新語時事用語辞典とは?

2011年4月14日木曜日

ハドソン川の奇跡

読み方:ハドソンがわのきせき
英語:Miracle on the Hudson

2009年1月に米国ニューヨーク上空で発生したバードストライクによる航空便の不時着事故を指す語。市街地への墜落を避けてハドソン川に着水した。1人の犠牲者も出さず、機体もほぼ無傷で、機体が水没するまでの間に乗客全員を船外に避難させた。その技術と冷静な判断から、機長・サレンバーガー氏は世界各地のメディアに取り上げられ、賞賛をうけた。

防災基地

読み方:ぼうさいきち

地震や台風などの災害が発生した際に、航空機や巡視船などが災害対策活動の拠点として利用する場所のこと。

防災基地には、医療施設や備蓄倉庫をはじめ、官公庁の防災関係機関の施設が置かれている場合もある。

なお、東京湾や大阪湾などには、メガフロートを用いた浮体式防災基地が建設されている。

浮体式防災基地

読み方:ふたいしきぼうさいきち

浮体式構造物を用いて造られた防災基地のこと。

浮体式防災基地では、航空機が着陸したり、巡視船が寄航したりする。そのため、メガフロートを用いることが多い。

浮体式防災基地で用いられる浮体式構造物は、地震の影響が軽微であること、魚などの海洋生物への影響も軽微であること、埋立よりも工期が短期間であること、移動や改修が比較的容易であることなどのメリットがある。

なお、浮体式防災基地は、東京湾や大阪湾などに建設されている。

別途積立金

読み方:べっとつみたてきん
別名:無目的積立金
英語:special reserve fund
英語:special reserve
英語:contingent reserve
英語:earmarked fund

任意積立金のうち、目的が限定されていない積立金のこと。無目的積立金ともいう。

別途積立金は、会社法に基づき、株主総会での決議をもって積み立てたり、取り崩したりすることが可能とされる。

別途積立金を積み立てる場合は次のような仕訳になる。

(借)繰越利益剰余金 (貸)別途積立金

また、取り崩す場合は次のような仕訳になる。

(借)別途積立金 (貸)繰越利益剰余金

なお、任意積立金には、別途積立金の他に、事業拡張積立金、役員退職慰労積立金、修繕積立金などが挙げられる。

関連サイト:
会社法

任意積立金

読み方:にんいつみたてきん
英語:voluntary reserve

会社の利益のうち、留保して積み立てた金のこと。

任意積立金は、事業拡張積立金や役員退職慰労積立金などの目的積立金と、別途積立金のような無目的積立金に分けられる。

任意積立金は、会社法に基づき、株主総会での決議をもって積み立てたり、取り崩したりすることが可能とされる。なお、株主総会で決議された目的積立金については、取締役会などで取り崩しを決定することができる。ただし、欠損填補積立金、配当平均積立金などについては株主総会での決議を要する場合が多い。

例えば、別途積立金を積み立てる場合は次のような仕訳になる。

(借)繰越利益剰余金 (貸)別途積立金

また、取り崩す場合は次のような仕訳になる。

(借)別途積立金 (貸)繰越利益剰余金

関連サイト:
会社法

目的積立金

読み方:もくてきつみたてきん

任意積立金のうち、使用目的が決められている積立金のこと。

目的積立金の勘定科目には、事業拡張積立金や役員退職慰労積立金、修繕積立金、退職給付積立金、欠損填補積立金、配当平均積立金などが挙げられる。

なお、任意積立金のうち、使用目的が決められていない積立金を無目的積立金という。貸借対照表の勘定科目では別途積立金と記載することが多い。

スクレイピー

別名:伝達性海綿状脳症
英語:scrapie

ヒツジやヤギなどに感染する家畜伝染病の一種。牛海綿状脳症(BSE)と同じ病原体によって罹患し、脳などに異変を来たす。家畜が罹患した場合の致死性は高い。

スクレイピーは人には感染しないといわれているが、どのようにして感染が進むのかなど、不明である点も多い。

自販機悪玉論

読み方:じはんきあくだまろん

2011年3月の東日本大震災、および福島第1原発で発生した原発事故により、東京電力管内が深刻な電力不足に陥っている中で、無駄な電力消費の筆頭として自動販売機を挙げる考え方。

自販機悪玉論は、石原慎太郎東京都知事がパチンコ店と自動販売機を強く批判し、「自分の家で冷やせば良い」などと発言したことを指している場合が多い。

自動販売機がある程度の電力を消費しているのは事実であるとは言え、震災後は業界側が自動販売機の照明点灯を自粛しており、また最新の自動販売機は電力ピークとなる昼の時間帯は保冷機能だけで対応可能になっている(冷却機を稼動させないためピーク時に電気を浪費しない)。また、自動販売機の市場も大きく、従業員として関わる人も多く存在することから、自販機悪玉論には賛否両論が飛び交っている。

インフラバッテリー

新たな社会的インフラとしての二次電池(バッテリー)。特に、EV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッドカー)に搭載された二次電池を指すことが多い。

車載バッテリーから電力系統に電力を供給するV2G(Vehicle to Grid)の仕組みが実現することで、EVはBESSのような蓄電設備として、しかも移動するスマートストレージとして利用することができる。

電力系統と再生可能エネルギーとの協調を目指す日本版スマートグリッド、および、低炭素社会の実現に向けて、二次電池は重要なインフラストラクチャーになると評価されている。

なお、2011年4月現在、2011年から2012年にかけて東芝、パナソニックなどから家庭用蓄電池が発売される予定となっている。

蓄エネ

読み方:ちくエネ
別名:蓄エネルギー
英語:energy storage

エネルギーを貯めておき、必要に応じて取り出して利用できるようにする、というコンセプト。蓄電池などの利用が想定されている。

「蓄エネ」は、「省エネ」および「創エネ」と並ぶコンセプトとして提唱されている。

なお、2011年4月現在、2011年から2012年にかけて東芝、パナソニックなどから家庭用蓄電池が発売される予定となっている。

関連サイト:
創エネルギー・蓄エネルギー - パナソニック企業情報 環境活動

家庭用蓄電池

読み方:かていようちくでんち

家庭向けに販売される蓄電池。電力を蓄えておくことで、太陽光発電の天候による供給量変化を補ったり、災害時の非常用電源として使用したりすることが、一般家庭で可能となる。

東芝やパナソニックなどの二次電池メーカーは、2011年末から2012年頃にかけて家庭用蓄電池の発売を予定していたが、2011年4月14日現在、3月に発生した東日本大震災と原発事故の影響によって東京電力管内で夏場に電力不足に陥る可能性があるという見通しを背景として、前倒しの発売が検討されている。

津波デブリ

読み方:つなみデブリ
別名:津波漂流物
英語:Tsunami debris
英語:Tsunami Trash
英語:Tsunami waste

津波によってさらわれ、漂流物となった瓦礫。「デブリ」(debris)は瓦礫や残骸といった意味の英語。

津波が発生すると、波が引くと同時に破壊された建物や車、看板、木片、船、遺体、といった、陸上・沿岸の物資が大量に海へ流出する。これによって海洋環境が汚染されたり、海洋生物に悪影響を及ぼしたり、航行中の船を妨げたり、他国の海岸へ漂着して処分に困ったりといった、様々な問題が生じる。

また、津波デブリは一度に大規模に発生しやすい。2011年3月に東北地方太平洋沖地震によって発生した大津波では、流出したガレキの山が20万平米の島を形作っていると報告されている。

日本から太平洋に流出した津波デブリは1年から数年を経てアメリカ西海岸で漂着するか、あるいは数年にわたって太平洋上の海流を漂い続けるという。

海嘯罹災地建築取締規則

読み方:かいしょうりさいちけんちくとりしまりきそく

宮城県が1933年に公布した、地震による大津波の被害に遭う地域(海嘯罹災地)への住居などの建築を規制する条例。

海嘯罹災地建築取締規則は昭和三陸地震を教訓として県が発令した条例である。津波の被害に遭う恐れの高い地域に住宅を建てることを原則として禁止する厳しい内容だった。

三陸沖では1896年(明治29年)にも明治三陸沖地震津波が発生しており、たびたび強烈な津波被害に遭っている。2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の被害を受けて、その内容が見直されつつある。

海嘯罹災地

読み方:かいしょうりさいち

津波によって罹災した地域のこと。「海嘯」とは大津波の異称。戦前に用いられた表記で、宮城県が1933年に施行した「海嘯罹災地建築取締規則」などで記録に残っている。

明治三陸地震

読み方:めいじさんりくじしん

1896年(明治29年)に岩手県の三陸沖を震源地として発生したマグニチュード8級の大地震。大規模な津波(明治三陸地震津波)により沿岸地域に壊滅的被害をもたらしたことで知られている。

三陸沖では、1933年(昭和8年)にも「昭和三陸地震」と呼ばれる大規模な地震、および、それに伴う大津波が発生している。それ以後、岩手、宮城の各地域では各種の津波対策が講じられてきた。

2011年(平成23年)には、三陸沖でマグニチュード9と推測される大規模な地震が発生し(東北地方太平洋沖地震)、明治三陸地震津波、昭和三陸地震津波に匹敵する規模の津波を生み、沿岸地域に再び壊滅的被害をもたらした。

昭和三陸地震

読み方:しょうわさんりくじしん

1933年に岩手県の三陸沖を震源地として発生したマグニチュード8級の大地震。昭和8年の出来事であり、明治29年に発生した「明治三陸地震」と共に語られることが多い。

昭和三陸地震は、明治三陸地震津波と同じく、地震の被害よりもむしろ直後に発生した大津波によって甚大な被害がもたらされたことで知られている。

宮城県・岩手県の沿岸地域では津波に対する警戒・対策に力を入れ、水深63メートルの上に建つ世界最大の「石港湾口防波堤」が建設された。しかしながら、2011年(平成23年)3月に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では、大津波は石港湾口防波堤をも乗り越え破壊し、広範囲に被害を及ぼした。