新語時事用語辞典とは?

2020年8月18日火曜日

赤ロム

読み方:あかロム

赤ロムとは、赤ロムの意味

赤ロムとは、SIMカードを挿入しても通信ができないように、通信キャリアが利用制限をかけた端末のことである。英語では locked phone、locked device などと表現する。

赤ロムは、中古端末を扱う専門店で販売されている。ただし、そのまま購入しても通信を開始することはできない。通信を開始するには、正規販売店による制限解除の手続きが必要である。

赤ロムになる理由は2つある。1つは、前の持ち主が端末代金や通信料の支払いを怠り利用停止になった場合である。もう1つは、前の持ち主が端末を紛失して利用停止にした場合である。

赤ロムに似た言葉に白ロムという言葉がある。白ロムとは、SIMカードを挿入することで通信が可能になる端末のことである。ただし、白ロムとSIMフリーとでは意味が異なる。SIMフリーは全てのキャリアに対応が可能だが、白ロムは1つのキャリアに固定されている。


通貨スワップ

読み方:つうかスワップ

通貨スワップとは、通貨スワップの意味

通貨スワップとは、デリバティブ取引の1つで、取引相手と一定期間の合意のもとに、異なる通貨間の元本と金利をあわせて交換することである。簡単にいうと、海外資金を調達する際に用いられる手法である。英語ではcross currency swap(クロスカレンシースワップ)と表現する。

外貨を利用する場合は、その国の銀行から借り入れるのが一般的だが、金利が高くなるため借り入れがしづらい状況にある。通貨スワップでは、金利を安く抑えることができるというメリットがある。ただし、為替相場の変動によるリスクがあるため、デリバティブ商品と組み合わせるなどしてリスクヘッジすることが多い。

ちなみに、各国の中央銀行が結ぶ通貨スワップ協定とは、自国が通貨危機に陥った際に、協定を結んだ相手国の通貨を自国の通貨の預け入れと引き換えに、あらかじめ定められたレートで融通する条約のことである。

未明

読み方:みめい

未明とは、未明の意味

未明とは、日の出前の2時間から3時間程度の時間帯を意味する言葉である。未明の「未」はいまだにという意味を持ち、「明」はあけるという意味を持っている。英語では before dawn が近い表現となる。未明といった場合の時間帯は具体的に何時頃を指すかについては、さまざまな考え方があるが、気象庁では「午前0時から午前3時頃まで」としている。

年の瀬

読み方:としのせ

年の瀬とは、年の瀬の意味

年の瀬とは、12月のあわただしい時期のことや、その年が終わりを迎えようとしていて世間一般的に忙しい時期のことである。英語で表すと year-end や end of the year となる。

年の瀬がいつからいつまでかについては明確な決まりはないが、だいたい12月中旬以降から12月31日の大晦日までを指すことが多い。年の瀬という言葉には単にその年の終わりという意味合いだけではなく、切迫した時期だというニュアンスも含んでいる。

年の瀬という言葉の語源は江戸時代のツケ払いであり、たまったツケ払いのせいで年の暮れは落ち着かないことから、年の瀬という言葉が生まれたといわれている。年の瀬の瀬は流れが急で速い川を示す言葉であり、年に瀬という言葉を組み合わすことで、12月の忙しく慌ただしく時間が過ぎていく様子を意味している。

年の瀬の類語は、「年末」「年の暮れ」「歳暮」などが挙げられる。ただし、どの言葉にも押し迫ったというニュアンスは含まれていない。年の瀬の対義語は、「年頭」「年始」である。

年の瀬の例文としては「年の瀬を迎えて忙しい日々を送る」「よい年の瀬を過ごす」などが挙げられる。

能動的

読み方:のうどうてき

能動的とは、能動的の意味

能動的とは、自らが考えて物事に取り組むという意味のことである。英語で能動的は active と表現する。

能動的の類語には「積極的」が挙げられる。積極的の語は、活発で主張が強い様子を指し示す言葉といえる。また、「行動的」も能動的に意味が近い。行動的の語は、思索にふけっているだけでなく、自ら活動を起こしていく姿を意味している。

能動的の対義語としては「受動的」が挙げられる。受動的とは、他人の行動や発言に対して受け身をとるばかりで自分の意思が希薄な状態を示す。「ビジネスパーソンとして出世するにはあまりにも受動的すぎる」といった表現をすることもあり、批判的な意味合いが強い。その点でも受動的は、能動的とは正反対のニュアンスを含んでいる。「消極的」も能動的の対義語として挙げられる。消極的は、後ろ向きで行動をためらいがちな様子を表す言葉である。

煩雑

読み方:はんざつ

煩雑とは、煩雑の意味

煩雑とは、物事がこみいっていて第三者に理解しにくくなっているという意味のことである。煩雑の「煩」は「わずらわしい」という意味である。また、「雑」は「散らばっている」という意味を表す。すなわち、2つの文字の組み合わせで、複数の事象が絡み合い混乱している状態を指し示している。物事が煩雑になることを「煩雑化する」という。なお、煩雑を表す英語は complicated である。

煩雑とはさまざまな場面で使われる言葉ではあるものの、最近はIT業界で用いられることが多くなってきた。例えば、社内のシステムが整備しきれておらず、ユーザーの使い勝手が悪くなることを「煩雑になる」と表現する。

煩雑の類語、対義語

煩雑の類語として「複雑」が挙げられる。ただし、複雑には「事情を説明しにくい」というニュアンスが含まれる。例文としては「彼の家庭の事情は複雑で口外しにくい」など。また、「難解」も煩雑の類語で、「受け手の理解が追いついていない状態」を指す。「この文学作品は難解ですらすらとは読めない」などの使い方をする。

煩雑の対義語には「単純」「簡潔」などが挙げられる。単純とは物事を構成する要素が少なく、事実関係がはっきりしているという意味である。「この事件の動機は単純だ」といった使い方をする。簡潔は物事の要点がしぼられていることを指す。例文としては「煩雑さに拍車がかからないよう、企画書は簡潔さを意識して作成するべきだ」が挙げられる。


中央値

読み方:ちゅうおうち
英語:median

中央値とは、中央値の意味

中央値とは、数値で構成された複数のデータを小さい順番に並べた時に、真ん中に位置する値のことである。数学や統計学の分野でよく使われる用語である。英語では median と表現される。

中央値は、例えば10から20までの整数がある場合、小さい方から6番目(あるいは大きい方から6番目)の数の15が中央値となる。

エクセル(Excel)で中央値を算出するには「MEDIAN関数」を使用する。例えば、A2セルからA10セルまでの数値の中央値を求めるには、「=MEDIAN(A2:A10)」とする。

中央値と平均値の違い

平均値とは、複数の数値の合計を、数値の個数で除した値のことである。エクセルでは、「AVERAGE関数」を使用する。例えば、A2セルが1、A3セルが2、A4セルが6の場合、「=AVERAGE(A2:A4)」で求めることができる。平均値は 3 となる。ちなみに「=MEDIAN(A2:A4)」とすると中央値として 2 が表示される。

数え年

読み方:かぞえどし

数え年とは、数え年の意味

数え年とは、生まれた年を1歳とし、以後正月になると一歳を加えて数える年齢のことである。正月に訪れる歳神様から1つ年を戴くという意味がある。数え年の計算は、誕生日前は満年齢に2を、誕生日以後は満年齢に1を加える。英語表記はeast Asian age reckoningである。また、a person's ~ calendar yearという表現もある。数え年で61歳は、a person's sixty first calendar year と表現する。

ちなみに厄年は、満年齢ではなく数え年である。厄年とは、人の一生のうち、厄に遭うおそれが多いから忌み慎まねばならないとする年のことである。

数え年の生まれた年を1歳とする理由は、胎内にいる期間を0歳とする仏教の考え方に基づく。命をとても大切にしている考えがある。人が亡くなって2年目の法要を、三回忌というのも数え年に由来する。

本来は数え年で行われる七五三や年祝いは、現在では満年齢でも行われている。満年齢とは、誕生日ごとに1歳ふえる年齢の数え方である。正確には、誕生日の前日の日付が変わる瞬間に年齢が増える数え方が正しい数え方である。つまり、誕生日の前日の午後12時に1歳増える。これは、4年に一度の閏日である2月29日に生まれた者を考慮している。

早生まれは、1月1日から4月1日までに生まれた者である。学校教育法において、小学1年生になるには6歳になった翌日以降に4月1日を迎える必要があるためである。同学年において、遅く生まれているにもかかわらず、早生まれと呼ばれる。早生まれという言葉は、数え年齢に由来する。4月2日以降に生まれた児童が数え年8歳で小学校に入学する。しかし、1月1日から4月1日までに生まれた児童は、それより早い数え年7歳で入学するためである。

随時

読み方:ずいじ

随時とは、随時の意味

随時とは、好きな時、気が向いた時にいつでも行うさまのことである。随時の「随」の字には、なりゆきに任せる、条件に従って逆らわずに動くといった語義がある。ビジネスシーンでは、「状況に合わせて」「いつでも臨機応変に」といったニュアンスで用いる。英語では、「随時」に直接相当する単語は存在せず、文全体の意味から keep you updated(更新があれば連絡する)や as needed/as necessary(必要に応じて) などと表現する。

随時の類語

随時の類語としては「逐次」や「適宜」が挙げられ、どれもビジネスでよく用いられる用語である。「逐次」とは、一つ一つ順を追って次々に対応するといった意味であり、規則性や順序性はなく「不定期」や「非定型」に流れのままに動くことを意味する「随時」とは、ニュアンスが異なる。また、「適宜」は、その場の状況にぴったりと合っていること、状況に応じて動くことを意味し、自分の意思で状況を判断し行動するといった語義が表現できる。

随時の例文、使い方

随時の語をビジネスシーンで用いる際の例文としては、「更新があり次第、公式サイトにて随時公開します」「そのポジションの仕事は随時募集しています」「市の公共施設は随時利用可能です」などが挙げられる。どの例文も「いつでも」「好きなときに」といった意味で「随時」を使用しており、「逐次」や「適宜」では文意が異なるため注意が必要である。