読み方:ローカルこうつうルール
別名:ローカル交通マナー
特定の地域でよく見られるとされる自動車の迷惑走行・危険走行の総称。「みんなやっている」という理屈で半ばローカルルール化し、法律(道路交通法)に抵触していてもまかり通るようになってしまった迷惑行為。
ローカル交通ルールとして知られる具体的な呼び名としては「名古屋走り」「松本走り」「山梨ルール」「茨城ダッシュ」「伊予の早曲がり」などが挙げられる。
ローカル交通ルールに含まれやすい典型的な挙動としては、「方向指示器(ウインカー)を出さずに右左折・進路変更を行う」「黄信号で停止しない」「対向車がいる状況で右折する」「夜間に無灯火で運転する」等々が挙げられる。
ローカル交通ルールがその地域でルール化した背景には、地域ごとの事情(道路がやたら広い、せっかちな県民性である、等)があると推察されるが、ローカル交通ルールの挙動そのものは傍若無人な輩なら誰が行ってもおかしくない。その意味で「茨城ダッシュ」や「伊予の早曲がり」などは迷惑運転の挙動の異名でもある。
新語時事用語辞典とは?
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茨城ダッシュ
読み方:いばらきダッシュ
交差点で信号が青に変わった直後、右折車が猛発進して、直進する対向車が交差点に進入する前に交差点を右折してしまうこと。いわゆるローカル交通ルールの一種。
茨城ダッシュ=直進車に先んじて右折しようとする行為は、道路交通法違反で明確に禁止されている。すなわち茨城ダッシュは道交法違反である。
2021年夏に茨城県警がTwitter上で「茨城ダッシュ」という呼び名を使って「茨城ダッシュは交通違反です」と注意喚起を行い、話題となった。
交差点で信号が青に変わった直後、右折車が猛発進して、直進する対向車が交差点に進入する前に交差点を右折してしまうこと。いわゆるローカル交通ルールの一種。
茨城ダッシュ=直進車に先んじて右折しようとする行為は、道路交通法違反で明確に禁止されている。すなわち茨城ダッシュは道交法違反である。
第三十七条 車両等は、交差点で右折する場合において、当該交差点において直進し、又は左折しようとする車両等があるときは、当該車両等の進行妨害をしてはならない。―― e-Gov
2021年夏に茨城県警がTwitter上で「茨城ダッシュ」という呼び名を使って「茨城ダッシュは交通違反です」と注意喚起を行い、話題となった。
2021年8月26日木曜日
阿鼻叫喚
読み方:あびきょうかん
阿鼻叫喚とは、阿鼻叫喚の意味
阿鼻叫喚とは、その状況に置かれた人々が苦しみ泣き叫ぶような、筆舌に尽くしがたい酷い状況のこと、および、その人々が苦しみ泣き叫ぶさまのことである。人々が興奮してパニック状態になり怒号が飛び交うような混乱した状況を阿鼻叫喚と表現する場合もある。
阿鼻叫喚の語の由来・語源
阿鼻叫喚は、もともとは仏教の「地獄」の概念に由来する用語である。「阿鼻」も「叫喚」も、どちらも罪人が死後に落ちる地獄(八大地獄)のひとつである。つまり阿鼻叫喚は「阿鼻地獄」と「叫喚地獄」の総称である。
「阿鼻」は「無間(むけん)」ともいうが、これはサンスクリット語の「avici」を音写した漢訳語である。「叫喚」は 大声でわめきさけぶことを意味する。これもサンスクリット語の「raurava」を漢訳した語である。
八大地獄は、等活地獄、黒縄地獄、衆合地獄、叫喚地獄、大叫喚地獄、灼熱地獄、大灼熱地獄、阿鼻地獄、以上8種の地獄の総称である。等活~阿鼻の順にしたがい罪と責め苦が重くなる。
「叫喚地獄」は殺生や飲酒の罪を犯した者が落ちる地獄で、地獄の鬼に鉗子で口を開けられ溶けた鉄を流し込まれるという罰を受ける。「阿鼻地獄」は、親殺しや謗法(仏法を蔑ろにする)罪を犯した者が落ちる地獄である。手足から炎が吹き出し、その苦しみが八万劫という途方もないあいだ続くとされる。
阿鼻叫喚の語の使い方(用法)、例文
「阿鼻叫喚」は、災害・戦争・事故などが発生した現場の凄惨さを表現する場面で用いられやすい。たとえば、「テロ攻撃によって平和な町は一瞬にして阿鼻叫喚の様相を呈した」というような言い方で用いられることが多い。
阿鼻叫喚は「阿鼻叫喚の巷(ちまた)」という言い回しで用いられることも多い。
阿鼻叫喚は「阿鼻叫喚の巷(ちまた)」という言い回しで用いられることも多い。
阿鼻叫喚の類義語・対義語
阿鼻叫喚の類語としては「地獄絵図」が挙げられる。「地獄絵図」は、地獄さながらの酸鼻を極める(非常にむごたらしい)状況という意味である。つまり「地獄絵図」と「阿鼻叫喚」は実質ほぼ同義語といえる。ただし、字面上「地獄絵図」は視覚的な情報のニュアンスを含み、「阿鼻叫喚」は聴覚的なニュアンスを含む、という点で使い分けられるかもしれない。
「阿鼻叫喚」は仏教的地獄に由来する語であるから、その対義語としては「極楽」「極楽浄土」が挙げられるかもしれない。「極楽」は、苦しみの無い安楽な世界の喩えとしてもよく用いられる。
阿鼻叫喚は英語でどう言うか
阿鼻叫喚は、英語では pandemonium または agonizing cries と訳されることが多い。pandemonium(パンデモニウム)は「大混乱の場所」を指す語で、もともとはミルトンの叙事詩「失楽園」に出てくる悪魔の住む都市の名前である。「伏魔殿」と訳されることもある。agonizing cries は「苦悩の叫び」という意味の表現である。
文例。
- Pandemonium reigned in the town the moment the news reached them.
その知らせに町中はたちまち阿鼻叫喚の地獄と化した