2020年2月21日金曜日

エビデンス

英語:evidence

エビデンスの意味

エビデンス(英: evidence)とは、「証拠」「裏付け」「科学的根拠」あるいは「形跡」といった意味で用いられる語。ビジネスシーンをはじめ、政治や医療、介護など、幅広い分野において用いられている。エビデンスは英語の evidence をカタカナ表記した外来語である。英語でも evidence は「証拠」「証言」を意味する語であり、日本語の「エビデンス」の意味とおおむね一致する。

ビジネスシーンにおけるエビデンス

ビジネスシーンにおいては、会議の議事録や契約書、覚え書きなどを指して「エビデンス」と表現することがある。これは後になって話の食い違いが生じることを防ぐために残される証拠・裏付け・形跡という意味合いが強い表現といえる。また、新規の取引先を訪問した際に名刺を渡したり訪問履歴を記録したりといった行動は「エビデンスを残す」と表現されることがある。この場合のエビデンスは「証拠」というよりも、自分が訪問したという「形跡」の意味合いが強い。

IT業界におけるエビデンス

IT業界においては、システム開発の最終段階においてエビデンスという語がよく用いられる。ここでのエビデンスも「証拠」の意味合いが強いが、特にシステムが稼働中の画面を記録したスクリーンショット(ハードコピー)や、システム稼働時に使用したデータファイル、各種ログなどを指すことが多い。

行政分野におけるエビデンス

行政の分野においては、エビデンスに基づき政策を立案する「EBPM(evidence-based policy making)」という考え方がある。EBPMは欧米で確立され、近年では日本でも導入が進みつつある。

医療におけるエビデンス

医療の分野においては、ある治療法や薬が特定の病気・症状に効果があると研究結果から結論づけられた結果や科学的根拠のことをエビデンスという。

今日の医療分野では、「EBM」(evidence-based medicine)と呼ばれる考え方が重視されている。EBMは日本語では「科学的根拠に基づく医療」と訳されている。EBMでは、医者の経験則的な知見に頼らず、最新の医学研究の成果や臨床試験データによって確認された有効性を根拠(エビデンス)として参照することを重視する。これに加えて、自分の望む状態や治療にかけられる時間や費用なども考慮した上で、最善の意思決定をするという要素もEBMでは重視される。看護の分野においても、EBMと同様「エビデンスに基づくナーシング」という考え方があり、EBN(evidence-based nursing)と呼ばれている。

また、医療の現場で用いられるガイドラインなどでは、治療方法などを見定める際に、科学的根拠の信用度合いをわかりやすく表した「エビデンス・レベル(エビデンス・ヒエラルキー)」が使われる。一般的に、エビデンス・レベルでレベルが最も高い(信用度が高い)とされるのは、研究対象などがランダムに選ばれて行われるランダム化比較試験(英: randomized controlled trial, RCT)で、逆に単独の観察研究や専門家の意見はレベルが最も低い(信用度が低い)とされるが、エビデンス・レベルだけを基準に判断せず、エビデンスの確実性や推奨度なども加味して総合的に判断が下されることも多い。

エビデンスの類義語

エビデンスの類義語としては、「プルーフ」「ソース」「ファクト」などが挙げられる。

エビデンスとよく混同される語としては「プルーフ」「ソース」が挙げられる。「プルーフ」はエビデンス同様「証拠」の意味を持つが、「証言」「形跡」といった意味合いは持たない点がエビデンスとは異なる。「ソース」は「源泉」「情報源」など情報の出所を表す語であり、明確な根拠を表す「証拠」の意味は持たない。「ファクト」は「事実」「確実」を意味し、エビデンスが持つ「証拠」「根拠」などの意味はない。

エビデンスを用いた例文

  • 打ち合わせ内容のエビデンスは、万が一に備えて保管しておく必要がある。
  • この病院ではエビデンスに基づいた治療を最優先としている。
  • 融資審査にあたり、エビデンスとして運転免許証と通帳を銀行に提出する。