新語時事用語辞典とは?

2020年6月29日月曜日

K防疫

読み方:ケーぼうえき

大韓民国(Korea)の防疫体制のこと。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策に関連する一連の韓国の施策の総称。さまざまな文脈で、さまざまなニュアンスを込めて用いられる言葉であり、「ユニークで効果的な初動対応を図り感染縮小に成功した」という意味合いで用いられる場合もあれば、「そのように韓国政府がしょうもない自画自賛をしている」という皮肉めいたニュアンスで用いられる場合もある。

韓国政府の文在寅大統領は、2020年5月11日に行った「文在寅大統領就任3周年特別演説」の中で「K防疫」に言及している。駐神戸大韓民国総領事館ウェブサイトの日本語訳によれば、大統領が自ら「K防疫」という言葉を使用している。

すでにわれわれは防疫において世界をリードする国となりました。
K防疫は世界の標準になりました。
―― 文在寅大統領就任3周年特別演説 | 駐神戸大韓民国総領事館

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が2020年前半を通じて世界的に感染拡大する中、韓国は「ドライブスルー検査」「ウオークスルー検査」に代表される各種の施策をいち早く講じた。いわゆる全数検査や徹底的な追跡などがK防疫の特徴といえる。これが欧米で注目を集め、実際に韓国では欧米ほど感染者数は増加しなかった。日本でも韓国型の全数検査を導入するべきだと主張する声がテレビ番組やSNSなどを通じて発信された。

新しい生活様式

読み方:あたらしいせいかつようしき

新しい生活様式とは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の抑止のため、感染症対策に通じる所作を日常生活の中に織り込んだ、旧来通りではない生活の仕方のこと。厚生労働省などが標語として用いている。

「生活様式」とは、生活における行動や考え方のありようのことである。単に個人の生活パターンやライフスタイルのようなものを指すわけではなく、「社会や集団の中で各人に共有されている行動のあり方」というニュアンスが含まれる。

厚生労働省が提唱している「新しい生活様式」の具体的な実践内容には、たとえば個々人レベルでは「社会的影響(ソーシャルディスタンス)の確保」「マスクの着用」「手洗い」などが挙げられている。他にも「3密の回避」「テレワークやオンライン会議の利用」といった項目が挙げられる。

新しい生活様式は、新型コロナウイルスの感染拡大という脅威が今後も(少なくとも当分の間は)根絶できず脅威として残り続けるという、いわゆる「アフターコロナ」あるいは「ウィズコロナ」の考え方が根底にあるといえる。以前と同じ生活を取り戻すのではなく、感染リスクが消えないことを前提として、リスクを減すための行動を習慣づけようというのが「新しい生活様式」の要諦といえよう。

関連サイト:
新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の実践例を公表しました ― 厚生労働省

COCOA

読み方:ココア

COCOA(新型コロナウイルス接触確認アプリ COVID-19 Contact-Confirming Application)は、厚生労働省が提供しているスマートフォン向けモバイルアプリの名称。2020年6月半ばに提供が開始された。iPhoneとAndoroidスマートフォンの両方に対応しており、それぞれApp Store、Google Playを通じて配布されている。

COCOAは新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触した可能性の検知および通知を目的とするアプリである。スマホのBluetooth(近距離無線通信技術)によって端末の近接を検知・記録し、感染症の陽性者と接触した可能性がある場合に通知する。これによって感染が疑われる人の検査や受診が促され、早期の治療や、無症状感染者による感染拡大の抑止が期待できる。

厚労省の資料によれば、COCOAが収集する情報は当該端末の中に暗号化して記録され(外部に送信されるような事はなく)、14日後に自動的に無効になる他、アプリを削除すればデータの任意の抹消も可能である。個人情報の収集に類いする挙動は一切ないという。

COCOAが理想的に機能するためには、各人の所持するスマートフォンにCOCOAがインストールされている必要がある。つまり、陽性の者がCOCOAをインストールしたスマホを持ち歩いていなかった場合には、COCOAは意味をなさない。とはいえ2020年6月19日にリリースされて同月29日までの10日間で累計ダウンロード数は472万件に上っており、それなりに高い関心が寄せられていると推察される。

関連サイト:
新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) COVID-19 Contact-Confirming Application