新語時事用語辞典とは?

2011年3月17日木曜日

システム障害

読み方:システムしょうがい

プログラムの不具合やバグ、またはアクセスやバッチ処理の集中などによって、コンピュータシステムに問題が発生すること。

システム障害と言う場合、多くの場合は、パソコンにインストールして使われるソフトウェアなどの不具合のことではなく、航空会社が保有するコンピュータシステムや銀行が運用している取引システムなどといったコンピュータシステムにおける障害の事を指すことが多い。

関連サイト:
3月15日午前中に発生しましたシステム障害の影響等について - みずほ銀行(2011年3月16日)

電力需要

読み方:でんりょくじゅよう

電力に関する需要。特に、特定の電力会社の管内において特定の時間帯に使用される可能性がある電力の消費量のこと。

2011年3月11日に発生した東北関東大震災の影響により、東京電力と東北電力の管内は慢性的な電力不足に陥っている。

このため、電力需要が高まる時間帯に合わせて予めグループ分けされた地域ごとに管内の停電を行う「計画停電」が実施されているものの、電力需要が供給力を上回ると、予測不能な大規模停電が発生する恐れもあるとされている。

震災義援金

読み方:しんさいぎえんきん
別名:震災義捐金

「阪神・淡路大震災」「東日本大震災」などをはじめとした、特定の地震において被災した地域の人々を支援するための義援金のこと。

日本赤十字社で震災の義援金を受け付けている他、全国の各自治体でも義援金の受付が行われる。

関連サイト:
日本赤十字社 - 公式ホームページ
東北関東大震災義援金を受け付けます - 日本赤十字社の東北関東大震災義援金受付専用ページ

近傍派遣

読み方:きんぼうはけん

自衛隊の災害派遣のうち、部隊の庁舎や営舎の近傍(近隣)で発生した災害に対して、部隊長が必要に応じて部隊を派遣すること。自衛隊法において規定されている。近傍派遣に該当しない地域への災害派遣は、原則的に、防衛大臣などからの出動命令がなければ行うことができない。

耐震強化岸壁

読み方:たいしんきょうかがんぺき
別名:耐震バース

港湾に建設される岸壁のうち、地震に耐えるよう耐震性能が強化された岸壁のこと。阪神・淡路大震災においては、マグニチュード7を超える直下型大地震が直撃したにも関わらず、耐震強化岸壁は海上輸送機能を失わなかったことで、評価されている。

融通受電

読み方:ゆうずうじゅでん
別名:電力融通

中部電力と東京電力などという具合に、特定の電力会社の間で、電力が不足している側の電力会社に対して電力を融通すること。

周波数が異なるエリア間で電力の融通が行われる場合は、周波数変換所で周波数の変換を行ってから送電が行われる。ただし、周波数変換施設の容量には上限があるため、一定時間に融通される電力量には上限がある。

関連サイト:
3月16日(水)計画停電(9時~12時分)の中止について - 東北電力 プレスリリース(平成23年3月16日)

創エネ

読み方:そうエネ
別名:創エネルギー
英語:energy creation

エネルギーを生産すること。エネルギー消費において消費量を節約するだけでなく、むしろエネルギーを作り出そうとする考え方。家庭でのエネルギー消費を減らす「省エネ」を更に進めたコンセプトとして提唱されている。

具体的には、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの活用やコジェネレーションシステムなどが「創エネ」として想定されている。なお、蓄電池などを利用してエネルギーを貯め、必要なときに使えるようにしようというコンセプトは、「省エネ」「創エネ」と同様に「蓄エネ」として提唱されている。

関連サイト:
創エネルギー・蓄エネルギー - パナソニック企業情報 環境活動

東日本巨大地震復興税

読み方:ひがしにほんきょだいじしんふっこうぜい
別名:東日本巨大地震災害復興基金

2011年3月に発生した「東北地方太平洋沖地震」(東日本巨大地震)で壊滅的な被害をうけた被災地を支援し、復興を促進させるため、財源として暫定的に導入すべきと提言されている、臨時増税案。

3月17日現在、東日本巨大地震復興税の内容は提唱者によってまちまちであるが、例えば公益社団法人・日本経済研究センターは、エネルギー消費に対する課税を提唱している。

関連サイト:
東日本巨大地震 緊急リポート - 日本経済研究センター 政策提言

災害公営住宅

読み方:さいがいこうえいじゅうたく

災害の発生した際に、住居を失った被災者に対して自治体が提供する住宅。仮設住宅や、民間の賃貸住居を自治体が借り上げて提供する方式など、複数の形態がある。

災害弔慰金

読み方:さいがいちょういきん

地震や津波といった自然災害に遭い死亡した人の遺族に対して支給される弔慰金。「災害弔慰金の支給等に関する法律」において規定されている。

被災して死亡した人の遺族に支払われる災害弔慰金の他に、災害により大きな障害を負った人に対して支給される「災害障害見舞金」もある。

地震で建物の下敷きになった、というような、直接に自然災害に起因する死でなくても、避難所生活で常備薬がなくなったり、寒さで凍え死んだり、といった亡くなり方は、「災害関連死」と認定されれば災害弔慰金の支給対象になる。

関連サイト:
災害弔慰金、災害障害見舞金の概要 - 厚生労働省 災害救助・救援対策

福島第一原子力発電所4号機

読み方:ふくしまだいいちげんしりょくはつでんしょよんごうき
別名:福島第一原発4号機

東京電力の福島第一原子力発電所に設置された原子炉の4号機。

着工日は 1972年9月、運転開始日は1978年10月。原子炉形式は沸騰水型軽水炉、燃料は二酸化ウランであり、定格電気出力は78.4万キロワット。

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震が発生した際、福島第一原子力発電所の4号機・5号機・6号機は定期点検のため停止していた。

その後、1号機から3号機と比べて比較的問題ないように思われたものの、3月15日午前6時ころ爆発音があり、午前9時半過ぎに使用済み燃料プールが設置された場所の付近である建屋の4階部分での火災が確認され、その後、使用済み燃料プールの温度が異常に上昇。再臨界の可能性が指摘されている。

関連サイト:
TEPCO : 福島第一原子力発電所 | 運転状況【4号機】

福島第一原子力発電所3号機

読み方:ふくしまだいいちげんしりょくはつでんしょさんごうき
別名:福島第一原発3号機

東京電力の福島第一原子力発電所に設置された原子炉の3号機。

着工日は 1970年10月、運転開始日は1976年3月。原子炉形式は沸騰水型軽水炉、燃料はMOX燃料(プルサーマル)であり、定格電気出力は78.4万キロワット。

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震の影響によりタービンと原子炉が自動的に停止。

3月13日午前2時44分、冷却装置が停止し、冷却水の水位が低下し始めたものの、同日午前8時40分過ぎ、安全弁を開けることに成功し、原子炉格納容器内の蒸気が排出され始めたため真水の注入を開始したものの、同日12時55分には燃料棒の一部が露出し始めたため、海水の注入が開始された。

3月14日午前11時過ぎ、原子炉建屋が爆発し骨組だけとなった。

3月16日午前中、白煙が確認されたため、3号機については原子炉格納容器の一部が破損した可能性があると見られており、炉心溶融の可能性が指摘されている。

関連サイト:
TEPCO : 福島第一原子力発電所 | 運転状況【3号機】

福島第一原子力発電所2号機

読み方:ふくしまだいいちげんしりょくはつでんしょにごうき
別名:福島第一原発2号機

東京電力の福島第一原子力発電所に設置された原子炉の2号機。

着工日は1969年5月、運転開始日は1974年7月。原子炉形式は沸騰水型軽水炉、燃料は二酸化ウランであり、定格電気出力は78.4万キロワット。

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震の影響によりタービンと原子炉が自動的に停止。

直後から2日程度は、他の原子炉と比べた場合、比較的安定していたものの、3月14日に3号機の建屋の爆発に伴い、2号機についても原子炉建屋を損傷し、3月14日午後になって冷却機能を消失した。原子炉の水位が低下したため、同日夕方より海水の注水が開始されたものの、ポンプの燃料が切れて注入できなくなっていたため、冷却水の水位が大きく低下し、一時、燃料棒が全て露出する事態となった。

さらに、3月15日午前6時過ぎには、原子炉格納容器の圧力抑制プール付近で爆発音が発生している。

関連サイト:
TEPCO : 福島第一原子力発電所 | 運転状況【2号機】

福島第一原子力発電所1号機

読み方:ふくしまだいいちげんしりょくはつでんしょいちごうき
別名:福島第一原発1号機

東京電力の福島第一原子力発電所に設置された原子炉の1号機。

着工日は1967年9月、運転開始日は1971年3月。原子炉形式は沸騰水型軽水炉、燃料は二酸化ウランであり、定格電気出力は46.0万キロワット。

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震の影響によりタービンと原子炉が自動的に停止。地震と津波の影響により冷却機能を失った。3月12日15時36分ごろ水素爆発と見られる爆発が発生し、原子炉建屋が破損し骨組だけとなった。同日20時20分からは、原子炉圧力容器内部への海水注入が開始された。

関連サイト:
TEPCO : 福島第一原子力発電所 | 運転状況【1号機】

保安検査官

読み方:ほあんけんさかん
別名:原子力保安検査官

保安検査を任務とする役職。特に原子力保安検査官を指す。原子力保安検査官は、資源エネルギー庁の特別の機関である原子力安全・保安院に所属しており、それぞれ原子力関連施設に常駐している。平時は保安検査を、緊急時には中央官庁への連絡などを行う。

グローバルホーク

英語:Global Hawk

米国ノースロップ・グラマン社が開発した高高度無人偵察機。

グライダーのような長い主翼、V字型の尾翼、胴体に乗せられた1基のエンジンが特徴。高度2万メートルを自動操縦によって完全無人で飛行する。

グローバルホークは1998年に試験飛行が開始され、2004年に量産機の納入が開始されている。2010年現在、米国空軍、同海軍、およびNASAにおいて使用されている。2010年10月には、日本の米軍基地にも配備が検討されていることが発表されている。

関連サイト:
Global Hawk Gallery

災害関連死

読み方:さいがいかんれんし

災害の発生時に、直接その災害で死んだものではないが、災害で避難所生活を余儀なくされ、病気で亡くなるなど、災害に起因して死亡すると判断される場合。震災の場合は特に「震災関連死」とも言う。

災害関連死は定義されているわけではなく、具体的な事例を調査しつつその都度災害関連死に該当するか否か判断される。災害関連死と判断された場合、遺族は災害弔慰金の支給対象となる。

1995年の阪神・淡路大震災では、6400名を超える死者数の1割以上が、震災後に持病悪化や過労などで亡くなった震災関連死とされている。

関連サイト:
阪神・淡路大震災の概要 - 人的被害 - 内閣府防災情報のページ

化学科部隊

読み方:かがくかぶたい
別名:化学科

陸上自衛隊の対NBC兵器専門の部隊のこと。中央特殊武器防護隊などが挙げられる。

化学科部隊では、核や生物毒、化学兵器などによるテロなどの災害に対応する。

なお、2011年3月に発生した福島第一原子力発電所の事故においては、化学科部隊の中央特殊武器防護隊によって被災民の救助や誘導などが行われた。

関連サイト:
NBC災害の知識 - 独立行政法人国立病院機構災害医療センター

NBC災害

別名:エヌビーシーさいがい

核によるテロ、生物毒によるテロ、化学兵器によるテロなどによる災害のこと。

NBCのNはNuclear、BはBiological、CはChemicalの意味。

2011年3月に発生した福島第一原子力発電所の事故においては、陸上自衛隊の対NBC兵器専門の化学科部隊である中央特殊武器防護隊によって、被災民の救助や誘導などが行われた。

関連サイト:
NBC災害の知識 - 独立行政法人国立病院機構災害医療センター

キャピタル・フライト

英語:Capital Flight
別名:資本逃避

自国から海外へ資本が流れ出すこと。

キャピタル・フライトの要因としては、自国の経済情勢と通貨価値が大きく乖離した場合や、政情不安、大手金融機関の破綻などが挙げられる。

キャピタル・フライトは、インフレを引き起こすともされ、その結果として自国の通貨価値が下がる。例えば、日本においてキャピタル・フライトが起きた場合には、円通貨が売られ、対外貨において円安になる。

震災関連死

読み方:しんさいかんれんし

震災において、家屋倒壊による圧死や津波に呑まれるといった地震に直接起因する死ではないが、震災で避難所生活を余儀なくされるなど、震災による環境の変化などより死亡する場合。災害関連死。

震災関連死と判定する基準はなく、都度調査の上判断されるが、震災関連死と判定されれば、遺族には災害弔慰金が支給される。

1995年の阪神・淡路大震災では、6400名を超える死者数の1割以上が、震災後に持病悪化や過労などで亡くなった震災関連死とされている。

関連サイト:
阪神・淡路大震災の概要 - 人的被害 - 内閣府防災情報のページ

バーゲンハント

英語:Bargain Hunt

主に外国為替取引市場において、割安になっている通貨を買うこと。その通貨が通常よりも安い価格帯で推移している場合に行われることが多い。

バーゲンハントは主に、ヘッジファンドなどにより行われる。また、個人投資家によって行われることもある。

バーゲンハントは、その通貨を下値支えする主要因となることもある。

各党・政府震災対策合同会議

読み方:かくとうせいふしんさいたいさくごうどうかいぎ

2011年3月に発生した「東北地方太平洋沖地震」について、情報交換や対応策の議論などを行う場として設けられた超党派的な会議。3月15日に設置された。

各党・政府震災対策合同会議には各政党の党首などが出席している。それぞれが得た情報の共有、復旧支援に関する具体的な対策の検討、今後の動きについての意見交換、などが行われる。

電子ブローキング・システム

読み方:でんしブローキングシステム
英語:Electronic Broking System
英語:EBS
別名:電子ブローキング

銀行間の為替取引を電子的に行うコンピュータシステムのこと。

「電子ブローキング・システム」では、為替レートなどがコンピュータの画面上に表示され、為替の売買取引もコンピュータの画面上で行われる。

「電子ブローキング・システム」は、主にElectronic Broking System(EBS)社やReuters(ロイター)社などによって開発、運用されている。

銀行間の為替取引には、「電子ブローキング・システム」の他に、ダイレクトディーリング、ボイスブローカーなどが挙げられる。

2011年3月現在、銀行間の為替取引のうち9割以上が「電子ブローキング・システム」による取引とされている。

ボイスブローカー

英語:Voice Broker
英語:Voice Broking
別名:ボイスブローキング

銀行間の為替取引を肉声で行うこと。

ボイスブローカーでは、ディーラーとブローカーとの間を電話回線でつなぎ、ボイスボックスと呼ばれる機器を通じて為替取引が行われる。

銀行間の為替取引には、ボイスブローカーの他に、「電子ブローキング・システム」、ダイレクトディーリングなどが挙げられる。

サイレントお祈り

読み方:サイレントおいのり

就職活動における不採用通知を意味する「お祈り」のうち、不採用通知を受け取らずに不採用となること。

サイレントお祈りの「お祈り」という表現は、不採用通知の通称である。不採用通知のほとんどが、結びの言葉として「ご健勝(ご健闘)をお祈りいたします」のような文句を記していることから、通称として定着したものとされる。

就職活動では、採用・不採用いずれの場合にも、応募者にその旨の通知を行うことが普通とされているが、不採用通知が届かなければ就職活動で次の行動を起こしにくくなるなどの困難が起こりやすくなる。

2010年頃から、応募者のもとに通知がなかなか届かない、あるいは通知が結局届かない、といった場合があることが注目されはじめ、問題視されている。

核暴走

読み方:かくぼうそう

原子炉内の出力が異常に上昇し、臨界制御が不能な状態に陥ること。

核分裂が持続的に行われる「臨界」状態は、使用される中性子の性質によって「即発臨界」と「遅発臨界」に分類される。遅発臨界は核分裂反応後やや遅れて放出される中性子(遅発中性子)を必要とするため、遅発中性子を吸収することで臨界・超臨界を制御することができる。しかし、核分裂反応の直後に放出される「即発中性子」のみで臨界に達する「即発臨界」の場合、極めて高速に超臨界が引き起こされ、外部から核分裂反応を制御することができない。

核暴走は膨大なエネルギーを瞬時に生成し、核爆発に至る可能性もある。原発事故における再臨界は核暴走の一種であり非常に危険視されている。

リパトリエーション

英語:repatriation
別名:レパトリエーション
別名:レパトリ

外貨資産を引き揚げて自国内での資産に移したり、自国通貨に換金したりすること。

リパトリエーションは、自国内での資産減少によって外貨資産の運用が困難になった場合の資金調達や、戦争や自然災害などの有事が発生した場合の資金の引き揚げなどに因るところが多いとされる。

リパトリエーションでは自国通貨の買いが生じる。日本においては円買いが生じ、円高要因の1つになることもある。

外貨資産

読み方:がいかしさん
別名:外貨建て資産
別名:外貨建資産
別名:外国通貨建て資産
別名:外国通貨建資産

アメリカドルやユーロなどの外貨で価値が表示される資産のこと。通貨建て資産の1つ。

外貨資産には、外貨預金や外貨債(外債)、外国株式などが挙げられる。

なお、通貨建て資産には、外貨資産の他に「円建て資産」がある。

円建て資産

読み方:えんだてしさん
別名:円建資産

円で価値が表示される資産のこと。通貨建て資産の1つ。

「円建て資産」には、銀行預金や国債、国内株式などが上げられる。

なお、通貨建て資産には、「円建て資産」の他に外貨資産がある。

即発超臨界

読み方:そくはつちょうりんかい

核分裂反応で放出される中性子のうち、核分裂の直後に放出される「即発中性子」のみによって臨界を越えている状態(超臨界状態)。

核分裂により放出される中性子には、分裂直後に放出される即発中性子と、分裂後わずかに遅れて放出される遅発中性子が存在する。即発中性子による臨界は「即発臨界」、即発中性子と遅発中性子の両方による臨界は「遅発臨界」と呼ばれる。このうち即発臨界による超臨界に至っている状態が即発超臨界である。

原子力発電は、外部からの制御が可能な遅発臨界の状態で運転されているが、原発事故における再臨界などでは即発超臨界が引き起こされ、制御不能の暴走状態となる。

特殊放水車

読み方:とくしゅほうすいしゃ
別名:高圧放水車

警視庁第1機動隊が所有している放水車のこと。

特殊放水車の放水能力は、水圧が12気圧で、およそ100メートルまで飛ばすことが可能とされる。

特殊放水車は、1960年代の安保闘争において、過激派の鎮圧のために使用されたことがある。

なお、2011年3月17日現在、東日本大震災により事故発生した福島第一原子力発電所4号機について、使用済み燃料プールの冷却作業のために特殊放水車の使用が検討されている。

線量当量率

読み方:せんりょうとうりょうりつ
英語:dose equivalent rate

放射線被ばくによる人体への影響を単位時間ごとに示したもの。時間ごとの「線量当量」の値。単位時間により異なるが、「シーベルト毎時」(毎時シーベルト)、「シーベルト毎分」(毎分シーベルト)などの単位が用いられる。

なお、線量当量をより厳密に定義しなおした指標として「等価線量」がある。

遅発臨界

読み方:ちはつりんかい
別名:遅発臨界状態
英語:delayed critical
英語:delayed critical condition

核分裂反応の際に放出される中性子によって核分裂の連鎖反応が引き起こされる「臨界」のうち、核分裂の直後に放出される「即発中性子」と、核分裂の発生からわずかに遅れて放出される「遅発中性子」の両方のはたらきによって、臨界に達すること。

「即発中性子」のみで臨界に達する場合は「即発臨界」と呼ばれるが、即発臨界は極めて短時間で核分裂連鎖反応が進行する「即発超臨界」状態を引き起こし、ほとんど制御不可能である。他方、遅発臨界は、遅発中性子を適度に吸収する装置を使用し、外部から臨界状態を制御することが可能である。

原子力発電は、核燃料を遅発臨界の状態に保つことでエネルギー出力を制御している。しかし、原子力事故の発生などにより原子炉が緊急停止し、いったん未臨界の状態になったのち、溶け出した核燃料が濃縮されると、即発超臨界の状態で再び臨界(再臨界)に至る可能性がある。

即発臨界

読み方:そくはつりんかい
別名:即発臨界状態
英語:prompt critical
英語:prompt critical condition

核分裂反応の際に放出される中性子によって、核分裂の連鎖反応が引き起こされる「臨界」のうち、特に、核分裂の直後に放出される「即発中性子」のみによって臨界に達すること。

即発中性子に対して、核分裂の発生からわずかに遅れて放出される中性子を「遅発中性子」というが、この遅発中性子の放出によって初めて臨界に達する場合は「遅発臨界」と呼ばれる。

即発臨界により核分裂連鎖反応が加速度的に進む(超臨界)状態を「即発超臨界」と呼ぶこともある。即発超臨界は極めて短時間で進行し、爆発的なエネルギーが制御不可能の状態で暴走する。

他方、遅発臨界においては、遅発中性子を適度に吸収することで臨界状態を制御することが可能である。原子力発電は、この遅発臨界の状態で稼動している。

また、いわゆる原子力事故で、原子炉が緊急停止するなどして未臨界の状態になったのち、核燃料が溶け出し濃縮されると、即発超臨界が引き起こされて「再臨界」に至る可能性がある。

再臨界

読み方:さいりんかい

再臨界とは、臨界状態であった原子炉などが、一旦停止するなどして核分裂が止まっている状態である「未臨界状態」になった後に、何らかの原因により再び臨界になることである。「再臨界状態」とも呼ばれる。

沸騰水型軽水炉などの原子炉の場合、地震や事故などにより炉心が破損したり、冷却水を注水するための非常用ディーゼル発電機などが使えなくなったりして、原子炉圧力容器に冷却水を注入する機能を消失すると、圧力容器内部の水位が低下し燃料棒が露出する。

この時、燃料棒の露出が続き、ウラン燃料が溶け出して、圧力容器の下部に蓄積するなどして大規模に集中して「臨界量」に達すると、制御されない状態で核分裂連鎖反応が起きる「再臨界」となる。

再臨界が起こると核分裂反応の制御は非常に困難となり、大規模なエネルギーが発生して原子炉内で爆発し、大気中に放射性物質の飛散する結果を招く。最悪の結果、1986年にソビエト連邦のチェルノブイリ原子力発電所(現在のウクライナに位置する)で発生した「チェルノブイリ原発事故」と同様の、「国際原子力事象評価尺度レベル7」に分類される、広範囲で大規模な放射性物質汚染を招くおそれがある。

2011年3月11日に発生した「東日本大震災」に伴い発生した「福島第一原子力発電所事故」においては、福島第一原子力発電所4号機において、3月15日に使用済み燃料プールの付近で爆発と火災が発生しており、2011年3月16日現在、「再臨界」の発生が懸念されている。

福島原発における再臨界を阻止するために、2011年3月16日現在、ヘリコプターによる注水や地上からの高圧放水車などによる注水などが検討されている。

関連サイト:
ナトリウム冷却炉に関する技術開発課題 【課題7】炉心損傷時の再臨界回避技術 - 独立行政法人科学技術振興機構(JST)原子力システム研究開発事業