2012年8月29日水曜日

財政の崖

読み方:ざいせいのがけ
別名:財政の壁
別名:フィスカルクリフ
英語:fiscal cliff

米国が2013年1月以降に直面する景気後退のリスク。大型減税政策の打ち切り時期と大型の財政緊縮政策の開始時期が2013年1月に重なっていることで、景気の見通しは大変厳しいものと見られている。

財政の崖の要因となる大型減税政策は、2001年および2003年に実施された「ブッシュ減税」(Bush tax cuts)である。所得税を中心に税率が引き下げられ、相続税のように最終的に税率ゼロとされた項目もあった。ブッシュ減税は10年以上続き、2010年に一度延長されたが、2012年末で終了し、2013年1月からは元の税率に戻る。実質的な増税といえる。

財政の崖の要因のもうひとつは、2012年1月から開始される歳出削減政策である。これは2011年8月に成立した「予算管理法」に基づき実施されるもので、2012年12月以降、10年間で1兆ドル単位の歳出削減が図られる。

アメリカ議会予算局(CBO)の試算によれば、財政の崖に直面するに当たり適切な対応策が講じられなかった場合、2013年上半期の米国のGDPはマイナス2パーセントを超え、通年でもプラスには転じないと予測されている。

関連サイト:
アメリカ経済見通し - 日本総研
財政再建を巡る混迷、異例の緩和的金融政策 - 内閣府 世界経済の潮流 2011年
Economic Effects of Reducing the Fiscal Restraint That Is Scheduled to Occur in 2013 - Congressional Budget Office (CBO)