新語時事用語辞典とは?

2015年3月31日火曜日

マルチレベル方式

読み方:マルチレベルほうしき
英語:multi level system

商品を販売する際に、店舗などには流通させずに個人へ卸して販売する方式。無店舗訪販商法の1つ。

マルチレベル方式では、商品購入者がディストリビューターとなり、他の人に商品購入を勧める。そして、そこで購入した人もディストリビューターとなり、他の人に商品購入を勧めていくことで、無店舗のネットワークが構築されていく。

マルチレベル方式は、流通チャネルを確保する必要がなく、広告宣伝費を抑えられるなどのメリットがある。また、ディストリビューターにとっては、販売マージンが得られるというメリットがある。

ちなみに、マルチレベル方式を悪用した手法をマルチ商法という。また、ディストリビューター同士が親会員、子会員の関係となり、親会員が子会員の出資金で利益を得るシステムをねずみ講という。

プリンシパルとエージェントのゲーム

英語:principal-agent game

仕事の依頼人であるプリンシパルと、仕事の請負人であるエージェントとの間で生じる交渉、または、契約。

プリンシパルとエージェントのゲームの例としては、会社の経営者(プリンシパル)と従業員(エージェント)が挙げられる。会社の経営者は従業員に対して、なるべくコストを抑えて成果を出して欲しいと望み、従業員はなるべく手間を掛けずに仕事をしたいと望む。このように、プリンシパルとエージェントの求めるものが異なる場合、多くの成果を上げた場合には報酬を上乗せしたり、より高い役職に就かせたりするといった交渉が行われる。

プリンシパルとエージェントのゲームのその他の例としては、テレビ会社(プリンシパル)と番組制作会社(エージェント)、患者(プリンシパル)と医師(エージェント)などが挙げられる。

コンセプトイン

英語:concept-in

自社製品を開発する際に、開発当初から顧客に参画してもらう方法。企業の営業活動の1つ。

コンセプトインでは、顧客からの提案を受け入れつつ製品を完成させていく。これにより製品開発会社には、顧客を取り込むことができるというメリットが生じる。また、顧客にとっては、希望通りの製品を手にすることができるというメリットがある。

パスゴール理論

読み方:パスゴールりろん
英語:path–goal theory
英語:path–goal theory of leader effectiveness
英語:path–goal model

メンバーの目標達成は、リーダーがどの道筋を通ればよいのかを示すことであるという考えに基づいた理論。1971年、オハイオ州立大学のロバート・ハウス(Robert House)によって提唱された。

パスゴール理論では、リーダーシップを指示型、支援型、参加型、達成志向型の4つの型に分類している。指示型はメンバーに対して具体的なスケジュールや目標達成の手段を示すもので、支援型はお互いの信頼をベースに感情に配慮した気配りを示すものである。また、参加型はメンバーの意見や提案を取り入れて目標達成に臨み、達成志向型は困難な目標を設定してメンバーに目標達成を促すものである。

情報対称ゲーム

読み方:じょうほうたいしょうゲーム

双方に同一の情報が与えられているゲーム。「情報非対称ゲーム」(games with asymmetric information)に対する語。

情報対称ゲームでは、ゲーム参加者すべてが同じ情報を持ち、同じルールのもとにおいて進行される。つまり、プレイヤーの立場を交代した時に、プレイヤーの利得が同じである場合を情報対称ゲームという。

じゃんけんや囲碁、将棋などは、情報対称ゲームに該当する。情報対称ゲームや情報非対称ゲームといった語はゲーム理論における概念であるが、ゲーム理論が主に参照されるビジネス上の事例では情報対称ゲームはあまり見かけることはないといえる。

ブランドの希薄化

読み方:ブランドのきはくか
別名:ブランド希薄化
別名:ブランドの希釈化
別名:ブランドダイリューション
別名:brand dilution

ブランド拡張に失敗して、既存のブランドが築いた価値が損なわれること。ブランドが顧客に保証してきた価値や市場におけるブランドの地位・位置づけ(ポジショニング)が曖昧・不明確になり、ブランド力の衰退を招くこと。

商標としてのブランドの希薄化(商標の希釈化)は、ブランド名が広く認知されて同分野の代名詞的存在となった末に、同分野の商品を指す一般名詞として用いられるに至り、もはやブランドとしての(特定商品の品質を保証するといった)機能を果たさなくなる状況を指す。

非言語コミュニケーション

読み方:ひげんごコミュニケーション
別名:非言語的コミュニケーション
別名:非言語によるコミュニケーション
別名:言語によらないコミュニケーション
別名:言語以外の手段によるコミュニケーション
別名:ノンバーバルコミュニケーション
英語:non-verbal communication

言葉(会話や文字など)以外の手段によって実現されるコミュニケーション(情報伝達や意思疎通)のこと。

コミュニケーションの手段は、必ずしも言語を伴うとは限らないが、無前提で単にコミュニケーションという場合には基本的に言葉を使った伝達(言語的コミュニケーション)が前提されているといえる。しかし、言語を使ったコミュニケーションの中でも口調、声色、表情、視線、腕組み姿勢や距離の置き方、筆跡などの要素が少なからず、言葉で伝達する情報にさらに情報を添える役割を果たす。こうした、表情や身振り手振りといった(言葉以外の)要素を特に指す場合に、非言語コミュニケーションの語が用いられる。

非言語コミュニケーションは、言葉のように概念を直接指し示すことが容易でなく、情報を性格に伝える手段としては不向きといえるが、言葉では表現しにくい感情やニュアンスを伝達する手段としては言葉以上に適する場合がある。


プラスサムゲーム

別名:プラス和ゲーム
別名:Win-Winゲーム
別名:ウィンウィンゲーム
英語:plus sum game

参加者(プレイヤー)の得失の総和がプラスとなるゲーム。最終的に各プレイヤーがそれぞれ利益を獲得することが可能な状況。

プラスサムゲームはゲーム理論における区分のひとつであり、プレイヤーの利害の総和が必ずしもゼロにならない「非ゼロサムゲーム」の下位区分にあたる。非ゼロサムゲームのうち、各プレイヤーがみな損を被って終わるゲームを「マイナスサムゲーム」という。

プラスサムゲームは、プレイヤーが(パイの奪い合いではなく)互いに協調して「Win-Winの関係」を構築することで実現可能と考えられる。また、ゲームの参加者をどの範囲で捉えるかによっても、プラスサムゲームといえるかゼロサムゲームであるかの認識は違ってくる。

バリューチェーンの再構築

読み方:バリューチェーンのさいこうちく
別名:価値連鎖の再構築
別名:バリューチェーン再構築
英語:deconstruction of value chains

すでに構築されたバリューチェーンを見直し、新たにバリューチェーンの構築を図ること。「デコンストラクション」(再構築)と呼ばれる場合や、「新たなバリューチェーンの構築」などのように表現される場合もある。

バリューチェーンはマイケル・ポーターが提唱した概念であり、事業活動における一連のプロセスを商品やサービスに対する価値の創出という観点で捉え、事業の分析や競争優位性の見定めに活用する考え方である。既存のバリューチェーンが改善を要すると判断された場合、バリューチェーンの再構築が必要とされる。

ゼロサムゲーム

別名:ゼロ和ゲーム
別名:零和ゲーム
英語:zero sum game

参加者(プレイヤー)が各々得られる利害・得失点の総和がゼロとなる状況のこと。一方が利益を得れば、その分だけ他方が損をする構造。誰かが勝てば誰かが負ける方式。

いわゆる「パイの奪い合い」はゼロサムゲームの例といえる。ターゲット(顧客等)が限られている状況においては、シェアを増すことは他方から奪うことに等しい。ただし、市場経済は必ずしもゼロサムゲームであるとは限らない。

ゼロサムゲームに対して、プレイヤーの得失の総和が必ずしもゼロにならないゲームは「非ゼロサムゲーム」と呼ばれる。状況によって全員が利益を得ることができたり全員が損を被ったりする場合のある環境は非ゼロサムゲームである。プレイヤーの得失の総和がプラスとなるものは「プラスサムゲーム」ともいい、同じく得失の総和がマイナスとなってしまうものは「マイナスサムゲーム」ともいう。

放送法第4条

読み方:ほうそうほうだいよんじょう
別名:放送法第四条
別名:国内放送等の放送番組の編集等

放送の規律を目的とする法律である「放送法」の第4条に定められている、番組の編集内容等に関する規定。

放送法第4条では次のように規定されている。

第四条
放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
 一   公安及び善良な風俗を害しないこと。
 二   政治的に公平であること。
 三   報道は事実をまげないですること。
 四   意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。 
マスコミのいわゆる政治的偏向報道などの問題においては、放送法第4条の各規定が論拠として主に参照される。

関連サイト:
放送法 - e-Gov

2015年3月30日月曜日

フーシー派

読み方:フーシーは
別名:フーシ派
別名:フシ派
別名:フーシー
別名:フシ
別名:ホーシー派
別名:ホーシー
別名:アル・ホーシー派
別名:アル・ホーシー

中東の沿岸国家イエメンの北部に拠点を置く、イスラム教シーア派系の武装組織。アブドゥルマリク・アル・フーシーを指導者に戴く。

公安調査庁「国際テロリズム要覧」によれば、フーシー派は政府の対シーア派系部族政策に反発して2000年代半ば以降幾度かにわたり政府と武力衝突している。2010年代初頭から中頃にかけて、イエメン大統領サレハが退陣してハーディを暫定大統領とする政権が発足したが、ハーディと対立するフーシー派が反政府運動を展開し、2014年半ばにフーシー派が首都サヌアを事実上制圧、2015年にハーディ(および首相のバハーハ)が辞意を表明したことにより、政権を事実上掌握するに至った。

2015年3月現在、フーシー派はハーディが逃れた隣国サウジアラビアの都市アデンに侵攻する構えを見せており、対するサウジアラビア側は空爆によるフーシー派の排除に乗り出している。

関連サイト:
イエメン - 公安調査庁 国際テロリズム要覧
イエメンについての渡航情報(危険情報)の発出 - 外務省 海外安全ホームページ

ゼロサム交渉

読み方:ゼロサムこうしょう
英語:zero sum negotiation
別名:ゼロ和交渉
別名:零和交渉

双方に利益のある要素について、どちらが取得するかについて交渉すること。

ゼロサム交渉は、ビジネスにおいては売り手と買い手の間における価格交渉が挙げられる。売り手は1円でも高く売りたい、買い手は1円でも安く買いたいといったことから、場合によっては交渉が決裂することもある。

ゼロサム交渉は最後の交渉とされる。そのため、ゼロサム交渉よりも、双方が利益を得られるプラスサム交渉を選択するケースが多い。プラスサム交渉の例としては、継続的な取引が挙げられる。これにより、売り手は売上が確保でき、買い手は流通チャネルが確保できる。

アンゾフの事業拡大マトリックス

読み方:アンゾフのじぎょうかくだいマトリックス
別名:アンゾフの成長マトリックス

企業の事業拡大を「製品」と「市場」の2つの要素に分けて進めていく考え方。アメリカ合衆国の経営学者であるイゴール・アンゾフが提唱した。アンゾフの成長マトリックスともいう。

アンゾフの事業拡大マトリックスは、横軸に既製品と新製品の「製品」をとり、縦軸に既存市場と新規市場の「市場」をとったマトリックスを作成する。そして、それぞれの交差した位置を事業拡大の方向性ととらえている。例えば、既製品と既存市場の組み合わせでは、市場への浸透を目指す。また、既製品と新規市場の組み合わせでは、海外展開するなどして市場開拓を目指す。その他、新製品と既存市場の組み合わせでは新製品の開発を目指し、新製品と新規市場の組み合わせではまったく新しい分野への進出を目指すとしている。

サクセッションプランニング

英語:succession planning

企業内のあるポジションに就く人材の育成計画。後継者の育成計画。企業が安定して成長するための施策の1つ。

サクセッションプランニングは、企業の重要ポストである社長を育てる場合にも用いられることがある。サクセッションプランニングではまず、社員の中から将来、社長としてふさわしい人材をリストアップする。そして、これら社員に対して経営会議などの重要な会議に早期から出席させ、経営者としての必要なスキルを身に付けさせていく。経営者の行く先に同行させることなどもサクセッションプランニングの1つである。

ターゲットプライシング

英語:target pricing

一定の利益が出るように商品の価格を設定すること。

ターゲットプライシングは、医薬品や化学製品など、研究費や設備投資など費用の嵩む商品で用いられることが多い。

なお、価格設定の手段には、ターゲットプライシングの他にマークアッププライシングが挙げられる。マークアッププライシングは、仕入原価に一定率を上乗せした金額を定価にする方法である。

成功の復讐

読み方:せいこうのふくしゅう
別名:成功体験の復讐
別名:過去の成功体験の復讐

過去の成功体験が後に旧弊となり、新たな試みを阻み、最終的には失敗を招く要因として作用してしまうこと。一時的に成功を得ても、その成功が足枷となり、最後は失敗に終わることになる。

例えば、かつて大成功を収めたビジネスモデルに依拠し続け、市場に受け入れられなくなっても新たなビジネスモデルを構築しない、構築できない、といった状況は成功の復讐の典型といえる。

勝者の呪い

読み方:しょうしゃののろい
別名:ウィナーズカース
英語:winner's curse

競売(競争入札)においては、最も高値をつけた者が商品を落札して「勝者」となるが、往々にして落札額が商品の評価額以上に吊り上がってしまうため、勝者が損をする結果となってしまう、という構造を表す言い方。

勝者の呪いは、一般的な評価額が固まっている商品を入札する「共通価値オークション」においてしばしば発生する。落札できても商品に不相応の(一般的な評価額以上の)高額を支払うこととなり、転売目的の場合は転売価格が落札額を下回って損失が生じることになる。

商品評価が個々人の価値観に左右されるタイプのオークションでは勝者の呪いについて言及される機会は少ない。

タックマンモデル

別名:タックマンの集団発達モデル
別名:5段階集団発展モデル
別名:五段階集団発展モデル
英語:Tuckman's stages of group development
英語:The Forming, Storming, Norming, Performing model
英語:Forming, Norming, Storming, Performing and Adjourning model

ブルース・タックマン(Bruce Tuckman)が提唱した、チームビルディング(組織づくり)における発展段階のモデル。集団・組織が形成されてから成果を挙げるようになるまでを4段階に、あるいは、さらに解散に至るまでの5段階に区分する。

タックマンモデルにおける組織の発展段階は次のように区分される。

  1. forming(形成・結成) 
  2. storming(混乱・激動)
  3. norming(統一・規範形成)
  4. performing(機能・成就)
  5. adjourning(解散・散会)
formingは、組織が結成された最初の段階であり、メンバーが初めて集まり、組織の在り方や目標などを模索している段階である。
stormingは、組織の在り方や目標などを巡って混乱や意見の対立などが生じる段階である。ちなみに「storm」は嵐が吹き荒れるといった意味である。
normingは、チームとしての見解が共有されて関係性が安定する段階である。役割分担や協調が生まれ、行動様式の規範(norm)が確立する。
performingは、チームが成熟して十分に機能し、成果を挙げることができる段階である。
adjourningは、目標達成を経てチームを解散する段階である。これはタックマンが提唱したタックマンモデル自体には含まれていなかった段階であるが、今日では解散までの5段階を一セットとして参照されることが多い。

2015年3月27日金曜日

アジアインフラ投資銀行

読み方:アジアインフラとうしぎんこう
別名:アジアインフラ投資銀
英語:Asian Infrastructure Investment Bank
英語:AIIB

アジア諸国がインフラ整備の際に必要とする資金の融資を目的として中国が設立構想を掲げた国際開発金融機関(国際開発銀行)。「AIIB」の略称で記述されることが多い。

アジアインフラ投資銀行は、2013年に習近平によって提唱された。以後2015年までに、東南アジアや欧州の各国、計およそ30ヵ国ほどがアジアインフラ投資銀行への参加を表明している。日本およびアメリカは、共に1960年代に設立されたアジア開発銀行の出資国筆頭であり、2015年3月現在、アジアインフラ投資銀行への参加は表明していない。

交互進行ゲーム

読み方:こうごしんこうゲーム
英語:sequential game

双方が順番に行動しながら進めていくゲーム。囲碁や将棋などが挙げられる。

交互進行ゲームでは、自分の行動に対して相手がどのように行動するのか、また、その先はどのような行動に出るのかといったことを予測しながら進めていく。

交互進行ゲームをビジネスに置き換えれば、自社が商品の値下げをした場合、競合他社も値下げをしてくるのか、また、値下げ幅はどのくらいかなどを予測しながら進めていく戦略が交互進行ゲームに相当する。また、競合他社が値下げした際に、自社の次に打つ戦略をどのようにするかといったことも交互進行ゲームの1つである。

マイナスサムゲーム

英語:minus sum game

投資に対する期待値がマイナスになるゲームのこと。

マイナスサムゲームには、宝くじや競馬などが挙げられる。例えば、日本の宝くじの場合には、収益金の53.5%が公共事業や宝くじの印刷費、販売費などに使われ、残りの46.5%が当選金に充てられる。つまり、投資額1000円に対する期待値は、投資額を下回る465円であるため、宝くじはマイナスサムゲームといえる。

ちなみに、マイナスサムゲームに対して、期待値がプラスになるゲームのことをプラスサムゲーム、投資額と期待値が同じになるゲームのことをゼロサムゲームという。

情報非対称ゲーム

読み方:じょうほうひたいしょうゲーム

双方に同一の情報が与えられていないゲーム。ポーカーやババ抜きなどのトランプゲームなどが挙げられる。

情報非対称ゲームは、ゲーム参加者の持つ情報が異なる中で進行される。つまり、プレイヤーの立場を交代した時に、プレイヤーの利得が異なる場合を情報非対称ゲームはという。

ビジネスにおいては、情報非対称ゲームにあてはまるケースが多い。例えば、商品が前のモデルあることや他社商品よりも機能が劣ってことなどを伝えずに、商品の購入を勧める場合、売り手(販売員)と買い手(客)の持つ情報が異なる中での交渉は情報非対称ゲームである。

ちなみに、情報非対称ゲームに対して、双方に同一の情報が与えられているゲームを情報対称ゲームという。

いちご大福騒動

読み方:いちごだいふくそうどう
別名:イチゴ大福騒動
別名:苺大福騒動

菓子「いちご大福」を巡る騒ぎ。特に2015年現在、韓国でいちご大福を販売する事業者2名のいざこざを指す通称として用いられている。

韓国のいちご大福騒動の概要は、日刊サイゾーの2015年3月5日付記事、Focus-Asiaの2015年3月27日付記事などが詳しい。両記事は、2013年頃に韓国人青年2名が協同でソウルでいちご大福屋を開始し、瞬く間に大盛況に至ったが、すぐに2人が権利を巡って仲違いし、訴訟沙汰に発展したことを伝えている。

関連サイト:
韓国“いちご大福ブーム”に、お家騒動!? 2年の時を経て発覚した真相とは…… - 日刊サイゾー 2015年3月5日
韓国の“いちご大福”騒動、日本の“師匠”は教えていない・・韓国ネット「良心はないのか?」「日本から伝授されたと加盟店まで…」 - Focus-Asia 2015年3月27日

2015年3月26日木曜日

マイケル・ポーター

別名:マイケル・E・ポーター
別名:マイケル・ユージン・ポーター
英語:Michael Porter
英語:Michael E. Porter
英語:Michael Eugene Porter

米国の経営学者。1947年ミシガン州生まれ、ハーバード大学経営大学院教授。「バリューチェーン」や「ファイブフォース」(5つの力)をはじめとする経営理論(競争戦略)上の概念を提唱した人物として知られる。

ゲイリー・ハメル

英語:Gary Hamel

経営戦略論、国際マネジメント論を専門とする経営思想家。ロンドン・ビジネススクール客員教授。C.K. プラハラードとの共著において「コアコンピタンス」の概念を提唱した人物としても知られる。

トランスナショナル企業

読み方:トランスナショナルきぎょう
別名:トランスナショナルカンパニー
別名:トランスナショナルな企業
別名:トランスナショナル型企業
別名:無国籍企業
別名:超国籍企業
英語:transnational company
英語:transnational corporation

国境の垣根を越えて世界規模で(世界の市場で)事業を展開する企業のこと。一般的には、各国に子会社を置き、子会社が相互に連携して(役割を分担いして)事業を推進し、スケールメリットや販売チャネルの多さなどを活かして国際市場での競争力を勝ち取る、といった特徴を持つ企業を指す。

「トランスナショナル」(transnational)の語は「国境を越えた」といった意味である。類似する意味の言葉として、国家間を跨ぐといった意味の「インターナショナル」(international)、複数の国にまたがるといった意味の「マルチナショナル」(multinational)、地球規模・世界的といった意味の「グローバル」(global)などがある。文脈によっては、トランスナショナル企業(transnational company)と「多国籍企業」(multinational company)や「グローバル企業」(global company)は特に区別されずに扱われている場合もある。

クリストファー・バートレット(Christopher Bartlett)とスマントラ・ゴシャール(Sumantra Ghoshal)は、共著「Managing across borders」において、複数ヵ国で事業展開する企業をマルチナショナル(multinational)、グローバル(global)、インターナショナル(transnational)、そしてトランスナショナルの4タイプに区分した。「トラスナショナル企業」を厳密な意味で扱う場合、このバートレットとゴシャールの理論を前提していることが多い。

バートレットとゴシャールの区分では、複数ヵ国に現地法人を構えて(トップダウン式に)事業展開しスケールメリットを享受する企業がマルチナショナルな企業である。スケールメリットに加えて、地域差を鑑み販売方式・運用方式を最適化する企業がグローバルな企業である。さらに母国の親会社と現地の子会社といった区別を越えて、世界各国各地域の拠点間で技術やノウハウを共有し合い高め合っていく企業がインターナショナルな企業である。そして、これら3要素を全て兼ね備えることのできる企業の在り方がトランスナショナルな企業と位置づけられている。

チーム学習

読み方:チーム学習
別名:チームラーニング
英語:team learning

「学習する組織」(Organizational Learning)理論における実践的方法論としてピーター・センゲ(Peter M. Senge)が提唱した「5つの訓練法」(five disciplines)のうちのひとつ。対話(dialogue)と議論(discussion)を使い分けつつ、同じ目的に向かって協調することでにより、各人の能力を高めていく方法。

「学習する組織」はセンゲ以前に提唱されていた考え方であるが、センゲによって世界的に認められるようになったと評されている。「学習する組織」の理論は、今日では組織の能力・チーム力を高める標準的な考え方のひとつとなっている。

純粋戦略

読み方:じゅんすいせんりゃく

特定の戦略のみを繰り返して行う戦略のこと。

純粋戦略は、例えば、商品の売れ行きが悪くなった場合に「広告を打つ」という1つの戦略のみを行うことである。商品の売れ行きが悪くなれば、広告を打つこと以外に販売促進の人員を増やすなどの手段も考えられるが、純粋戦略では、ケースバイケースで戦略を変更したり、新たな戦略に打って出るといったことは行わない。

ちなみに、確率、統計、あるいは、ケースバイケースによって戦略を変えることを、混合戦略という。混合戦略は純粋戦略の集まりであり、一般的に「戦略」と表現する場合は混合戦略を指すことが多い。

ミシガン研究

読み方:ミシガンけんきゅう
別名:ミシガン研究モデル
別名:ミシガン州立大学研究モデル
英語:Michigan Studies of Leadership

企業のリーダーシップを持つ人の行動と企業の業績との関係を示したもの。

ミシガン研究は、ミシガン大学社会調査研究所がプルデンシャル生命の何人かのリーダーに対して、人間関係と業績のどちらを重視しているのかを調査しまとめたものである。調査のまとめでは、(1)業績最重視、(2)人間関係よりも業績重視、(3)業績と人間関係の重視は同じくらい、(4)業績よりも人間関係重視の4つのパターンに分かれるとしている。そのうち、もっとも生産性の高い組織のパターンは、「(4)業績よりも人間関係重視」であったとの結果を示した。

リーダーシップの行動理論に関する調査研究としては、ミシガン研究と共にオハイオ研究(オハイオ州立大学研究モデル)などもよく知られている。

絶対優位の戦略

読み方:ぜったいゆういのせんりゃく

相手側の複数の戦略に対して、すべて優位に立つことのできる、1つの戦略のこと。

絶対優位の戦略は、企業どうしのプレゼンテーションなどで用いられることが多い。例えば、自社と競合するX社が、A案、B案、C案を提案してくると予想したとする。ここで、X社が3案のうちどれを提案してきたとしても優位に立てる提案を出すことが、絶対優位の戦略となる。

ちなみに、絶対優位の戦略に対して、相手側がどの戦略を仕掛けてきても劣性になる戦略を絶対劣位の戦略という。

絶対劣位の戦略

読み方:ぜったいれついのせんりゃく

相手側がどの戦略を仕掛けてきても劣性に立ってしまう戦略のこと。

絶対劣位の戦略は、競合企業とのシェア争いをする際の戦略の1つとして考えられることが多い。絶対劣位の戦略は、まず競合企業の戦略を予想することから始まる。そして、これらの戦略と自社の戦略とを比較し分析する。その結果、競合企業の戦略すべてに劣性に立ってしまうと予想される戦略が絶対劣位の戦略である。

ちなみに、絶対劣位の戦略に対して相手側の複数の戦略にすべて優位に立つことのできる、1つの戦略を絶対優位の戦略という。

ガードナー国際賞

読み方:ガードナーこくさいしょう
別名:カナダ・ガードナー国際賞
別名:ガードナー・インターナショナルアワード
英語:Gairdner International Award
英語:Canada Gairdner International Awards

カナダのガードナー財団が年次で実施している医学分野の賞。生体医療をはじめとする医学研究の進歩に大きく貢献した者、を顕彰している。

ガードナー国際賞の受賞者は毎年春頃に決定し、秋頃に授賞式が行われる。医学分野では世界的にも権威ある賞であり、ガードナー国際賞の受賞者が数年後にノーベル賞を受賞するケースも珍しくない。

日本人研究者も過去に数名がガードナー国際賞を受賞している。iPS細胞の研究によってノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥は2009年に、森和俊と共にガードナー国際賞を受賞した。

2015年3月には、大隅良典と坂口志文がガードナー国際賞の受賞者に選ばれたと発表された。

2015年3月25日水曜日

アルフレッド・チャンドラー

別名:アルフレッド・デュポン・チャンドラー
別名:A. チャンドラー
別名:アルフレッド・D・チャンドラー
別名:アルフレッド・D・チャンドラーJr.
別名:アルフレッド・D・チャンドラー・ジュニア
英語:Alfred Chandler
英語:Alfred D. Chandler
英語:Alfred Dupont Chandler
英語:Alfred Dupont Chandler, Jr.

米国の歴史学者。企業経営の在り方を歴史学の観点から捉える「経営史」の大家として知られる。1918年生まれ、ハーバード大学卒業、同大学院修了。専攻は歴史学。マサチューセッツ工科大学やハーバード・ビジネス・スクールで教鞭を執る傍ら、複数の著書を発表。1977年にはピューリッツァー賞を受賞した。2007年に亡くなった。

アルフレッド・チャンドラーの著書のうちいくつかは日本語にも翻訳され、経営史における古典的著作として読まれている。「Strategy and Structure」は1967年、2004年と2度に渡り訳出・刊行されている。

撤退障壁

読み方:てったいしょうへき
別名:退出障壁

企業がその業界から撤退する時に生じる、撤退を妨げる要因。

撤退障壁には、社内的な撤退障壁と社外的な撤退障壁の2つに大別できる。社内的な撤退障壁の例としては、事業撤退に伴う従業員の確保が挙げられる。また、社外的な撤退障壁としては、取引先との関係や顧客へのアフターケア、地域住民への責任などが挙げられる。

撤退障壁の高い業界においては、不採算ながらも事業を継続するケースもある。

組織行動学

読み方:そしきこうどうがく
英語:organizational behavior

組織内における人々の行動や態度などについての体系的な学問。

組織行動学は、主に企業組織における従業員の行動を研究するケースが多い。また、従業員の行動を予測し、どのように統制すればよいかといった研究も行う。

組織行動学は、心理学や社会学、社会心理学、人類学、政治科学など、人の行動に関する学問の研究成果をもとに研究されている。

第3因子

読み方:だいさんいんし
別名:第三因子

因果関係のない2つの事象の共通の原因になっている因子のこと。

Aという事象とBという事象があった時、Aが上昇すればBも上昇し、Aが下降すればBも下降する。つまり、AとBは相関関係にあるといえる。一般的には、AとBには何らかの因果関係が存在するが、存在しない場合もある。

因果関係が存在しない場合、Xという因子がAとBの原因となっていると考えられる。このXを第3因子という。

費用配分の原則

読み方:ひようはいぶんのげんそく

取得原価を費消原価と未費消原価に配分するという考え方。

費用配分の原則の対象になるものは、建物や機械などの企業が継続することを前提に、複数年にわたって使用する資産である。

費用配分の原則により、資産は減価償却などによって会計処理される。減価償却では、資産の取得価格や耐用年数、償却方法などにより決定される。

テクニカルスキル

別名:業務遂行能力
別名:職務遂行能力
別名:業務遂行の能力
別名:業務遂行に関するスキル
英語:technical skill

ロバート・カッツが提唱した、管理者に求められるスキルの3区分のうち、業務上のオペレーションに必要となる技術や知識、ノウハウといったスキルを含む区分。

テクニカルスキルは現場における職務遂行に直接かかわるスキルであり、現場監督者やその上長に最も必要とされるスキルと位置づけられる。

ロバート・カッツの管理者理論では、管理者に求められるスキルは「テクニカルスキル」「ヒューマンスキル」「コンセプチュアルスキル」という3つの要素に区分される。ヒューマンスキルは対人コミュニケーションを通じて職務遂行や意思伝達を図るスキルであり、コンセプチュアルスキルは事業全体を見渡すスキルであるといえる。

基本的には、役職が上がれば上がるほど、テクニカルスキルよりもヒューマンスキルの重要性が増し、さらに役職が上がり経営者クラスに近づくとコンセプチュアルスキルがより重要なスキルとなってくるとされる。最近では経営者クラスの管理者が十分なテクニカルスキルを身につけていることも重要であるという認識が増しつつある。

関連サイト:
Skills of an Effective Administrator - Harvard Business Review

コンセプチュアルスキル

別名:コンセプチャルスキル
別名:概念化能力
別名:概念化の能力
別名:概念化スキル
英語:conceptual skill

ロバート・カッツが提唱した、管理者に求められるスキルの3区分のうち、事業や組織を俯瞰して概念的に把握し、本質を捉える能力のこと。事業全体を見通す能力。

コンセプチュアルスキルが必要とされる具体的場面としては、事業の現状の把握、将来的な動向の予測、直面している問題の解決、創造的な戦略の立案などが挙げられる。管理者の中でもより上級の、経営者に近い立場の管理者に求められるスキルと位置づけられている。

ロバート・カッツの管理者理論では、管理者に求められるスキルを「テクニカルスキル」「ヒューマンスキル」「コンセプチュアルスキル」という3要素に区分されている。

関連サイト:
Skills of an Effective Administrator - Harvard Business Review

ロバート・カッツ

別名:ロバート・L・カッツ
英語:Robert Katz
英語:Robert L. Katz

20世紀中頃に活躍した米国の経営学者。ハーバード大学教授。マネージャーに求められる能力を3つに区分してその構造・関係を示した「カッツ・モデル」(カッツ理論)を提唱したことで知られる。

ロバート・カッツは管理職に求められる能力を「テクニカルスキル」、「ヒューマンスキル」、「コンセプチュアルモデル」の3区分に切り分けた。

テクニカルスキルは「業務遂行能力」とも訳される。業務オペレーション上必要となる知識や技術といった要素がテクニカルスキルに該当する。

ヒューマンスキルは「対人関係能力」とも訳される。部下や顧客とのコミュニケーションを通じて、円滑な人間関係を築き、伝達や指示を行う能力を指す。

コンセプチュアルスキルは「概念化能力」とも訳される。組織や事業の構造・状況を俯瞰して概念的に把握し、事の本質や現在の課題を見極め、問題の解決策や新案などを見いだす能力などがコンセプチュアルスキルに当たる。

「テクニカルスキル」、「ヒューマンスキル」、「コンセプチュアルモデル」の3区分は、前者よりも後者の方がより高次の能力とされており、テクニカルスキルは現場の監督者に特に求められ、ヒューマンスキルはいわゆる管理職、コンセプチュアルスキルは経営者に最も要求される能力と位置づけられる。

関連サイト:
Skills of an Effective Administrator

ロバート・キャプラン

別名:ロバート・S・キャプラン
別名:ロバート・サミュエル・キャプラン
英語:Robert Kaplan
英語:Robert S. Kaplan
英語:Robert Samuel Kaplan

1940年米国生まれの経営学者。ハーバード・ビジネススクール教授。企業の業績を総合的に分析し戦略に活かす「バランス・スコアカード」(バランスト・スコアカード)の評価手法をデイビット・ノートンと共に開発・提唱したことで知られる。

世界の経営思想家をランキング形式で発表しちえう「The Thinkers50 Ranking」の2011年版ランキングでは、ロバート・キャプランとデイビット・ノートンが連名で第14位にランクインしている。

関連サイト:
キャプラン&ノートン バランスト・スコアカード - ダイヤモンド・オンライン
Robert Kaplan & David Norton - The Thinkers50 Ranking 2011

ジャック・ウェルチ

別名:ジョン・フランシス・ジャック・ウェルチ・ジュニア
別名:ジョン・フランシス・ジャック・ウェルチ・Jr.
英語:John Francis "Jack" Welch Jr
英語:Jack Welch

米国の実業家。1935年マサチューセッツ州生まれ、マサチューセッツ大学卒業、イリノイ大学で工学博士号を取得。1980年代から90年代にかけてゼネラル・エレクトリック(GE)の会長兼最高経営責任者(CEO)を務めた。2001年に実業界を引退。

1999年、米国のビジネス誌「フォーチュン」(Fortune)が、当時GEのCEOであったジャック・ウェルチを「the manager of the century」として取り上げた。ジャック・ウェルチは「20世紀最高の経営者」の二つ名で呼ばれている。

関連サイト:
The Ultimate Manager In a time of hidebound, formulaic thinking, General Electric's Jack Welch gave power to the worker and the shareholder. He built one hell of a company in the process. - Fortune

デビッド・アーカー

別名:デービッド・アーカー
別名:デイビッド・アーカー
別名:デイヴィッド・アーカー
別名:デーヴィッド・アーカー
別名:デイビイット・アーカー
別名:デビッド・D・アーカー
別名:デイビッド・アレン・アーカー
英語:David Aaker
英語:David A. Aaker
英語:David Allen Aaker

米国の経営学者。マーケティング理論を専門とし、ブランド戦略の分野の第一人者として知られる。カリフォルニア大学バークレー校ハース経営大学院名誉教授。

デビッド・アーカーは複数の著書を刊行しており、著書を通じて「ブランド・エクイティ」(brand equity)や「ブランド・アイデンティティ」の概念を提唱したことでも知られる。日本においても訳書がマーケティング分野における必読書の一つといえる評価を得ている。

ジャーマンウイングス

別名:ジャーマンウィングス航空
英語:Germanwings

ドイツのケルンに拠点を置く航空会社。ルフトハンザ航空の傘下であるユーロウイングスから独立する形で設立された。ドイツの格安航空会社として知られる。ケルン・ボン空港およびデュッセルドルフ国際空港を中心にドイツ国内外を連絡している。主な機体はエアバス機である。

ジャーマンウィングスは欧州圏で運航する航空会社であることもあり、日本国内で話題となる機会はさほど多くはない。

2015年3月24日、ジャーマンウイングス9525便が南仏プロヴァンス付近で墜落する事故が発生した。約150名の乗客は全員死亡、乗客名簿に日本人とみられる名も含まれていたこともあり、日本国内でも大きく報じられている。墜落した機体のブラックボックスは墜落後まもなく発見され回収されている。

関連サイト: Germanwings

2015年3月24日火曜日

ジェームス・アベグレン

別名:ジェイムズ・アベグレン
別名:ジェイムス・アベグレン
別名:ジェイムス・アベグレン
別名:ジェームズ・アベグレン
別名:ジェイムズ・C・アベグレン
英語:James Abegglen
英語:James C. Abegglen
英語:James Christian Abegglen

1926年アメリカ・ミシガン州生まれの経営学者。いわゆる「日本的経営」の研究者として知られる。「終身雇用」、「年功序列」、「企業内労働組合」といった制度が日本企業の経営・発展の核心となっていることを主著「日本の経営」で明らかにした。

ジェームス・アベグレンが終身雇用や年功序列の概念を提唱した「日本の経営」は1958年に刊行された。「終身雇用」の語は同書が掲げた「Lifetime Commitment」の訳語である。「日本の経営」は、日本の経営史を語る上では欠かせない資料と位置づけられているといえる。

ジェームス・アベグレンは1950年代に来日し、「日本の経営」を執筆・刊行、1990年代に日本国籍を取得し、晩年まで日本で暮らした。2007年にガンで亡くなった。

管理の幅

読み方:かんりのはば
別名:管理幅
別名:管理の幅
別名:コントロールの幅
別名:スパンオブコントロール
別名:管理限界
英語:span of control

マネジメントにおける、一人の上長が直接に管理し得る部下の人員数および事業領域の範囲を指す概念。上司が何人の部下をちきんと管理できるかということ。常に管理の幅に合った最適な構成を取ることが理想とされる。

管理の幅の概念は、組織の体制や構成員の能力などによって異なる。実情に合った管理の幅を見定め、幅の限界を超えないように組織を組み立てることが、効率的なマネジメントの実現においては肝要となる。また、オペレーションの改善や構成員の能力向上、最良・権限の一部委譲といった取り組みによっても管理の幅は左右される。

管理の幅は「管理限界」と訳されることもあるが、「管理限界」の語は製品の品質管理の分野でもしばしば用いられる。品質管理の分野における「管理限界」(control limit)は、品質のばらつきなどを示す管理図において、一定の品質を保つために許容されない値の上限・下限を意味する。

花は咲く

読み方:はなはさく

東日本大震災からの復興を応援する歌として発表された、復興支援ソング。サビ部分の「花は 花は 花は咲く」というフレーズが知られている。被災県となった宮城県の仙台市出身である岩井俊二と菅野よう子の両名が作詞と作曲をそれぞれ手がけ、歌唱に参加した歌手やタレント総勢36名も被災地に縁のある面々で構成されいる。

NHKは被災地支援プロジェクト「明日へ」等を通じて「花は咲く」を放送している。「花は咲く」の著作権料はNHK厚生文化事業団を通じて被災地への義援金として送られるようになっている。

関連サイト:
「明日へ」復興支援ソングのご案内 - NHKオンライン

強制わいせつ致死

読み方:きょうせいわいせつちし
別名:強制猥褻致死
別名:強制ワイセツ致死
別名:強制わいせつ致死罪

強制わいせつ行為をはたらいた上に相手を死に至らしめること、および、その罪。

強制わいせつ致死は刑法第181条(強制わいせつ等致死傷)に規定されている。同条文は(傷害と傷害致死とをまとめて扱っているが)「無期又は三年以上の懲役」を科すと規定している。強制わいせつの罪状によって刑期は多少異なるが、いずれも3年を下回ることはない。

関連サイト:
刑法 - e-Gov

マネジリアルグリッド

英語:managerial grid

リーダーシップの行動スタイルを2つの要素に分類し、その人がどのようなタイプのリーダーかを示したもの。1964年に、R.R.ブレイク(R.R.Blake)とJ.S.ムートン(J.S.Mouton)によって提唱された。

マネジリアルグリッドでは、「人間に対する関心度」と「業績に対する関心度」の2つの要素をそれぞれ1から9までの9段階(1は関心度が低く、9は関心度が高い)に分類し、1・1型から9・9型までの81の型に分類する。

マネジリアルグリッドでは、典型的なリーダーシップの型は、1・1型、1・9型、5・5型、9・1型、9・9型であるとしている。R.R.ブレイク(R.R.Blake)とJ.S.ムートン(J.S.Mouton)は、その中でも9・9型が最もよいリーダーシップの型であるとの考えを示している。

内部顧客

読み方:ないぶこきゃく

企業の間接部門における川下部門のこと。商品購買者を外部顧客と表現した場合の対比する表現として用いられる。

企業の間接部門には、人事部や経理部、総務部などが挙げられる。これらの部門の川下部門は、営業部や製造部といった企業内の別部門である。

間接部門は川下部門を顧客(内部顧客)とみなし、プロジェクトが捗るように施策を練る。その結果、川下部門の満足度が上がれば、外部顧客の満足度も上がる可能性が高くなる。

知的財産

読み方:ちてきざいさん

発明や創作などによって生み出されたもの。

知的財産には、その発明者、創作者に一定期間、知的財産権が発生する。日本においては、知的財産は法令によって保護される。

知的財産には、特許や実用新案、意匠、商標、商号、著作物などが挙げられる。

関連サイト:
知的財産権について - 特許庁

中心化傾向

読み方:ちゅうしんかけいこう

アンケートや人事考課などにおいて、評価が「普通」、「どちらでもない」、「まあまあ」に偏ること。

中心化傾向は、3段階、5段階などの奇数の段階を設定した絶対評価においてよく起きるとされる。例えば、ある社員を評価する際に、「悪い」の回答をすれば、人間関係でトラブルが生じるかもしれない、また、その社員のモチベーションが下がるかもしれないといった懸念が生じるため、「悪い」を選択せずに「普通」を選択してしまうことがある。また、「良い」の回答をすれば、その社員のもつ能力以上のプロジェクトを任せられて負担が大きくなってしまうという懸念が生じるため、「良い」を選択せずに「普通」を選択してしまうこともある。

中心化傾向を回避する手段としては、絶対評価の代わりに相対評価を用いる場合がある。

ミオシンXI

英語: myosin XI

「ミオシン」と呼ばれるモータータンパク質の一種。植物の細胞内部における輸送動力の役割を果たしている。ミオシンXIは数種類あるミオシンの中でも特に移動速度が速く、モータータンパク質の中でも最速とされている。

2013年、科学技術振興機構(JST)、理化学研究所および千葉大学は、植物の原形質流動の仕組みを解明すると共に、ミオシンXIの人工制御によって植物を大型化・小型化する制御法を開発している。

2015年3月には、アブラナ科のシロイヌナズナを用いた実験を通じ、植物の姿勢制御(植物がまっすぐ伸びる仕組み)にミオシンXIが重要な役割を果たしていることを明らかにした研究成果が京都大学より発表される。

関連サイト:

植物の大きさを制御する新たな手法を発見 - 科学技術振興機構(JST)


2015年3月23日月曜日

X理論

読み方:エックスりろん
英語:Theory X

人間は、働くことは好きではなく、また、責任を回避する傾向にあり、野心を持たずに安全を望むという考え。アメリカ合衆国の心理学者、経営学者のダグラス・マクレガーが提唱した。

X理論は、上記のような生理的欲求、安全の欲求といった低次元の欲求を持つ人間の行動モデルである。企業においては、社員の統制を図り、ミッションを達成した場合には報酬を与え、失敗した場合には罰則するといった、いわゆるアメとムチのマネジメント手法を用いる。

ちなみに、X理論に対して、人間は、自ら進んで働き、自己の実現のために行動を起こして問題解決をするという考えをY理論という。ダグラス・マクレガーは、X理論とY理論を結ぶどこかに人間は位置しているとの考えを示している。

Y理論

読み方:ワイりろん
英語:Theory Y

人間は、自ら進んで働き、自己の実現のために行動を起こして問題解決をするという考え。アメリカ合衆国の心理学者、経営学者のダグラス・マクレガーが提唱した。

Y理論は、上記のような社会的欲求、自己実現の欲求といった高次元の欲求を持つ人間の行動モデルである。企業においては、社員に目標や責任を与えていくマネジメント手法を用いる。

ちなみに、Y理論に対して、人間は、働くことは好きではなく、また、責任を回避する傾向にあり、野心を持たずに安全を望むという考えをX理論という。ダグラス・マクレガーは、X理論とY理論を結ぶどこかに人間は位置しているとの考えを示している。

ダグラス・マクレガー

英語:Douglas Murray McGregor
英語:Douglas M. McGregor
別名:ダグラス・マグレガー
別名:ダグラス・M・マクレガー
別名:ダグラス・M・マグレガー

アメリカ合衆国の心理学者、経営学者。マサチューセッツ工科大学などで教鞭をとっていた。

ダグラス・マクレガーは、自著『企業の人間的側面』(The Human Side of Enterprise, Annotated Edition)においていくつかの経営的手法を提唱している。その中でも、低次元の欲求を持つ人間と高次元の欲求を持つ人間の行動モデルを示したX理論、Y理論が知られている。

権限委譲

読み方:けんげんいじょう

上司のもつ権限を部下に与え、任せること。

権限委譲の目的は、上司、あるいは経営者の権限を部下に委譲することで部下に責任を持たせ、部下のモチベーションを高めることや事業部内における活性化などを図ることにある。また、上司、あるいは経営者の負担を軽減することも目的の1つである。

権限委譲は、部下の業務能力や上司の指揮能力に依る部分が大きい。そのため、権利委譲の不可能なケースや、権利委譲によってプロジェクトの進行が鈍化したりする場合もある。

集団思考

読み方:しゅうだんしこう
別名:集団思考の罠
別名:集団浅慮
別名:グループシンク
英語:groupthink

集団で協議する際にしばしば生じる、意思決定が浅薄なものになる傾向。ウィリアム・ホワイト(William Whyte)によって提唱された。

アーヴィング・ジャニス(Irving Janis)は、集団思考に陥りやすい状況として、集団の過信、外部と隔絶された状況、異見に対する圧力や自己抑制の存在などを指摘している。ジャニスは主に政治・政策の事例を挙げて集団思考を定式化したが、昨今の企業の不祥事、不祥事に至るプロセスなどを鑑みる際にも集団思考は多く参照される。

関連サイト:
第30回 グループシンクの罠に注意せよ! - 日本能率協会マネジメントセンター

製品の構成要素

読み方:せいひんのこうせいようそ
別名:製品を構成する要素
別名:製品構成要素
別名:製品を構成する3要素
別名:製品を構成する3つの級
別名:製品を構成する3つのレベル
英語:Three levels of a product
英語:Levels of product attributes

フィリップ・コトラー(Philip Kotler)が提唱した、製品を構成の概念。製品(商品)は「製品の核」(core product)、「製品の形態」(actual product)、「製品の付随機能」(augmented product)の3つのレベルから成るという考え方。マーケティングにおける差別化などの戦略において主に参照される。

「製品の核」は、製品そのものであり、消費者が購入する対象それ自体、製品の根本となる機能などを指す。

「製品の形態」は、製品に伴う要素であり、製品の何たるかを消費者へ表現する要素である。商品の特徴、ブランド、パッケージ、などが製品の形態に該当する。

「製品の付随機能」とは、製品の形態が消費者に認められるために為される付加的な活動である。設置、配達、保証、アフターサービスなどが製品の付随機能に該当する。

コトラーが提唱する製品の構成要素は、「核」を中心とし、その外側に「形態」、さらにその外側に「付随機能」が覆うという構図で示される。

任官辞退

読み方:にんかんじたい
別名:任官の辞退
別名:任官拒否

官職への任用を辞退すること。特に防衛大学校を卒業した者が自衛官になる進路をとらずに一般企業への就職や進学を目指すこと。


国家賠償訴訟

読み方:こっかばいしょうそしょう
別名:国家賠償請求訴訟

公務員の職務上の不法行為によって損害を受けた者が国または地方自治体に賠償を求める訴訟。国家賠償法を根拠として行われる。

国家賠償法第1条では次のように規定されている。
国家賠償法
第一条
国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
国家賠償法第2条では、道路、河川、公共施設の管理の不備などによる損害も国家賠償の対象となる旨が規定されている。

国家賠償訴訟が提訴される事例としては、警察による誤認逮捕や違法な取り調べ、国道などからもたらされる排ガスによる健康被害などがある。在日外国人が参政権を認められない事実に精神的苦痛を受けたとして慰謝料を求め国家賠償訴訟を起こした例もある。

関連サイト:
国家賠償法 - e-Gov

氷見冤罪事件

読み方:ひみえんざいじけん
別名:氷見市冤罪事件
別名:氷見えん罪事件
別名:富山連続婦女暴行冤罪事件
別名:富山氷見冤罪事件
別名:氷見冤罪
別名:氷見事件

2002年に発生した連続婦女暴行事件の冤罪事件。容疑者として富山県警に誤認逮捕された男性は有罪判決を受けて3年の懲役刑に服したが、出所後に真犯人が自供したことで冤罪事件であることが確定、2007年に再審で無罪の判決が下された。

冤罪により懲役刑に服した男性は、2009年に国家賠償請求訴訟を提訴、富山地方裁判所は県に1966万円の支払いを命じる判決を下した。2015年3月に原告が控訴しない方針を固め、判決が確定することとなった。

2015年3月20日金曜日

トルネードチャート

英語:tornado chart

あるプロジェクトにおいて、不確実性の高い要素の取り得る変動幅を、変動幅の大きい順に棒グラフで表したもの。一般的に変動幅は80%に設定することが多い。

トルネードチャートは、変動幅の大きい順に棒グラフを下へ並べて描画する。その結果、竜巻のような形になることから、トルネードチャートと呼んでいる。

トルネードチャートでは、例えば商品を販売する際に、売上高、固定費、変動費のどれが最も影響を及ぼしているのかを調べることができる。金額ベースでは、売上高が固定費や変動費よりも高くなるケースがほとんどだが、変動幅は固定費や変動費が売上高を上回ることがある。トルネードチャートにおいて、もし、変動費の変動幅が一番大きいとなれば、変動費が一番利益に影響を及ぼしているということが分かる。

KBF

英語:key buying factor

商品やサービスを購入する際に重要視する要素、あるいは、購入する際の主な要因。購入する理由。key buying factorの頭文字を取ってKBFという。

売り手は、購買者にどれだけインパクトを与えられるか、また、どれだけ納得させられるかといったことに重点を置きKBFを分析する。例えば、スナック菓子の場合、塩分やカロリーが控え目で、体によいとされる成分を配合するなどして購買活路を見出す。また、購買者が何を求めてるのか、また、その時代の志向や流行などを調査、分析して商品やサービスの売行き向上を目指す。

KSF

英語:key success factor

自社商品を販売する際の成功の要因、あるいは、要素。key success factorの頭文字を取ってKSFという。

KSFの要素は、業界によって異なる。例えば、化粧品メーカーのKSFの要素は広告宣伝であり、ブランド力や認知度などを高めることで売れ行き向上を目指す。また、コンビニエンスストアや百貨店などは、数多くの品揃えがKSFの要素とされる。

なお、競合の多い業界においては、KSFを満たした場合であっっても優位な立場になることは少なく、新たな価値の提供を模索するケースが多い。

増加運転資本

読み方:ぞうかうんてんしほん

前年度の運転資金に対する、今年度の運転資金の増加額。

増加運転資本は、次の計算式で求めることができる。

増加運転資本=今年度の運転資金-前年度の運転資金

運転資本は、「売上債権+棚卸資産-仕入債務」の計算式で求めることができる。これら売上債権や棚卸資産、仕入債務の回転期間が悪化すると増加運転資本はプラスになる。つまり、キャッシュフローが減っていることになる。

チュニジアテロ事件

読み方:チュニジアテロじけん
別名:チュニジアテロ事件
別名:チュニジア襲撃テロ
別名:チュニジア銃撃テロ

チュニジアで発生したテロ事件。特に2015年3月18日にチュニジアの首都チュニスで発生したテロ事件。同事件では日本人観光客が巻き込まれて死亡したと伝えられ、日本国内でも大きく報じられた。

2015年3月のチュニジアテロ事件は、チュニス郊外に位置する国会議事堂(国民議会議事堂)ならびに隣接するバルドー博物館(Bardo National Museum)において発生した。武装集団が議事堂で銃を乱射、さらに博物館内に押し入って無差別発砲に及んだ上、館内に立てこもった。博物館内に居合わせた外国人観光客を中心とする19名が銃撃により死亡して、そのうち3名が日本人だったと報じられている。テロに及んだ実行犯2名は治安当局により現場で射殺されている。

チュニジアは北アフリカの地中海沿岸に位置し、北アフリカの国々の中では比較的治安のよい国とされている。バルドー国立博物館には古代ギリシアの像や古代ローマのモザイクを筆頭に地中海周辺地域の歴史的品々が多く展示されている。

2015年3月19日、中東の過激派テロ組織「IS」(イスラム国)がチュニジアテロ事件の犯行に関与したと声明を出した。

関連サイト:
チュニジアのバルドー博物館に武装グループ襲撃 19人死亡 日本人2人けがの情報も - ハフィントンポスト日本語版 2015年3月19日

ミュー粒子

読み方:ミューりゅうし
別名:μ粒子
別名:ミューオン

宇宙線の中から発見された粒子。電子と同じ電荷を持つが電子に比べて遙かに重いという特徴を持つ。その重さは電子の200倍程度とされる。

アカハネバッタ

別名:赤羽バッタ
別名:Celes akitanus

長野県や岩手県などで棲息が確認されている比較的大型のバッタ。赤みを帯びた後ろ羽を特徴とする。環境省レッドリストでは絶滅危惧種IA類(ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い)に指定されている。

2013年に長野県でアカハネバッタの棲息が確認された。これは長野県内では50年ぶり、日本全国でも30年ぶりの発見であるという。その後の調査でも数匹の個体が発見されている。

長野県は県のレッドリストにおいてアカハネバッタを絶滅危惧種IA類としていたが、2013年の発見を受け、2015年の改定版からアカハネバッタを絶滅危惧種1類へ変更した。

2015年3月19日木曜日

バルドー博物館

読み方:バルドーはくぶつかん
別名:バルド博物館
別名:バルド国立博物館
別名:バルドー国立博物館
別名:国立バルドー博物館
別名:チュニジア国立バルドー博物館
別名:バルドー・ナショナル・ミュージアム
別名:ナショナル・バルドー・ミュージアム
英語:Bardo Museum
英語:Tunisia Bardo Museum
英語:Bardo national museum
英語:National Bardo Museum

チュニジアの首都チュニスにある国立の博物館。古代ギリシア、古代ローマ、イスラム文明を筆頭に、地中海沿岸地域の歴史的遺物を数多く収蔵している。博物館の建物そのものも歴史的価値のある荘厳な宮殿である。チュニジア観光における主要な観光スポットの一つといえる。

2015年3月、バルドー博物館に武装集団が押し入り銃を乱射する無差別テロ事件が発生した。事件発生当時に博物館内に居合わせた日本人観光客数名が銃撃を受けて死亡し、日本国内でも大きく報じられている。

チュニジアは北アフリカの地中海沿岸に位置する国であるが、北アフリカの他の国々が最悪な治安情勢の下にある中でチュニジアは比較的おだやかな治安を保っていたといえる。2015年3月のチュニジアテロ事件を受けて外務省渡航情報ウェブサイトはチュニジアのチュニス県チュニス市の危険度を引き上げている。

関連サイト:
Bardo museum

職務再設計

読み方:しょくむさいせっけい

従業員の能力に合わせて業務内容や職場を見直すこと。

職務再設計は、従業員の能力を最大限に引き出せる環境を提案し、従業員の働きがいや満足度の向上するような職務を設計することである。

職務再設計は、従業員の年齢や身長、体重、体力などの要素も加味される。例えば、立ち仕事の多い中高齢者に対しては、立ち仕事の時間を半分にして、残りの時間を座って仕事をしてもらうといったケースが考えられる。

人的販売

読み方:じんてきはんばい

販売員が顧客に対して直接商品を販売すること。

人的販売では、販売員が商品について説明したり、顧客からの要望をヒアリングした上で商品を勧めたりする。

人的販売によって、顧客がどのような商品を求めているのか、また、商品を使用した感想、競合他社の商品を使用した感想などの情報が得られるといったメリットがある。

需要価格設定

読み方:じゅようかかくせってい

商品やサービスなどの価格を、市場ごとに変えて設定する方法。

需要価格設定では、顧客層や時間、場所、季節などによって異なる価格を設定する。例えば、学生層を取り込むための学生割引(学割)、客の少ない時間に実施するランチタイムサービス、ゆったりした空間、優越感を提供するファーストクラスなどは需要価格設定によるものである。

損益予算

読み方:そんえきよさん

会社の収益や費用などに関する予算の総称。

損益予算には、仕入予算や製造予算、売上予算、販菅費予算、在庫予算、営業外損益予算などが含まれる。

一般的には、会社の予算といえば損益予算を指すことが多い。また、管理会計においては、予算と実績を比較して達成率がどのくらいであったかを算出することがある。

補助教材

読み方:ほじょきょうざい
別名:副教材
別名:学校における補助教材

学校の授業で用いられる教材のうち、主となる教材(教科書)の内容を補う目的で用いられる教材の総称。

文部科学省は補助教材について「児童生徒が使用する教科書以外の図書その他の教材」と規定している。学習帳、問題帳、練習帳、解説書、市販の学習参考書、新聞の切り抜きなども補助教材に含まれる。内容が教育基本法、学校教育法、学習指導要領などに基づく教育の基本的趣旨にそっている限りにおいて、適宜使用が容認されている。

補助教材の内容は、児童や生徒の発達段階に即した内容であり、かつ、特定の政治的見解や特定の政党、あるいは特定の宗教や宗派などに偏っていたり、不公正な立場に依拠したものであってはならないとされる。

近年では、教師が中東のテロ組織「IS」(イスラム国)による捕虜斬殺シーンを授業で生徒に見せていた事例などが報告されており、補助教材の使用の在り方が改めて問われている。

関連サイト:
学校における補助教材の取り扱いなどについて - 文部科学省
学校における補助教材の適正な取扱いについて - 文部科学省

クリスマスの光

読み方:クリスマスのひかり
別名:クリスマスライト
別名:Christmas Lights
別名:Christmas Lights Aurora

NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機「メイブン」が、2014年12月に火星で観測したオーロラ現象に名付けられた呼び名。

クリスマスの光は、2015年3月にNASAにより(チリで構成された謎の雲などと共に)報告された。クリスマスの光は2014年12月に火星の北半球で発生し、5日間にわたり続いたという。

なお、文脈によっては単にクリスマスシーズンの催しで設置された灯火やイルミネーションなどの光景、あるいは心温まる出来事の形容として「クリスマスの光」と述べられている場合もあり得る。

関連サイト:
NASA Spacecraft Detects Aurora and Mysterious Dust Cloud around Mars - NASA

2015年3月18日水曜日

動物迷惑防止条例

読み方:どうぶつめいわくぼうしじょうれい
別名:動物の迷惑防止条例
別名:動物による迷惑の防止に関する条例
別名:動物による迷惑等の防止に関する条例

動物に対する不適切な扱いを法的に規制するための条例および条例案。2015年3月現在、京都市が全国に先駆けての導入を検討しており、市民説明会などが催されている。

京都市の動物迷惑防止条例(案)では、たとえば野良猫(地域猫)に給餌してそのまま後始末をしないといった無責任な動物の扱いに対し、罰金を含む処分を下すことが想定されている。餌やりそのものを禁止する訳ではなく、周囲の不快や迷惑を引き起こす扱いが処分の対象になるという。

京都市は2014年に「京都動物愛護憲章」を制定し、動物を思いやり動物と共生する社会の実現を推進している。

関連サイト:
【広報資料】「京都市動物による迷惑等の防止に関する条例(案)」に係る市民説明会の開催について - 京都市

隠れた前提

読み方:かくれたぜんてい

ある発言において、明言されていないが発言の結論を支えている事柄のこと。

隠れた前提は、例えば、「分からないことがあったらインターネットで調べなさい。」という発言には、「インターネット上にはさまざまな情報がある」という前提がある。このような既知の事実を隠れた前提という。

隠れた前提は、特に会話において省略することが多い。上記の場合、「インターネット上にはさまざまな情報があるから、分からないことがあったらインターネットで調べなさい。」と発言するよりも、「分からないことがあったらインターネットで調べなさい。」と発言するケースの方が多い。

なお、会話の相手によっては隠れた前提を省略したことで、意思疎通の図れない場合も出てくる。

一時差異項目

読み方:いちじさいこうもく

企業会計と税務会計において、認識の時期が異なるもの。

一時差異項目は、当期において企業会計と税務会計で違いが発生するが、将来、その違いが解消されるものである。一時差異項目には、棚卸資産や退職給付引当金、貸倒引当金損金などが挙げられる。

一時差異項目には、当期に加算し将来に減算する将来減算一時差異項目と、当期に減算し将来に加算する将来加算一時差異項目がある。

ちなみに、一時差異項目に対し、当期において企業会計と税務会計で違いが発生し、将来もその違いが解消されない項目を永久差異項目という。

永久差異項目

読み方:えいきゅうさいこうもく

企業会計と税務会計において、認識の違いによって永久に解消しないもの。

永久差異項目は、当期において企業会計と税務会計で違いが発生し、将来もその違いが解消されない項目である。

永久差異項目には、交際費の一部や受取配当金の一部などが挙げられる。例えば、企業会計では交際費を全額費用とすることができるが、税務会計では損金算入限度額が決められている。そのため、企業会計と税務会計では交際費に差異が生じる。

ちなみに、永久差異項目に対し、当期において企業会計と税務会計で違いが発生するが、将来、その違いが解消される項目を一時差異項目という。

経験曲線

読み方:けいけんきょくせん
英語:experience curve

製品を生産する際に、累積の生産量が増えれば1製品あたりの費用が減っていくというパターンを示した曲線のこと。アメリカ合衆国のボストン・コンサルティング・グループが提唱した。

経験曲線は、同じ製品を生産することで生産効率が上がり、また、製造コストなどが低下するため1製品あたりの費用が減るとしている。

経験曲線は、縦軸に1製品あたりの費用をとり、横軸に累積生産量をとってグラフを描画すると、右肩下がりの曲線になる。

2015年3月17日火曜日

CAGR

英語:compound average growth rate
別名:年平均成長率

複数年にわたる成長率をもとに算出した、1年あたりの成長率のこと。年平均成長率ともいう。

CAGRは、企業の年度ごとの売上高や利益などの成長率を調べる時に用いられることが多い。

CAGRは、次の計算式で求めることができる。

CAGR=(開始年の値÷終了年の値)^(1÷年数)-1

例えば、2010年度の売上高が100億円、2014年度の売上高が200億円の場合、CAGRを求める計算式は、「(200÷100)^(1÷4)-1」となり、値は0.1892となる。よって、売上高のCAGRは、18.92%ということがわかる。

インストアシェア

英語:in-store share
別名:店頭シェア

小売店の売上や販売数に占める、自社商品の割合をパーセンテージで表したもの。店頭シェアともいう。

インストアシェアは、小売店を担当する営業マンにとって重要な数値の1つである。インストアシェアは、次の計算式で求めることができる。

インストアシェア(%)=特定の小売店における自社商品の売上÷特定の小売店の総売上×100

また、販売数のインストアシェアは、次の計算式で求めることができる。

インストアシェア(%)=特定の小売店における自社商品の販売数÷特定の小売店の総販売数×100

サーベイフィードバック

英語:survey feedback

社員にアンケート調査を行い、その結果を分析し社員にフィードバックすること。

サーベイフィードバックの内容は、業務に関わることをはじめ、上司や会社全般についてなどを含む場合がある。サーベイフィードバックを実施した企業側は、アンケート調査の結果をまとめ、議論を行う。また、問題点が見つかった場合には改善案を社員に提示する。

サーベイフィードバックは、アンケート調査のみにとどまらず、結果や改善案を社員に提示することを目的としている。

ハードルレート

英語:hurdle rate

投資基準の1つで、最低限の必要収益率のこと。新規事業を行う際の判断材料として用いられることが多い。

ハードルレートは、株主の意向や企業目標などにより決定される。例えば、収益率を10%に設定している場合に、新規事業の収益率が10%を上回ると予想されれば、その新規事業は進められるが、10%を下回ると予想した場合には新規事業に対する投資は行われない。

マスターブランド戦略

読み方:マスターブランドせんりゃく
別名:ブランドアンブレラ戦略
別名:ブランドのアンブレラ戦略
別名:ブランド・アンブレラ

ブランド戦略のうち、最上位のブランド(マスターブランド)の下に複数の事業や商品・サービスを展開する戦略。

企業ブランド(コーポレートブランド)を冠して一連の事業を展開するブランド戦略はマスターブランド戦略の典型といえる。例えば「メルセデス・ベンツ」や「アップル」などは、企業名ならびにロゴが強力なマスターブランドとして認知されている。

マスターブランド戦略において、マスターブランドは複数の製品カテゴリーや事業カテゴリーにわたり品質保証や決定的な訴求力として機能する。ブランド構築に当たり資源を集中させやすい点も特徴といえる。他方、各事業の成長性はマスターブランドのブランド力に左右され、ひとつの事業におけるブランドの低下がマスターブランド下の事業全体に波及しかねないといった側面もある。

マスターブランド戦略のように1個のブランドの下位にブランドを設けるブランド戦略に「サブブランド戦略」がある。サブブランド戦略は、同ブランドの中に位置させつつも特定のコンセプトをさらに付与させた特化ブランドとして設けられることが多い。

サブブランド戦略

読み方:サブブランドせんりゃく
英語:sub-brand strategy
英語:sub-brand architecture

ブランドの下位に位置するブランドを設け、同ブランドの中でさらに特定要素に特化したブランドを構築する戦略。

サブブランドは、もとの(上位に位置する)ブランドが持つコンセプトを共有しつつ、そのブランド自体には含まれない要素をブランドとして確立させる役割を持つ。

例えば、アップルの販売するコンピュータ「Mac」(Macintosh)ブランドには、モバイルノートの「Macbook」、オールインワンモデルの「iMac」、プロユース向けハイエンドマシンの「Mac Pro」、省スペースデスクトップの「Mac mini」などのサブブランドが展開されている。さらにMacbookの下位にもハイエンドモデルの「Macbook Pro」、薄さ軽さを追究した「MacBook Air」というサブブランドがある。

ひとつのブランドの下位に複数の事業や商品・サービスを展開していくブランド戦略としては、コーポレートブランドのような強力なブランドのもとに複数の事業を展開していく「マスターブランド戦略」もある。アップル製品(MacをはじめiPhone、iPod、iOSなども含むて)に共通して用いられているリンゴのロゴなどはアップルのマスターブランドの例としてしばしば挙げられる。

マルチブランド戦略

読み方:マルチブランドせんりゃく
別名:マルチブランド・ストラテジー
英語:multibrand strategy

同じ商品区分(製品ライン、製品カテゴリー)に複数のブランドを投入する市場戦略。

複数のブランドを並立させることで、個々のブランドの方向性は崩すことなく(維持したまま)より幅広い消費者の需要に応えることができる。各種費用は分散して注がれるため、一個のブランドを強力に推進するといった対応は取りにくくなるが、複数ブランドからさまざまな情報を発信することによって市場全体が成長し、また複数のブランドで高いシェアを獲得することが期待できる。

例えば、株式会社すかいらーくはファミリーレストランの業界において「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」といった複数ブランドのチェーン店を展開している。これは外食産業におけるマルチブランド戦略といえる。

ブランド戦略としては、確立されたブランドの下に特定要素を特化させたブランドを設ける「サブブランド戦略」、企業ブランド(コーポレートブランド)を統一ブランドとして複数の事業に用いる「マスターブランド戦略」などもある。

大動脈解離

読み方:だいどうみゃくかいり

大動脈壁の層(内膜、中膜、外膜)のうち内膜に欠損が生じ、内膜と中膜の間に血流が侵入、血管の層が剥がれるようにして裂かれる疾患。血管の管(腔)が二重に生じる格好になり、動脈の流れに沿って進行していく。

大動脈解離が起きると激しい痛みに襲われるとされる。合併症も起きやすく、適切な処置を講じなければ死に至る可能性が高い。大動脈解離の生じた位置が心臓に近ければ近いほど危険はいっそう高まる。治療法としては解離の生じた部分を人工血管に換える処置がとられる。

大動脈解離は加齢による血管の組織の劣化や高血圧などの要因によって起こりやすくなるとされる。

トラもハエも叩く

読み方:トラもハエもたたく
別名:虎もハエも叩く
別名:虎もハエも同時に叩く
別名:虎も蠅も叩く
別名:虎も蠅も同時に叩く
別名:打虎拍蠅

中国共産党の習近平総書記が党内の汚職根絶について掲げたスローガン。幹部クラスの高級官僚も、末端クラスの下級官僚も、地位を問わず厳格に徹底的に処分していくという方針を示したもの。

トラ虎もハエも叩くという言い回しは、2013年1月の中紀委(共産党中央規律検査委員会)で示された。NHK「時論公論」は2014年8月時点で、5万人に上る官僚・党員が摘発されたと伝えている。

関連サイト:
習近平の反腐敗 「虎もハエも叩く」 誰が「虎」か 外界が注目 - 日本新唐人テレビ 2013年1月27日
時論公論 「中国権力構造の変化と日中関係」 2014年08月13日 - NHK解説委員室



刑事処分相当

読み方:けいじしょぶんそうとう
別名:刑事処分を相当

少年犯罪において事件の凶悪性を鑑み逆送(検察官送致)を行う際の判断基準。

少年法では、犯罪少年は家庭裁判所に送致され、基本的には保護観察あるいは少年院送致といった処分が下される。犯行内容が(被害者を意図的に殺害するなどの)凶悪なものである場合、家庭裁判所は検察官のもとへ逆送し、刑事裁判の被告人として起訴されることがある。

少年法第20条では検察官への送致について次のように規定されている。
第二十条   家庭裁判所は、死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、決定をもつて、これを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。
刑事処分相当と判断され家庭裁判所から逆送された犯罪少年は、地方裁判所で基礎され、成人と同水準で(成人と同様の刑事手続によって)扱われることになる。

関連サイト:
少年法 - e-Gov
少年事件について - 検察庁
平成14年版 青少年白書 第3節 非行少年の処遇 - 内閣府

2015年3月16日月曜日

ノヴォデヴィチ修道院

別名:ノヴォデヴィチ女子修道院
別名:ノボデビッチ修道院
別名:ノボデビチ修道院
別名:ノヴォデヴィッチ修道院
英語:Novodevichy monastery

ロシアのモスクワに所在する正教会の修道院。16世紀前半に女子修道院として立てられた。女子修道院としては屈指の歴史を誇る。周辺の建造物群と共にユネスコの世界遺産に登録されている。

関連サイト:
Ensemble of the Novodevichy Convent - UNESCO

BATNA

読み方:バトナ
英語:Best Alternative To a Negotiated Agreement

交渉が決裂した場合の最善の選択肢、または、代替案のこと。Best Alternative To a Negotiated Agreementの頭文字を取ってBATNAと表現する。

BATNAは、交渉が合意すればそれが最善であるとし、もし交渉が決裂した場合のためにいくつかの選択肢を用意しておき、その中から最も良い選択をすることである。

なお、BATNAを設定する際には、事前にZOPA(ゾーパ)を設定しておくことで交渉案件をスムーズに進められる場合がある。

ZOPA

読み方:ゾーパ
英語:Zone of Possible Agreement

交渉案件を実現するための最高の条件と最低の条件。Zone of Possible Agreementの頭文字を取ってZOPAと表現する。

ZOPAは、例えば「10万円で1000個の商品を作ってもらいたい」場合、相手方の提示する金額が10万円をオーバーすれば交渉は決裂してしまう。ZOPAでは、新たに提示できる具体的な条件をいくつか用意しておき、交渉案件を実現することを目標としている。例としては、製作日数の延長、製作費の前払い、今後の継続した製作依頼などが挙げられる。

なお、ZOPAに基づいたBATNA(バトナ)の設定をすることで、交渉案件をスムーズに進められる場合がある。

ROCE

英語:Return on Capital Employed
別名:投下資本利益率
別名:使用資本利益率

投下した資本に対する利益の割合をパーセンテージで表したもの。Return on Capital Employedの頭文字を取ってROCEと表現する。

ROCEでは、自己資本と有利子負債(他人資本)をもとに、どれだけ利益が出ているかを数値化することで、その会社の収益性を知ることができる。

ROCEは、次の計算式で求めることができる。

期首総資産-期首短期負債をX、期末総資産-期末短期負債をYとする。

ROCE(%)=税引前利益÷((X+Y)÷2)×100

ちなみに、ROCEに類似した指標にROAがある。

業界内の競合企業

読み方:ぎょうかいないのきょうごうきぎょう
別名:業界内の競合の激しさ
別名:業界競合他社

同じ業界内における競合する企業に対する脅威や競争圧力のこと。

競合企業の多い業界においては、脅威が高くなり競争圧力も激しくなる。この場合によく見られるケースとしては、価格競争が挙げられる。特に、多額の設備投資をした企業にとっては、業界から容易に撤退できないため、価格競争に巻き込まれる可能性が高い。

一方、競合企業の少ない業界や、消費者のニーズとともに差別化の図れる商品を投入できる業界においては、業界内の競合企業による脅威は低くなるケースが多い。

なお、業界内の競合企業は、業界に影響する「5つの力」の1つで、他には、新規参入の脅威、代替品の脅威、売り手の交渉力、買い手の交渉力などがある。

サイクロン・パム

英語:Cyclone Pam

2015年3月に南太平洋上で発生した大型のサイクロン。3月13日から14日にかけてバヌアツを直撃し甚大な被害を生んだ。

サイクロン・パムの最大風速はおよそ70メートルほどに達したとされ、日本の台風でいえばスーパー台風に相当する規模と見られている。

3月16日現在、被害の全容は詳らかになっていないが、時事通信によればバヌアツ政府は15日に非常事態宣言を出している。時事通信はまた集落が丸ごと消滅した例があるとのコメントも紹介している。


ファイブフォース

別名:ファイブフォーシズ
別名:5つの力
別名:5力
別名:五つの力
別名:5つの競争要因
英語:five forces
英語:5 forces
英語:5F

業界の勢力構図の分析において参照される5つの要因・競争力。「ファイブフォース分析」とも呼ばれる。新規参入、代替製品、売り手、買い手、競合、以上5点から分析を行うといもの。

ファイブフォースは米国の経済学者マイケル・ポーター(Michael E. Porter)により1980年に提唱された。5要素は具体的には以下のように列挙されている。

  1. 新規参入者の脅威(threat of new entrants)
  2. 代替品・代替サービスの脅威(threat of substitute products or services)
  3. 買い手の交渉力(bargaining power of customers)
  4. 売り手の交渉力(bargaining power of suppliers)
  5. 業界内の競合の激しさ(Intensity of competitive rivalry)

ファイブフォースは、業界の特性や自社の強み・弱みを明らかにする分析手法として、経営戦略を立てる上で参照される。

瀬戸際戦術

読み方:せとぎわせんじゅつ
別名:瀬戸際戦略
別名:ブリンクマンシップ
英語:Brinkmanship

衝突も辞さないという強硬な姿勢を取ることによって相手方の譲歩を引き出す交渉法。

瀬戸際戦術は、相手が要求を呑まず衝突に至った場合に相手方が被る損失を考慮させ、そのような損失を被るよりは不利な要求ながらも譲歩した方が得策と相手方が判断することを期待する戦略といえる。相手方が譲歩しなければ最終的には衝突が避けられない。基本的には追い詰められた状況において取られる交渉法といえる。

国際関係(外交)上の瀬戸際戦術は特に「瀬戸際外交」と呼ばれる。北朝鮮の外交姿勢が往々にして瀬戸際外交と形容される。

男女の争い

読み方:だんじょのあらそい
英語:battle of the sexes

ゲーム理論において「ナッシュ均衡」を満たす事例のひとつ。特にナッシュ均衡の成立すう選択肢が複数あることを示す例として参照される。

男女の争いは「ボクシング観戦に行きたい男」と「オペラ観劇に行きたい女」がどのように行動し得るかという設定を典型として図式化される。共に観戦に行くか、共に観劇に行くか、男女個別に観戦・観劇に行くか(男が観戦・女が観劇、あるいは、男が観劇・女が観戦)という4通りの選択肢が設けられ、共に行動する前2者はナッシュ均衡が成立しているとされる。

不適切なサンプリング

読み方:ふてきせつなサンプリング
別名:適切でないサンプリング

データ分析や帰納法を用いた推論の際、対象全体を代表するとは言えない事例や個体をサンプルとすること。

不適切なサンプリングは、いわゆる「早まった一般化」の要因のひとつとなり得る。分析対象となる要素が不均一の場合には、できるだけ多くのサンプルを使用してデータを平均値に近づける必要がある。推論に当たっては公平な視点かどうか、反例があり得ないかどうか等を十分に検討する必要がある。

関連サイト:
「科学的に信頼できるデータ」とは? - 農林水産省

2015年3月13日金曜日

新規参入の脅威

読み方:しんきさんにゅうのきょうい

さまざまな産業界における、既存企業の新規参入企業に対する脅威や競争圧力のこと。

産業界において、新しい企業が参入してきた場合、既存企業にはさまざまな脅威が発生する。その中でも、大きな脅威とされるのが収益の低下である。これは、新規参入の容易な産業界において起こりやすい。

一方、新規参入の困難な産業界においては、新規参入の脅威は比較的少ない場合が多い。これらには、圧倒的なシェアを持つ企業のいる業界や、政府の規制のある業界、業界独自の流通チャネルが保護されている業界などが挙げられる。

なお、新規参入の脅威は、業界に影響する「5つの力」の1つで、他には、業界内の競合企業、代替品の脅威、売り手の交渉力、買い手の交渉力などがある。

代替品の脅威

読み方:だいたいひんのきょうい

さまざまな産業界における、代替品の登場による脅威や競争圧力のこと。

代替品の脅威における代替品とは、改良した商品ではなく、形の異なる利便性の高い、また、費用対効果の高い商品のことである。例えば、マッチに対するライター、VHSに対するDVDなどが挙げられる。

消費者の代替品へのニーズが高まれば、既存商品の収益率は下がる。既存商品を製造していた企業は、既存商品の価格を下げるなどして対抗したり、代替品の生産に踏み切るなどして対応するケースが多い。

なお、代替品の脅威は、業界に影響する「5つの力」の1つで、他には、新規参入の脅威、業界内の競合企業、売り手の交渉力、買い手の交渉力などがある。

売り手の交渉力

読み方:うりてのこうしょうりょく

さまざまな産業界における、売り手側の力、優位性。

売り手の交渉力は、強いケースと弱いケースに分けられる。例えば、競合他社の多い業界、消費者ニーズの低い業界などにおいては、売り手の交渉力は弱い。この場合、売り手側は買い手側から価格のディスカウントなどを要求されることがある。

一方、少ない企業で独占されている業界や、需要度の高い商品を扱う業界などにおいては、売り手の交渉力は強く、売り手側は価格をコントロールしたり、早期の代金回収を求めたりする場合がある。

なお、売り手の交渉力は、業界に影響する「5つの力」の1つで、他には、新規参入の脅威、業界内の競合企業、代替品の脅威、買い手の交渉力などがある。

買い手の交渉力

読み方:かいてのこうしょうりょく

さまざまな産業界における、買い手側の力、優位性。

買い手の交渉力は、強いケースと弱いケースに分けられる。例えば、需要度の高い商品を扱う業界や、代替品では補えない商品を扱う業界などにおいては、買い手の交渉力は弱い。

一方、買い手側の企業が数社しかなく、売り手側にとって上客である場合には、買い手の交渉力は強い。この場合、買い手側は価格のディスカウントなどを求めたりする場合がある。

なお、買い手の交渉力は、業界に影響する「5つの力」の1つで、他には、新規参入の脅威、業界内の競合企業、代替品の脅威、売り手の交渉力などがある。

宇宙太陽光発電

読み方:うちゅうたいようこうはつでん
別名:宇宙太陽光発電システム
英語:Space Solar Power System
英語:SSPS

宇宙空間に太陽光発電システムを配備し、そこで生産された電力を地上に送信して利用する構想。太陽光を他の(例えばマイクロ波などの)エネルギーに変換して地上に送出し、受信した後に電力へ再変換する仕組みが考えられている。

太陽光を大気圏外で享受することにより、大気や天候の影響を受けず、地球の自転による昼夜の影響も受けない、常に発電し続けるシステムも実現可能となる。宇宙太陽光発電システムは地上に設置された太陽光発電システムの数倍から十数倍のエネルギーを得ることができるとされる。

宇宙太陽光発電には技術的課題も多く、2010年代の時点では研究と実験が行われている段階である。実用化は2030年以降とみられている。2015年には地上で500メートル離れた地点に電波を使った送電実験が成功している。

関連サイト:
太陽光発電 - JAXA 宇宙航空研究開発機構
福室康行 宇宙での太陽光発電、実用化に向けて - JAXA 宇宙航空研究開発機構

2015年3月12日木曜日

マークアッププライシング

英語:markup pricing
別名:マークアップ型プライシング

商品やサービスなどの値段を、仕入原価に一定率を上乗せした金額にする方法。上乗せする率をマークアップ率という。

マークアッププライシングでは、商品やサービスの内容により一定率が異なる。例えば、日用品や雑貨などの安価な商品の場合には、マークアップ率は低く抑えることが多い。一方、宝石や貴金属類などの高価な商品の場合には、マークアップ率を高く設定することが多い。

社内金利制度

読み方:しゃないきんりせいど

企業の各事業部が、使う資産量に応じて金利を負担する仕組み。

社内金利制度は、事業部ごとの評価を公正に行うために導入するケースが多い。

社内金利制度の金利は事業内容や市中金利などを参考に決定され、事業部の利益から控除される。この場合、事業部ごとの財務諸表には計上されるが、企業全体の財務諸表には計上されない。

レベニューセンター

英語:revenue center

企業の事業部門ごとに収益(売上)を算出し、分析や評価などを行う部門のこと。責任センターの1つ。

レベニューセンターでは、収益の評価を行うことを目的とし、利益や収益率、費用などは問わない。

なお、責任センターには、レベニューセンターの他に、利益の評価を行うプロフィットセンター、収益率の評価を行うインベストメントセンター、費用の評価を行うコストセンターなどがある。

コストセンター

英語:cost center

企業の事業部門ごとに費用を算出し、分析や評価などを行う部門のこと。責任センターの1つ。

コストセンターでは、費用の評価を行うことを目的とし、利益や収益率、収益などは問わない。

なお、責任センターには、コストセンターの他に、利益の評価を行うプロフィットセンター、収益率の評価を行うインベストメントセンター、収益の評価を行うレベニューセンターなどがある。

抗日神劇

別名:抗日雷劇

中国で制作されている、第二次世界大戦中の中国が日本に対して戦うさまを描いたドラマの総称。いわゆる抗日ドラマ。荒唐無稽なほどの無茶な設定や極悪非道な日本軍・日本兵の描写などが特徴といえる。

メディア戦略

読み方:メディア戦略

広報・マーケティングの分野において、情報をどのメディア(媒体)を通じて配信するかという部分に焦点を当てた戦略。とりわけ広告配信におけるメディア(広告媒体)の選択を指す。

広告配信のメディアには、テレビ、雑誌、看板、ポスター、インターネット広告など多種多様な形がある。ターゲットとする消費者層に効果的に到達(リーチ)するために媒体の種類や配信エリア、期間あるいは時間帯などが違ってくる。

複数のメディアを組み合わせて利用すると、広告に接する機会や形式が増え、より高い訴求力を得ることが期待できる。複数メディアを使ったメディア戦略はクロスメディア(クロスメディア戦略)とも呼ばれる。

クリエイティブ戦略

読み方:クリエイティブせんりゃく

広告・マーケティング戦略のうち、広告素材(クリエイティブ)をどのように作るかという部分に焦点を当てた戦略のこと。広告を配信するメディアの選択(メディア戦略)と対比される要素。

クリエイティブ戦略では、何を・どのように伝えるかという表現方法・表現形式が中心的課題となる。配信するメディアの制約の中で、的確にメッセージが伝わり、印象に残り、かつ好感が得られるクリエイティブにする必要がある。

ブランディング

別名:ブランド構築
別名:ブランドの構築
英語:branging
英語:brand-building

商品やサービスを他社の競合品と区別し、顧客の信頼性や好感、共感を得ることで商品価値を高める「ブランド」を確立する(ブランドの価値を高めていく)取り組み。

ブランドを設けてその価値を高めていくための指針や計画は「ブランド戦略」と呼ばれる。商品そのものだけでなく事業や企業などもブランドとなり得る。ブランディングはマーケティングにおける最重要の要素のひとつといえる。

2015年3月11日水曜日

指標分析

読み方:しひょうぶんせき

企業の財務諸表の数値をもとに分析すること。

指標分析には、企業の成長性を示す総資産増加率や売上高伸び率(売上高成長率)などが挙げられる。また、収益率を示す売上高利益率、売上高対キャッシュフロー比率、売上高費用比率などがある。

指標分析では、これらの指標について当年度と前年度を比較したり、次年度の予想値と比較したりして企業評価する。また、競合する他社と比較したりする場合もある。

AMTUL

読み方:アムツール

消費者が商品やサービスなどを購入するまでのプロセス。Aware、Memory、Trial、Usage、Loyaltyの頭文字を並べたもの。

AMTULのAwareは、新聞広告やテレビコマーシャルなどで認知してもらうことである。次にMemoryは、同じく広告などで覚えてもらうことである。Trialは、サンプル品やお試し期間などを設けて、顧客に試用してもらうことであり、Usageは、定期購入などによりリピーターになってもらうことである。そして、Loyaltyは、ポイント制のような何らかの特典を設けて顧客を囲い込むことである。

AMTULの特徴の1つとして、それぞれの段階において数値化することが可能であるという点が挙げられる。例えば、Awareにおいては、市場調査により可能であるし、Trialから何パーセントがUsageの段階へ進んだかも集計すれば可能である。

プロフィットセンター

英語:profit center

企業の事業部門ごとに収益と費用を算出し、利益額を分析し評価を行う部門のこと。

インベストメントセンターは、いくらお金を使ったか、あるいは、いくら売り上げたかを評価するのではなく、いくら儲かったかについて評価する。

なお、いくらお金を使ったかを評価する場合はコストセンターが担当し、いくら売り上げたかを評価する場合にはレベニューセンターが担当する。

また、収益率を評価する場合にはインベストメントセンターが担当する。プロフィットセンターとインベストメントセンターの違いは、プロフィットセンターが利益額そのものの評価であるのに対し、インベストメントセンターは、使ったお金に対する収益率の評価である。

インベストメントセンター

英語:investment center

企業の事業部門ごとに、投下資本の収益率を分析し評価を行う部門のこと。

インベストメントセンターは、いくらお金を使ったか、あるいは、いくら売り上げたかを評価するのではなく、使ったお金に対してどれだけ収益を上げたかについて評価する。

なお、いくらお金を使ったかを評価する場合はコストセンターが担当し、いくら売り上げたかを評価する場合にはレベニューセンターが担当する。

また、いくら利益を上げたかを評価する場合にはプロフィットセンターが担当する。インベストメントセンターとプロフィットセンターの違いは、インベストメントセンターが使ったお金に対する収益率の評価であるのに対し、プロフィットセンターは利益額そのものの評価である。

ランニングストック

別名:流通在庫備蓄
別名:運転在庫備蓄
別名:ランニングストック方式 別名:流通在庫備蓄方式
英語:running stock

物資を市場で流通する形で備蓄する方式。一般企業の商品を買い取った上でそのまま在庫としての保管を委託する形で行われる。備蓄品を死蔵せず常に流通させて更新していく点を特徴とする。

ランニングストックとして購入された物資は、購入済み商品として購入者側に権利が移った状態となるが、在庫の一部として販売され更新されていく。これによって、保管しているうちに物資が古くなって(いざという時に使えなくなって)しまう事態を避け、保管や管理に多大なコストを割くことなく備蓄が確保できる。

ランニングストックは行政機関が一般企業に保管を依頼する形で実施されることが多い。東京都は石油を、仙台市は食品や生活必需品をランニングストック方式で備えている。、

中期ブレーキ規制

読み方:ちゅうきブレーキきせい
別名:中期安全ブレーキ規制

バスやトラックなどの大型車両を対象に2000年までに制定・実施された、ブレーキに関する規制。ブレーキ性能の強化・厳格化、ブレーキの利きを最適化するASA(オートマチック・スラック・アジャスタ)の搭載の義務化などが定められている。

2015年3月10日火曜日

セカンダリーマーケット

英語:secondary market

有価証券の発行市場に対する流通市場のこと。発行市場はプライマリーマーケット(primary market)という。

セカンダリーマーケットは、発行済みの株券や債券などが取引される。ニューヨーク証券取引所やロンドン証券取引所などがセカンダリーマーケットである。また、日本においては、東京証券取引所などがセカンダリーマーケットである。

ちなみに、新たに株券や債券などを発行する市場をプライマリーマーケットという。プライマリーマーケットは新株などを発行するためのシステムであり、取引所の建物が存在するわけではない。

株主資本コスト

読み方:かぶぬししほんコスト

株主が、出資額に応じて要求する利益。または、期待する利益。

企業の収益は、売上高から売上原価やさまざまな費用を差し引き、さらに法人税などを差し引いたものが最終利益として残る。この最利益の中から、株主の要求する利益を企業が負担するすることから、株主資本コストと呼んでいる。

ちなみに、最終利益から株主資本コストを差し引いたものを残余利益という。

HRポリシー

英語:human resources policy
英語:HR policy
別名:人事ポリシー

会社で働く人たちが、どのようにあるべきかを方針や志向で示したもの。

HRポリシーは、人材の採用や育成、評価、報酬などの要素から導き出されるケースが多い。

HRポリシーは、会社側の立場からは、社員に対してこのようにあって欲しいというメッセージであり、また、対外的なアピール手段の1つとして用いることもある。

また、社員の立場からのHRポリシーは、会社は自分のことをどのように考えているのか、また、自分はどうあるべきかを知る手段の1つとなる。

ちなみに、HRポリシーに基づいた社員管理の仕組みをHRシステムという。

HRシステム

英語:human resources system
英語:HR system

HRポリシーに基づいた社員管理の仕組み。

企業は、社員をどのように活用していくかをHRシステムにより管理する。管理の内容は、評価や報酬、人員配置などが挙げられる。

水銀に関する水俣条約

読み方:すいぎんにかんするみなまたじょうやく
別名:水俣条約
別名:水銀条約
別名:水銀水俣条約
別名:ミナマタ・コンベンション
英語:Minamata Convention
英語:Minamata Convention on Mercury

水銀および水銀化合物の使用・排出による人体や環境へのリスクを削減するための国際条約。水銀の使用を原則的に禁じ、水銀を多く排出する鉱山の将来的な閉鎖、製造過程における水銀使用の禁止、水銀を含んだ製品の貿易の禁止または規制などを主な内容とする。

関連サイト:
Minamata Convention on Mercury

2015年3月9日月曜日

軽率な一般化

読み方:けいそつないっぱんか
別名:早まった一般化
別名:性急な一般化
英語:thoughtless generalization
英語:hasty generalization

少数の個別事例から一般論として妥当でない(普遍的でない)結論を導くこと。不適当な帰納。

軽率な一般化は、サンプルが少数すぎたり、反例の存在が顧慮(想定)されていなかったりすると生じやすい。判断に偏見が加わったり、結論が先行していたりする場合にも往々にして軽率な一般化と同じ誤謬が生じる。

いわゆるレッテル貼りも、少数の事例の極端な部分に着目して全体を語ろうとする点において軽率な一般化と同じ論理展開といえる。

モジリアニミラーの命題

読み方:モジリアニミラーのめいだい
別名:モジリアニミラーの理論
別名:モジリアーニミラーの命題
別名:モジリアーニミラーの理論
別名:MM命題
別名:MM理論

企業の金融論の基礎となる命題。アメリカ合衆国の経済学者であるフランコ・モジリアニとマートン・ミラーが提唱した。

モジリアニミラーの命題では、資本構成が異なっていても企業価値は変わらないとしている。例えば、株式の発行により資金調達している企業と、株式と社債を発行して資金調達している企業とでは、その調達額が同額であれば企業価値は等しいとする。さらにモジリアニミラーの命題では、配当政策が異なっていても企業価値は変わらないとしている。なお、これらの命題では完全市場を前提としている。

ちなみに、フランコ・モジリアニとマートン・ミラーは後に、ノーベル経済学賞を受賞している。

付加価値増加率

読み方:ふかかちぞうかりつ

付加価値の増減をパーセンテージで表したもの。

付加価値増加率は、次の計算式で求めることができる。

付加価値増加率(%)=(当期実績-前期実績)÷前期実績×100

付加価値増加率がプラスの場合は、当期の付加価値は前期よりも増加していることになる。付加価値の増加は、生産効率や販売効率が伸びていることを表している。一方、付加価値増加率がマイナスの場合、生産効率や販売効率が悪化していることを表している。

純付加価値

読み方:じゅんふかかち
英語:net value added

売上高から原材料費や仕入原価などの変動費を差し引き、さらに減価償却費を差し引いたもの。

純付加価値は、製造経費や人件費、営業利益、賃借料、租税公課、支払利息などを合わせたものでもある。減価償却費は含まない。

純付加価値に設備や機械などの固定資本消耗(減価償却費)を加えたものを粗付加価値という。

なお、国レベルでは、国民純生産(NNP)が純付加価値に相当する。

粗付加価値

読み方:あらふかかち
英語:gross value added

売上高から原材料費や仕入原価などの変動費を差し引いたもの。

粗付加価値は、製造経費や人件費、営業利益、賃借料、租税公課、支払利息、減価償却費などを合わせたものでもある。

粗付加価値から設備や機械などの固定資本消耗(減価償却費)を差し引いたものを純付加価値という。

なお、国レベルでは、国民総生産(GNP)や国内総生産(GDP)などが粗付加価値に相当する。

4-7-8方法

読み方:よんななはちほうほう
別名:478法 別名:478呼吸法
別名:478ブレス
英語:The 4-7-8 Breath

医学者アンドルー・ワイル(Andrew Weil)博士が提唱する呼吸法。はじめに息を吐き切ってから、4つ数える間ゆっくりと息を吸い、7数える間息を止める、8数える間にゆっくりと息を吐き切る、という呼吸リズムを数度繰り返すというもの。

4-7-8方法はリラックス効果を得る呼吸法として知られ、就寝時に実践すればすぐに寝付けるなどとしてしばしば話題に上る。

2015年3月6日金曜日

予算差異分析

読み方:よさんさいぶんせき

当初に予測していた営業利益と実際の営業利益が異なっていた場合に、何が異なっていたかを分析すること。一般的に、予測額と実際の利益が同額になるケースは少ない。

予算差異分析は、次期予算の参考資料として用いられることが多く、販売利益や販売数、販売費など販売に関する差異や、原材料の価格や原材料の消費量など製造に関する差異などを算出する。また、商品ごとの差異や販売地域ごとの差異、営業担当者ごとの差異などについても算出する。

マーケットリスクプレミアム

英語:market risk premium
別名:エクイティリスクプレミアム
別名:equity risk premium

ある株式市場に投資して資産運用した場合、無リスクの資産運用をした場合に比べてどのくらい収益が高かったかをパーセンテージで表したもの。エクイティリスクプレミアムともいう。

マーケットリスクプレミアムの例としては、TOPIXの平均合計収益と無リスク資産である日本国債の平均収益を差し引いたものが挙げられる。

なお、マーケットリスクプレミアムは、一般的には50年以上にわたるデータを元に算出することが望ましいといわれている。

川下統合

読み方:かわしもとうごう
英語:forward integration

自社の事業領域を基準とした場合、買い手側を買収するなどして事業展開すること。

川下統合の例としては、食品会社によるスーパーマーケットの買収や、出版取次会社による書店買収などが挙げられる。

川下統合は、物流コストや販売コストなどの削減や、流通チャネルを確保できるというメリットがある。

なお、川下統合に対して、売り手側を買収するなどして事業展開することを川上統合という。

川上統合

読み方:かわかみとうごう
英語:backward integration

自社の事業領域を基準とした場合、売り手側を買収するなどして事業展開すること。

川上統合の例としては、パソコンメーカーによる半導体会社の買収や、自動車メーカーによる部品製造会社買収などが挙げられる。

川上統合は、商品を製造する上での原材料が確保できるというメリットがある。

なお、川上統合に対して、買い手側を買収するなどして事業展開することを川下統合という。

2015年3月5日木曜日

フードディフェンス

別名:食品防御
英語:food defense

食品の生産過程における意図的な食品汚染・異物や毒物の混入といった攻撃を防ぎ、食品を守る、という考え方。および、そのための取り組み。

従来のいわゆる「食の安全」(フードセーフティ)は、衛生管理や品質管理を中心的課題としている。フードディフェンスは人為的な(悪意を持った)食品への攻撃を特に対象としている点に特徴がある。近年ではフードディフェンスとフードセーフティは別個のリスクとして区別され、新たな危機管理の要素としてフードディフェンスに取り組む事例が増えている。

2010年代前半においてフードディフェンスが大きく取り沙汰させた事件として、2013年に発生したいわゆる「アクリフーズ農薬混入事件」がある。同事件では食品の製造に携わっていた契約社員の男が製造過程において農薬(マラチオン)を混入させていた。

関連サイト:
食品防御対策ガイドライン(食品製造工場向け) - 公益社団法人日本食品衛生協会

ブラーバ

別名:iRobotブラーバ
英語:Braava

ロボット掃除機「ルンバ」(Roomba)で知られるiRobotが販売する床拭きロボット。

ルンバはチリやホコリを吸引する掃除機ロボットであるが、ブラーバは床の拭き掃除を実現するという意味でモップあるいは雑巾掛けのロボットといえる。フローリングやタイル張りなどの比較的硬い床面に適する。

ブラーバにはカラ拭き(ドライ)モードと水拭き(ウェット)モードという2種類の掃除モードが用意されており、場合に応じて使い分けられる。ハウスダストや砂ボコリなどはカラ拭きモードで、食べこぼしなどのベタ付く汚れは水拭きモードで対応することで、床をピカピカに保てる。

ブラーバは、Evolution Roboticsによって開発され2010年に米国で発売された掃除ロボット「Mint」を前身とする。Mintが登場して間もなく、iRobotがEvolution Roboticsを吸収合併し、Mintはブランド名を変えてiRobotから販売されるようになった。

日本でも2015年春からブラーバが販売される。

関連サイト:
iRobot 床拭きロボット ブラーバ 公式サイト

シブヤン海

読み方:シブヤンかい
英語:Sibuyan Sea

フィリピン諸島に囲まれた海域。シブヤン島および複数の島がある。2015年3月、シブヤン海の海底において戦艦武蔵と思われる船が発見されたことが伝えられ話題を呼んだ。

戦艦武蔵は大和型戦艦の2番艦として、1番艦「大和」に次いで建造され、そして大日本帝国海軍が建造した最後の戦艦となった。1944年にレイテ沖海戦に参戦し、米軍の攻撃により沈められた。

戦艦武蔵の沈没後、戦隊はフィリピンの周辺海域にあると推定されていたものの、沈没位置は特定されていなかった。2015年3月3日にシブヤン海での発見が報じられた時点では、この船が武蔵であると断定されるんは至っていないが、この船が戦艦武蔵であれば武蔵はほぼ70年ぶりに発見されたことになる。

シブヤン海の海底で武蔵と思われる船を発見したという情報は、Microsoftの協同創業者であるポール・アレンによりTwitterを通じて発せられて一躍話題となった。

機会コスト

読み方:きかいコスト
別名:機会費用

1つのことを選択、実行した場合の、別の選択肢を実行していた場合に得られていたであろう利益のこと。会計学上の利益ではなく、経済学上での利益を指す。

機会コストは、例えば「アルバイトへ行かなかった」ことに対する「アルバイトへ行った時のアルバイト料」である。また、「アルバイト料を自宅に保管していた」ことに対する「アルバイト料を銀行に預金して得られる金利」でもある。

スキミングプライシング

英語:skiming pricing

新しい商品やサービスなどを販売する際に、高価格で市場参入を図り利益を上げる戦略のこと。新商品を市場参入させる際の価格戦略の1つ。

スキミングプライシングは、使用している素材へのこだわり、希少価値などをアピールし、高額所得者やマニア層へ販売を働きかける。評判が上がれば、高額所得者に続く購買層が購入していき、徐々に購買層が拡大していく。

スキミングプライシングでは、商品発売当初の価格を高く設定し、より多くの利益を得ることができる。そして、商品の売り上げが徐々に減ってきた時点で価格を下げていくケースが多い。スキミングプライシングの例としては、VHSタイプのビデオ再生機やレーザーディスクなどが挙げられる。

なお、新商品を市場参入させる際の価格戦略には、スキミングプライシングの他にペネトレーションプライシングがある。

ペネトレーションプライシング

英語:penetration pricing

新しい商品やサービスなどを販売する際に、価格を抑えて市場への浸透を図り、商品市場のシェアを獲得する戦略のこと。新商品を市場参入させる際の価格戦略の1つ。

ペネトレーションプライシングは、製品単価が低く、また、最寄の店で購入するケースの多い生活用品や食料品(最寄品)に用いられることが多い。

なお、新商品を市場参入させる際の価格戦略には、ペネトレーションプライシングの他にスキミングプライシングがある。

コストプラスプライシング

英語:cost-plus pricing
別名:コストプラス法

商品やサービスなどの値段を、製造原価に利益を上乗せた額として計算する方法。

コストプラスプライシングでは、製造原価を基準に値段が決められる。そのため、商品の最低価格は製造原価となる。

コストプラスプライシングは、自社の都合で値段を決定できるという特徴がある。これには、損益分岐点の計算や競合他社商品の値段の比較、マーケット戦略といった要素は加味されていない。

コストプラスプライシングは、コスト基準型のプライシング方法で、この他には損益分岐点法などが挙げられる。

2015年3月4日水曜日

埋没コスト

読み方:まいぼつコスト
英語:sunk cost
別名:埋没費用
別名:サンクコスト

企業が何らかのプロジェクトのために投資した費用のうち、プロジェクトから撤退したとしても取り戻すことのできない費用のこと。事業運営の判断材料として算出することが多い。

埋没コストは、例えば、新商品開発のためにアルバイトを雇って市場調査をしたとする。しかし、開発途中で競合会社が同じ商品を開発、販売し、自社の新商品開発は中止することになった。この時、アルバイトに支払った人件費は、商品開発が中止になったからといって取り戻すことはできない。この場合は、人件費がサンクコストとなる。

欲求5段階説

読み方:よっきゅうごだんかいせつ
別名:欲求五段階説
別名:マズローの欲求5段階説
別名:マズローの欲求五段階説
別名:自己実現理論

人間には5つの基本的な欲求があり、1つの欲求を満たせば次の欲求を求めながら成長していくものである、という説。アメリカ合衆国の心理学者であるアブラハム・マズローが提唱した。

欲求5段階説は、生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、尊厳欲求、自己実現欲求の5つの段階に分かれている。人間はまず、生きていくための食欲、睡眠欲などの生理的欲求を満たそうとする。生理的欲求を満たせば、次に安全な生活、危険を回避したいという安全欲求を満たそうとする。このように、順番に欲求を満たしていくと、最後に自己実現欲求にたどり着く。

欲求5段階説の最後の段階である自己実現欲求は、自己の持つ能力を最大限に引き出して行動をしたいという欲求である。

なお、アブラハム・マズローは晩年に、自己実現欲求の次の段階に「自己超越」があると発表している。

4R

読み方:フォーアール
読み方:よんアール

マーケティングにおいて、市場細分化(セグメンテーション)に用いられる4つの要素。Rank(優先順位)、Realistic(規模の有効性)、Reach(到達の可能性)、Response(測定の可能性)の4つの頭文字を取って4Rという。

4RのRank(優先順位)は、ターゲットとなる顧客層のランク付けである。また、Realistic(規模の有効性)は、期待できる売上、利益が得られるかどうか、Reach(到達の可能性)は、ターゲットに商品やサービスなどが届けられるかどうか、Response(測定の可能性)は、ターゲットとなる顧客層のレスポンスが得られるかどうかを意味している。

負債コスト

読み方:ふさいコスト

企業が、負債として資金を調達した際に支払うコスト。

負債コストは、間接金融と直接金融の2つに分けられる。負債コストのうち、間接金融の代表的な例としては、銀行から借り入れたお金を返済する時に発生する、支払利息が挙げられる。また、直接金融では、債券を発行した際の発行費用や支払利息などが挙げられる。

なお、支払利息などの負債コストは、税務上、損金として扱われる。

衛星攻撃兵器

読み方:えいせいこうげきへいき
別名:対衛星兵器
別名:対衛星ミサイル
別名:対衛星攻撃ミサイル
別名:アンチサテライトウェポン
別名:アンチサテライトミサイル
英語:anti-satellite weapon
英語:anti-satellite missile

人工衛星を攻撃・破壊するために使用される兵器の総称。

一般的には、衛星攻撃兵器といえば地上からミサイルを打ち上げて撃墜する方式(衛星攻撃ミサイル)を指すが、攻撃システムを衛星軌道上に配置して機雷のように運用する構想などもあり、研究されたことがある。

衛星攻撃兵器の主な役割は他国が運用する偵察衛星の破壊といえる。自国の偵察を阻止するという意味において衛星攻撃兵器は軍事上重視され得る。

衛星攻撃兵器により破壊された人工衛星の残骸は静止軌道上に残ってスペースデブリとなる。スペースデブリが宇宙開発における脅威となることが危惧されるようになって以降、衛星攻撃兵器の開発実験は各国とも積極的に行っていない。2000年代に中国が自国の衛星を破壊する実験を実施した際には多数のスペースデブリが発生し、中国は国際的に非難を受けている。

探査機ドーン

読み方:たんさきドーン
別名:無人探査機ドーン
別名:無人探査機Dawn
別名:米探査機ドーン

米国航空宇宙局(NASA)が2007年に打ち上げた無人探査機。火星と木星の中間に位置する「小惑星帯」における主要な星、小惑星ベスタ(ヴェスタ)および準惑星ケレスの探査を主なミッションとする。

探査機ドーンは2011年にまず小惑星ベスタへ到達し、1年以上かけてベスタの探査を行った。2012年にベスタを離れ、2015年3月に準惑星ケレスに到着する。

関連サイト:
Dawn Mission - NASA

2015年3月3日火曜日

コレスポンデンス分析

読み方:コレスポンデンスぶんせき
英語:correspondence analysis

市場調査などで集計されたデータを散布図で表し、調査項目の相関関係を明らかにすること。

例えば、ある商品の評価について、年代ごとに良い、普通、悪いの評価が付与されているとする。このデータを表計算ソフトを用いてクロス集計表を作成すれば、どの年代で良い評価が得らえているのか、また、どの年代で悪い評価が多いのかを調べることは可能だが、コレスポンデンス分析を用いれば、結果を視覚的に見ることができる。

合弁企業

読み方:ごうべんきぎょう
英語:joint venture
別名:合弁会社

複数の企業が、ある目的を達成するために資金を出し合って設立した企業。

合弁企業は、国内の企業どうしによって設立することもあれば、海外の企業と組んで合弁企業を設立する場合がある。特に、海外進出を計画する企業の場合、その国の企業と組んで合弁企業を設立するケースが多い。

海外の企業と組んで合弁企業を設立する場合、合弁相手の企業のもつ販売路や地の利を活かした事業活動が利用できるなどのメリットがある。一方、合弁相手企業との企業習慣や経営方針などでトラブルの発生する可能性もある。

システマティックリスク

英語:systematic risk

ポートフォリオ運用する際に、分散投資しても消去できないリスクのこと。

株式においては、株式市場全体の変動により、当該株式の株価が変動するリスクをシステマティックリスクという。

システマティックリスクには、為替レートや政策金利、海外市場の変動をはじめ、紛争や自然災害などの有事などが挙げられる。

システマティックリスクに対して、分散投資により消去可能なリスクをアンシステマティックリスクという。

アンシステマティックリスク

英語:unsystematic risk

ポートフォリオ運用する際に、分散投資により消去可能なリスクのこと。

株式においては、当該企業のもつリスクをアンシステマティックリスクという。

アンシステマティックリスクは個別のリスクのため、分散投資することでリスクを軽減することができる。

アンシステマティックリスクに対して、分散投資しても消去できないリスクをシステマティックリスクという。

酪王カフェオレ

読み方:らくおうカフェオレ 
別名:酪王のカフェオレ

酪王乳業株式会社が製造販売している乳飲料。1976年に発売されたロングセラー商品で、2010年代半ば現在では東京などでも知名度を上げつつある。

酪王乳業は福島県郡山市に本社を置く乳飲料メーカーであり、同社の牛乳「酪王牛乳」は学校給食などにも多く採用されている。酪王カフェオレは福島県内においてはよく知られており、特に郡山市内では大手スーパーやコンビニエンスストアの大半の店舗で酪王カフェオレが販売されている。

酪王カフェオレは全国的にはほぼ知られていない「知る人ぞ知る」商品であったが、最近では東京都内でファンの集いが開かれるなど、県外にもその存在が知られつつある。

関連サイト:
酪王乳業株式会社

2015年3月2日月曜日

ゼロベース予算

読み方:ゼロベースよさん

予算を組む際に、過去の経費や取引などの実績を考慮せず、ゼロから作り上げること。または、ゼロから作り上げた予算。

一般的に予算は、過去の実績をもとに組むことが多い。この場合、その業界の急激な動向に対応できないなどの不利が生じる。ゼロベース予算では、このような問題を解決する手段の1つとして用いられることが多い。また、ゼロベース予算によって、あらためて各事業部の情報共有の徹底、周知を計ることができるというメリットもある。一方、ゼロベース予算のデメリットとしては、通常の予算を組む場合よりも時間や人員などのコストがかかる点などが挙げられる。

本社共通費

読み方:ほんしゃきょうつうひ

企業の各事業部に対して共通のサービスを提供する部門の経費。人事や総務などの管理部などの経費。企業によっては、研究所などの経費を含む場合がある。本社共通費を算出することにより、各事業部の利益が算出できる。

本社共通費は、管理部などで発生する広告宣伝費や教育訓練費、研究開発費、資材購入費などの費用が各事業部に配賦される。配賦方法は、事業部の売上高や従業員数、給与など企業により異なる。

非耐久財

読み方:ひたいきゅうざい
別名:非耐久消費財

比較的短期間で使用し、また、使用回数の少ない製品のこと。消費財の1つ。非耐久消費財ともいう。

非耐久財には、食品や飲料、化粧品などが挙げられる。非耐久財は、1つあたり単価が安く、購入頻度の高い製品が多い。総務省では、想定耐久年数が1年未満のものを非耐久財としている。

なお、非耐久財よりも耐用年数の比較的長い製品を半耐久財(半耐久消費財)と呼ぶことがある。半耐久財には、衣類や靴、バッグなどが挙げられる。

ちなみに、耐久財に対して、比較的短期間で使用し使用回数の少ない製品を非耐久財という。

耐久財

読み方:たいきゅうざい
別名:耐久消費財

比較的長期に亘って使用し、また、何度も使用する製品のこと。消費財の1つ。耐久消費財ともいう。

耐久財には、自動車や家電製品、コンピューター、家具などが挙げられる。耐久財は、1つあたり単価が高く、購入頻度の低い製品が多い。

アメリカ合衆国においては、商務省が耐久財受注の状況を毎月発表している。この経済指標は、同国における景気の判断材料として用いられている。

ちなみに、耐久財に対して、比較的短期間で使用し使用回数の少ない製品を非耐久財という。

新長短期排出ガス規制

読み方:しんちょうたんきはいしゅつガスきせい
別名:新短期・新長期排出ガス規制
別名:新短期・長期排出ガス規制

ディーゼル車を対象とする排出ガスの規制の取り組みのうち、2000年代に実施された短期規制および長期規制を総称した呼び方。

1990年代にも短期規制と長期規制の段階的実施が行われており、こちらが(「新」の字のつかない)長短期排出ガス規制と通称されている。2008年には「ポスト新長期規制」も実施されてる。

個々の排出ガス規制は公式には「平成11年排出ガス規制」「平成17年排出ガス規制」のような呼び名が用いられている。「新短期規制」は平成14年排出ガス規制の異称であり、「新長期規制」は平成17年排出ガス規制の異称である。

関連サイト:
自動車の排出ガス規制(新車) - 国土交通省

長短期排出ガス規制

読み方:ちょうたんきはいしゅつガスきせい
別名:長期・短期排出ガス規制
別名:短期・長期排出ガス規制

ディーゼル車を対象として実施された排ガス規制の総称。1990年代に段階的に施行された短期規制および長期規制を指すことが多い。

2000年代にもディーゼル車の排ガスに関する短期規制と長期規制が行われている。一般的には2000年代の規制を「新短期規制」「新長期規制」と呼び、1990年代の長期短期排出ガス規制とは区別している。文脈によっては1990年代および2000年代の規制を含めて長短期排出ガス規制と総称している場合もあり得る。

低硫黄軽油

読み方:ていいおうけいゆ
別名:低硫黄化軽油

硫黄分の 含有量が少ない(脱硫処理の施された)軽油。特に、硫黄分50ppm(重量比0.005%)以下に抑えられた軽油。

低硫黄軽油のうち、硫黄分の含有量を10ppm以下まで低減させた軽油は、「超低硫黄軽油」もしくは「サルファーフリー軽油」と呼ばれることがある。

軽油に含まれる硫黄分は燃焼後に硫黄酸化物として放出され、酸性雨等の環境汚染の原因となる。自動車には排ガスに含まれる硫黄分などを浄化するため触媒が設けられているが、硫黄濃度が高いと触媒の寿命を縮める。あらかじめ硫黄分の少ない低硫黄軽油を使用することで環境や触媒への負荷を減らすことができる。

軽油の硫黄分含有量は、国内では2000年代半ばに規制が強められ、低硫黄軽油、超低硫黄軽油の使用が義務づけられるようになっている。

10スタッドホイール

読み方:テンスタッドホイール
別名:10スタッド
別名:10スタッド方式
英語:10 stud

車両にタイヤを固定するための留め具(スタッド)を10点使用する方式、および同方式が採用されたタイヤ・ホイールの規格。ホイールには同数のボルト穴があり、むしろ「10穴」のように表記される場合が多い。

一般的な乗用車のホイールは4~5程度のスタッドで固定されるタイプものが多い。10スタッドは大型車向けのホイールに用いられている。大型車のホイールには8穴タイプ(8スタッド方式)と10スタッド方式がある。

JIS規格では大型車向けホイールの規格は基本的に8穴(8スタッド)であり、10スタッドはISO規格に準拠した方式である。近年では国産大型車も「新・ISO方式」の採用が進みつつあり、大型ホイールでは10スタッドが導入されている。

関連サイト:
大型車ホイールの新・ISO方式について - 日本自動車タイヤ協会

継ぎ足し給油

読み方:つぎたしきゅうゆ
別名:継足し給油 別名:つぎ足し給油 別名:満タン自動停止の地の追加給油
セルフ式ガソリンスタンド(セルフ式スタンド)において、給油ノズルが油量を検知して自動的に給油を停止した後さらに給油を継続しようとする行為。危険であり避けるべき行為とされる。
自動車への給油に用いられるノズルにはトリガー(引き金)を引いて給油を開始する。給油ノズルの先端部分には検知器が備わっており、タンク内のガソリンの嵩がノズル先端に達すると自動停止するようになっているが、再度トリガーを引けばさらに給油できる。ノズルが自動停止した段階では、タンクにはいくらか余裕が残されているため、タンクに収まるだけ収めようとして自動停止後の追加給油が行われるケースがある。
継ぎ足し給油を行うとタンクからガソリンがあふれ出したり、飛沫がタンク外にはねたりする危険がある。