新語時事用語辞典とは?

2020年7月13日月曜日

トレーサビリティ

英語:traceability

トレーサビリティは「(食品の)移動を把握できること」を意味する英語由来の表現。「追跡可能(性)」と訳されることも多い。もっぱら、食品等の流通・品質管理の分野において、商品の生産過程や流通過程が流通・製造・原料の飼育や栽培に至るまで遡って追跡できること、および、そのためのシステムを指す意味で用いられる用語。

トレーサビリティは、かつて食品の産地偽装や異物混入といった問題が多発し、社会問題化していた際に、その必要性が認識され、導入・整備が進んだ経緯がある。

トレーサビリティ(のシステム)により追跡可能な一連の行程、および、その各段階における仕様を、方眼紙様の表にまとめた体系図が、トレーサビリティマトリクスと呼ばれる。

トレーサビリティマトリクスは、商品の製造工程はもちろん、包装の材料やラベルの印刷工程、印刷用のインク等、あらゆる工程を記入対象とする。そのように厳密に把握・管理することにより、あらゆる段階で発生しうる問題の追跡や管理にも役立ち、仕様変更も行いやすくなる。

食品トレーサビリティでは、原料の入手経路、農産品の栽培基準、農薬の使用基準と実際に使用した実績、種苗の入手経路や栽培土壌なども体系図に組み込まれ管理される。畜産物なら飼育基準や加工基準が、海産物なら漁獲地や、養殖に使われる薬剤が、トレーサビリティシステムマトリクスに含まれることになる。

参画

読み方:さんかく

参画は「計画に加わる」ことを意味する語。事業や政策の計画について、実行段階からでなく計画の段階から加わる、という意味合いで用いられることが多い。参画の読み方は「さんかく」。英語では 「take part ~」というイディオムで訳されることが多い。参画の類語としては「参加」「関与」「参与」「干与」等が、対義語としては(文脈にもよるが)「脱退」「離脱」などが挙げられる。

参画の「参」の字は「参加」「参戦」などのように「加わる」という意味で用いられることが多々ある。「画」の字は「えがく」という意味合いを根底に持ち、「絵を描く」「区切る」「はかりごとをする」といった幅広いニュアンスを含む字である。

参画の使い方しては「参画意識を持つ」「彼はプロジェクトの参画者だ」「経営に参画する」など。主に行政に関してやビジネスシーンでよく使われる。1999年に「男女共同参画社会基本法」が制定されたことを機に、知名度が高まり、よく使われるようになった。

「参画」と「参加」は、どちらも「ものごとに加わる」という意味を持つが、ニュアンスが異なる。参加はものごとの一員として加わる、またはすでにあるものに加わることを意味する。一方、参画は事業や政策を立ち上げる段階から加わることを意味する。例えば「法案の作成に参画する」と言っても、「町内会の理事会に参画する」とは使わない。どちらを使うべきか迷ったら参加を使うのが無難だが、参画はものごとに主体的に加わるニュアンスを持つので、より積極的な意志を伝えたい時は「参画」のほうが好まれるかもしれない。

誹謗中傷

読み方:ひぼうちゅうしょう

誹謗中傷とは、根拠のない悪口を言いふらして他人の名誉を損なう行いのことである。「誹謗」は「人の悪口を言う」ことであり、「中傷」は「根拠のない内容で人を貶める」ことである。厳密な意味は異なるが、どちらも悪意を持って他人を攻撃する行為である点は共通しており、類語の関係に位置づけられる。

日本では誹謗中傷の行為は名誉棄損の罪に該当する可能性がある。

誹謗中傷に直接に対応するような英語表現は見出しがたいが、「中傷」を意味する slander 、あるいは「名誉棄損」を意味する defamation が訳語として用いられる場合が多い。

誹謗中傷と類似した言葉に「批判」が挙げられるが、「批判」は善悪や正誤を見定めた上で指摘することであり、必ずしも悪意が含まれるとは限らない。他方、「誹謗中傷」は相手を貶めるという悪意が先行し、悪意によって行われる所業である。

誹謗中傷は匿名性の高い環境で飛び交いやすい。口伝ての噂話、あるいは投書、そして最近ではインターネット上のSNSなどが誹謗中傷の場となりやすい。なおウェブ上で発信した誹謗中傷が名誉棄損の罪に該当し得る場合、匿名の投稿だったとしてもプロバイダ(ISP)への開示請求を経て容易に発信者が特定される。名誉棄損は刑事罰になるため逮捕される可能性があり、被害者は民事で慰謝料請求に踏み切ることもできる。

もし自分が誹謗中傷を受ける側の立場に立たされた場合、そうした分野に明るい法律の専門家に相談することが推奨される。

誹謗中傷は、その内容が完全に事実無根のデマであっても、対象や周囲に少なからず影を落とす場合がある。かつてウェブ上の匿名掲示板で、あるお笑いタレントを殺人事件の犯人と決め付け、長期にわたり誹謗中傷を続けていた匿名ユーザーがいた。書き込みは10年近く続き、ウェブ上で誹謗中傷に加担した者を一斉検挙する事態にまで発展した。そして17歳から47歳まで19名が検挙されるに至った。

バウチャー

バウチャーは引換券のこと。証明書を意味する英語の voucher に由来するカタカナ語。バウチャーという言葉がよく使われる場面としては、ホテルのチェックイン制度が挙げられる。フロントでバウチャーを求められたら、予約を証明するものを提示すればよい。ベンダー系の資格試験においては受験の際に必要となる券を「バウチャーチケット」と呼ぶことある。

バウチャーと「クーポン」の違いは、基本的には、バウチャーはホテルや飛行機の利用、資格試験の受験など特定のサービスや商品と交換できる「引換券」を指す語であり、他方、クーポンはスーパーでの買い物やレストランでの食事など特定のサービスや商品に対する「割引券」を指す語である、と捉えれば違いが分かりやすい。

もともと「バウチャー」と「クーポン」は原語が異なる。バウチャーは英語由来の言葉であり、クーポンはフランス語に由来する。

バウチャーに関連する表現としては「バウチャービジネス」という言葉が挙げられる。バウチャービジネスは、コンビニエンスストアなどの小売店や飲食店から手数料を得てバウチャーを顧客に提供するという制度(ビジネスモデル)で、企業の福利厚生として導入されることがある。

補填

読み方:ほてん

補填とは、不足をうずめ補う意味のこと。読みは「ほてん」。補填の反対語は、欠損、不備、欠落などである。英語では compensation の語に訳されることが多い。

補は「おぎなう」と読む。古い語形に「おきぬう」とあり、「置き」と「縫う」ととらえた。置いて縫うのが語源といわれる。填は、土が部首である。真は、中身をいっぱいにする意味がある。土でいっぱいにすることから、物を補う時に使う。補填の類語に補充があるが、充は人の様子を表す会意文字であるため、主に人を補う時に使う。

填補は、補填と同意語である。補填を使うのが一般的で、填補はあまり使用しない。しかし、保険会社の専門用語としては、填補が使用される。補填は、証券会社や銀行など、お金を補う言葉として多用される。給付補填金とは、金融機関の定期積立における掛金総額と給付契約金の差額である。いわば、預貯金の利息に当たる。勘定科目は受取利息で仕訳する。個人の給付補填金には、分離課税に加えて2037年までは復興特別所得税が課税される。法人の場合は総合課税になる。源泉された税金は、租税公課として仕訳する。

経費補填金とは、助成金や補助金を受け取り、経費に補填するお金のことである。売上ではなく収入として取り扱われる。勘定科目は、補填費ではなく雑収入として仕訳する。法人税は課税されるが、消費税は事業の売上に当たらないため、課税の対象とならない。

未満

読み方:みまん

未満とは、指定された数を含まず、その数よりも小さいこと。10未満ならば、10よりも小さく、10は含まない。英語では「Less then」と表記され、未満の記号は「>」「<」である。「以下」は指定された数を含む場合に使われるので、使い分けが必要である。「未満」の「未」には、いまだ...ない、のように打消しの意味があり、「満」にはみちる、みたすの意味がある。これらを合わせることによって、みたすことのない、という意味になるため、指定された数は含まないという言葉になる。

未満の反対語としては「超過」という言葉がある。だが、「以上」「以下」のようにセットで使われることはほとんどなく、言葉としても、「10超過」とは使わない。「10よりも大きい数」などと表現されることが多い。

未満が含まれる言葉として、「未満切り捨て」や「未満児」がある。未満切り捨てとは、提示された数に満たない桁の数を取り払うことである。例えば、123,456という数字を1000未満切り捨てすると、123,000となる。未満児とは、具体的には3歳未満の乳児、幼児のことである。幼稚園で預かれる最年少が3歳であるため、3歳未満を未満児と呼ぶ。

エクセルにおいて、セルの値が○○未満かどうか判別したいときは「IF関数」を用いることができる。選択されたセルの内容が真か偽か判別する関数である。書式としては「=IF(論理式,値が真の場合,[値が偽の場合])」となり、論理式に「判別したいセル<○○」と書けば、セルに書かれた数が○○未満かどうか判別できる。また、未満切り捨てをエクセルで行う場合は「=ROUNDDOWN(数値,桁数)」が便利である。数値にセル番号を記載し、桁数には切り捨てたい桁数を入れればよい。

餞別

読み方:せんべつ

餞別とは、お世話になった人が旅立つときに贈る金銭や物品のこと。職場の人が仕事をやめたり近しい人が引っ越したりするときに渡す。お金を贈る場合は水引のある封筒を選び、品物の場合はお礼の言葉を書いたのしを付ける。餞別をくれた人へのお返しはしなくてもいい。「餞」の字は訓読みで「はなむけ」と読む。「はなむけ」の語源は、旅人が馬の鼻を行き先に向けた昔の風習にある。「別」の字は「わか(れ)」。平安時代から「むま(馬)のはなむけ」が「餞別」の意味で使われていた。

餞別の金額は、贈る相手やどれくらいの付き合いかで違う。仕事関係の人に自分一人で餞別を渡すなら、相場は3千円から5千円以内だ。引っ越しや留学といった個人的な付き合いの人に、自分一人で餞別を渡す場合は、付き合いの度合いによって千円から3万円以内と金額が幅広くなる。仕事の付き合いでも個人的な付き合いでも、誰かと共同で贈る場合は、一人当たり5百円から3千円で集めるケースが多い。餞別の金額に迷ったら、他の人にいくらにするかを聞いて合わせると無難だ。

のしの書き方では、水引の上に「御餞別」や「おはなむけ」と書く。水引の下には、自分一人で餞別を渡すなら自分の氏名を書くが、共同で餞別を渡す場合は「○○部一同」のように部署やグループ名を書く。ただし目下の人が目上の人に「御餞別」を使うのは失礼にあたる。そのため上司が退職する場合には「おはなむけ」や「御退職御祝」を使う。目上の人にはお金ではなく品物を贈る場合も多い。

エンターテイメント

英語:entertainment
別名:エンターテインメント

エンターテイメント(英語:entertainment) とは、人々を楽しませる娯楽やサービスのこと。 ショー、楽しみ、息抜き、気分転換などが類語とされる。エンターテイメントの語源はラテン語で「一緒に」という意味のinterと「維持する」という意味の tenere を組み合わせたものだと言われている。日本だと「娯楽を提供する」という意味も持つが、海外では「自分が楽しむためにある娯楽」を指す場合がある。

ビジネスにおけるエンターテイメントには幅広い解釈があるが、いずれも「人の心を魅了して離さないもの」という共通点がある。主に芸能、映画、音楽関係などを「エンタメ業界」と呼び、あくまでビジネスとして人を感動させお金をもらう、れっきとした「産業」だ。娯楽施設に関しては、エンターテイメントの類義語である「アミューズメント」という言葉を使用するのが適切だ。

なお、書籍や映画はエンターテイメントの一部に含まれるが、娯楽性が特に高いものはエンターテイメント小説、映画と表現する場合がある。一方で、エンターテインメント芝居、舞台という言い回しはしないので注意が必要だ。

ちなみに「エンターテイメント」と「エンターテインメント」はどちらの言い回しも誤りではなく、意味は同じである。読みやすさを重視するならエンターテイメント、英語を忠実に表記するならエンターテインメントと使い分けることもできる。

了承

読み方:りょうしょう

了承とは、事情をよく理解して聞き入れること・承諾することを意味する表現。英語では acknowledgment あるいは understanding が「了承」に対応する意味の表現として挙げられる。了承の類語としては、承知、承諾、了解などが挙げられる。

了承の「了」の字には、おわる、おえる、はっきりする、わかる、といった字義がある。字源辞典「字統」によれば、「了」の字は「子の両臂のない形」とも解釈されるものの、「了は子の両臂のない形ではなく、糸のもつれる意で、そこから終結・終了の意となる」という(白川静「字統」初版第四刷882頁)。

「承」の字には、うける、うけ入れる、という字義がある。「承」の字は会意文字であり「尊者の命を受ける」ことをいったという(同436頁)。

「了承」は動詞「得る」を伴って「了承を得る」という言い回しで用いられる場合が比較的多い。「了承」も「得る」も特に尊敬や謙譲の意味合いを含んだ語彙というわけではないが、目上の人から承諾をもらう場面を指して用いられることが多い。

上司や目上の人から説明を受けたり確認などを求められたりして、自分がそれを了承する、という場合、「了承しました」というような言い方はできないわけではないが、尊敬表現でもないため、不興を買う可能性がある。目上の者へ対する表現として一般的とされている「承知しました」や「承りました」などの言い方を選んだ方が穏当といえる。

「了とする」の意味は、もっともだとして納得する、承知するという意味がある。「承」には、じゅうぶんにのみこむという意味もある。

コンピテンシー

英語:competency

コンピテンシーとは、優れた業績を残した個人の行動特性のこと。英語のcompetence(競争する)の名詞形で、主に企業において社員の能力評価や人材の採用基準として用いられる。コンピテンシーの特徴は、個人を評価するのに知識レベルや資格、学歴などではなく具体的な行動によって行うことである。また、チームワーク、親密性、情報収集力などの評価項目を用いることで、評価者の主観に左右されない客観的な評価を可能にする。

コンピテンシーが注目された背景として、企業の成果主義志向の高まりが挙げられる。従来の評価基準では、主に協調性、責任制など個人の潜在的・顕在的な能力を中心に行っていた。だが、その能力は必ずしも業務成果にはつながらない。コンピテンシーは能力ではなく、成果を残した具体的な個人の行動をモデル化し、それを評価基準とすることで業績を残せる個人の育成・採用を可能にした。コンピテンシーは企業によって異なる基準が設けられ、その企業が欲しい人材を過去の成功例や理想型からモデル化する必要がある。

また、コンピテンシーが利用される例として、就職活動中の学生が自分の強みや弱み、企業が求める人物と一致しているかなど、自分の能力を診断する際に用いられることがある。また、看護の場面や教育の場面においても、コンピテンシーによる評価や能力育成が行われつつあり、企業にとどまらない広い活用の場がある。

セグメント

英語:segment

セグメントとは、ある一定の区分で区切ったまとまりのこと。英語の「segment」からできた用語で、segmentには区分・区切りなどの意味がある。ITの分野では、大きなネットワークの中にある個々のネットワークのことを指している。企業の情報開示時に使われる用語に「セグメント情報」というものがあるが、これは売上高や利益などの財務情報を区分した情報のことだ。マーケティングでは顧客の年齢や性別などによって区分することを指し「年齢ごとにセグメントして考える」などのように使う。

ITの分野で使われるセグメントは、ネットワークの区分のことである。大きなネットワークの中の一部分やそのネットワークが及ぶ範囲を表している。主に、同じ建物内であってもネットワークを部署ごとで区切り、各々が独立したネットワークを築いている状態のことを指している。そしてその区切られたネットワークのことをセグメントネットワークと呼ぶ。IT業界では「部署ごとにセグメントを分けよう(ネットワークを分けて独立させよう)」といった使い方をする。セグメントを分けることでネットワークの混雑を防ぐことに繋がるのだ。医療分野では、セグメントを区分や区切りといった意味では使わず、輸血の際に用いられるチューブにセグメントチューブという名前がつけられている。そして、チューブ内の血液を取り出すための器具のことをセグメントカッターという。

PMI

別名:Post Merger Integration

PMIとは企業の合併後の統合プロセスという意味のこと。英語のPost Merger Integrationの頭文字をとった言葉である。Postは~の後の、Mergerは合併、Integrationは統合という意味である。M&A(合併・買収)の後の効果を最大にするための具体的な経営、業務、意識におけるプロセスである。M&AにおいてPMIがしっかり練られていないと、M&A自体が失敗に終わることもあるため、とても重要である。

M&Aにおいて、企業同士の事業や経営の合併の過程で、現場の社員の混乱や顧客の不安が生じることがみられる。そのためいかに円滑にM&Aを進めるかという意味でPMIが非常に重要になる。PMIには大きく三つの柱がある。経営(トップの理念や戦略)の統合、業務(システムや人材)の統合、意識(企業の風土や理念)の統合である。もともと別々の会社が一つになるためには、膨大な統合に関わる業務が生じることになる。この三つの柱を限られた期間で統合し、さらには合併することのシナジー効果を最大限にひきだすことが、M&Aを成功に導くPMIである。企業のM&Aが日本においてもさかんに行われるようになってきた昨今、M&A自体に目が行きその後の戦略が追いつかず、M&Aが失敗することもみられるようになってきた。そのような背景からPMIの重要性に注目が集まって来ているといえる。

ヘイトスピーチ

英語:hate speech

ヘイトスピーチとは、人種、国籍、性別など個人だけでなく集団が持っている特徴を、誹謗中傷したり、他の人にそのような行動に扇動する発言のこと。日本語ではカタカナのヘイトスピーチ以外に、憎悪言論や憎悪表現ということもある。英語ではhate speechだ。英語でも日本語でも定義は同じで、国内でも海外でもヘイトスピーチは深刻な社会問題として批判されている。

日本では在日韓国人に対するヘイトスピーチが昔から社会問題として存在していたが、そうした問題を規制する法律が整備されてこなかった。しかしながら、近年ヘイトスピーチは特定の民族に対する差別行為であり、人種差別撤廃条約の理念に反するのではないかという意見が出るようになった。また、マスメディアを通して規制法が必要だという意見が出てくるようになった。次第に世論が形成され、2016年にヘイトスピーチ解消法が制定され、国内ではじめてヘイトスピーチを規制する法律が生まれた。

ただし、この解消法には問題点があるという批判もある。それは理念法であるため、禁止規定と罰則がないということだ。つまり、ヘイトスピーチを警察をはじめとする行政は取り締まることができない。ドイツではユダヤ人に対するヘイトスピーチをすると処罰の対象になるが、日本ではまだそこまでの法整備は整えられていないのが現状だ。

ミーハー

ミーハーとは、特に興味など持っていなかった物事が世間的に流行しはじめた途端に飛びつくような者を指す表現。わかりやすくいうと、流行っているからという理由で飛びつく流行物好きな存在のことである。

「ミーハー」という言葉の語源は何なのか、何の略なのか、そうした由来は諸説あるが、このミーハーという言葉が生まれた時代(昭和初期と推定される)の典型的な女性の名前(の愛称)である「みいちゃん」「はあちゃん」を略した言い方である、という説がよく知られている。俳優の林長二郎のファンが語源とする説などもある。英語ではGroupieなどと表される。

ミーハーの対義語には一つの物事に対して熱心なことを指す「一途」「オタク」が挙げられるが、その他に周囲に流されないという意味で「クール」という表現も出来る。類語には「新しい物好き」「目移りしやすい」などがあるが、軽率で周囲に合わせることに長けているという見方から「お調子者」を類語とする場合もある。ただし、ミーハーと同じような使い方は不可能で、言い換えというより意義上の類語というイメージが強い。他方、ミーハーという言葉自体が死語とされている風潮があり、同じような意味で用いられている言葉には「にわか」があり、ミーハーの現代的な言い換えとしては最も一般的だろう。その他に「軽い」という点からミーハー的なファンを「ライト層」「ライトオタク」などと呼称するケースも多くみられるが、揶揄したり見下したりするようなニュアンスが含まれているので使用には注意が必要だ。

アサイン

英語:assign

アサインの主な意味

アサインとは、主にビジネスシーンで「任命」や「割り当て」の意味で用いられる表現。英語の assign をカタカナ読みした外来語である。日本語では「割り当てる」「与える」「命じる」といった言葉で訳出されることが多い。

ビジネス用語の「アサイン」の意味

ビジネス用語としての「アサイン」は基本的には仕事や役職を任されるという意味合いで用いられる。その意味では「選ばれる」「割り当て」「任命」などの語が、アサインの類語として挙げられる。アサインの反対語には「解任」や「異動」などが挙げられる。任されていた仕事や役職から離される、というニュアンスでは簡素に「外す」と表現する手もある。

IT用語としての「アサイン」の意味

IT関連の分野においては、アサインは、ある値を変数や機能に対して割り当てるという動作を指す意味で用いられることが多い。たとえば、特定のキー入力をアプリケーションやプログラムの機能に割り当てることを「キーアサイン」という。アプリケーションによってはキーコンフィグと呼ばれる設定項目が存在するが、これはキーアサインを設定している。

特定のファイル形式を開く際に常に使用するアプリケーションを設定する場合もアサインと呼ぶことがある。例えば、「テキストファイルはテキストエディタにアサインされている」「PDFファイルをPDFビューワにアサインする」といった言い方ができる。また、「機能の追加」を指してアサインと呼ぶ場合もある。たとえば、周辺機器がコンピュータに接続されている場合、その周辺機器がコンピュータにアサインされた状態である、と表現されることがある。

CPA

別名:Cost Per Action
別名:Cost Per Acquisition

CPAは、Cost Per Action もしくは Cost Per Acquisition の英語の略称であり、主にデジタルマーケティングや SEO の分野で用用いられる、広告単価の指標のこと。広告などを経由してWebサイトに訪れた人が商品購入などのアクションまで到達するという「新規顧客の獲得」が達成されるために要する1人あたりのコストを示す値である。「取得価格」「投入費用」などと訳されることもある。

CPAは主に広告媒体による成果報酬の分析に使用する。新規の顧客を獲得するためのコストを計算する事で、純利益の計算などをする際に必要となる。また、広告媒体にもいくつかの種類があり、クリック型、インプレッション型、成果報酬型、視聴課金型などに分けられる。CPAを利用するメリットは広告に対する費用効果を確認する事ができ、取り扱う商品とのバランスを考慮し広告費用や、サイトの改善などに役立つ。つまり、CPAが下がると純利益の低下を意味する。

CPAと同様のマーケティング用語である「CPO」(Cost Per Order)は、1件あたりの注文にかかる費用を指す。CPAとCPAは、表記が似ていることもあって混同されやすいが、CPOはあくまで既存の顧客もしくは新規の顧客に対する注文単価であり、新規顧客1人あたりの獲得にかかるコストとは異なる。それぞれ計算方法も異なる。

アンビバレント

英語:ambivalent

アンビバレントとは「相反する感情や考え方を同時に心に抱いている」さまを指す言葉。英語のambivalent をカタカナ表記した外来語。英語の ambivalent の品詞は形容詞で、日本語の「アンビバレント」は形容動詞の性格を持っている。ambivalent の名詞形は ambivalence で、日本語でも「アンビバレンス」が名詞として用いられる(「相反性」などと訳されることも多い)。

日本語で「アンビバレント」という言葉が使用される場合には、人間の感情の状態を表すために使用されることが多い。ある対象に対して肯定的な感情と、否定的な感情を同時に持っている場合などに、「アンビバレントな感情」というような表現で使用されることがある。

相反する感情が併存している(=アンビバレントな)状況は、どっちつかずの状態を維持していることでもあり、文脈によっては「曖昧」と訳しうる意味合いで解釈されることもある。これはどちらかといえばネガティブなニュアンスを含む。あるいは、2つの価値観を同時に持っているという点で「両価性を持っている」という意味で使用されることもある。この場合にはどちらかといえばポジティブなニュアンスを含むこともある。

「アンビバレント」は個人の心境だけでなく集団の状態を表す言葉としても用いられることがある。たとえば、一個の集団の中に見解を異にする人が含まれているような場合「アンビバレント」と形容できる。