新語時事用語辞典とは?

2020年1月25日土曜日

リツイート

英語: retweet
別名:RT

リツイートとは、ソーシャル・ネットワーキング・サービスの1つであるツイッター(Twitter)において、他者もしくは自分の投稿を再度投稿する機能のことである。リツイートという語は、英語で「つぶやき」を意味する動詞・名詞tweetに、「再び」を意味する接頭辞re-が付いたもので、ツイッター上ではRTと省略した形で表記されることもある。

通常、リツイートはある投稿の内容をそのまま再投稿して他者に広めるが、自分の意見や感想などを書き足して再投稿することも可能であり、こうしたリツイートの方法は「引用リツイート」と呼ばれる。リツイートは何度再投稿された場合でももともとの投稿者は変わらないが、引用リツイートはコメントを書き足した投稿者のものとみなされる。

リツイートは、ツイッターのタイムライン上のリツイートボタンを押し、リツイートまたは引用リツイートのいずれかを選んで行う。リツイートは手軽にできることから、多くの人が「興味深い」「共感できる」と感じたツイートが爆発的に広まって注目を集める(バズる)ことがよくある。

リツイートは簡単にできるために素早く多くの人に広めることが可能であるが、ときに誤った情報が広められてしまうこともある。そのため、リツイートをする前にはその情報が正しいかどうかをできるだけ確認することが推奨される。

ワークアウト

英語:workout

ワークアウトとは、基本的には「練習」「トレーニング」「運動」を意味する英語表現であり、身体機能を高めるための運動、またアメリカの総合電機メーカーであるGE(ゼネラル・エレクトリック)が業務改善や問題解決のための手法・取り組みのことである。

GEの業務改善運動としてのワークアウトは、当時のGEの会長兼CEOであったジョン・フランシス・ジャック・ウェルチ・ジュニア(John Francis Jack Welch Jr.)によって制度化され、1980年代末から全社をあげて導入・実施された。

ワークアウトは一般的に2~3日に渡って開催されることが多いが、短時間で済ませることもあり、この短時間のワークアウトは「エクスプレス・ワークアウト」と呼ばれる。ワークアウトの具体的な進め方は、まず話し合うべき課題を選び、その課題に対し決定が委ねられるリーダーを任命することから始まる。その後、課題に取り組むメンバーをさまざまな階層から選出してチームを作成、課題に対する解決策をチームで考え、リーダーに提案し全員で話し合う。話し合いを経て、最終的に出された解決策を実行するかしないかをその場でリーダーが決定する。

例文:

  • 来週、社内でワークアウトを行う予定だ。
  • ワークアウトの結果、社風を変えることに成功した。

スタートアップ

英語:startup

スタートアップとは、「起こす」や「行動を開始する」を意味する英語、startupをカタカナで表した語である。

スタートアップ(またはスタートアップ企業)という語は、日本のビジネスシーンにおいては、まだ誰も取り組んだことがない新しいビジネスを一から開始し急成長している事業や企業を指すことが多い。また、スタートアップの特徴として、ただ目新しいというだけでなく社会に価値をもたらすことを目的とする事業内容であることも挙げられる。

スタートアップの類語としては「ベンチャー(英: venture)」が挙げられる。日本では「ベンチャー」のほうがよく使われる傾向にあるが、英語のventureの本来の意味は「投資家」「投資を行う企業」であり、日本語のベンチャー(またはベンチャー企業)とは意味が異なるため、和製英語に該当する。スタートアップが社会貢献を目的とする新しい事業を行う企業を指すのに対し、ベンチャーは広く一般に創業から数年の中小企業を指す。また、多くのスタートアップが短期間での成功を目指すのに対し、ベンチャーは中長期的な経営を目指すという点でも異なる。ただし、日本ではスタートアップとベンチャーの区別があまり明確にされないことも多い。

例文:

  • 友人に誘われ、スタートアップへの転職を決意する。
  • 下の階に新しく越してきた会社は、スタートアップ企業だそうだ。

「スタートアップ支援」は、「スタートアップを支援する」という意味であり、スタートアップ企業に投資を行い、経営をサポートすることである。

シンクタンク

英語:think tank

シンクタンクとは、さまざまな分野の専門家を集め、政策、現状分析、開発など高度な研究を行う組織のことである。シンクタンクという語は、英語で「考える」「思う」を意味する動詞think、そして「(水やガスなどを貯蔵する)タンク」を意味する名詞tankが組み合わさってできた語である。日本語では頭脳集団(ずのうしゅうだん)と呼ばれることもある。

シンクタンクの対応領域は非常に幅広く、政治経済をはじめ、金融、科学技術、国際情勢、環境、農業などさまざまであり、依頼者も政府から一般企業まで多岐にわたる。世界で最も古いシンクタンクはイギリス・ロンドンに本部を構える英国王立防衛安全保障研究所、通称RUSI(The Royal United Services Institute for Defence and Security Studies)であり、1831年に創設された。日本においては、1965年4月に創設された野村総合研究所、通称NRI(Nomura Research Institute, Ltd.)が本格的なシンクタンクの始まりだとされている。

シンクタンクの類語としては「コンサルティングファーム」が挙げられる。いずれも依頼者に提案・助言するという点では同じだが、シンクタンクが調査や研究、分析などを行うことを主な業務とするのに対し、コンサルティングファームは依頼者の経営上の課題を解決し実行までの支援をすることを主な業務としている点で異なる。しかし、近年ではコンサルティングファームが行うようなコンサルティング業務をシンクタンクが行うこともあり、明確な違いはなくなってきている。

例文:

  • シンクタンクの研究員に企業戦略についての助言を求める。
  • 4月から民間シンクタンクで働くことになった。

「民間シンクタンク」は、銀行や証券会社、商社といった大企業のグループ会社が運営するシンクタンクで、経営課題・戦略に関する提案や助言などから企業をサポートする。これに対して、政府系のシンクタンクは主に政策の立案や提言を行う。

通信

読み方:つうしん

通信とは、何らかの方法によって他者に自分の考え・様子や情報などを伝えることである。通信という語は「信を通じる」、すなわち「信(=便り、合図)を交わす」という意味であると解釈できる。

現代においては、通信という語は電話やインターネットをはじめとする有線・無線の電気通信を指す意味で使われることが多い。人間の聴覚や視覚に頼って行われる伝言、警報、手旗、光など、そして郵便や伝書鳩も通信の形態の1つである。

通信の類語としては「伝達」「連絡」「消息」「通知」「報道」「コミュニケーション」などが挙げられる。「伝達」や「連絡」は、誰かとつながりを持ち、何かを伝えるという点では「通信」と同じであるが、「伝達」は主に意思や命令、「連絡」は単にある事柄を伝える意味合いが強いという点で「通信」とはやや異なる。また、「通信」は電気通信のニュアンスが強いが、「伝達」「連絡」は口頭・文書で行われることが多い。

「通信機器」は、通信衛星、固定電話や携帯電話、ルーターなど、電気通信を行うために用いる機器のことである。

「通信回線」は、コンピューター間でデータの送受信をするときなど、有線・無線にかかわらずデータの経路となるものである。

例文:

  • 地震による大規模な通信障害が発生し、混乱状態となった。
  • 人里離れた山奥では、通信手段が限られる。



坂東太郎

読み方:ばんどうたろう

坂東太郎とは、利根川(とねがわ)の異名である。

利根川は新潟県南魚沼市の大水上山(おおみなかみやま)を水源とする全長322キロメートルの一級河川である。利根川は関東地方を北から東に流れ、千葉県銚子市を河口とし、その長さは上越新幹線の東京~新潟間とほぼ同じ距離になる。

坂東太郎の「坂東」とは、相模国の足柄山・箱根山以東を指し、現在の「関東」にあたる。「太郎」とは長男につける名前の代表である。利根川は坂東(関東)にある日本一の川(長男)といった意味合いで「坂東太郎」と名付けられた。

利根川は日本三大暴れ川の1つとされる。暴れ川とは、洪水などの水害が多い川のこと。日本三大暴れ川の残り2つは、熊本県の阿蘇山を水源とする筑後川と、高知県と徳島県を流れる吉野川で、それぞれ「筑紫次郎(筑後川)」「四国三郎(吉野川)」という異名がある。

国土交通省利根川上流河川事務所のウェブサイトによれば、利根川は万葉集にも詠まれた大河とされており、利根川の「トネ」がアイヌ語の「トンナイ(広くて大きい川)」に由来する説もあるなど、利根川が古くから親しまれている川であることが推察できる。

関連サイト:利根川の紹介(利根川上流河川事務所ホーム)

ドS

読み方:ドエス
別名:どS

ドSとは、加虐嗜好が行き過ぎていること、またはそのような言動が日常的に見られる人のことである。

ドSの「ド」の由来は諸説ある。大阪や名古屋で用いられる接頭語の「ど」(例:どアホ、どえらい)、歌舞伎や浄瑠璃で用いられる罵り言葉の「どう」から変化した「ど」、度量衡の「度」を用いて程度を表すとした「ど」、1906年建造ドレッドノート戦艦の「ド」(超ド級:基準を大幅に超えているといった意味合い)などがあるが、「ドレッドノート戦艦説」については、1906年以前の文献にも強調の接頭語「ど」を用いた記述が見られることから否定できる。

ドSの「S」はサディスト(英:sadist)の頭文字である。サディストとは、加虐行為により相手に苦痛を与えることで興奮を覚える傾向にある人のことである。

このことから「ドS」とは、「行き過ぎた加虐嗜好の人」といった意味合いで用いられる言葉と言える。現在では性癖といった本来の意味合い以外に、「人を責め立てて喜ぶ性格の人」といったニュアンスで用いられることもある。

一般的に「ドS」と言われる人は、他者を責めたり痛めつけたりするのは好きだが、自分が責められることは好まないため、自分の弱みを隠す傾向にある。また、感情が表に出やすく、他者からリードされたり仕切られたりするのを嫌うといった特徴も見られる。

  • 彼女は草食系男子よりもドS男子が好みらしい。
  • あの人、ドSなように見えて結構Mっ気あるよね。

ドSと似た意味合いの「サディズム」は加虐性欲のことであるが、虐げる対象には動物なども含まれ、精神的に異常な状態であることを示す場合もある。

ドSと対極的な意味を持つ「ドM」の「M」はマゾヒスト(英:masochist )の頭文字である。マゾヒストとは精神や肉体に苦痛を与えられることに快感を覚える被虐嗜好の人を指す。ドSと同様に、ドMも本来の「性的嗜好」といった意味合い以外に「自分を追い込むのが好きな性格」といった意味合いで用いられることもある。

慶弔

読み方:けいちょう

慶弔とは、人生においての祝い事と悔み事の総称である。

慶弔の「慶」は、結婚・出産などの人生における祝い事を指す。慶弔の「弔」は、葬儀などの人生の不幸を指す。相反する2つの語を合わせて「人生の祝い事や不幸などの節目」といった意味合いで用いられる。慶弔は名詞的用法で、「慶弔行事」「慶弔電報」のほか、「慶弔用の礼服」などの複合語としての使われ方もある。

慶弔と同じように縁起のいい語と縁起の悪い語を並べた言葉に「吉凶」がある。吉凶は「年明けに一年の吉凶を占う」といった使われ方があり、物事の行く末を案じる際に用いられる言葉である。また、慶弔は式典行事が伴うが、吉凶は予兆を感じる・占うものとして用いられる。

  • 配偶者親族の慶弔行事には欠かさず出席するようにしている。
  • 慶弔の場合には、当事者との関係によって慶弔休暇が認められる。

慶弔時に取得できる「慶弔休暇」とは、親族の結婚・出産・死亡時等において取得できる休暇のことである。取得できる休暇日数は親族との関係性や企業の慶弔規定等によって異なる。「慶弔金」とは慶弔時に企業から支給される手当である。

及第点

読み方:きゅうだいてん

及第点とは、合格基準を満たしている点数、または最低限の基準をかろうじて満たしている状態のことである。後者の用法で「及第点」を用いる際には、合格点数などの基準が明確には定められていない場合もある。

及第点の語源である「及第」は中国語に由来する。中国語の「及」は「届く」、「第」は「大きな屋敷」を意味することから、「及第」とは「(官僚試験等に合格すれば)大きな屋敷(で働くこと)に手が届く」といったニュアンスと言える。「及第」に必要な点数として「及第点」という表現が使われるようになった。

「及第点」は自身の謙遜表現として使うことはできるが、目上の人を評価する際に用いる語として使うのは失礼にあたり、不適切と言える。「及第点」は「取る」「達する」といった動詞と共に用いられることが多く、おおむね文脈意味ニュアンスによって使い分けられる。「及第点に達する」には、努力などが報われて概ね基準を満たしているといった評価が得られたというニュアンスがある。「及第点を取る」には、次のステップへ進むための通過すべき評価をかろうじて得ることができたといった意味合いがある。

話者によって基準や明確な点数が曖昧な「及第点」に対し、「合格点」はその点数が明確かつ客観的に示される。「及第点」と似たニュアンスの「まあまあ」は、実際にはさほど良くない場合にも「調子はまあまあだよ」といった使われ方をする場合がある。

  • 弟が初めて作った料理は素晴らしい出来とは言えないものの、及第点といえる。
  • 今月の営業成績はかろうじて及第点といったところだ。
  • 追試で及第点を取って、なんとか卒業することができた。

なんとか一定の評価を得たといったニュアンスの「及第点」の対義語としては、「落第点」「不合格」などがある。「落第点」は、進級に必要な評価が得られず「落第」してしまう点数のことである。「不合格」は、合格基準を満たしていないため、合格の判定が得られなかった状態である。

ロイヤリティ

英語:royalty
別名:ロイヤリティー
別名:ローヤリティー
別名:ローヤリティ

ロイヤリティとは、特許権・商標権・著作権などの使用料のことである。

英語のroyaltyは、形容詞のroyal(王権の下にある)に接尾辞-tyがついた名詞で「王室」「王権」といった用法が第一義である。日本語における「ロイヤリティ」の語には、「王室」「王権」といった用法はほぼ見当たらず、むしろ「特許権使用料」や「著作権使用料」を指す意味で用いられる。

ロイヤリティとは、最初に発明・発案・創作した人に対して支払う対価である。ロイヤリティは名詞的用法で用いられる。具体的には「ロイヤリティを支払う」や「ロイヤリティが発生する」といった使われ方がある。特許権や商標権、著作権などがかからないことを「ロイヤリティフリー」という。

ロイヤリティの意味の中には「印税」も含まれるが、ロイヤリティが著作権等の権利を使用する個人・法人が著作権等の権利を持っている個人・法人に支払うのに対し、「印税」は書籍や音楽などを管理する出版社や音楽会社が作者に報酬の一部として支払うものである。

  • フランチャイズ契約では、独自のノウハウ伝授の対価としてロイヤリティを支払う。
  • 本ネットワークビジネスでは、獲得した顧客1人につき10%のロイヤリティが発生する。

ロイヤリティは、「ロイヤリティー」や「ローヤリティー」と表記される場合もある。ロイヤリティと綴りも発音もよく似ているロイヤルティ(英: loyalty)は「忠実」や「誠実」といった意味合いで「彼は会社へのロイヤリティが高い」といった使われ方をする。
「ロイヤリティ/ロイヤルティ」のカタカナ表記にはしばしば揺れがある。例えば、店舗に対する信頼や愛着の度合いを「ストアロイヤリティ(英: store-loyalty)」というが、この場合は「loyalty」の意味合いで「ロイヤリティ」とも「ロイヤルティ」とも表記される。

カタカナ表記における「ロイヤリティ/ロイヤルティ」が「royalty/loyalty」のどちらを指すのかという定義は明確には決まっておらず、意味合いも文脈で判断することが多い。