新語時事用語辞典とは?

2013年11月14日木曜日

NSC

別名:国家安全保障会議
別名:ナショナルセキュリティカウンシル
英語:National Security Council

国防や国家の安全保障など、危機管理体制について集中的に審議する機関。

米国をはじめ、多くの国々がそれぞれ自国のNSCを設置している。日本でも、構想段階から該当機関を(NSCの訳語に相当する)「国家安全保障会議」と読んでいるが、報道などでは「日本版NSC」の通称で呼ばれることが多い。

「調査と情報」第548号、『「日本版NSC(国家安全保障会議)」の課題』によれば、NSCは専任スタッフが外交や軍事などの観点から首長に助言を行い手助けする他、各省庁に対して横断的に指示を行う場としても機能する。米国のNSCには約200名のスタッフがいるという。

日本にも危機管理を旨とする組織として「安全保障会議」がある。ただし、日本の安全保障会議は外務省や防衛庁にも所属する兼任スタッフが中心となって構成されており、意思決定機関であるというよりは会議体であるとされる。米国のNSCとは組織の性質が異なるという指摘もある。

日本では2006年に、第一次安倍内閣の下で「日本版NSC」の発足が検討された。安倍晋三の退陣とともに、日本版NSCの検討は一旦廃案となった。2012年12月に再び安倍晋三が内閣総理大臣に就任し、改めて日本版NSCの実現へ向けた取り組みを再開した。2013年11月7日に日本版NSC新設に関する法案が衆議院を通過し、14日現在、参議院の審議に入っている。

関連サイト:
「日本版NSC(国家安全保障会議)」の課題 - 国立国会図書館


中国版NSC

読み方:ちゅうごくばんエヌエスシー
別名:中国版国家安全保障会議
英語:China's National Security Council

中国における国家安全保障会議(NSC)、またはその構想。2013年11月に開かれた中国共産党中央委員会で、中国版NSCを新たに設置することが決まった、と報じられた。

NSCは、国防・国家安全保障をはじめとする情報の分析や審議を集中的に行う専門機関であり、国家の危機管理体制の要として機能する。米国におけるNSCが広く知られている他、英国やロシアなど、複数の国でNSCに該当する機関が設置されている。

日本でも2006年の第一次安倍内閣においてNSCの設置が提唱された。これは「日本版NSC」と通称されることが多い。第一次安倍内閣では日本版NSCの構想は実ることなく終わったが、2013年に第二次安倍内閣のもとで再び実現に向けた取り組みが再開した。2013年11月には日本版NSCを創設するための法案が衆議院で可決している。


平成25年台風第30号

読み方:へいせいにじゅうごねんたいふうだいさんじゅうごう
別名:平成25年台風30号
別名:2013年台風第30号
別名:2013年台風30号

2013年11月4日に太平洋上で発生し、フィリピン、ベトナム、中国に大きな被害をもたらした台風。米海軍合同台風警報センター(JTWC)の観測によると、最低気圧は895ヘクトパスカル、最大瞬間風速は105メートルに達し、史上最大級の台風となった。アジア名は中国語の「海燕」に由来する「ハイエン」で、フィリピンでは「ヨランダ」と呼ばれている。

台風30号は11月8日にフィリピンに上陸し、レイテ島やサマール島を中心とする中部の島々に壊滅的な被害をもたらした。被災地では多数の死傷者が発生し、略奪や支援団体に対する襲撃の発生など、治安の悪化も報じられている。11月13日現在、死者の数はレイテ島の中心都市、タクロバンだけで1万人に及ぶともいわれている。台風はフィリピンを横断して南シナ海に抜けた後、勢力を保ったままベトナムおよび中国にも達し、両国でも死者や数十万人の被災者の発生を伴う被害をもたらした。

日本政府は、11月12日に台風30号の被災地に対する緊急援助物資の供与を決定し、自衛隊や医療チームの派遣を行うことを発表している。また、米国では11月10日にオバマ大統領が哀悼の意を表明し、翌日には空母を派遣するなど、積極的な人道支援活動を行う構えを見せている。

頸椎症性神経根症

読み方:けいついしょうせいしんけいこんしょう
別名:CSR
英語:cervical spondylotic radiculopathy

頸椎が神経を圧迫することによって炎症を起こす疾患。加齢に伴う変形性脊椎症や、椎間板ヘルニアなどが主な原因だとされている。発生頻度が比較的高い疾患だといわれている。

頸椎症性神経根症の主な症状には、首や四肢の痺れや痛み、脱力、知覚過敏などがある。脊髄から2つ伸びる神経根の片方が圧迫されることが多いことから、症状も体の片側にのみ現れることが多い。姿勢によって、痛みが和らいだり、逆に強くなったりすることもある。

頸椎症性神経根症の治療としては、薬剤の投与や神経ブロック、温熱療法、運動療法、枕の改善などの保存的な方法がとられるのが一般的である。保存的療法で自然に症状が消失または改善する症例が大部分だといわれているが、症状が重く、日常生活に大きな影響をきたす場合には、手術による治療が選択されることもある。

メソテリン

別名:MSLN
英語:mesothelin

細胞膜に存在するタンパク質の一種。胸膜や腹膜など、中皮細胞(mesothelial cell)に含まれることから名づけられた。細胞接着に関与するといわれているが、2013年11月現在、機能は明らかになっていない。類似のタンパク質とともに、可溶型メソテリン関連タンパク質(SMRP)と総称されることもある。

メソテリンをコードする遺伝子は、悪性中皮腫や膵がんなど、いくつかの種類のがんの発症に伴って過剰発現することが知られている。その結果、血液中や尿中でのメソテリン濃度が異常高値になることから、メソテリンはがん患者を検出するためのバイオマーカーの一つとして扱われている。また、がん患者以外に、将来卵巣がんを発症するリスクが高い不妊女性でもメソテリンの濃度が上昇することが知られているが、その理由は2013年11月現在、明らかになっていない。

メソテリンは主にELISAという手法によって検出されているが、検査の精度が低く、多額な費用がかかることが問題となっている。2012年に米国の高校生、ジャック・アンドレイカが、メソテリン特異的な抗体を含む検査紙を用いた、迅速かつ安価な検出手法を発明し、その実用化が期待されている。

ジャック・アンドレイカ

英語:Jack Andraka

1997年生まれの、米国のがん研究者。高校在籍中の15歳の時に、試験紙を用いた膵がんの簡便な検出手法を発明した。

ジャック・アンドレイカは13歳の時に、実の叔父のように慕っていた人物を膵がんで亡くし、それをきっかけに膵がんの早期検出を目指して研究を行うようになった。ジャック・アンドレイカは200人の研究機関に自身の研究の補助を依頼し、ただ1人好意的な返事を返したジョン・ホプキンス大学のアンルバン・メイトラ教授のもとで研究を進めた。

ジャック・アンドレイカの発明した手法は、膵がん患者の血液や尿に多く含まれるマーカータンパク質「メソテリン」を、小さな検査紙によって検出するという手法である。検査紙にはカーボンナノチューブと抗体が含まれており、抗原抗体反応によってメソテリンの濃度を判定することができる。検査紙1枚の値段は約3セントであり、判定結果は5分で出る。この手法は、従来の検出手法よりも、時間・費用・精度・非侵襲性などの点において格段に優れているとされている。膵がんのほか、卵巣がんや肺がんの検出に用いることもできるという。ジャック・アンドレイカはこの研究で、インテル国際学生科学フェア最優秀賞や、ゴードン・ムーア賞などを受賞している。

人権侵害国家

読み方:じんけんしんがいこっか
別名:人権状況劣悪国家
別名:人権状況が劣悪な国
別名:人権蹂躙国家
別名:人権侵害国

公権力により、女性や少数派などに対する迫害、拷問、検閲のような深刻な人権侵害が行われていることが指摘される国家のこと。定まった用語や明確な判定基準はないが、独裁国家が該当することが多い。

「人権侵害国家」やそれに類似する語が、特に用いられて問題となるのは、国際連合人権理事会の理事国にそのような国家が選出された時である。人権理事会は2006年に旧人権委員会から改組された機関であるが、その改組の主な理由は、旧人権委員会の委員国にスーダンやジンバブエなどの「人権侵害国家」が選出されたことが問題視されたためであった。しかし、2013年現在においても、例えば中国、ロシア、サウジアラビア、キューバなどが「人権侵害国家」と見なされ、それらの国家が人権理事会の理事国に選出された場合に、理事国として不適格だと批判されることがある。

また、米国国務省は毎年「国別人権報告書」を議会に提出しており、その中には各国の人権に関する状況が記されている。同報告書の中で人権侵害が指摘された国家が「人権侵害国家」やそれに類似する語で呼ばれることもある。

コンビニコーヒー

コンビニエンスストアで販売されている淹れたてのコーヒーの通称。

コンビニコーヒーは、レジで注文してカップを受け取り、注文者自らが備え付けのコーヒーマシンを用いてコーヒーを淹れる。

コンビニコーヒーの特徴は、缶コーヒーよりも淹れたてであることや、コーヒーチェーン店のコーヒーの価格と同じあるいは安価であることなどが挙げられる。コンビニコーヒーの価格は各社まちまちだが、およそ100円から200円程度で販売されている。

コンビニコーヒーの種類は、一般的にはホットコーヒーとアイスコーヒーの2種類だが、通常よりも大きいサイズのコーヒーやカフェラテなどをラインナップに加えているコンビニエンスストアもある。

コンビニコーヒーは、セブンイレブンでは「セブンカフェ」、ファミリーマートでは「あじわいFamima Cafe」、ローソンでは「MACHI cafe」というブランド名で販売されている。この他にもミニストップやサークルKサンクスなどでも販売されている。

関連サイト:
セブンカフェ - 株式会社セブン・イレブン・ジャパン
あじわいFamima Cafe - 株式会社ファミリーマート
MACHI cafe - 株式会社ローソン

為替誘導

読み方:かわせゆうどう

為替レートを、ある価格へさそい導くこと。

為替誘導は、中央銀行によって行われる。中央銀行は、目標とする為替レートに着地するように自国の通貨を売買する。

為替誘導の大きな目的は、自国のインフレーション(インフレ)やデフレーション(デフレ)を阻止することにある。具体的には、インフレを阻止するために自国の通貨を買ったり、デフレを阻止するために自国の通貨を売ったりする。

為替誘導は、国際競争力を高めるために行われることもある。例えば、日本の企業と韓国の企業がそれぞれ同じような商品を欧米諸国で販売する場合では、日本が円安へ為替誘導すれば、韓国の商品よりも安価で商品提供でき、日本の国際競争力が高まる。一方、韓国がウォン安へ為替誘導すれば、日本の商品よりも安価で商品提供でき、韓国の国際競争力が高まる。

ディスデフレ

別名:ディスデフレーション
英語:disdeflation

継続的に物価が下降するデフレ(デフレーション)の過程において、その下降率であるデフレ率が緩やかになること。

ディスデフレは、デフレから脱却しているがインフレ(インフレーション)にはなっていない状態を指す。

現物主導

読み方:げんぶつしゅどう

株式相場や為替相場において、現物の売買によって相場が展開されること。

株式相場においては、先物価格が現物価格を牽引して相場が形成される。このような相場を先物主導という。先物主導では、日経平均先物の価格変動の後に現物株の価格変動が起きる。例えば、日経平均先物が上昇すると現物株も上昇し、下降すると現物株も下降する。

現物主導は先物主導と異なり、日経平均先物が上昇しても必ずしも現物株が上昇するわけではない。また、日経平均先物が下降しても必ずしも現物株が下降するわけでもない。

小型株は、日経平均株価に左右されることが少なく、現物主導で相場が展開されることが多い。また、大型株でも何らかの材料が出ると現物主導で株価が変動する。