新語時事用語辞典とは?

2022年4月4日月曜日

インターンシップ

英語:internship

学生が在学中に、企業などで労働に従事し、業務に携わる体験をすること。就業体験。および、そのような制度、あるいは期間のこと。大学生が就職活動の一環として参加することが多い。

コンピテンシー

英語:competency

特定の職務を遂行するにあたり安定的に優れた成果をあげている人材が共通して発揮している行動特性。業務遂行のパフォーマンスの高さの要因となる要素。知識の豊富さや技術の高さは、必ずしもパフォーマンスの高さに直結するとは限らない。では何が安定的なパフォーマンスを実現しているのか? この実現要因がコンピテンシーである。

コンピテンシー(competency)は、基本的には「能力」「行為能力」「適格さ」を意味する英語の名詞。英語圏でも日本語と同様「業務遂行のパフォーマンスの高さの要因となる要素」を指す意味で用いられる。

コンピテンシーはもっぱらビジネス(人材)分野で用いられる概念であるが、高等教育の分野でも人材育成という観点から言及されるある。

学位記

読み方:がくいき
別名:ディプロマ
英語:diploma

大学または大学院から学位を授与されたことを証する文書のこと。学士・修士・博士その他の学位を(誰が・どこで・どの学問分野において)取得したことを示す正式な証書。おおざっぱに言えば、小中高における「卒業証書」にあたる文書が大学における「学位記」である。いわゆる「卒業証書授与式」が大学においては「学位記授与式」と呼ばれる。

ギャップイヤー

別名:ギャップターム
英語:gap year

学生が高等学校(高校)を卒業してから大学へ入学する間に、ある程度のモラトリアム(空白期間・猶予期間)を与える制度のこと、および、その猶予期間のこと。学業生活の節目となる期間をあえて長く取らせ、そこで学校生活では得がたい経験を得ることを奨励する制度である。

ギャップイヤーを活用して何をするかは個々人次第であるが、例としては、海外旅行やホームステイ、ボランティア活動、アルバイト、企業へのインターンシップ等々が挙げられる。ギャップイヤーがあることで、見聞・見識を広めたり、社会と関わる経験を積んだり、若いうちにしかできないことを実行したりしやすくなる。ギャップイヤーを有意義なものとするためにはもちろん学生の主体性が必須となる。

高等教育の質

主に「(高等教育の)質保証」において扱われる概念。その定義は多分に曖昧であり画然としない。教育社会学者の川嶋太津夫は、質保証の「質」には「卓越(Excellence)・欠陥ゼロ(Zero Defect)・目的適合性(Fitness for purpose)」の要素が見いだされると指摘している(日本学術会議, 2009)。

関連サイト; 高等教育の「質」保証 議論を深めるために ― 日本学術会議、2009年4月16日(PDF)

授業評価

読み方:じゅぎょうひょうか
英語:course evaluation

教育(主に高等教育)に関する用語で、学生による授業内容の評価やフィードバックを意味す語。教育の質保証や教育力向上(ファカルティ・ディベロップメント)の取り組みの一環として多くの大学で導入されている。講義の最終回でアンケート用紙を学生に配布して評価を募る方法で実施されることが多い。

質保証

英語:quality assurance

主に大学教育(高等教育)における教育研究の質の保証、の意味で用いられる用語。教育機関が、教育課程を水準を確保しつつ改善を図ること、および、その一連の取り組み。質保証のための取り組みは、大学による自己点検・自己評価と、外部の評価機構による認定評価に大別され、特に前者が「内部質保証」と呼ばれる。後者は「外部質保証」と呼ばれることがある。

ファカルティ・ディベロップメント

別名:ファカルティー・ディベロップメント
英語:faculty development
英語:FD

教員(主に大学教員)の教え方を見直して「教員の教える力」の向上を図る組織的・実践的な取り組みのこと。「大学設置基準」第25条3項の規定(教育内容等の改善のための組織的な研修等)は、このファカルティ・ディベロップメントに取り組むことを義務付けていると解釈される。

大学設置基準 第六章 (教育内容等の改善のための組織的な研修等) 第二十五条の三 大学は、当該大学の授業の内容及び方法の改善を図るための組織的な研修及び研究を実施するものとする。 ―― e-Gov

大学院

英語:graduate school

「学校教育法」に基づき「学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥をきわめ、又は高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い、文化の進展に寄与すること」(第99条))を目的として設置される教育機関。入学資格は主に大学卒業者、および、これと同等以上の学力があると認められた者。

大学院の課程を修了した者には「修士」または「博士」の学位が授与される。

大学院は基本的には大学に設置される。ただし、大学院のみ単独で設置される大学院大学のような形態もある。

ルーブリック

英語:rubric

学習目標に対する達成度合いを評価するための指針として用いられる表。到達度合いが複数レベルに分けられ、各レベルに該当する評価基準が記述されている。簡単にいえば「これが出来ていればこのレベルに相当する」という評価基準の一覧表である。

学科

読み方:がっか
英語:department

学校において専門分野ごとに分けられた組織のこと。とりわけ大学において「大学設置基準」第4条に基づき「それぞれの専攻分野を教育研究するに必要な組織を備えたもの」として学部の下に設置された組織の単位のこと。

学科の設置は必須ではなく、必要に応じて他の区分を設置することもできる(「大学設置基準」第4条2項)。また、短期大学には「学部」がなく、「学校」の直下に(=4年制大学の学部に相当する位置に)学科が置かれる。

高校(高等学校)における学科は、いわゆる普通科・機械科・商業科といった区分のことである。専門教育を行うための課程ごとの区分であり、法的には「専門学科」と呼ばれる。

コア・カリキュラム

英語:core curriculum 教育課程(カリキュラム)の編成における中核的な、生徒が修養するべき到達目標と位置づけられる課程のこと。あるいは、そのような中核的課程と、それを補完する周辺的課程によって構成されるカリキュラムの構成のこと。

短期大学

英語:junior college

職業等に必要な能力の育成を目的とする高等教育機関。修業年限は2年または3年と定めされている。根拠となる法律は「学校教育法」(第108条)、および「短期大学設置基準」。

学校教育法では、かいつまんで言えば「深く専門の学芸を教授研究し、職業又は実際生活に必要な能力を育成することを主な目的とする(第108条1項)」大学は、「修業年限を二年又は三年(同2項)」とし、「短期大学と称する(同3項)」。

特に「深く専門の学芸を教授研究し、専門性が求められる職業を担うための実践的かつ応用的な能力を育成することを目的とする」短期大学は、「専門職短期大学」と呼ばれる。

短期大学は大学の形態のひとつであるため、入学資格も4年制大学と同様に「高等学校を卒業した者、または、それと同等以上の学力があると認められた者」とされる。

サービス・ラーニング

英語:service learning

社会奉仕活動(サービス)から学びを得る、学習(ラーニング)の取り組み。ボランティア活動に従事して地域と協働する等の経験を通じて、社会の身近な問題への意識や、社会の一員としての自覚、問題解決能力などを育む。学習意欲の向上や、将来像(進路)を明確化なども期待される。

かんたんに言えばサービスラーニングとは「地域に貢献する活動を通じて教育的に有意義な学びを得る」という活動である。あくまでも教育課程の一環として実施され、教育的評価の対象となる、という点において一般的なボランティア活動とは区別される。