新語時事用語辞典とは?

2022年7月27日水曜日

フェムセル

英語:femcel
英語:female incel

男性との恋愛経験や性的経験を持つことを望んでいながら、それが得られずにいる女性のこと。俗に言う非モテ女子、あるいは喪女。

フェムセルは「女性版インセル」という意味であり、インセル(incel)は「不本意に禁欲主義者のようになっている者」という意味の表現。

「インセル」は非モテの男性を指す語であり、しかも女性蔑視主義者のミソジニストであり「自分がモテない原因は女性の方にある」という考え方をもつ者を指す意味合いが強い。「フェムセル」にはそうした(異性を逆恨みするといった)意味合いを込めて用いられる場合はそこまで多くない。

インセル

別名:インボランタリーセリベイト
別名:不本意な禁欲主義者
別名:非自発的な禁欲主義者
英語:incel
英語:involuntary celibate

女性との恋愛経験や性的経験を(求めているにもかかわらず)持つことができず、しかも、その原因は自分よりもむしろ女性たちの側にあると考えて女性を憎悪する男性のこと。おおざっぱに言えば、外罰的ないわゆる非モテ。

典型的なインセルの男性は、自分がモテないのは遺伝的に決まっておりどうしようもないことだと考える。容姿や性格を改善すれば今からでもモテるようになるとは考えない。インセルは女性にモテないことを嘆き、女性から愛されたいと願うが、それと同時に、女性を蔑視してもいる。自分に見向きもしない女は暴力によって制裁されて当然だ、といった極端な見解を持つ者も少なくない。そして女性にモテる男性を敵視してもいる。

こうした(過激な逆恨みの思想を持つ者としての)インセルは、2000年代にインターネット上のコミュニティを通じて形成されていった。2014年、アメリカ・カリフォルニア州で、当時22歳で童貞だったエリオット・ロジャーが、「女性から愛されない苦痛を与える女性には報復が必要だ」といった趣旨の声明文を残し、男女14名を殺傷(うち6名が死亡)して自殺。犯人ロジャーはインセルのコミュニティにおいてなかば神格化され、この事件以降、模倣犯ともいえる同種の無差別殺人事件がアメリカやカナダでたびたび発生している。

ステルシング

英語:stealthing

ステルシング(stealthing)は、性交中に男性が女性の同意なく密かにコンドームを外す行為を指す語。一種の性暴力として認知されつつある。

コンドームは、避妊および性感染症の感染対策として有効であり、妊娠を望むカップルでなければコンドームを装着した性交が(特に女性にとって)望まれる。しかし男性の中には、いわゆる生挿入が気持ち良いとか、女性の求めに応じず女性にリスクを背負わせる征服感が気持ち良いといった理由で、コンドームを密かに外す者がおり、近年問題視されつつある。

ステルシングが性暴力として問題視されるようになったのは2010年代なかば以降である。もっとも、ステルシングの行為そのものは、おそらくかなり昔から行われていたと考えられる。

なお「ステルシング(stealthing)」という言葉は「stealth+ing」という構成の語と解釈できる。stealth(ステルス)は「こっそり行うこと」「人目を忍ぶような」といった意味の語である。ただ stealth には名詞および形容詞の用法しかなく、動詞としては用いられない。