売価格にデポジットがいくらか上乗せされており、容器を返却するとデポジットが返金されるものがある。この方式を「デポジット方式」、この制度を「デポジット制」「デポジット制度」といい、容器の使い捨てを防いで環境への負荷を減らす効果があるとされる。

デポジット制のうち、法令で義務付けられたものを「強制デポジット」、民間で自主的に行われるものを「自主的デポジット」「ボランタリーデポジット」という。強制デポジットは、1953年にアメリカのバーモント州で飲料容器を対象に実験的に導入されたことに始まり、80年代から90年代にかけて北米および欧州に普及した。アジアでは、台湾が1992年からペットボトルを対象とした強制デポジットを実施している。

日本では、デポジット方式は古くからビール瓶において自主的に導入されているが、その他の容器では一部の地域での導入にとどまっている。一部の地域でのみ実施されているデポジット制を、特に「ローカルデポジット」という。

SuicaやICOCAをはじめとする交通系ICカードにおいても、一般にデポジットが導入されており、ICカードの購入時にデポジットを支払い、ICカードを返却するとデポジットが現金で返金される仕組みとなっている。なお、Suicaの場合、手持ちのSuicaカードをモバイルSuicaに移行した場合にも、当該のカードを返却することでデポジットが返金される。また、手持ちのSuicaカードをApple PayのSuicaに移行した場合には、デポジットはApple PayのSuicaの残高として追加されることにより返金される。

通行料金が金融機関口座から引き落とされるETCパーソナルカードでは、有料道路の利用額に応じてデポジットを預託する必要がある。このデポジットは、有料道路の料金の支払いには充当されず、カードの解約時に返金される。

ホテルなどにおけるデポジットおよびデポジットがいつ返ってくるか

航空券やレストランなどの予約時や、主に海外でホテルなどの宿泊施設やレンタカーなどを利用する際、また主に海外で賃貸借契約を取り結ぶ際に保証として支払う金銭もデポジットという。これらは、返金される場合と、支払いに充当される場合とがある。

一般に、中国を含む海外のホテルでは、チェックイン時にデポジットを預ける必要がある。これはクレジットカードで支払うのが一般的であるが、クレジットカードがない場合、現金で支払える場合もある。実際の手続きとしては、ホテル側はクレジットカードの控えを取るだけであることも多い。デポジットは、飲食費や電話代など、ホテルで宿泊費のほかにかかった費用があればその支払いに充当され、チェックアウト時に清算される。なお、国内ホテルでは、デポジットを要求されることはまれである。

「デポジット」の例文


  • デポジットを請求する
  • デポジットを返金する
  • デポジットの払い戻しが滞る
  • デポジット料金


(執筆:稲川智樹)

2020年2月13日木曜日

インフルエンサー

英語:influencer

インフルエンサーとは、SNSなどを通じて情報発信し、それによって多くのフォロワーに影響を与えている人物を指す言葉。インフルエンサーは、流行・トレンドの発信源として多大な影響力を持っており、企業のマーケティング戦略においても重要視されている。

インフルエンサーの語源

インフルエンサーは、英語の influence(影響を及ぼす)に、「~する人」という意味の接尾辞 -er を足して、「影響を及ぼす人」という意味合いを示す言葉である。ちなみに、英語の influence には名詞と動詞の用法があるが、接尾辞 -er は名詞・動詞どちらの品詞にも結合する。

influence の語源はラテン語の influere に遡る。根源には「中に流れ込む」という意味合いがある。さながら奔流のように多くのモノやヒトを巻き込んでいくようなイメージで捉えてよい。

「インフルエンサー」と「インフルエンザ」の関係

なお、いわゆる流行性感冒・インフルエンザ(influenza)は、もともとは influence と同語源のイタリア語である。外来語としてのイタリア語表記が、流行性感冒を意味する固有名詞的な単語として、英語の中で定着したというわけである。

インフルエンサーとは具体的に何を指すのか

インフルエンサーと呼ばれる人の大半は、インスタグラム(Instagram)をはじめとするウェブ上のソーシャルメディア(いわゆるSNS)上で、インフルエンサーとして活動している。

インスタの他にもツイッター(Twitter)、フェイスブック(Facebook)、ユーチューブ(YouTube)、ティックトック(TikTok)、それにアメブロ(AmebaBlog)その他のブログメディアなどが、インフルエンサーの活動・情報発信の場として活用されている。どのサービスも、一般消費者が情報発信を行える場(すなわちソーシャルメディア)である、という点において共通している。

インフルエンサーは「インスタグラマー」や「ユーチューバー」とは何が違うのか

ソーシャルメディア上で多大な人気を獲得しているアカウントは、各サービス名に -er を加えて「インスタグラマー」や「ユーチューバー」などのように呼ばれることも多々ある。こうした呼び名の先駆といえば「ブロガー」だろう。

「インフルエンサー」と「インスタグラマー」等の呼び名が指す対象は、実際のところ重複する部分がかなりある。

「インフルエンサー」と「インスタグラマー」の違いは、前者(インフルエンサー)がマーケティング的な観点に基づく言葉であり、後者(インスタグラマー)は当該サービスにおける立ち位置という観点に着眼した言葉である、といえる。

インフルエンサーの具体例は? 例えば誰がインフルエンサーなのか

よく知られたインフルエンサーの名前を挙げるとすれば、たとえば国内ではタレントでインスタグラマーの渡辺直美、ユーチューバーのヒカキン(Hikakin)などが筆頭に挙げられる。海外では歌手のアリアナ・グランデ、同じく歌手のテイラー・スイフト、ジャスティン・ビーバー、サッカー選手のネイマールやクリスティアーノ・ロナウドなどが世界的なインフルエンサー(およびインスタグラマー)として知られている。

インフルエンサーは「多くの人に影響を与える」ための前提として「多くの人に向けて情報を発信する」という条件が必要不可欠である。つまり自分の投稿を目にしてくれるフォロワー(YouTubeならチャンネル登録者)の数が多くなければ話にならない。そのため、インフルエンサーとして活動する前から名前や顔が知られている有名人(たとえば芸能人・芸人・タレント・歌手・俳優・スポーツ選手・文化人など)は、SNSにアカウントを開設する前にファンが居たりするわけで、インフルエンサーとして立身する条件としては一般人よりよほど有利といえる。

とはいえ、あらかじめ名前が世に知られている人物でなければインフルエンサーにはなれない、というわけでは全くない。魅力的な情報の地道に発信し続けてファンを増やしていき、無名の一般人と同じ条件からインフルエンサーとして名を馳せるに至ったインフルエンサーも大勢いる。(ヒカキンはその代表例である)

そして、マーケティング戦略という観点から捉えた場合には、むしろ芸能人やスポーツ選手といった名声のある人物よりも、比較的小規模ながら純粋にインフルエンサーとして世に知られている人物の方が、かえって重視されることが多々ある。なぜかというと、より一般ユーザー(一般消費者)に近い立ち位置の「中小インスタグラマー」の方が、自社商品のプロモーション活動に一役買ってもらえる可能性が高いためだ。

どうすればインフルエンサーになれるか

インフルエンサーとして世に認められ活躍する(あわよくば儲ける)ために必要なことは、「多くの人を感化させる魅力的なコンテンツを世に発信する」ということに尽きる。

セオリー(定石)は皆無、と割り切る。もしセオリーがあったとしても、それがセオリーとして確立される頃には既に陳腐化しており、有効な手法ではなくなっているに違いない。

できるだけユニークな(独自の)発想・観点で、親しみやすく、共感を得られるような、しかも斬新な、人々の心をグッとつかむような事を、発信する必要がある。こんな抽象的な、ほとんど言わずもがなの課題を、実際どう具体化すればよいのか? それは誰にも教えられない。ただ自分なりの方法を見つけた人がインフルエンサーとして成功を収めているという事実があるのみだ。

なお、インフルエンサーのSNS上の活動は、少なくともSNSの利用方法は、基本的には、インフルエンサーでない一般のSNSユーザーと同じである。事業として「インフルエンサー業」に取り組んでいるという人もいるでしょうけど、多くは本業の傍ら全く無関係に、または本業の一環・副産物として、活動していると考えてよい。

そういう(本業が他にある)人も、肩書きとして「インフルエンサー」を名乗っている場合はあるかもしれない。しかし「インフルエンサー」は一種の称号のようなものであり、自ら名乗るようなものではない。