新語時事用語辞典とは?

2020年6月25日木曜日

アマビエ

アマビエは江戸後期の刷り物(瓦版)を出典とする妖怪。海中より現れ、豊作と疫病の流行を予言し、自らの姿を描き写して人々に見せるようにと告げ、また海中へ帰っていったと伝えられる。瓦版には、長い頭髪のようなもの、菱形の目のようなもの、嘴のようなもの、鱗のような模様、三つ又の足あるいは鰭のようなものを有した、直立するアマビエの図が添えられている。

アマビエについて述べられている文献は瓦版が1種類のみであり、他の書物や口伝では確認できていない。なお、水木しげるが著した妖怪図鑑にはアマビエが描かれている。アマビエは誰もが知る妖怪というわけでなかったにせよ、知る人ぞ知る妖怪であった。

2020年3月初頭には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的な脅威として認識されつつある中、日本ではTwitterなどを通じてアマビエのイラストを拡散する動きが見られた。原典においても「流行り病」と「アマビエの絵を人々に見せる」ことが関連付けて述べられており(疫病除けの御利益が得られると明言されているわけではない)、原典におけるアマビエの絵も今日の「ゆるキャラ」に通じる愛嬌を漂わせていることもあり、Twitter上ではアマビエ関連ツイートやリツイートが数日で数万件に上るような活況を呈した。翌4月には厚生労働省が作成した啓発用画像にもアマビエが描かれるようになった。

ラーメンハゲ

マンガの登場人物(久部緑郎・原作、河合単・作画のグルメ漫画「らーめん才遊記」に登場する主要人物のひとり)である芹沢達也のあだ名。基本的には作中ではなくウェブ上の電子系地場などで言及される際に用いられる呼称である。

「らーめん才遊記」の作中において芹沢はラーメンに対する飽くなき探究心とマーケティング的視点をもつカリスマ的コンサルタントであり、その容貌は電子掲示板などでは特にイジられやすいツルッパゲである(毛がラーメンに混入しないようにあらかじめ剃っている)。そして作中ではラーメン屋あるいは外食産業の核心を突くような箴言を発している。これがウェブ上の電子掲示板などで引用・転載・拡散され、誰ともなく芹沢を「ラーメンハゲ」というあだ名で呼びはじめ、定着したという経緯がある。

後に作品の中で芹沢の肩書や異名のひとつとして「ラーメンハゲ」が付与されている描写がある。