新語時事用語辞典とは?

2020年4月1日水曜日

PCR検査

読み方:ピーシーアールけんさ
別名:PCR検査法

PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)と呼ばれるDNAの増幅技術を活用した遺伝子解析および検査の方法。2020年春現在、いわゆる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染の有無を精査する有力な手法のひとつとなっている。

PCRは、ごく少量のDNAを、比較的短時間で、分析試料として足るだけの量に増幅できる技術である。遺伝子工学においては必須の技法であり、医学研究から法医学・古生物学まで、さまざまな用途に活用されている。ちなみにPCRの手法を開発したマリス(Kary Mullis)は同功績が讃えられノーベル化学賞を授与されている。

PCR検査を感染症の検査に活用することで、高い精度で(しかも迅速に)DNA上の痕跡から感染の有無の判断、およびウイルス等の病原の同定が可能となる。しかしながら、判定の精度には限りがあり、採取する検体の部位によって精度はさらに違ってくる。「DNAの増幅」という特殊な手法を用いるため、実施にはそれ相応の高度な技能や設備が必要であり、一度に検査できる数には限りがあるという難点もある。

ECMO

読み方:エクモ
別名:体外式膜型人工肺
別名:ExtraCorporeal Membrane Oxygenation

血中のガス交換(二酸化炭素の除去および酸素の付与)という肺の機能を代行する生命維持装置。患者の静脈血を抜き取り、成分を交換して再び体内に戻す。主に重度の呼吸不全に陥った患者の生命維持ないしは蘇生の手段として用いられる。

ちなみに、いわゆる「人工呼吸器」は肺にガス(空気)を送るための《呼吸》を補助する装置であり、患者自身の肺の機能を用いる点でECMOと大きく異なる。「人工心肺装置」は、多くの場合は心臓手術などを行う際に用いられる装置が念頭に置かれる。外部装置を用いて血液のガス交換を代行する点ではECMOと共通しており、ECMOを指して「ECMOと呼ばれる人工心肺装置」のように説明される場合はある。

ECMOは、重度の呼吸不全に陥り人工呼吸器でも生命維持が難しくなっている患者に肺のガス交換機能を提供維持できる装置といえる。しかしながらECMOの配備や運用には多大なコストが必要ではある。