新語時事用語辞典とは?

2022年7月28日木曜日

国民皆歯科健診

読み方:こくみんかいしかけんしん

すべての日本国民が歯科検診を受診すること、すべての日本国民が歯科検診を受診している状況、あるいは、すべての日本国民に歯科健診を受信させること、などを指す意味で用いられる表現。必ずしも「(国が)全国民に歯科健診を義務づける」ことを指すわけではないが、そのような「義務化」の意味合いと受け取られることは多い。

2022年6月に政府が公表した「経済財政運営と改革の基本方針2022」(通称「骨太方針2022」)には、「全身の健康と口腔の健康に関する科学的根拠の集積と国民への適切な情報提供、生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)の具体的な検討」という記述が含まれており、政府は国民に歯科健診を義務づけるつもりなのか?と反発する声が出るなどした。その後「いわゆる国民皆歯科健診」は「従来以上に歯科検診を重視する」という趣旨の標語のようなものであり、歯科健診受診を義務化しようとしているわけではない、という見解に落ち着いた。

2022年7月27日水曜日

フェムセル

英語:femcel
英語:female incel

男性との恋愛経験や性的経験を持つことを望んでいながら、それが得られずにいる女性のこと。俗に言う非モテ女子、あるいは喪女。

フェムセルは「女性版インセル」という意味であり、インセル(incel)は「不本意に禁欲主義者のようになっている者」という意味の表現。

「インセル」は非モテの男性を指す語であり、しかも女性蔑視主義者のミソジニストであり「自分がモテない原因は女性の方にある」という考え方をもつ者を指す意味合いが強い。「フェムセル」にはそうした(異性を逆恨みするといった)意味合いを込めて用いられる場合はそこまで多くない。

インセル

別名:インボランタリーセリベイト
別名:不本意な禁欲主義者
別名:非自発的な禁欲主義者
英語:incel
英語:involuntary celibate

女性との恋愛経験や性的経験を(求めているにもかかわらず)持つことができず、しかも、その原因は自分よりもむしろ女性たちの側にあると考えて女性を憎悪する男性のこと。おおざっぱに言えば、外罰的ないわゆる非モテ。

典型的なインセルの男性は、自分がモテないのは遺伝的に決まっておりどうしようもないことだと考える。容姿や性格を改善すれば今からでもモテるようになるとは考えない。インセルは女性にモテないことを嘆き、女性から愛されたいと願うが、それと同時に、女性を蔑視してもいる。自分に見向きもしない女は暴力によって制裁されて当然だ、といった極端な見解を持つ者も少なくない。そして女性にモテる男性を敵視してもいる。

こうした(過激な逆恨みの思想を持つ者としての)インセルは、2000年代にインターネット上のコミュニティを通じて形成されていった。2014年、アメリカ・カリフォルニア州で、当時22歳で童貞だったエリオット・ロジャーが、「女性から愛されない苦痛を与える女性には報復が必要だ」といった趣旨の声明文を残し、男女14名を殺傷(うち6名が死亡)して自殺。犯人ロジャーはインセルのコミュニティにおいてなかば神格化され、この事件以降、模倣犯ともいえる同種の無差別殺人事件がアメリカやカナダでたびたび発生している。

ステルシング

英語:stealthing

ステルシング(stealthing)は、性交中に男性が女性の同意なく密かにコンドームを外す行為を指す語。一種の性暴力として認知されつつある。

コンドームは、避妊および性感染症の感染対策として有効であり、妊娠を望むカップルでなければコンドームを装着した性交が(特に女性にとって)望まれる。しかし男性の中には、いわゆる生挿入が気持ち良いとか、女性の求めに応じず女性にリスクを背負わせる征服感が気持ち良いといった理由で、コンドームを密かに外す者がおり、近年問題視されつつある。

ステルシングが性暴力として問題視されるようになったのは2010年代なかば以降である。もっとも、ステルシングの行為そのものは、おそらくかなり昔から行われていたと考えられる。

なお「ステルシング(stealthing)」という言葉は「stealth+ing」という構成の語と解釈できる。stealth(ステルス)は「こっそり行うこと」「人目を忍ぶような」といった意味の語である。ただ stealth には名詞および形容詞の用法しかなく、動詞としては用いられない。

2022年7月15日金曜日

シンデミック

英語:syndemic

同じ地域や社会において、複数の疫病などが同時集中的に発生し、相互に影響を及ぼし合って健康への悪影響や感染予防の困難さを増大させている状況。たとえば、アフリカの一部地域においてマラリアと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が同時に流行(エピデミック)舌状況。あるいは、COVID-19と先進国に多く見られる生活習慣病とが悪影響し合う状況をシンデミックと呼ぶような例も見られる。