2013年3月26日火曜日

キプロス財政危機

読み方:キプロスざいせいきき
別名:キプロス金融危機
別名:キプロスの財政危機
別名:キプロスの金融問題
別名:キプロスの財政問題
英語:Cypriot financial crisis

2011年前後に大きく取り沙汰された「ギリシャ財政危機」の煽りを受ける格好で、ギリシアにほど近い地中海上の島国・キプロス共和国が陥った深刻な財政危機の通称。

キプロスは人口が100万人強、GDPは2兆円強という小規模な国家である。EUの加盟国であり、通貨にユーロを導入している。主要産業は観光業、および金融業である。

2009年、ギリシャで巨額の財政赤字の隠蔽が発覚して、あわや財政破綻という危機的状況に陥った。この一連の流れと共にギリシャ国債の評価は著しく下落した。キプロスの大手金融機関が保有していたギリシャ国債は不良債権と化した。

キプロスの銀行の預金者には、ロシアをはじめとする諸外国の富裕者層が多く含まれるという。金融業によって立つキプロスの銀行が抱えた不良債権は、自国政府でまかなうにはあまりに大きな規模になっていた。キプロス政府は財政破綻を回避するため、ユーロ圏諸国に支援を要請した。

2013年3月、ユーロ圏諸国はキプロスに対して総額100億ユーロの支援を行うことを決定した。これによってキプロスの財政破綻は免れる見通しとなった。ただし、支援を受けるためには、キプロスが自国財源から58億ユーロを確保することが必要であるという条件が提示された。キプロス側は、財源捻出のため、銀行預金者に対して預金額に応じて強制的に課税するなどの対策を検討している。

2013年3月後半には、キプロスの全ての銀行が数日間、営業を停止すると発表された。これは、取り付け騒ぎを防ぐための措置とされている。


関連サイト:
キプロス共和国 - 外務省