新語時事用語辞典とは?

2011年4月15日金曜日

フェロシアン化鉄

読み方:フェロシアンかてつ

化合物。「紺青」(プルシャンブルー)と呼ばれる深い青色の顔料の主成分。

2011年4月15日現在、このフェロシアン化鉄が放射性物質のセシウムを吸着する働きのあることから、水中の放射能汚染を吸着・除去する材料として活用できる手法が開発されたと報じられ、注目を集めている。

セシウム(放射性セシウム)は、放射性ヨウ素などと並び、原発事故などで飛散しやすく、周辺へ影響を及ぼしやすい。ヨウ素は半減期が8日と、短期間で危険度が下がるが、セシウムは半減期が約30年と長期にわたって放射能を持ち続ける。

放射性物質の除去方法としては、フェロシアン化鉄を汚染水に溶かして中のセシウムを吸着させ、セシウムごとフェロシアン化鉄を分離するという手順が取られる。海洋汚染が懸念されている福島第一原子力発電所の冷却水として使うなど、用途が検討されている。

ファルネソール

英語:farnesol

果実酒などに含まれる香り成分。抗がん作用のある物質として知られている。

韓国食品研究院食品分析センターは2011年4月14日、韓国の濁り酒「マッコリ」にビールやワインよりも高いファルネソールが含まれているという研究成果を発表した。

国際原子力事象評価尺度レベル5

読み方:こくさいげんしりょくじしょうひょうかしゃくどレベルご
別名:INESレベル5

国際原子力機関(IAEA)などが定める原子力発電所の事故の事象報告のための国際評価尺度の内、「事業所外へリスクを伴う事故」として規定されるレベルのこと。

「レベル5」の場合、「事業所外への影響」の基準としては、放射性物質の限定的な流出などが挙げられる。

過去に発生した、原子力発電所の事故で、「レベル5」に相当するものとしては、1979年にアメリカで発生した「スリーマイル島原子力発電所事故」がある。

2011年3月11日に東日本大震災により発生した「福島第一原子力発電所事故」については、2011年3月15日時点で「レベル5」と発表された。その後、4月半ばに暫定レベル7まで引き上げられている。

なお、「レベル7」に相当する原発事故としては1986年に旧ソ連で発生した「チェルノブイリ原子力発電所事故」が、「レベル6」に相当する事故としては1957年に発生した「ウラル核惨事」が、「レベル4」に相当する原発事故としては1999年に茨城県那珂郡東海村で発生した「東海村JCO臨界事故」などがある。

イモビカッター

別名:イモビライザーカッター

「イモビライザー」と呼ばれる自動車盗難防止システムを解除する装置。電子キーをハッキングして解除することが可能。

2011年2月には、インターネットを通じて窃盗団にイモビカッターを販売した男が窃盗幇助罪で起訴されている。

大型リチウムイオン電池

読み方:おおがたリチウムイオンでんち
別名:大容量リチウムオン電池
別名:大型リチウムイオン蓄電池
別名:大型リチウムイオン二次電池

汎用的な電源として利用できる大型の二次電池。40アンペア毎時以上の出力を持つ大型バッテリー(セル)で、充電すれば繰り返し利用できる。

大型リチウムイオン電池の例として、2010年6月に発売されたエリーパワーの法人向けの製品「パワーイレ」などがある。また、2011年4月15日現在、2011年内に一般家庭で利用するための家庭用蓄電池が大手メーカー各社から発売される見通しとなっている。

パワーイレ

英語:Power Yiile

大型リチウムイオン電池の開発を手がけるエリーパワーが開発した、可搬リチウムイオン蓄電池。2010年に発売された。2011年3月に東日本大震災が発生したことで、大きな注目を集めている。

パワーイレは2キロワット毎時の出力が可能で、数台のPCを同時に数時間程度、動かすことができる。キャスターがついた大型スーツケース程度のサイズで、重量が約62kgと、移動が比較的容易である。そのため、野外用電源や非常用電源として使える。家庭用コンセントの交流電源だけでなく、太陽電池モジュールなどで発電した直流電源などからも充電できる。

パワーイレは法人向けの業務用製品であり、月数万円のリース販売が中心となっている。2011年内には一般家庭を対象とした家庭用蓄電池が大手メーカーなどから発売される予定となっている。

関連サイト:
エリーパワー

直下型地震

読み方:ちょっかがたじしん
英語:strong local earthquake
英語:local earthquake

地表に近い活断層の断層運動により生じる地震のこと。

直下型地震の規模は、プレート境界型地震よりも比較的小さいとされるが、地表に近いため、大きな被害が生じる場合もある。

過去に発生した直下型地震には、1995年の阪神・淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震が挙げられる。

直下地震

読み方:ちょっかじしん

主に、都市の直下で発生する地震のこと。直下型地震とは異なる。

東京都では、直下地震による被害想定報告書を公表している。報告書では、東京湾北部地震、および、多摩直下地震を想定地震として取り上げている。

関連サイト:
首都直下地震による東京の被害想定報告書 - 東京都防災ホームページ

震災復興税

読み方:しんさいふっこうぜい

震災の復興を目的として課す税金のこと。東日本巨大地震復興税などが挙げられる。

東日本大震災復興構想会議の五百旗頭真(いおきべまこと)議長は2011年4月11日に行われた会議において、震災復興税の創設を提案したとされる。提案では、「全国民的な支援と負担が不可欠である」とした上で、義援金や公債などに加えて震災復興税を復興の財源とするとしている。

関連サイト:
東日本大震災復興構想会議 - 首相官邸

東日本大震災復興構想会議

読み方:ひがしにほんだいしんさいふっこうこうそうかいぎ
別名:復興構想会議

2011年3月に発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)からの震災復興について、その構想を幅広く検討するために、政府が日本の有識者を集結して開催する会議。4月11日に閣議決定し、4月14日に第1回会議が開催された。

東日本大震災復興構想会議では、震災からどのように復旧を果たすか、また単なる復旧ではなく、創造的復興を目指していくために何が必要か、といった事項について青写真を取りまとめることを主な目的とする。第1回議会では議長の私案として、震災復興税(東日本巨大地震復興税)の導入などが提示されている。

東日本大震災復興構想会議には、議長に防衛大学校長・五百旗頭真(いおきべまこと)、議長代理に建築家・安藤忠雄、委員としては、作家で臨済宗福聚寺住職の玄侑宗久、福島県知事・佐藤雄平、慶應義塾長・清家篤などが名を連ねる。哲学者・梅原猛が名誉議長に就任している。

関連サイト:
東日本大震災復興構想会議 - 首相官邸

イスカンダル作戦

読み方:イスカンダルさくせん
別名:イスカンダル・バイオプロジェクト
別名:イスカンダルプロジェクト

2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所の原発事故において深刻化しつつある、放射性物質の外部飛散問題に関連して注目されている、微生物によって放射性物質の除去・浄化を行うプロジェクト。

バイオ技術による放射性物質の除去は、佐々木健・広島国際学院大学教授が長年研究対象としている分野である。2011年4月時点ですでに、微生物を利用してウラン、コバルト、ストロンチウムなどの放射性物質を回収し、残留放射性物質により汚染された土壌を浄化することに成功しているという。

2011年4月15日現在、福島第一原発の周辺地域には、半径20キロ以内には避難勧告が出されており、同20キロから30キロ圏内は緊急時避難準備区域へ指定されている。一部の野菜や原乳が「食品衛生法の暫定規制値」に基づき出荷規制されるなど、放射能に対する懸念が高まっており、イスカンダル作戦も期待を集めている。

関連サイト:
微生物による放射性物質の除去 - 広島国際学院大学工学部公式ブログ

キラーパルス

別名:やや短周期地震動
英語:killer pulse

地震学において、地震による揺れの速さ(周期)のうち、特に木造家屋などにダメージを与えやすい、1秒~2秒周期の揺れ。

地震の揺れの速さは6段階に区分されている。0.5秒以下の周期で振れる「極短周期地震動」から、短周期、やや短周期、やや長周期、長周期、そして100秒以上の時間をかけてひと揺れする「超長周期地震動」、である。このうち「やや短周期」のものがキラーパルスと呼ばれている。

一般的に、地震の揺れが建物の固有周期に近ければ近いほど、建物は大きく揺れやすい。キラーパルスは、中低層の家屋や木造住宅などが最も被害を受けやすい周期であるとされており、地震の際には最も警戒する必要がある揺れといわれる。

なお、地震の揺れる周期が長ければ長いほど、大きな建物が揺れやすい。高層ビルが大きく揺れるような周期の揺れは「長周期地震動」と呼ばれる。

2011年3月の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では、キラーパルスはそれほど発生しなかったと見られている。ただし、地震の直後に発生した大津波が、沿岸地域の家屋をほぼ全壊させている。

関連サイト:
長周期地震動と短周期地震動の違いを簡単な模型を使ってわかりやすく?示したデモンストレーション - 境有紀のホームページ
キラーパルスについて -境有紀のホームページ

貞観地震

読み方:じょうがんじしん
別名:貞観三陸沖地震

西暦869年(平安時代・貞観11年)に現在の三陸沖を震源として発生したとされる大規模地震。「日本三代実録」に記録が残されている。

貞観地震の地震規模はマグニチュード8.3、あるいはそれ以上と推測されている。津波地震であり、地震それ自体の被害もさることながら、併発した大津波(貞観津波)が沿岸地域に壊滅的被害をもたらした。

貞観地震は、「明治三陸地震」「昭和三陸地震」と同様、三陸沖を震源とする「三陸沖地震」に含まれる。三陸沖地震の中でも貞観地震は特に規模が大きく、記録に残る中では日本史上最大の規模であったとされる。

2011年3月11日に三陸沖で発生した東北地方太平洋沖地震は、この貞観地震との類似点が指摘されており、「貞観地震の再来」と形容する専門家もいる。地震の規模も津波の高さも貞観地震に並ぶ、日本史上最大級の地震となった。

大連動

読み方:だいれんどう
別名:大連動地震
別名:大連動型地震

複数の震源域が連動して、同時もしくはきわめて短期間のうちに、複数の大規模な地震を引き起す現象。

特に、東海地震、南海地震、東南海地震の同時発生を「三連動地震」と呼ぶ。この3つの地震はおよそ100年周期で発生するとみられており、近い将来の発生に向け警戒・対策が呼びかけられている。

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)は、三連動地震のように想定されていなかったが、三陸沖から茨城県沖の4つの震源地が大連動を起こした可能性が指摘されている。また、4月15日時点では発生していないが、さらに南に位置する房総半島沖の震源が連動して大規模な房総沖地震が発生する危険性もあると指摘されている。

ヤカーリング

キャスターをつけた丸やかんをカーリングのストーンに見立て、的へ向け転がす競技。大阪、徳島、京都福知山など、一部地方の商店街などで盛ん。ヤカーリング大会で交流があるところもある。