新語時事用語辞典とは?

2022年12月5日月曜日

エグゼクティブ

英語:executive
別名:エグゼクティヴ
別名:エグゼキューティブ

「エグゼクティブ」とは、主に「企業などの運営・管理に直接携わる経営責任者・執行役員・上級管理職などの幹部」の意味で用いられる表現である。管理職や役員の肩書・役職名として用いられることも多い。執行役員のトップに位置する役職が「CEO(最高経営責任者)」である。

「エグゼクティブ」は、英語の executive(「実行力がある」「行政的な」「執行部の」といった意味を表す形容詞・名詞)に由来する語である。ちなみに英語の executive は、動詞 execute(実行する・執行する)から派生した語である。

「エグゼクティブオフィサー(executive officer)」は、会社の幹部や役員のことである。その長(chief)が「最高経営責任者(CEO)である。

「エグゼクティブマネージャー(executive manager)」は、会社の執行役を指す。エグゼクティブマネージャーの代わりに「シニアマネジメント」という語が使われる場合もある。

「エグゼクティブサマリー(executive summary)」は、要領・要綱のことである。つまり、事業計画書内のビジネスプランの重要ポイントをまとめたものである。役職名ではない。
  • officer:役員
  • executive officer:執行役員
  • executive director:執行役員、常任理事、専務
  • executive manager:執行役員、事業部長
  • chief executive officer / CEO:最高経営責任者、取締役
  • chief technology officer / CTO:最高技術責任者
  • chief operating officer / COO:最高業務執行責任者
  • chief financial officer / CFO:最高財務責任者
  • chief information officer / CIO:最高情報責任者
  • president:社長、会長、頭取、総裁
  • President and CEO:社長兼最高経営責任者、代表取締役社長
英語圏における企業の役職名は、必ずしも日本企業の役職と1対1で対応するわけではない。同格の役職でも訳語を使い分ける必要がある場合もある。「エグゼクティブ」は、日本語の「重役」「常務取締役」「役員」クラスの役職に相当するといえる。

ちなみに日本語の「役員」は、「会社法」においては「取締役・会計参与・監査役」を指す言葉として規定されている。

弊社

「弊社」とは、「自分の会社・自分が所属する会社を指すへりくだった表現(謙譲表現)」の意味で用いられる言葉である。会社としての一人称であり謙称。「小社」ともいう。

「弊社」は、社外の人間に対して「我々の会社」を指す際に用いる表現である。謙遜の意味合いが不要な場面では主に「当社」が用いられる。

会社だけでなく神社や結社なども「弊社」を用いる。銀行は「弊行」、学校は「弊校」、店舗は「弊店」。

弊社の語源

弊社の「弊」の漢字の意味は、「よくないこと、習慣的な悪さ」「自分の物に冠して、謙遜の意を表す」である。前者の意味で使用される例としては、弊害(悪い害)や弊政(悪政)などが挙げられる。後者の意味としては、自分の家をへりくだった表現の「弊家」「弊宅」といった語が挙げられる。

弊は、「よくない」という意味合いから派生し、相手の会社に対して自社が格下であることを強く表現でき、控えめでかしこまった態度を示すことができる。社外の人間との会話や電子メール、正式文書などさまざまなビジネスシーンで使用される言葉である。「小社」という表現は、どちらかというとメールや文書など、主に書き言葉で使用されるケースが多い。

他には、口頭の場面では「弊方」という表現もある。自分側の組織を指すへりくだった言い方で、「我々」を意味する語である。

弊社と当社、貴社、御社の違い

弊社と似た表現に、「当社」「貴社」「御社」という言葉がある。当社は、弊社と同様に「我々の会社」を意味する言葉で、「会社」の丁寧語である。へりくだることなく対等な関係を示すニュアンスが含まれており、「弊社」とは使用するシーンが異なる。特に自社内で使用する場合には当社を使用するのが一般的である。たとえ上司との会話であっても、自社内では「当社」を使用する。対等な関係という点で、自分の会社を同業他社と比較するときも「当社製品はA社製品と比べ、性能の点で特徴がある」のように使用することができる。

貴社と御社は、社外の人間に対し「相手の会社」を表す言葉である。貴社は、書き言葉として、主にメールや正式文書などで用いられる。正式文書の冒頭・締めの言葉として「貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」「末筆ながら、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます」 と用いるなど、使用機会は多い。

御社は、通常口頭で使用する。文書内に記載しても問題ないとされてはいるが、メールや文書内では貴社の方が適切である。弊社や当社、貴社、御社などの言葉は、ビジネスシーンにおいて適切に使用することが望ましい。

弊社の語の例文、使用例

文書の場合
  • 日頃より弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。
  • 弊社は12月29日から1月3日までの間、年末年始のため休業とさせていただきます。
  • 平素は格別のお引立てを賜り厚くお礼申し上げます。さて、この度弊社事務所は左記(下記)に移転することになりました。
  • 本メールは弊社サイトからお問い合わせいただきました方へお送りしております。
口頭の場合
  • 当ブースでは弊社商品をご案内いたしております。
  • 先日は弊社までお越しくださりありがとうございました。
  • 弊社と致しましても、問題はないという認識をしております。

意思と意志の違い

「意思と意志の違い」とは、簡単にいえば、「意思は気持ち・考え・思っている事のこと」であり、「意志は意欲・意向・したい/しようと思っていること」である。

「意思」は「行動や選択をする際の元となる内的な心の動き」を意味する語である。「意志」は「目標を定めた心の様子」を意味する語である。 「意思」も「意志」も、どちらも「気持ち・考え」を意味する言葉である。そして「意思」は特に「どう思っているのか」を意味し、同じく「意志」は特に「どうしたいと思っているのか」を意味する。

「意思疎通」は「互いの気持ちや考え方が通じ合っていること」であるから、主に「意思」の語が用いられる。

「意思表示」も「自分の気持ち・考え・思っていることを相手に明確に示すこと」であるから、主に「意思」の語が用いられる。

ただし、場合によっては敢えて「意志」の語を使って「意志疎通」や「意志表示」と表現されることもある。

「意志薄弱」は「成し遂げようとする気持ちが弱い」もしくは「積極的に決断しようとする気持ちが弱い」ということであるから、もっぱら「意志」の語が用いられる。

「意志」には、気持ちの有無や強弱を問うニュアンスがある。「意思」には気持ちの有無を問うニュアンスはあるが、強弱のニュアンスは特にない。

「意思」も「意志」も、読み方は同じ「いし」である。

「意」は「心・気持ち・考え」を意味する字である。「思」は心や心の中の様子。「志」は「何かに向けられる気持ち」を意味する字である。

「意思」は「あらゆる可能な行動や選択をする出発点になる心の動き」を意味し、その気持ちの方向(何に向けられた気持ちであるのか)については関与しない。

「意志」は「行動の方向を定めた心の様子」を意味し、意欲・決意・強い動機を伴った決断などを指す。そのため、その心の強弱や確かさを問われることも多い。

「意思」「意志」の主ない方・使い分け方

法律の分野では「意思」の語が主に用いられる。心理学や哲学では「意志」の語が用いられることが多い。

たとえば、金融商品やサービスを購入する行動には「意思」が用いられる。契約する際の「この内容でいいですか?」というやり取りは法律用語で「意思確認」と呼ばれる。後のトラブル防止のために契約内容に同意し契約する意思の有無を明らかにする手順である。後の結果までを踏まえて判断する能力は「意思能力」という。刑法では、犯罪を犯した人が自分の行動に対してどういう認識をしていたのかを問う文脈で「意思」が問われる。「意志」の語は用いられない。

哲学の分野では「意志」が用いられる。意志は古来より大きな哲学上の議題として扱われてきた。何の制約も外的影響も受けずに本人が自発的に心のありようを決定できるような意志を「自由意志」というが、この「自由意志」は果たして存在しうるか?という問いは、いわば永遠のテーマである。

「意思」「意志」の用例・例文

「意思表示する」は、自分の気持ちや意向を相手に伝えること。「意思」は心の中の動きにとどまっているので、それがどういった動きかを他者に知ってもらうには、何らかの形で表現する必要がある。これに対して「意志」は、より積極的な行動に現れるもので、本人の行動や選択から、その人の「意志」をうかがい知ることが容易といえる。その気持ちの強さは「意志が強い・意志が弱い」「意志が固い」などのように表現される。「意志を貫く」のような言い方でも用いられる。

SHEIN

読み方:シーイン
「SHEIN」とは、ファストファッションをオンラインで安価に提供しSNSを中心にZ世代の利用者を急速に増やしている中国発のアパレルブランドの名称のこと。
インターネット上での流行を素早くキャッチアップし、小ロットでスピーディーに商品化することが特徴。 商品は、中国の工場から物流センターを経て消費者のもとに直接届くことになるため、卸売業者などを介さずにコストを下げることが実現している。 2020年頃からアメリカやヨーロッパを中心に人気が出始め、2022年11月には日本の原宿にリアルな店舗のショールームをオープンした。

公式サイト
SHEIN

レスポンス

英語:response

「レスポンス」とは、「呼びかけや働きかけに対して声や動作などで応じること」や「入力操作や問い合わせに対して結果が得られること」などの意味で用いられる表現である。主に「反応・返答・応答」と訳される。とりわけ「応答の速さ」に注目する文脈で用いられやすい。

「レスポンス」は英語の response に由来する語。なお英語の response は、動詞 respond(応答する)の名詞形である。

ビジネスシーンでは、指示を受けてから行動するまでの迅速さや、問い合わせを行ってから回答が返ってくるまでの迅速さなどを「レスポンスが良い」「レスポンスが悪い」などと表現することが多々ある。

自動車・バイクの分野では、運転操作に対するマシン側の反応を「レスポンス」と呼ぶ。アクセル(スロットル)・ブレーキ・ハンドリング等の操作に対してマシンがすぐに反応することを「レスポンスがいい」「レスポンスがはやい」などと表現する。

「Response.」は自動車専門のニュースメディアの名称である。

IT用語としての「レスポンス」は、サーバー等への要求(リクエスト)に対する返信のこと、または、それが返ってくるまでの速度(応答時間)を指す意味で用いられる。対人コミュニケーションにおける返答・返信を指すこともあるが、これは「レス」と略して呼ばれることが多い。

なお、インターネット上の掲示板への書き込みに返信する時や、電子メールに返信する時に用いる「Re:」はレスポンス(response)の略ではなく、ラテン語の「~について」の意味を持つ res を由来としている。