新語時事用語辞典とは?

2011年6月6日月曜日

反水素原子

読み方:はんすいそげんし
別名:反水素

水素原子の反物質とされる物質。「反陽子」(陽子の反粒子)と陽電子が、水素と同じ構図で結合している原子。原子番号は「−1」である。水素原子と出合うと消滅する性質を持つ。反物質の代表的な元素として、研究が進められている。

関連サイト:
基底状態の冷反水素原子の閉じ込め時間、1,000秒以上に!-基礎物理学の根幹に関わる反物質研究がさらに進展- 理化学研究所プレスリリース 2011年6月6日

放射能下水汚泥

読み方:ほうしゃのうげすいおでい

下水処理施設から生じる汚泥のうち、放射性物質が検出された汚泥。

2011年3月に原発事故が発生して以来、原発のある福島県をはじめ、東日本の複数の下水処理施設において放射性物質に汚染された汚泥が見つかった。通常、下水処理の結果生じた汚泥は焼却処分され、残った灰はセメントや肥料に混ぜ込んで利用される。しかし、放射能下水汚泥は引き取る業者がないという。6月6日現在、放射能下水汚泥の多くは下水処理施設にたまる一方で、保管や処理の場所に困っている場合が多いとされている。

アレバ

別名:AREVA
別名:アレヴァ

フランスに拠点を持つヨーロッパの原子力関連企業。原子力プラント製造部門の子会社Areva NPは日本の三菱重工業と業務提携関係にある。

2011年3月11日に東京電力福島第一原子力発電所で原発事故が発生した際、アレバはフランス電力公社(Electricite de France)と共同で、3月16日という早い時点で、放射線から身体を防護する防護服、作業用手袋、中性子を吸収するホウ酸などの物資を、日本に向けて送った旨を発表している。

また、同年6月に試験運転が開始された放射性物質除染装置には、米国キュリオン社の放射性セシウム吸着除去装置とともに、アレバの放射性ヨウ素の吸着除去装置が組み込まれている。

関連サイト:
AREVA is mobilized for Japan - Areva(英語)

キュリオン

英語:Kurion

米国カリフォルニア州に本拠を置く原子力事業者。放射性廃棄物の管理・処理における先進的企業として知られている。

2011年3月に福島原発で発生した原発事故を受けて、キュリオンは同社の独自開発素材であるイオン特殊媒体(ISM)を提供可能である旨を、4月1日に発表している。6月6日現在、稼動テストの始まった放射性物質除染装置には、放射性セシウムなどを吸着するための装置としてキュリオン製の装置が組み込まれている。

なお、福島第一原発で試験運転中の放射性物質除染装置にはフランスのアレバ(AREVA)社による装置も組み込まれている。

関連サイト:
Kurion's ISM available to assist Fukushima nuclear clean up - PennEnergy(英語)
スリーマイル島の汚染除去で使用した素材をベースとするキュリオン製イオン特殊媒体を福島原子力発電所の汚染除去で提供可能 - BusinessWire

放射性物質除染装置

読み方:ほうしゃせいぶっしつじょせんそうち
別名:汚染水の浄化システム

原子炉外部に漏れ出た放射性物質を除染し、浄化する装置のこと。2011年6月6日現在、原発事故の対応に追われている東京電力福島第一原子力発電所において試験運転が開始されている。

福島第一原発では、破損した原子炉を冷温停止に導くために、外部から放水を行っているが、それによって汚染された水が炉外に漏れ出して溜まるという悪循環に陥っていた。放射性物質除染装置が稼動し、うまく機能すれば、汚染水の発生を抑えて冷却を継続する「循環注水冷却」が実現できる。

放射性物質除染装置には、米国のキュリオン(Kurion)社の協力による放射性セシウムの吸着除去装置、および、フランスのアレバ(AREVA)社の協力による放射性ヨウ素などの吸着除去装置、その他に、油分の分離、塩分の分離を行う装置などが組み込まれた多段階の構成となっている。

関連サイト:
Kurion(英語)
AREVA(英語)