新語時事用語辞典とは?

2012年1月6日金曜日

遺訓統治

読み方:いくんとうち

北朝鮮の最高指導者の地位の世襲、および、それに伴う権力の継承の形態。死去した前指導者の遺志・遺訓を継承するという形で、前指導者の威光を利用し、実質的に権力を掌握すること。

1994年7月に金日成総書記・国家主席が死去した際、長男の金正日によって遺訓統治が行われた。金正日は金日成を国家主席に在職したままとして扱い、主席の地位を空位にし、その威光を保ったまま実質的な権利掌握を進めたとされる。金正日は後に総書記となったが、国家主席とは名乗っていない。

2011年12月に金正日総書記が死去した後、三男である金正恩が後継者として頭角をあらわしはじめた。北朝鮮国内の新聞・テレビなどの報道機関は、金正恩の下でも金正日の路線を踏襲する方針を伝えている。また、「金正恩の筆跡が金正日によく似ている」といったような、金正恩を金正日に重ねて称える動きも見られる。

北朝鮮では、金日成・金正日・金正恩と3代にわたって最高指導者の地位が世襲されている。このため「3代世襲」などと呼ばれることもある。