新語時事用語辞典とは?

2014年1月21日火曜日

ウップス

株価がギャップアップした後に窓を埋めながら下降し、前日の高値に到達した時点で売り注文を出すこと。トレンドフォローの株式売買手法の1つで、アメリカ合衆国の投資家、ラリー・ウィリアムズにより考案された。

一般的に、窓埋めが完了すると株価は反騰する傾向にあるが、ウップスでは売りシグナルとなる。

また、株価がギャップダウンした後に窓を埋めながら上昇し、前日の安値に到達した時点で買い注文を出すこともウップスと呼ぶ。この場合でも、一般的には、窓埋めが完了すると株価は反落する傾向にあるが、ウップスでは買いシグナルとなる。

不出来

読み方:ふでき

株式やFXなどの取引において売買注文を出したものの、注文が成立しなかったこと。約定しなかったこと。株式やFX以外では、できの悪いことを指す言葉として用いられる。

不出来は、主に指値注文した場合に発生しやすい。例えば、株価が500円の時に495円の買い指値注文を出したものの、一度も495円をつけなかった場合には不出来となる。なお、495円をつけたとしても、売買順位が低いと約定せず不出来になることもある。

成行注文の場合においても、ストップ高買い気配で相場が終了し、比例配分されなければ不出来となる。

不出来を回避する手段としては、株価に近い金額で指値注文を出すことなどが挙げられる。

押し上げ介入

読み方:おしあげかいにゅう

中央銀行が、自国の通貨レベルを押し上げるために為替介入すること。中央銀行による為替介入の1つ。

押し上げ介入は、中央銀行が自国の通貨レベルが適切なポジションにないと判断した時に行われる。例えば、米ドル/円が急激に円高へ進行した場合、日本の中央銀行である日本銀行(日銀)では、米ドルの押し上げ介入を行う。これにより、米ドル/円は円安の方向へ推移する。

アセアン株

読み方:アセアンかぶ
別名:アセアン株式
別名:ASEAN株
別名:ASEAN株式

アセアン(東南アジア諸国連合)加盟国の株式市場に上場している株式の総称。

アセアン株は、主にシンガポールやタイ、マレーシア、インドネシアなどの国々の株式を指すことが多い。

アセアン諸国は、他の国と比べると人口増加率が高く、さまざまな製品の需要は拡大する一方で、製品を製造する企業や関連企業の成長率も高い。アセアン株には、このような成長を期待した日本や欧米諸国、中国の投資家が市場参加している。

アセアン株の特徴は、日本やアメリカ合衆国の株式よりもボラティリティの高いことが挙げられる。また、政治リスクや為替リスク、信用リスクといったさまざまなリスクなども含んでいる。

全球降水観測計画

読み方:ぜんきゅうこうすいかんそくけいかく
別名:全球降水観測
別名:GPM計画
英語:Global Precipitation Measurement
英語:GPM

宇宙航空研究開発機構(JAXA)や米航空宇宙局(NASA)をはじめとする国際機関が共同で進めている、複数の人工衛星を用いて、地球上における全ての降水や降雪を観測する計画。従来、熱帯降雨観測衛星(TRMM)によって行われてきた観測の範囲を全球に広げるものであり、観測頻度と観測精度の向上も企図されている。

全球降水観測計画の主な目的としては、地球上の降雨と降雪を正確に把握することで、気候変動や異常気象の予測や対策を行うことが挙げられている。観測結果はインターネットを通じてリアルタイムで提供され、天気予報などにも利用される。

全球降水観測計画に用いられる人工衛星の主衛星(コア衛星)は、2014年2月にH2Aロケットによって打ち上げられることが発表されている。主衛星は、各機関が個別に打ち上げる副衛星(コンステレーション衛星)と連携して観測にあたる。全球降水観測計画で用いられる主衛星は、日本で開発された二周波降水レーダ(DPR)を搭載しており、従来よりも高精度での観測が可能となっている。

関連サイト:
全球降水観測計画 GPM - 地球観測研究センター - 宇宙航空研究開発機構

お泊まりデイ

読み方:おとまりデイ
別名:お泊まりデイサービス
別名:お泊りデイ
別名:お泊りデイサービス
別名:宿泊デイ
別名:宿泊デイサービス

宿泊サービス付きの通所介護事業所(デイサービス)、またはそこで提供される宿泊サービスの通称。デイサービスは本来日帰りの介護サービスだが、夜間も引き続きサービスが行われている場合があり、それが「お泊まりデイ」に相当する。お泊まりデイは、全国に1000か所以上あるといわれており、多くは小規模な施設である。

2014年1月現在、お泊まりデイで提供されるサービスは、介護保険制度の適用外であり、利用者は料金を自費で支払う必要がある。要介護者の家族が外出する時などに、一時的に用いられる傾向がある。また、特別養護老人ホームへの入居待機の際に利用されることも多いという。

2014年1月現在、お泊まりデイに対する法令による規制はなく、この状態は「無法状態」と言及されることもある。介護保険適用外で報告義務がないため、誤嚥や徘徊などに伴う死亡事故があったにもかかわらず、行政が把握できなかった例もあった。また、防火設備などに不備があったり、一部の悪質な事業者が利用者に対して、狭いスペースに雑魚寝させるなどの不適切な処遇や、虐待を行ったりしていたことも明らかになった。

劣悪な環境や事故・トラブル時のリスク、他にショートステイなどの代替施設があることなどを挙げて、お泊まりデイそのものに反対する意見があるものの、お泊まりデイに対する需要は高く、制度改善による存続を望む声もあった。

2011年に、東京都がお泊まりデイに対して、独自の運営基準となる「宿泊サービスの都独自基準及び届出・公表制度」を策定するとともに、事業を届出制にしたことをきっかけに、他の自治体でも基準策定の動きが広がった。

関連サイト:
宿泊サービスの都独自基準及び届出・公表 - 東京都福祉保健局

アメリカ鉤虫

読み方:アメリカこうちゅう
別名:Necator americanus
別名:ネカトール・アメリカヌス
英語:New World hookworm

ヒトなどの小腸に寄生する線形動物(線虫)の一種。アフリカ、アジア、南米の熱帯域に分布する。

アメリカ鉤虫は、ズビニ鉤虫とともに鉤虫症の病原体として知られている。ズビニ鉤虫よりも腸からの出血は少なく、無症状の場合も多いが、多数の虫が感染すると貧血症状を引き起こすことがあり、子供の場合には心不全や成長障害の原因となることもある。また、妊婦が感染すると、胎児の死亡率が高くなることが知られている。

アメリカ鉤虫は、宿主から卵の状態で便とともに排出される。土の中で孵化すると、足の皮膚などからヒトの体内に侵入し、血液やリンパ液によって肺に移動する。その後、消化管に移動し、小腸に定着するとともに宿主の血を吸って成長し、成虫となる。経口感染ではなく経皮感染が主である点で、ズビニ鉤虫とは生活環に違いが見られる。

2014年1月に、本種の全ゲノム解読の完了を報告する論文が、ワシントン大学などの研究グループにより「Nature Genetics」誌に発表された。この成果は、鉤虫症やヒトの免疫疾患に対する新たな治療薬やワクチン、診断法などの開発に有用だとされている。

関連サイト:
Genome of the human hookworm Necator americanus - Nature Genetics

スーパーイングリッシュティーチャー

別名:SET
別名:Super English Teacher

府立高校においてTOEFLiBT教育を推進し、生徒の英語力を向上させる目的で、大阪府教育委員会が教育改革の一環として任用する特定任期付職員。2015年度からの任用が予定されている。

スーパーイングリッシュティーチャーは、進学校を中心に大阪府内の数校に配置される。生徒に海外のトップレベルの大学に合格できる程度の英語力を身につけさせることが目標とされている。

スーパーイングリッシュティーチャーの採用基準としては、TOEFLiBTで100点、あるいはIELTSで7.5以上の高度な英語力を持つことや、大卒以上の学歴を持つことなどが挙げられているが、教員免許の保有は条件とされていない。

その他、日本国籍を持つこともスーパーイングリッシュティーチャーの要件とされている。しかし、管理職への登用がなく、任期付きであるにもかかわらず、公務員任用の国籍条項が適用されることが不当であるとして、2013年に外国人教員からなる労働組合が抗議声明を発表した。

ダゲスタン共和国

読み方:ダゲスタンきょうわこく
別名:ダゲスタン
別名:aɣistanłul Džumħuriyat
別名:Dağıstan Respublikası
別名:Дагъистанлъул ДжумхIурият
別名:Респу́блика Дагеста́н
英語:Dagestan
英語:Republic of Dagestan

北コーカサス(北カフカス)に位置する、ロシア連邦を構成する共和国の一つ。首都はマハチカラ。「ダゲスタン」の国名が「山が多い場所」に由来する通り、国土の大部分が山岳地帯である。ダゲスタン共和国は民族構成が複雑であり、約30の民族が約300万人の人口を構成する。ロシア民族は少数派で、全体の約4.5%である。

ダゲスタン共和国の住民のほとんどはイスラム教徒であり、一部の過激派が武装勢力を構成してロシアからの独立運動を行っている。2014年1月現在、ダゲスタン共和国にはイスラム過激派組織、「カフカース首長国(コーカサス首長国)」の拠点が置かれており、同組織が主張する、国際的に未承認の国家の一部となっている。

1999年に始まった第二次チェチェン紛争は、隣国のチェチェン共和国からダゲスタン共和国に武装勢力が侵入したことをきっかけに勃発した。当初、イスラム過激派によるテロやロシア軍との武力衝突は、チェチェン国内にほぼ限られていたが、のちにダゲスタンにも広がり、2012年には北コーカサスにおける武力衝突の犠牲者の過半数がダゲスタン人となった。また、2013年12月にロシアのボルゴグラードで起こった連続爆破事件に関して、翌1月にダゲスタンの武装勢力「ビラヤット・ダゲスタン」が犯行声明を発表するとともに、ソチ五輪でのテロを予告した。