新語時事用語辞典とは?

2011年5月6日金曜日

手掛かり材料

読み方:てがかりざいりょう

株式相場や外国為替証拠金取引(FX)相場などにおいて、売買を行うきっかけのこと。

「手掛かり材料」は、投資妙味に欠ける相場や閑散相場などで用いられることが多く、「手掛かり材料に乏しい」などと表現される。

なお、「手掛かり材料」には、企業の業績発表や各国の経済指標、政策金利の見直しなどが挙げられる。

円安圧力

読み方:えんやすあつりょく

外国為替証拠金取引(FX)市場での取引きにおける日本円の売り勢力のこと。主に、売り勢力が買い勢力よりも上回っている場合に用いることが多い。

円安圧力が強くなると円が売られ、対円の外貨が買われる。なお、過剰な円安圧力による急激な円安傾向は内需関連株などへ影響を及ぼす場合もある。また、各国中央銀行の協調介入により円安圧力を抑制する場合もある。

なお、日本円の買い勢力のことを円高圧力という。

円高圧力

読み方:えんだかあつりょく

外国為替証拠金取引(FX)市場での取引きにおける日本円の買い勢力のこと。主に、買い勢力が売り勢力よりも上回っている場合に用いることが多い。

円高圧力が強くなると円が買われ、対円の外貨が売られる。なお、過剰な円高圧力による急激な円高傾向は輸出関連株などへ影響を及ぼす場合もある。また、各国中央銀行の協調介入により円高圧力を抑制する場合もある。

なお、日本円の売り勢力のことを円安圧力という。

生食用牛肉

読み方:せいしょくようぎゅうにく

加熱せずに生食が可能な牛肉のこと。

生食用牛肉は、厚生労働省の「生食用食肉の衛生基準」により出荷、販売することが可能とされるが、衛生基準が通知された2008年から2011年4月までの出荷実績はないとされる。よって、ユッケなどに使用される生の牛肉は生食用牛肉ではない。

なお、「生食用食肉の衛生基準」により出荷されたのは、馬の肉、および、レバーであるとされる。ちなみに、鶏肉については衛生基準がない。

関連サイト:
生食用食肉等の安全性確保について - 厚生労働省

サイマルラジオ

英語:Simulcast Radio

ラジオ放送をサイマルキャストによって複数経路で配信すること。現行のFMラジオやAMラジオで配信されているラジオ放送と同じ内容を、インターネットを通じて並行的に配信すること、とりわけIPサイマルキャスト「radico
.jp」のことを指している場合が多い。

下痢原性大腸菌

読み方:げりげんせいだいちょうきん

人などに感染して下痢をはじめとする諸症状を引き起こす大腸菌。「病原性大腸菌」とほぼ同様の意味で用いられる。

下痢原性大腸菌は次の5種類に分類される。「腸管病原性大腸菌」、「腸管侵入性大腸菌」、「腸管出血性大腸菌」、「毒素原性大腸菌」、「腸管凝集性大腸菌」の5つである。

下痢原性大腸菌のうち、「腸管出血性大腸菌」に分類されるものとして、「O-157」や「O-111」がある。O-157は1996年の集団食中毒事件で知られるようになり、またO-111は2011年4月に発生した食中毒事件で話題となっている。

関連サイト:
下痢原性大腸菌感染症 - 国立感染症研究所 感染症の話

溶血性尿毒症症候群

読み方:ようけつせいにょうどくしょうしょうこうぐん
別名:溶血性尿毒症
英語:Hemolytic-Uremic Syndrome
英語:HUS

病原性大腸菌が生産するベロ毒素により引き起こされる肝臓の疾患。主に小児に見られる。赤血球の減少、貧血、急性腎不全を伴い、死に至る可能性も高い病気として知られている。

溶血性尿毒症症候群の原因菌として、腸管出血性大腸菌O-157、および、腸管出血性大腸菌O-111などの病原性大腸菌が知られている。小児が溶血性尿毒症症候群に罹患した場合には、激しい下痢を伴う場合が多いが、成人が罹患する場合は下痢を伴わない場合がある。

2011年4月には富山県、および福井県で、児童が腸管出血性大腸菌O-111に感染し、溶血性尿毒症症候群に罹患し死亡する事故が発生している。

関連サイト:
溶血性尿毒症症候群(HUS)とは - 大阪大学大学院医学系研究科・医学部

ベロ毒素

読み方:ベロどくそ
別名:Vero毒素
別名:ベロトキシン
英語:verotoxin

腸管出血性大腸菌によって生産される毒素。腸管出血性大腸菌O-157、腸管出血性大腸菌O-111などが、ベロ毒素を生産する菌として知られる。腸管の細胞を死滅させ、大腸からの出血と腹部の激しい痛みを引き起こす。また、溶血性尿毒症症候群と呼ばれる深刻な腎臓疾患も引き起こす。

感染性大腸炎

読み方:かんせんせいだいちょうえん

感染性の病原菌によって引き起こされる大腸炎。代表的な病気としては赤痢などがある。また、「O-157」や「O-111」といった腸管出血性大腸菌による食中毒も感染性大腸炎の原因となる。

腸管出血性大腸菌は、ベロ毒素によって大腸の細胞を死滅させ、猛烈な痛みや血便を引き起こす。合併症として「溶血性尿毒症症候群」(HUS)と呼ばれる深刻な腎臓疾患も引き起こし、重態になりやすい。

基準外生肉

読み方:きじゅんがいせいにく

厚生労働省のガイドラインである「生食用食肉の衛生基準」を満たしていない肉のこと。

2011年4月に発生した「腸管出血性大腸菌O-111」による集団食中毒事件を受けて厚生労働省では、各都道府県に対して生の牛肉を提供している店舗や施設などを調査するよう求めている。調査の内容は「トリミング」などを行っているかどうかなどとされる。また、基準外生肉については取り扱いの中止を求めている。

関連サイト:
生食用食肉等の安全性確保について - 厚生労働省
生食用食肉を取り扱う施設に対する緊急監視の実施について - 厚生労働省(PDF)

排風機

読み方:はいふうき

空気を排出するための装置。特定箇所の空気および空気中の塵のような不純物を除く目的などで用いられる。

2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所の原発事故では、建屋の内部に放射性物質が漏れ出て充満しているため、作業員が建屋内部で作業することが困難な状況に陥っている。そのため、放射性物質を除く効果があるフィルターを排風機に取り付け、建屋内の空気を浄化してから再び建屋内に戻し、建屋内の放射線量を減らす試みが行われている。

トリミング

英語:trimming

原義は、「切り落とす」「刈り込んできれいにする」「整頓する」といった意味の英語。転じて、写真画像の一部を切り取ること、犬や猫の毛の手入れをすることといった様々な意味で用いられる。

食肉加工の過程では、生肉の提供前に肉の表面を削ぎ落とす作業をトリミングと呼ぶ。これは食肉に付着した可能性がある大腸菌などの細菌を除くための作業で、飲食店が生肉を提供する際にはトリミングを実施するよう保健所が指示している。

2011年4月に発生した「腸管出血性大腸菌O-111」による食中毒事件では、ユッケを提供した店がトリミングを行わずに生肉を調理し提供していたことが明らかになっている。