新語時事用語辞典とは?

2022年11月28日月曜日

モブ

英語:mob

「モブ」とは、どこにでも居そうで特徴がない人・キャラが立っておらず目立ってない人・学校や会社などで発言することが少なく影の薄い存在の人のことを意味する表現。
もともとは、アニメやゲームなどでメインストーリーに関わらない群衆や、名前がないその他大勢のキャラクターのことをモブキャラクター(モブキャラ)と呼ぶことに由来する。 現実世界で、特定の相手に対してモブ(やモブキャラ)と呼ぶことは、極めて失礼にあたるため注意が必要な表現である。

モブとは、モブの意味

モブとは、群衆や野次馬、暴徒という意味である。語源は英語の mob で、理性的ではない群衆、何らかの主張や意思を持たずに行動する連中などの、やや過激的な意味を持つ言葉である。日本で使われるモブは、群衆や野次馬の意味もあるが、たくさん集まっている人やただそこにいる人というニュアンスで使われ、ゲームやコミックの中で多用される傾向にある。

モブの対義語

モブの対義語はメインが挙げられる。メインキャラクターといえば、コミックやゲーム、映画などでは主役級を指す。

モブキャラクターは、主要ではない登場人物や、背景と同化している名前のないキャラクターを指し、映画では人(モブ)の大勢いる場面をモブシーンと呼ぶ。日本では、ネット上やオタクの間でモブが多用される。ネット用語では、重要な発言がなく、個性がないキャラクターや人物に対してモブと呼ぶケースが多い。

モブは、本来であれば注目されないキャラクターだが、アニメなどに登場する、可愛いが目立たない女性キャラクターに注目してモブ女子と呼称し、支持する人もいる。

アイドルオタク用語で知られるモブオタクは、個性や特徴が見られない平凡な行動を常にとるオタクを指す。モブの語を使った例文としては、「彼はドラマのモブシーンで通行人としてエキストラを演じた」「漫画家になりたいならメインキャラクターだけでなく、背景やモブキャラクターの描き込みも丁寧にすべきだ」などが挙げられる。



尊い

読み方:とうとい
読み方:たっとい

「尊い(とうとい)」とは、「貴重である・たいへん価値が高い・崇高である・推しやカプが最高に素晴らしい」という意味合いで用いられる表現である。

今日では「尊い」という表現は「たいへん価値がある」「貴重である」という意味において多く用いられている。たとえば「尊い犠牲」「尊い命」「尊い絆」「尊い努力」というような言い回しはよく用いられる。多分に理念的・抽象的であり、金銭的価値では置き換えられず、他の何かと比較することもできないような絶対的なもの、というニュアンスで捉えられる場合が多い。

古代の階級社会においては「身分の高い人」を「尊い人」と形容する用法があったが、この用法は今日では廃れている。「尊い神様」のように表現は「敬うべき・尊敬すべき・尊重すべき」という意味合いと捉えられる。

2010年代後半にはサブカルチャー分野を中心に「推しが尊い」というような言い回しで「尊い」の語を用いる言い方が登場し、ネットスラングとして広がった。この「推し」は自分が好きなキャラクター(またはキャラ同士のカップリング)のことであり、そこに見出された価値の高さが「尊い」と表現されているものと捉えられる。

「尊い」には自分と対象との間にある種のへだたり(隔絶)があるというニュアンスも汲み取れる。その意味では「推しが尊い」も「萌え」と同様、自分と二次元世界との埋まらない隔たりを無意識的に前提した表現と言えるかもしれない。

ニッチ

英語:niche
「ニッチ」とは、ビジネスシーンで大手の企業が参入していない小さい市場や商品のことをニッチ市場・ニッチ商品などと表現する際に用いられる隙間のことを意味する表現。

ニッチとは、ニッチの意味

ニッチ(niche)とは「隙間」を意味する言葉であり、とりわけ「大手が狙わないような小規模で見逃されやすい事業領域」を指す意味で用いられることの多い語。いわゆるスキマ産業。「ニッチ産業」「ニッチな商品」「ニッチな趣味」といった表現で用いられることも多い。

ニッチの語源は英語の niche である。英語の niche に複数の語義がある。日本語の「ニッチ」の意味も文脈によって大きく異なる。一般的な文脈では「人の能力に応じた適所や得意分野」を意味することもある。建築用語では「壁のくぼみ(壁龕)」、地学用語としては「岩などのくぼみ」、生物学の用語としては「生態的地位」といった意味で用いられる。

ニッチの語源と根本的な意味

「ニッチ」の語源は英語の niche である。英語の発音は「ニッチ」あるいは「ニッチェ」に近い。英語の niche の語源はフランス語である。

英語の niche(ニッチ)も、建築用語においては「花瓶や彫刻などを設置する目的で作られた壁のくぼみ」、地学用語では「岩のくぼみや割れ目」、生物学用語では「生態系の中におけるある生物の生態的地位」という意味で用いられる。

ニッチのそもそもの意味は、西洋建築における壁のくぼみ、である。壁や柱を円形もしくは四角くくりぬき、その部分に花瓶や彫刻などを置いて飾れるようにした飾り棚を指す意味が「ニッチ」の根本的な語意である。

20世紀前半に、生物学の分野で、いわゆる「生態的地位」を指す意味で「ニッチ」という表現が用いられるようになった。生態的地位とは、生存競争によって適応する特有の生息場所のことである。つまり、狭いが競争者のいない領域である。

そして「ニッチ」は経済分野における「隙間産業」の意味や、いわゆる「マニアックな分野」を指す意味でも用いられる語となっている。

一般的な文脈で「ニッチな趣味」という場合の「ニッチ」のニュアンス

一般的に「ニッチな~」と叙述する文脈では、「ニッチ」は「広く認知されていない」とか「一部の人にのみ興味を抱かれる」といった意味ニュアンスで用いられる。

たとえば「ニッチな趣味」は、おおむね良い意味で「風変わりな趣味」「マニアックな趣味」という意味で用いられる。「ニッチな人」といえば「風変わりな人」「マニアックな人」という意味になる。基本的に「良い意味で個性的」というニュアンスで使われることが多い。

「ニッチ」の語は経済用語、マーケティング用語として用いられている

経済・マーケティングの分野で用いられる「ニッチ」とは、おおむね「大資本が手につけなかったような隙間市場」を意味する。つまり「ニッチ市場」である。ちなみに英語でもニッチ市場(niche market)という表現は用いられる。

ニッチ市場は、市場の中において一般的ではなく、客層や需要が特定の方面に限られている小規模な市場である。市場規模がどうしても小さく、収益性は低い。潜在的な需要を開拓する必要もあり、それでも需要の規模の拡大には限りがある。こうしたニッチ分野には大企業は参入したがらない。

大企業は資本力に物を言わせて収益性の大きい大規模な市場で事業を行おうとする。 顧客の需要(ニーズ)は多種多様であるが、小規模な需要をひとつひとつ拾い上げて対応しようとする方針では、投資に見合った収益が得られるとは限らない。大企業は、小規模な市場への参入は消極的にならざるを得ない。

市場シェアが最も多い企業(マーケットリーダー)は、大多数に受け入れられ必要とされるニーズを狙う。2番手、3番手の企業も大多数のニーズに応えるために競争をする。その結果、小規模のニーズは取り残されることになる。そのため、潜在的に需要はあるものの大企業が手をつけてこなかった「市場のスキマ」が生まれる。そうしたスキマに中小企業が生き残りをかけて参入する。

ニッチな産業分野には、規模こそ少ないものの需要が高い(待ち望まれている)場合もある。価格が相対的に高くなっても対価を払う顧客がいる、という場合は珍しくない。

大企業が手をつけなかった分野や需要の開拓がなされていない分野に着目して戦略的に狙うことを「ニッチ戦略」もしくは「ニッチマーケティング」という。こうした隙間市場に目をつけていち早く参入した企業は、他社の競争による体力の消耗もなく、円滑な事業の展開を図りやすい。

ニッチ戦略によって提供されるサービスや商品は「ニッチ商品」「ニッチサービス」と呼ばれる。また、こうした商品やサービスを提供するビジネスが「ニッチ産業」「ニッチビジネス」などと呼ばれる。

ニッチ戦略によって成功を収めている企業は多い。たとえばコンビニエンスストアも「営業時間の長さ」や「立地条件」といった要素において潜在的需要を喚起し、つまりニッチを突くことによって、スーパーマーケットや既存の小売店よりも高めの価格設定ながら、他を出し抜く成長を遂げたわけである。


役不足

読み方:やくぶそく

「役不足」とは、自分の力量に対して与えられた役目が軽すぎることと誤解・誤用されがちだが本来は逆に本人の力量に対して役目が重すぎるさまを意味する表現。

役不足とは、役不足の意味

役不足とは、俳優が与えられた役に不満を抱くことである。歌舞伎を語源とする。役不足の語は、現代ではその人の力量に対して役目が容易すぎることの意味として用いられている。例えば、「柔道金メダリストの彼にとって、団体戦の先鋒出場は役不足だろう」のような使い方が挙げられる。この例文は、金メダルを獲得するほどの実力者なのだから、先鋒のポジションでは不満に感じるだろうという意味になる。

一方で、「この度、課長職を言い渡されました。役不足ではございますが懸命に職務を全うする所存です」は、通常は使わない表現である。この例文は、自分は課長職よりもっと高い役職(例えば部長職など)が相応しいのに、自分にとっては朝飯前の課長職に就かされてしまったことを意味するからである。正しい表現は、「力不足ではございますが懸命に職務を全うする所存です」である。

なお、役不足を役者不足と表現するのは誤りである。

役不足の類語、反対語

役不足の類語は、とても容易なことを意味する朝飯前(あさめしまえ)が挙げられる。役不足の反対語は力不足(ちからぶそく)である。

ドッペルゲンガードメイン

「ドッペルゲンガードメイン」とは、ユーザーのタイプミスや見間違えを利用することで広く使われているWebサービスのドメイン名に見かけ上そっくりと誤認させるドメインのことを意味する表現。
フィッシング詐欺を目的としたサイトや不正に個人情報を収集する悪意をもったサイトで用いられることが多い。 例えば、@gmail.com に対して@gmai.com などのドメインがドッペルゲンガードメインに相当する。 ユーザーが自身でURLを入力する際に誤字や脱字があることを想定して予めドッペルゲンガードメインを取得している場合や、 悪意のあるサイトが意図的にドッペルゲンガードメインを取得してからユーザーにメールやSMSなどでこのURLを案内し、ユーザーが見間違えたままドッペルゲンガードメインにアクセスしてしまう場合などがある。 これらの偽物のWebサイトは、正規のドメインのWebサイトとデザイン上も似せている場合が多い。 このためユーザーが偽物のサイトのページにてIDやパスワード、個人情報やクレジットカード番号などを入力してしまった場合、悪意のあるサイト運営者にこれらの情報を盗まれてしまう危険性が極めて高い。

打診

読み方:だしん

「打診」とは、ビジネス上や政治などのシーンで相手方に対して先に話題を小出しにしておくことで事前に考え方や意向を前もって確認しておくことのことを意味する表現。

打診とは、打診の意味

打診は、ビジネス用語として使用する場合と、医療現場で使用する場合がある。英語では、ビジネス用語としては sounding、医療用語としては tap や percussion と表記される。

打診の類語

打診の類語として、「提案する」や「提示する」などが挙げられる。どちらも、こちらの意見を投げかける、持ちかけるという意味を持つ。「是非を問う」「賛否を問う」という語も似たような意味を持つが、これらは何かを提示をして、相手からの返答を求めるという、打診としての意味とは微妙に異なるニュアンスを持っている。

打診の語の例文、使い方

打診の語を使った例文には、「意向を打診する」「打診した計画書に対する返答があった」などが挙げられる。 打診には、意見や考えを持ちかけ、相手の意向を確認する、という意味があるが、これには相手の返答の可否までは含まれていない。相手の返答を求めるという意味はあるものの、良い返答や同意を求めるという意味は含まれていないため、依頼やお願いをするときに使用する語ではない。打診の語は、「どのような返答が来るのか分からないけれど、とりあえず聞いてみる」というような意味で使われることが多い。


読み方:くさ

「草」とは、インターネット掲示板やSNSで笑いを表すwを連続して入力したwwwが草を生やしているように見えることからインターネットスラングとして笑いのことを意味する表現。
もともとは、「笑い」や「(笑)」などを表記する際に、「warai」というローマ字入力が変換されずに「w」と省略されるようになり、それが連なることで「www」になり、さらにこの「www」が草が生えているように見えることから、最終的に「草」と言い表されるようになったという経緯がある。

草とは、草の意味

草とは、植物の形態のひとつのことで、正式名称は「草本」と呼ばれる。草は体が小さく、生息していられる期間も長くはない。草は「草ぶき」「草屋」のような使い方をして、草に「粗末」という意味を持たせることもある。英語では grass と表現する。日本独自のネットスラングとして、文末に「草」を付す場面も多く見られる。

ネットスラングの草の意味

草は、ネットスラングで「笑い」、あるいは「嘲笑」を意味する。もともとは、「(笑)」を省略して「w」と書かれていたものが、「wが草に見える」との理由から「草」に変わっていった。ただし、「w」が語尾につける記号的な要素が強いのに対し、草は名詞として用いられる機会が目立つ。

例文として「まったく勉強せずにテストを受けたら、案の定、赤点を取って草だった」といった使い方が挙げられる。また、ネット上では面白おかしい状況、相手を馬鹿にしたい場面などで「草が生える」と表現することもある。「冗談のつもりで言ったのに、本気にするのは草が生える」などと表現する。

なお、ネットスラングとしての草は敵対する相手への煽り文句として使用されることも少なくない。草は用いるタイミング次第で相手を不快にさせることもある。