新語時事用語辞典とは?

2011年3月15日火曜日

原子力安全・保安院

読み方:げんしりょくあんぜん・ほあんいん
別名:保安院
別名:NISA
英語:Nuclear and Industrial Safety Agency

原子力や電力を初めとした、エネルギー関連の施設や産業活動に関する安全規制や保安を所管する経済産業省の一機関。

関連サイト:
原子力安全・保安院

国際原子力事象評価尺度レベル6

読み方:こくさいげんしりょくじしょうひょうかしゃくどレベルろく
別名:INESレベル6

国際原子力機関(IAEA)などが定める原子力発電所の事故の事象報告のための国際評価尺度の内、「大事故」として規定されるレベルのこと。

「レベル6」の場合、「事業所外への影響」の基準としては、放射性物質のかなりの外部放出などが挙げられる。

過去に発生した、原子力発電所の事故で、「レベル6」に相当するものとしては、1957年に旧ソ連で発生した「ウラル核惨事」がある。

2011年3月11日に発生した東日本大震災により発生している「福島第一原子力発電所事故」については、2011年3月15日時点では「レベル5」とされ、「レベル6」であるとする見解が出るなどしていたが、4月半ばには暫定レベル7まで引き上げられている。

原子力事故

読み方:げんしりょくじこ

原子力発電所をはじめとする原子力関連施設で発生した事故の総称。特に原子力発電所で発生したものを「原発事故」と言うこともある。

原子力関連施設には原子力発電所の他に、プルトニウムを生産する高速増殖炉や、軍事用の試験炉などがある。放射能汚染により、広範囲にわたり人間および自然環境に深刻なダメージを与えるおそれがある。

原子炉圧力容器

読み方:げんしろあつりょくようき

原子炉を格納するための圧力容器の総称。

2011年3月11日の東日本大震災により原発事故が発生した「福島第一原子力発電所」の場合、ウラン燃料を焼き固めたペレットを、燃料被覆管が覆い、それを原子炉圧力容器が覆い、それを原子炉格納容器が覆い、最後にその全体を原子炉建屋が覆うというような構造になっている。

原発事故

読み方:げんぱつじこ

原子力発電所において発生した事故。炉心溶融(メルトダウン)などにより放射性物質が外部に漏れ出、放射能汚染を引き起こす、といった深刻な事態を招きやすい。

原子力発電所を含む原子力関連施設で発生する事故を総称して「原子力事故」ともいう。

全交流電源喪失

読み方:ぜんこうりゅうでんげんそうしつ
別名:ステーション・ブラックアウト
英語:station blackout

非常用ディーゼル発電機なども使用不能となり、原子力発電所に全ての交流電源を供給できなくなる事象のこと。

2011年3月11日の東日本大地震により事故が発生している東京電力福島第一原子力発電所では、「全交流電源喪失(ステーション・ブラックアウト)」が発生している。

沸騰水型原子炉

読み方:ふっとうすいがたげんしろ
別名:沸騰水型軽水炉
別名:沸騰水型炉
英語:Boiling Water Reactor
英語:BWR

原子力発電で使用される原子炉のうち、炉内の圧力容器の熱で周りの水を蒸気に換え、発電タービンを回し、電気エネルギーを得る方式のもの。重水ではなく天然水を利用する「軽水炉」の一種。

沸騰水型原子炉は、東京電力の福島第一原子力発電所をはじめ、日本および世界の多くで採用されている。沸騰水型軽水炉の構造を単純化の方向で改良したものは改良型沸騰水型原子炉(ABWR)と呼ばれる。こちらは東京電力の柏崎刈羽原子力発電所などで採用例がある。

軽水炉には、蒸気を発生させる方式により「沸騰水型」と「加圧水型」に分類される。加圧水型軽水炉はタービンを回す水蒸気が放射性物質を含まないように軽水が一次系統・二次系統に分けて使用される。

関連サイト:
軽水炉のしくみ - 電気事業連合会 でんきの情報広場

核反応生成物

読み方:かくはんのうせいせいぶつ

ヨウ素やセシウムなどといった核反応の結果として生成される物質の総称。

使用済み燃料プール

読み方:しようずみねんりょうプール
別名:使用済み核燃料一時貯蔵プール
別名:使用済み燃料貯蔵プール
別名:使用済み核燃料プール
別名:使用済燃料プール
別名:一時貯蔵プール

原子力発電所などの原子炉で使用された後の燃料棒である「使用済み燃料(使用済み核燃料)」を、一定期間にわたり貯蔵しておくための設備のこと。原子炉建屋内に設置されている。

使用済み核燃料を貯蔵する方法には、貯蔵プールの他に、乾式キャスクなどが挙げられる。ちなみに、福島第一原子力発電所では貯蔵プールと乾式キャスクが用いられており、福島第二原子力発電所では貯蔵プールが用いられている。

なお、『使用済み燃料プール』にある核燃料はその後に、再処理のために六ヶ所再処理工場などの処理工場へ輸送される。

緊急被ばく医療

読み方:きんきゅうひばくいりょう
別名:緊急被曝医療

被曝者の除染や二次被曝の防止といった、放射能汚染に対する処置を含んだ救急医療のこと。通常の救急医療に加えて、放射能汚染の管理が必要となる。医療を受け持つ医師やスタッフが被曝しないように防護する体制も必要となる。

関連サイト:
緊急被ばく医療とは何ですか - 原子力安全研究協会

ナノシーベルト

別名:nSv
英語:nanosievert

放射線に被曝する場合などの放射線量を表す単位「シーベルト」の一つ。「1000ナノシーベルト」で「1マイクロシーベルト」。「1000マイクロシーベルト」で、「1ミリシーベルト」となる。

マイクロシーベルト

別名:µSv
英語:microsievert

放射線に被曝する場合などの放射線量を表す単位「シーベルト」の一つ。一般的に胸部レントゲンでの場合「300~1000マイクロシーベルト」程度となる。なお「1000マイクロシーベルト」で、「1ミリシーベルト」となる。

ミリシーベルト

別名:mSv
英語:millisievert

放射線に被曝する場合などの放射線量を表す単位「シーベルト」の一つ。一般的に胸部レントゲンでの場合「0.3~1ミリシーベルト」程度となる。なお「1000マイクロシーベルト」で、「1ミリシーベルト」となる。

放射線量の単位には「グレイ」と「シーベルト」があるが、シーベルトは特に被ばくした場合の人体への影響を測定する際に用いられる。

一般的に、人が通常状態で自然界から1年間にあびる限度量は1ミリシーベルト程度とされている。人体はおおむね200ミリシーベルトを超えて被ばくすると病的症状が表れるといわれており、また、7シーベルトを超えて被ばくすると100パーセント死に至るという。

ウラン燃料

読み方:ウランねんりょう

ウランを元にした核燃料の総称。原子力発電所などにおいて原子燃料として利用される。

圧力抑制室

読み方:あつりょくよくせいしつ
別名:圧力抑制プール
別名:サプレッションプール
別名:サプレッションチェンバー
英語:supression pool

原子力発電施設に設置されている、蒸気圧などによる原子炉の圧力上昇を抑えるための水冷装置。原子炉格納容器の下にあり、原子炉内の蒸気を圧力抑制室内で冷却することによって、圧力を下げる役割を持つ。

関連サイト:
原子力発電所の構成建屋と敷地内配置 - JNES 独立行政法人 原子力安全基盤機構

ベント弁

読み方:ベントべん
別名:ベントバルブ
英語:vent valve

容器や配管などに溜まった余分な水・ガスなどを外に逃がすための弁。原子炉の格納容器などでは、格納容器内部の蒸気を外部に放出するために利用される。

東京電力

読み方:とうきょうでんりょく
英語:The Tokyo Electric Power Company, Incorporated
別名:東京電力株式会社
別名:東電
別名:TEPCO

東京電力は、主に関東地方などに電力を供給する日本の電力会社。

2011年3月現在、東京電力が電力を供給している地域は、群馬県、栃木県、茨城県、埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県、山梨県、静岡県の富士川以東(富士市の旧富士川町域は含まない)などの地域である。

2011年3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」により発電所などが被災。その後、福島第一原子力発電所では、一部の原子炉について水素爆発による建屋の崩落などが発生している。2011年3月14日からは発電所の被災による電力不足から関東地方の一部で輪番停電を実施している。

関連サイト:
東京電力ホームページ

放射線テレメータ

読み方:ほうしゃせんテレメータ
別名:放射線監視テレメータ
別名:放射線監視テレメータシステム

遠隔地の原子力施設などの放射線量を観測・記録するシステム。テレメータ(telemeter)とは遠隔測定(telemetry)を行う装置のこと。

放射線テレメータを使用して遠隔監視を行っている施設には、茨城県ひたちなか市の「茨城県環境放射線監視センター」、福井県敦賀市の「福井県原子力環境監視センター」などがある。それぞれ、放射線テレメータによる原子力施設の常時遠隔監視を行っており、観測結果をインターネットなどを通じて公開している。

関連サイト:
福井県原子力環境監視センター
茨城県環境放射線監視センター