2010年11月15日月曜日

FTAAP

英語:Free Trade Area of Asia-Pacific
別名:アジア太平洋自由貿易圏
別名:アジア太平洋自由貿易地域

アジア太平洋経済協力(APEC)の加盟国全域(2010年10月現在21カ国)において、自由貿易圏を構築する構想の名称。FTAAPの構想が実現した場合に形成される貿易自由化された経済圏の規模は、世界人口の約4割、世界の国内総生産(GDP)の全体の約6割に達する。

FTAAPは、2004年にチリで開催されたAPEC首脳会議の際にABACにより提言され、その後2006年にベトナムのハノイで開催されたAPEC首脳会議において米国より提唱され(当時の大統領はジョージ・W・ブッシュ)、話題として取り上げられた。

FTAAPを実現する具体的な経済的な枠組みとしては様々な案が検討されており、2010年日本APECの首脳宣言である「横浜ビジョン」では、下記のように記載されている。


英語原文
「We will take concrete steps toward realization of a Free Trade Area of the Asia-Pacific (FTAAP), which is a major instrument to further APEC's regional economic integration agenda. An FTAAP should be pursued as a comprehensive free trade agreement by developing and building on ongoing regional undertakings, such as ASEAN+3, ASEAN+6, and the Trans-Pacific Partnership, among others. 」
2010 Leaders' Declaration - Asia-Pacific Economic Cooperationより引用。


日本語仮訳
「我々は、APECの地域経済統合の課題を進展させるための主要な手段であるアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の実現に向けて具体的な手段をとる。FTAAPは,中でもASEAN+3、ASEAN+6及び環太平洋パートナーシップ(TPP)協定といった、現在進行している地域的な取組を基礎として更に発展させることにより、包括的な自由貿易協定として追求されるべきである。」
首脳宣言「横浜ビジョン ~ ボゴール,そしてボゴールを超えて」(仮訳)(PDF)より引用。但し、全角文字は半角に、カンマは読点に置換している。


このため、2010年11月14日現在では、FTAAPを実現するための具体的な経済的な枠組みとしては「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)」「ASEAN+3」「ASEAN+6」などが平行して候補として存在している状況であると言える。

関連サイト:
横浜ビジョンの仮訳 - 2010年日本APEC(PDFファイル)
THE YOKOHAMA VISION - BOGOR AND BEYOND - 横浜ビジョンの原文(英語)
アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)のマクロ的、産業別の重要性 - 内閣府経済社会総合研究所