2021年9月3日金曜日

失念

失念とは、失念の意味

失念(しつねん)は「忘れること」を意味する漢語。記憶していた物事や事態を、うっかり忘れること、または、ど忘れすること。「失」の字は「なくす・失う」といった意味、「念」は「覚えておく・心に留めておく」という意味の字である。要するに「失念」は「心に留めておくべきことを失った=忘れた」ということである。

失念の使い方

「失念」は、「忘れる」よりも硬い文脈・丁寧な文脈で用いられる。公文書やビジネスメールなどでは「忘れる」よりも「失念」の語を用いた方が収まりが良い。忘れることは「本来は覚えておくべきだった」「うっかりしていた」という失態のニュアンスが伴う。このとき「忘れた」「忘れていた」という表現を用いると、文脈によっては「反省していない」「謝罪の気持ちがこもっていない」と印象を抱かれかねない。このような場合に「失念していた」という表現が用いられやすい。
  • お約束を失念していました
  • パスワードを失念した

失念の類語と使い分け

失念の類語には「ど忘れ」や「忘却」「忘失」などがある。「ど忘れ」は「本当はよく知っていること(覚えておくべきこと)をウッカリ思い出せなくなっている」という意味合いで用いられる。「忘却」や「忘失」は、「すっかり忘れ去る」「頭から記憶が消失している」「忘れてしまって思い出せない」ようなさまを意味する。また「忘失」は、「記憶を失くす」以外に「物を紛失する(どこに置いたか忘れてしまう)」状況にも使える。

失念の語源

失念は仏教用語が語源である。「正念(正気・本気)を失う」という意味があり、「心を錯乱させる煩悩」のひとつを指す。「物忘れや気づきを失った心であり、仏法の教え、または仏法の言葉を忘れてしまうこと。心が入り乱れて混乱すること」を意味する。「心にあった大切なことを失う」という意味が、「忘れる」という意味に転じたとされる。

失念のよくある間違い

失念は、覚えていたり知っていたことをうっかりど忘れしてしまった時に使う言葉なので、もともと知らないことに対しては使わない。また忘れ物をしたり、物を無くしてしまったときにも使用しない。あくまでも自分が「失念」した時に使用する言葉なので、第三者に対して使用する言葉でははない。もしも第三者や目上の人が「失念」したことを表現する場合には、「失念なさる」「失念される」といった尊敬語を用いる。