英語:super whale
鯨類(クジラ・イルカ)全般のあらゆるイメージが総合された観念的で多分に理念的な「クジラ」像。捕鯨反対の立場をとる欧米などの国において思い描かれがちな、現実と乖離したクジラのイメージ。
スーパーホエールは、「クジラは高い知能レベルを有する生き物である」「クジラは人間に対して友好的な生き物である」「クジラは絶滅が危惧される稀少な生き物である」というような要素がもれなく盛り込まれた抽象的なクジラのイメージであるといえる。現実には、こうした要素は特定種のクジラの特徴とは言いがたい。クジラやイルカの種類は数十種におよび、たとえば絶滅の危機に瀕していると目される種もあればそうでない種もある。
世界には捕鯨に反対する国・捕鯨に忌避感を抱く国が少なくないが、その論調が多分に抽象的であり感情論的ではないかという指摘が挙がる場合もある。その抽象的・感情論的な論が念頭に置いているクジラのイメージは架空のスーパーホエールではないかと疑われ得る。
スーパーホエールという概念はノルウェーの文化人類学者アルネ・カラン(Arne Kalland)によって提唱された。ちなみにカランの生国ノルウェーは捕鯨国である。