2010年11月23日火曜日

NTT分社化

読み方:エヌティーティーぶんしゃか

日本全国・全世帯の電話回線を光ファイバーのブロードバンド回線で置換する、いわゆる「光の道」構想において、回線敷設を受け持つNTT(NTT西日本、NTT東日本)の光回線部門を分社化し、NTT本体とは切り離した事業体としようという提案。

「光の道」構想においてNTT分社化を実現した場合のメリットとして、以下のような点が挙げられる。一つには、NTTの接続事業とアクセス回線事業とが切り離されることで、他の接続事業者との公正な競争条件が実現される点。また一つには、新会社とすることで外部からの増資が容易になる点などである。

ソフトバンクの孫正義は、2010年10月25日に催した記者会見の場で、その中で、新会社設立に際してNTT、KDDI、ソフトバンクの3大通信事業者がそれぞれ1000億円ずつ共同で出資してはどうかと意見を投げかけた。政府が別途2000億円を補助し、合計5000億円を新会社に増資してはどうかという提案である。

NTT分社化は完全に独立した組織を設立する完全分離の案の他、企業内で機能的に独立させる機能分離案、両者の折衷案など、いくつかのレベルでの分離が挙がっていた。2010年11月22日に開かれた会合では、完全分離の形態でのNTT分社化はいったん見送られた。現時点では機能分離を行うことが最も現実的かつ効果的とする見解を表明している。

なお、1999年には、NTTはNTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ、および持ち株会社へ分社化している。こちらは一般的に「NTT再編」の通称で呼ばれる。

関連サイト:
グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース | 「光の道」ワーキンググループ - 総務省