新語時事用語辞典とは?

2011年11月18日金曜日

コースの定理

読み方:コースのていり
英語:Coase theorem

資源配分は、法的権利や法的義務などに関係なく、すべての状況で同じ配分であり続けるとする定理のこと。

コースの定理は、アメリカの経済学者でノーベル経済学賞を受賞したロナルド・コース(Ronald H. Coase)により発見された。

コースの定理では、農家と、農家に隣接する牧場において、牧場の牛が農家の穀物を荒らした場合を例に挙げている。このような状況下で、お互いが事業を継続する場合や、どちらか、あるいは両方が事業をやめる場合などの資源配分や、損害賠償が発生した場合の所得配分などを検証している。

例えば、お互いが事業を継続し、牧場主に損害賠償の責任が生じた場合を挙げると、資源配分は変わらないが所得配分は変わる。牧場主は農家へ賠償額を支払うことにより、牧場の収益が減少し、農家の収益は変わらない。一方、牧場主に損害賠償の責任が生じない場合、農家の収益は減少するが、牧場の収益は変わらない。これにより、損害賠償の有無に関係なく、社会的収益(農家と牧場の収益の合計額)は変わらないことがわかる。ちなみに、農家と牧場の所得配分は損害賠償の責任の有無により変わる。

コースの定理は、取引費用が存在しない前提で成立するものであり、取引費用が存在すると、資源配分はすべての状況で同じ配分でなくなる。

関連サイト:
The Problem of Social Cost - (英語)(PDF)

経理操作

読み方:けいりそうさ
別名:会計操作

企業において、金銭や財産などの出納内容を意図的に操ること。

経理操作の手法の1つに「のれん」を一括償却して特別損失として処理する方法が挙げられる。これにより経常利益は影響を受けない。ちなみに「のれん」は、一定期間内に費用として計上するのが一般的である。

一方、所得隠しや損失隠しなど、表面化すると企業にマイナスになると判断した場合にも経理操作は行われる。この場合は不正行為となる。

リセッション

別名:景気後退
英語:recession

その国の景気がマイナスに傾くこと。マイナス成長になること。

リセッションでは、一般的に物価は下落する。また、その国の政府は、金利を引き下げなどして金融緩和策を取ることが多い。

日本における景気の状況は、内閣府の発表する景気動向指数から知ることができる。

なお、景気後退に対して、その国の景気がプラスに傾くことを景気拡大という。

関連サイト:
景気動向指数 - 内閣府

自動車取得税

読み方:じどうしゃしゅとくぜい

自動車を取得した者に対して、都道府県が課す税金のこと。

自動車取得税は、地方税法により規定されている。

自動車取得税は、自動車の取得価額が50万円を超えた場合に課せられる。

2011年11月18日現在、民主党の税制調査会では、自動車取得税と自動車重量税を廃止、あるいは、見直しする方向で調整を進めている。

関連サイト:
地方税法

景気拡大

読み方:けいきかくだい
英語:economic expansion
英語:business uptrend

その国の景気がプラスに傾くこと。プラス成長になること。

景気拡大では、一般的に物価は上昇する。また、その国の政府は、金利を引き上げなどして金融引締め策を取ることが多い。

日本における景気の状況は、内閣府の発表する景気動向指数から知ることができる。

なお、景気拡大に対して、その国の景気がマイナスに傾くことを景気後退という。

関連サイト:
景気動向指数 - 内閣府
http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/menu_di.html

アーリーハーベスト

別名:早期採取
別名:早期採決
英語:early harvest

自由貿易協定などが国家間で締結された後に、いち早く関税の自由化または優遇措置が実施される品目。

自由貿易協定などが締結されると、次に貿易品目の全体に関して関税をいつまでに、どのようにして引き下げていくかが具体的に協議・調整されるが、その間に特定の品目については先行して自由貿易の導入が実施される場合がある。

例えば、中国・台湾の間で2011年1月に発効したECFA(海峡両岸経済協力枠組み協議)では、中国は台湾に対し約557品目の製品で関税優遇措置を適用、台湾は中国に対し267品目について関税優遇措置を適用した。

関連サイト:
ECFAアーリーハーベスト(先行実施項目)が1月1日より実施 - 台湾週報

減災

読み方:げんさい

災害に対する備えとして、「被害を出さない」ことを目指すのではなく、「災害による被害をできるだけ小さいものにとどめる」ことを目指す考え方。また、そのための一連の取り組み。

減災は「防災」に対する概念として、近年用いられるようになった語である。地震や津波などの自然災害は避けることが難しく、被害をゼロに抑えることも非常に困難であるが、被害を少しでも減らすことは可能であり、今からでも取り組みことができる、という発想に基づいている。

関連サイト:
災害被害を軽減する国民運動のページ - 内閣府防災担当

マリオ・モンティ

別名:Mario Monti

経済学者、イタリア第82代首相。2011年11月にベルルスコーニが首相を辞任したことを受け、経済財務大臣との兼務として首相に就任した。

マリオ・モンティは1970年代に大学で経済学を教え、1990年代に大学総長に就任した、経済学の専門家である。また、1995年から2004年にかけてEUの執行機関で委員を務めている。

マリオ・モンティのもとに組織されたイタリア新内閣は、首相をはじめ構成員がみな学者・専門家となっており、経済危機に瀕するイタリアの財政再建へ期待が持たれている。

可動防波堤

読み方:かどうぼうはてい

可動式になっており、平時は水面下などに沈められているが、災害が発生した際には浮上して防波堤として機能するといった仕組みを持つ構造物。

2011年11月、日立造船・東洋建設・五洋建設の三社は、共同開発した「海底設置型フラップゲート式可動防波堤」と呼ばれる防波堤を公開した。普段は海底に沈んでおり、景観を損ねない。緊急時には浮力などを利用して数十秒から数分程度で防波堤を築く。

なお、東洋建設・五洋建設の2社は大手のマリンゼネコンである。

イレッサ訴訟

読み方:イレッサそしょう
別名:薬害イレッサ訴訟

国の認可のもとにアストラゼネカが販売していた肺がん治療薬「イレッサ」を服用し、その副作用により死亡したとされる患者の遺族が、国とアストラゼネカを相手取って起こした訴訟。

第1審では、国と製薬会社に賠償金の支払いが命じられたが、第2審(控訴審)では国と製薬会社の過失が認められず、患者側の敗訴となった。2011年11月現在、患者の遺族側は第2審の判決を不服として最高裁に上告している。