新語時事用語辞典とは?

2020年5月7日木曜日

クリエイティブ

英語:creative

クリエイティブとは、クリエイティブの意味

クリエイティブとは、一般的には創造的、独創的であること。日本語では、広告の製作物のことをクリエイティブと表現する。広告素材のクリエイティブにはバナー広告やテキスト広告、メール広告の3種類がある。インターネット広告でクリエイティブという場合には、主としてバナー広告を意味する。バナー広告およびテキスト広告は、クリックすることによって広告主のWEBサイトに遷移するものである。

クリエイティブの語源

クリエイティブの語源は英語の creative という形容詞にある。英語の creative は、創造するという意味を持つ動詞の create と「~の性質を持つ」という意味のある「ive」が組み合わさった単語である。英語の creative は創造的な、独創的な、創造力のある、工夫して作る、編み出されるなどの意味を持つ言葉である。creative の語源はラテン語の creare で、産み出す、育てるという意味がある。「創造する」という意味合いには、神が世界を創造したというニュアンスが含まれる。すなわち、これまでなかったものを神が作り出したという意味である。人間の手によって創造される場合も、これまでなかったものが作り出されることを意味する。

クリエイティブという言葉を形容詞として使う場合は「クリエイティブな発想」「クリエイティブな人」などのように、「~な」+名詞という形式で使われることが多い。独自の発想や表現、個性を持つものとして表現される。クリエイティブは人に対しても物事に対しても使える言葉である。何かの言葉にクリエイティブという言葉が冠されている場合は、他にはない、唯一無二のという意味合いを持たせることで他とは一線を画している。また、広告やデザイン業界では、クリエイティブというカタカナ語を広告素材や製作物、制作者や製作部門を意味する言葉として広く使っている。

広告業界で用いられるクリエイティブ

クリエイティブという言葉を形容詞ではなく名詞として使うのは広告業界である。広告業界で使われるクリエイティブという言葉は、広告に掲載する写真やイラストを意味する。インターネット上のバナー広告で使われている写真やイラストなどもクリエイティブと呼ばれる。バナー広告、テキスト広告、メール広告といった形式を問わず、すべての広告素材はクリエイティブである。一方、バナー広告に使用する写真やイラストをクリエイティブと呼ぶことも多い。この場合、テキスト広告はバナー広告とは区別して原稿と呼ばれる。

クリエイティブ産業とは何か

コンピューター技術の発展を受けて、現代社会では独創性や創造性のある仕事が高く評価されてきている。経済産業省はファッション、食、コンテンツ、地域産品、すまい、観光、広告、アート、デザインなど独創性や創造性のある9つの産業をクリエイティブ産業と定義している。クリエイティブ産業には文化を創り出したり発信したりする仕事が多く含まれているため、クリエイティブ産業を発展させることは文化の発展にもつながる。

この他、転職サイトや求人サイトで職種を表す言葉としてクリエイティブという言葉が使われている。クリエイティブ職といわれるもので、新しいものを作り出す力が必要とされる職種を意味する。クリエイティブ職には、実際にデザインや制作を行うクリエイター職とクリエイターの監督やスケジュール管理を行うプロデューサー職がある。プロデューサー職にはクリエイティブディレクター、ゲームプロデューサー、Webプロデューサーなどの仕事がある。

クリエイティブディレクターは広告制作の進行やクリエイターの指揮や監督を務める。ゲームプロデューサーは世の中のゲームの流行を調査し、どの機種にどのようなゲームを出すかを決定し制作管理を行う。WEBプロデューサーはWEBサイトの企画、制作、運営全般を行う役目を果たす。クリエイター職にはWEBデザイナー、ライター、グラフィックデザイナーなどがある。WEBデザイナーはクライアントの要望に応じたWEBサイトのデザインを行う。ライターは紙媒体のみならずWEBサイトに掲載する文章を企画内容に沿って執筆する。グラフィックデザイナーは商品パッケージや書籍、ポスターなどをデザインする。

インセンティブ

英語:incentive

インセンティブとは、インセンティブの意味

インセンティブとは、意欲を引き出すことを目的として外部から与えられる刺激のこと。インセンティブは、ビジネスシーンにおいては目標やノルマを達成した際に支給されるボーナスや報奨金という意味でよく用いられている。そのため、インセンティブの語は成果報酬と捉えられることが多い。

インセンティブの語源

インセンティブは、英語で「incentive」と表記される。英語の incentive の語源になっているのは「励ます」という意味を持つラテン語の incentivus である。そこから派生した英語の incentive は、何かの行動を起こさせることを目的とした刺激や動機、誘因という意味を持つ。日本語におけるインセンティブも基本的には同じ意味合いで、動機を意味することが一般的だ。ビジネスシーンでインセンティブという言葉が使われる際には、働く上での意欲の向上や仕事における目標達成といった内的意欲を引き出すために、外的に与える動機付けや刺激という意味である。動機付け、見返り、報奨という言葉に言い換えることも可能である。

ビジネスシーンにおけるインセンティブの語の使い方

ビジネスシーンにおいては、販売目標やノルマ達成などの出来高制で報奨金を与えることがしばしば行われる。インセンティブとはこうした出来高制自体を意味することもあるし、こうした制度によって引き出される意欲を意味することも時としてある。インセンティブに似た言葉に「モチベーション」があるが、モチベーションは自発的動機付けも含まれるのに対し、インセンティブは外部から与えられる動機である点で両者の持つ意味合いは異なる。日本の企業社会が年功序列型から成果報酬型に変化していることに伴い、企業がインセンティブを提供することが増えた結果、よく見かけられるようになった言葉である。

インセンティブは、一定の成果を出した社員に対して与えられる金銭的な報酬や手当だけを意味するわけではない。たとえば、スタッフの士気を上げることを目的とした労働環境の改善や、目標を達成したことに対する見返りとして旅行に出かけられる権利を得られることなども含まれる。すなわち、社員のモチベーションを上げるためのあらゆる制度のことである。

インセンティブの語の用例、使い方

インセンティブは主として給与形態に用いられる言葉であり、こうした企業の給与形態はインセンティブ報酬、インセンティブ契約、インセンティブ制度と呼ばれる。インセンティブ制度と書かれている場合は成果主義を取っており、基本給以外に成果に応じた報酬や手当を与える制度である。

インセンティブ制度の事例は、変動賞与制度や表彰制度、リーダー制度、インセンティブツアーなどが挙げられる。変動賞与制度は成果に応じてボーナスが加算される制度、表彰制度は成績優秀な社員を他の社員の前で表彰する制度、リーダー制度は実力があれば誰でもリーダーになれる制度、インセンティブツアーは成績優秀な社員だけが参加する権利が与えられる旅行のことである。報奨金という意味合いでインセンティブという言葉を使う事例には「インセンティブ導入」「インセンティブ設計」「インセンティブ付与」「インセンティブを支給」「インセンティブによって還元」などがある。

動機や刺激という意味合いで使う事例は「インセンティブが働く」「インセンティブを与える」「インセンティブを高める」などだ。「インセンティブが働く」という言葉は、スタッフがやる気になり業績が上がった場合など、報奨の仕組みが目標どおりに機能できている場合に使われる。「インセンティブを与える」という言葉は、成績優秀者にインセンティブを与えるという使われ方が一般的だ。「インセンティブを高める」は、例年よりも報奨金を多く出す場合や新規の報奨金制度を敷く場合など、報奨による効果をより高めようとする場合に用いられる。

クラスター

英語:cluster
別名:クラスタ

クラスターとは、クラスターの意味

クラスターとは、もとはブドウの房の意味であり、そこから転じて、ある属性に基づくグループ化された集団を意味する語のこと。具体的には、年齢や性別、居住地域などの人口統計学に基づくデータや、趣味、生活スタイル、思想などの心理的側面に基づくデータからグループ分けした集団を指す。日本語では、「群れ、集団、塊、房」と表現する。

クラスターの語はIT分野や天文学の分野で使われている

クラスターは、さまざまな分野で用いられる用語である。IT分野では、複数のコンピュータを統合させて、1つのシステムとしてまとめることをクラスターという。「クラスターあたりの空き容量を増やす」など、ディスク装置のメモリの単位としても使用される。

日本の大学においては、学部間で関連性のある科目をまとめたものをクラスターと呼んでいる。大学におけるクラスター制度とは、さまざまな分野を横断的、かつ専門的に学べる仕組みを指す。

天文学においては、星が集合している状態を「スタークラスター」と呼ぶ。日本語の「すばる」に当たるものもスタークラスターの1つである。まばらに集まっている星をオープンクラスター、球状に丸く集まっている星団をグローブラークラスターという。

クラスターの類語には集団、固まりなどがある。英語の cluster の類語は group である。

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)におけるクラスターとは

2020年に流行した新型コロナウィルス感染症(COVID-19)など、疫学におけるクラスターとは、ある時間、またはある地域内において、疾患や障害の発生率が異常な高さに及ぶ集団をいう。単に患者集団ともいう。特定の場所や人々のグループにおいてクラスターが発生することを「クラスター化する」という。

クラスター(患者集団)、または1人の患者が新たなクラスターを作り出すことをクラスター感染という。

クラスター分析は、個人や集団の意見や状況などから共通する項目を集めて分析し、調査に活かす手法のことである。クラスター分析を行うことによって、共通の症状や行動を抽出でき、その後のクラスター発生や拡大の防止につなげることができる。クラスター分析の手法には、階層クラスター分析」と「非階層クラスター分析」がある。階層クラスター分析は、調査項目を樹形図に落とし込み、それぞれの項目がどの程度近しい距離にあるかを分析する手法である。

項目同士は、低階層ほど近い関係にあり、高階層で結びつくほど遠い関係にあることが分かる。低階層にある近しい関係の項目に焦点を当てて分析をすることで、クラスターに対応すべき方法を導き出すことが可能となる。一方で、「非階層クラスター分析」とは、アンケート調査を行い、回答結果を傾向別にクラスターに分けて分析する方法である。回答者1人ひとりの傾向や行動志向を比較できるため、より細かいデータ分析に向いている。このようなクラスター分析の実施により、クラスター感染の経路や発生原因、二次感染状況における共通項目をあぶり出し、クラスター発生拡大防止のための手段を検討できることとなる。

「クラスタ」は特徴の際立って共通する集団のこと

クラスターは集団を表す言葉であるが、単なる集まりというよりも、特徴が際立って共通する集団について使われることが多い。例えば、趣味やエンターテイメントの分野で嗜好や思想が特徴的な仲間同士は「クラスター」から音引きを省いて「クラスタ」と呼ばれる。用例としては「文学クラスタ」「○○(アーティストなど)クラスタ」などがある。