新語時事用語辞典とは?

2011年11月1日火曜日

日タイ経済連携協定

別名:日タイEPA
別名:経済上の連携に関する日本国とタイ王国との間の協定

日本とタイとの間で締結された経済連携協定(EPA)。2国間条約であり、2007年11月1日に発効した。

日タイ経済連携協定により、日本・タイの双方で輸出貿易の9割以上で関税が撤廃される。

日本とタイはそれぞれ重要な貿易相手国である。2005年の時点で、日本にとってタイは第6位の輸出相手国、第10位の輸入相手国である。また、タイにとって日本は、第2位の輸出相手国、第1位の輸入相手国である。とりわけ鉄鋼・自動車・機械などの産業の貿易額が多い。

なお、2009年にはタイを含むASEAN諸国と多国間経済連携協定である日・ASEAN包括的経済連携協定が締結されている。

関連サイト:
日・タイ経済連携協定
日タイ経済提携協定(JTEPA) - タイ国政府貿易センター

一部執行猶予

読み方:いちぶしっこうゆうよ

裁判所が被告人に対して判決を下す際に、最初の一定の期間については懲役を執行し、残りの期間については執行猶予を付すこと。

一部執行猶予は、「懲役3年とする。ただし、そのうち2年を執行猶予3年とする。」といった判決になる。この場合、服役は1年で、残りの2年については3年間の執行猶予が付くというものである。

一部執行猶予は、実刑と執行猶予の中間刑である。

2011年11月現在、日本政府は、2010年2月に法務省の取りまとめた「刑の一部の執行猶予制度の導入及び保護観察の特別遵守事項の類型に社会貢献活動を加えるための法整備に関する要綱(骨子)」を受けて一部執行猶予制度の導入を目指している。

関連サイト:
答申(刑の一部の執行猶予制度の導入及び保護観察の特別遵守事項の類型に社会貢献活動を加えるための法整備に関する要綱(骨子)) - 法務省

中間刑

読み方:ちゅうかんけい

刑罰と、その刑罰より1つ重い刑罰との間の刑罰のこと。あるいは、刑罰と、その刑罰より1つ軽い刑罰との間の刑罰のこと。

その国における中間刑は、その国には導入されていない刑罰である。

2011年11月現在、日本における中間刑としては、一部執行猶予や終身刑などが挙げられる。一部執行猶予は実刑と執行猶予の中間刑であり、終身刑は死刑と無期懲役刑の中間刑である。

MFグローバル・ホールディングス

読み方:エムエフグローバルホールディングス
別名:MFグローバル
英語:MF Global

アメリカ合衆国のニューヨークに本店を置く金融機関の名称。日本やイギリス、中国、オーストラリアなどに子会社を持っている。会長兼CEOは、ニュージャージー州の元知事で、ゴールドマン・サックスの元会長でもあるジョン・コーザインである。

MFグローバル・ホールディングスの主な業務内容は、先物取引やオプション取引といった金融派生商品の販売である。

2011年10月31日、MFグローバル・ホールディングスは、連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を申請した。これにより、日本の子会社であるMFグローバルFXA証券は、2011年11月1日付けで監督官庁に対して営業休止の届出をした。

関連サイト:
Leading Cash and Derivatives Broker-dealer - (英語)
MFグローバルFXA証券

MFグローバルFXA証券

読み方:エムエフグローバルエフエックスエーしょうけん

東京都千代田区に所在するFXブローカーの名称。親会社は、アメリカ合衆国の金融機関であるMFグローバル・ホールディングス。

MFグローバルFXA証券は、2011年10月31日に、親会社のMFグローバル・ホールディングスが連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を申請したことにより、2011年11月1日付けで営業休止の届出をした。

2011年11月1日、自見庄三郎・金融担当相は、MFグローバルFXA証券に対して、国内投資家を保護するための資産の国内保全命令と業務改善命令を出した。

関連サイト:
MFグローバルFXA証券
Leading Cash and Derivatives Broker-dealer - (英語)

システミックリスク

英語:systemic risk

ある金融機関の支払不能や破綻が原因となって、金融市場やその他の市場へ波及するリスクのこと。

各金融機関では通常、取引や決済などの手段として通信ネットワークを用いる。金融機関のうち1ヶ所が支払い不能に陥ると、その金融機関と結ばれている他の金融機関との取引や決済が不能になる。システミックリスクは、この現象が芋づる式に発生する危険性を指す。

スロー地震

読み方:スローじしん
英語:slow earthquake

2つのプレートの境界で、プレートがゆっくり滑って生じる地震。プレートがゆっくり滑る現象はスロースリップと呼ばれる。

房総半島沖では定期的にスロー地震が発生しており、およそ6年に1度、沈み込んだフィリピン海プレートが1週間ほどかけて10センチメートル程度すべる。また、スロー地震の発生の際に群発地震を引き起こした例も確認されている。

房総沖のスロー地震は、過去30年間の観測ではほぼ6年サイクルで発生してきたが、2011年10月には4年2ヵ月の間隔で再び発生したことを、防災科学技術研究所が明らかにした。これは、過去30年間の房総沖スロー地震の観測の中でも最も短い間隔であるという。

関連サイト:
房総半島沖で「スロー地震」再来 - 防災科学技術研究所

放射性銀

読み方:ほうしゃせいぎん
別名:放射性の銀

銀の放射性同位体。20数種類存在するがいずれも人工放射性同位体。主に、制御棒の材料物質として使用された銀が原子炉内で中性子と反応して生じる。Ag-110mなどがある。

東京電力福島第一原子力発電所で発生した原発事故では、放射性ヨウ素や放射性セシウムなどの他に放射性銀(Ag-110m)が検出されており、文部科学省によって2011年10月に放射線量等分布マップが作成されている。

関連サイト:
文部科学省による放射線量等分布マップ

放射性テルル

読み方:ほうしゃせいテルル
英語:radioactive Tellur

テルルの放射性同位体。テルル129、テルル132などを指す。人工放射性同位体の他、天然にも何種類か放射性テルルが存在する。

人工放射性同位体の放射性テルルは、原子力発電の際に原子炉内で副産物などとして発生する。テルル128は半減期の最も長い放射性物質といわれており、その期間は2.2ジョ年(「ジョ」は10の24乗)とされる。

自動車産業の6重苦

読み方:じどうしゃさんぎょうのろくじゅうく
別名:自動車産業の六重苦

2011年現在の日本の自動車業界が面しているとされる6つの苦境。(1)円高、(2)高い法人税、(3)自由貿易協定の存在、(4)製造業への派遣禁止、(5)温室効果ガスの原因とされる二酸化炭素を2020年までに25%削減する宣言、そして(6)震災とそれに伴う電力不足の問題、である。

2011年に入ってから、日本自動車工業会会長やトヨタ自動車社長などが、自動車は6重苦に面していると言明している。2011年6月現在は震災で機能しなくなった工場も機能を取り戻しつつあるが、成長を続ける見通しは依然として厳しいものとなっている。

2011年10月には、多くの自動車メーカーが生産拠点を持つタイにおいて大規模な洪水が発生した。月産10万台規模の自動車工場などが軒並み浸水し、2011年11月1日現在、生産再開の目処が立っていない。タイ洪水も含めて自動車産業は7重苦に陥ったとも言える。

2011年10月末、ホンダの池史彦専務は、決算会見において「自動車産業の7重苦」に言及した上で、ホンダは震災で工場も直接被災しており「8重苦」という感じがするとも述べている。

関連サイト:
ホンダは洪水被害で「8重苦」、通期業績見通しを未定に変更 - ロイター