新語時事用語辞典とは?

2011年9月22日木曜日

国対政治

読み方:こくたいせいじ

各政党が設置した「国会対策委員会」(国対)における非公式の折衝によって、法案の検討や国会の進行などのような、国会の運営に関わる論議を進めていく政治体制。

国会の運営には、公式には「議院運営委員会」と呼ばれる委員会が設置されている。本来は議院運営委員会において国会運営に関わる議論が行われるべきであるが、事前に各党の国対が連絡・折衝し合って根回しを行い、実質的な決定機関として機能するあり方が、国対政治と呼ばれている。

国対政治は、非公式の場で暗々裏に政治が行われるという性格を持つため、批判の対象になることが多い。また、国対政治は日本独特の体制であると言われている。

国会対策委員会

読み方:こっかいたいさくいいんかい
別名:国対

各政党が国会の円滑な運営などを目的として任意に設置している委員会。他党との連絡窓口として機能し、法案の内容や国会の進行などについて事前に折衝する役割を担う。衆議院の常任委員会の日程なども、各党の国会対策委員会幹部の会合の場で大枠が決まる場合が多いとされる。

国会対策委員会の活動は基本的に非公式な根回しであり、不透明な動きとして批判されることが多い。特に国会対策委員会のもとで様々な折衝を行い、お膳立てをするといった政治のあり方は、特に「国対政治」と呼ばれることもある。

殲-20

読み方:せんにじゅう
別名:Jian-20
別名:J-20
別名:歼-20
別名:殲撃二十型

中国が開発しているステルス性能を持った戦闘機。試作機の中では第5世代に相当する。2011年1月に試験飛行に成功している。中国当局によれば、2020年頃にも軍備として配置するべく開発が推進されている。

なお、殲-20の前のモデルとなる「殲-10」は、2011年現在中国空軍の主力戦闘機として配備されている。

サブハ

英語:Sabha

リビア南部に位置する都市。リビアの首都・トピポリからは700キロメートル余り離れている。人口は約13万人。

2011年春にリビアで勃発した反政府運動では、8月から9月にかけてトリポリをはじめとする主要都市が反カダフィ勢力によって攻め落とされ、カダフィ政権は事実上崩壊した。しかしながら、カダフィ大佐本人の生死や潜伏場所などについては、2011年9月22日現在も明らかになっていない。

カダフィ大佐の潜伏場所として有力なのが、サブハ、および、リビア西部に位置するバニワリード(Bani Walid)であるとされている。

処分保留

読み方:しょぶんほりゅう

検察官が起訴するかどうか決定しないままに被疑者を釈放すること。

処分保留のケースとしては、被疑者の勾留期間中に起訴するための証拠が揃わなかったこと、被疑者の逃亡の恐れがないことなどが挙げられる。

処分保留では、被疑者が起訴される可能性はあるものの、実際には不起訴になることが多いとされる。ちなみに、不起訴には、「起訴猶予」、「嫌疑不十分」、「嫌疑なし」などの処分がある。

ツイストオペ

別名:ツイストオペレーション
別名:オペレーションツイスト
英語:Operation Twist

中央銀行が、短期国債の売却と長期国債の購入を同時に行うこと。公開市場操作による金融緩和策の1つとされる。

ツイストオペは主に、企業の資金調達を容易にして、景気を押し上げることを目的として行われることが多い。

ツイストオペでは、長期国債の保有比率が高められる。その結果、長期金利は低下することが多い。一方、短期国債が売却されるため、短期金利は上昇することが多い。

起訴猶予

読み方:きそゆうよ

検察官が被疑者を起訴しないで事件を終わらせること。不起訴処分の1つ。

起訴猶予は、検察官が、嫌疑はあるものの起訴するまでもないと判断した場合に行われることが多い。

起訴猶予の処分では、勾留されている被疑者は釈放される。

ちなみに、不起訴処分には起訴猶予の他に、「嫌疑不十分」、「嫌疑なし」などが挙げられる。なお、「処分保留」は不起訴処分とは異なる。

チタン酸リチウム

読み方:チタンさんリチウム
別名:Li4Ti5O12
別名:LTO
英語:lithium titanate

酸化チタンを成分とするアルカリ金属のこと。

チタン酸リチウムは、炭素系材料に比べて熱安定性に優れ、電導性を持たないといった特徴がある。

チタン酸リチウムを用いた二次電池では、他の二次電池に比べて寿命が長く、充放電にかかる時間が短くて済むとされる。

2011年9月21日、NTTドコモは、チタン酸リチウムを材料とした超高速充電バッテリーを開発したと発表した。NTTドコモによれば、超高速充電バッテリーを用いれば、スマートフォンなどに従来2、3時間かかっていたフル充電がわずか10分で済むという。

関連サイト:
「CEATEC JAPAN 2011」への出展について - NTTドコモ

氾濫危険水位

読み方:はんらんきけんすいい
別名:はん濫危険水位
別名:はんらん危険水位

河川などにおいて水位が増し、堤防から溢れて氾濫する危険性が生じ出す水位レベル。

氾濫危険水位は、洪水の危険性に関する段階の中では「氾濫の発生」に次いで危険度が高く、注意・警戒のレベルでは最も危険な状況といえる。

洪水や河川の氾濫に関する水位のレベルは、氾濫の発生を含めて5段階に分けられる。「水防団待機水位」、「氾濫注意範囲」「避難判断水位」「氾濫危険水位」そして「氾濫の発生」がある。「避難判断水位」の時点で洪水警報が発令され、氾濫危険水位に達する頃には付近の住民の避難が完了していることが望ましいとされる。

関連サイト:
水位情報に基づくはん濫危険度レベル - 国土交通省 水管理・国土保全局

越流浸食

読み方:えつりゅうしんしょく

堆積した土砂が河川の流れをせき止めることで生じる土砂ダム(天然ダム)において、せき止められた水が満杯になって溢れ出し(越流)、上部の土砂を侵食していく現象。

土砂ダムの越流は、土砂を上側から削りながら下流へと流れ出る。越流浸食が進行すると、土砂ダム全体が一気に決壊して、土石流となって下流に流れる可能性があり、非常に危険である。

2011年9月には台風15号「ロウキー」の影響で奈良・和歌山などに複数の土砂ダムが出現、そのうちいくつかの土砂ダムでは9月22日現在、越流侵食が始まっているとされ、下流の市町村などで避難指示などが出されている。