2013年6月26日水曜日

軍事リバランス

読み方:ぐんじリバランス
別名:リバランス
別名:アジアリバランス
別名:太平洋リバランス
英語:Rebalancing

米国が、今後の対外戦略をアジア及び太平洋地域を重視した方針に移行する動き。主に軍事的な対外政策の路線変更がその中心であるとされる。アメリカでは「Rebalancing」のほかに、「pivot」とも言われている。

第二次世界大戦以降のアメリカは、唯一の超大国としての位置を維持している。その中心的な対外戦略は、米国の国益に関わるならば、世界中のどの場所にも介入するというもので、しばしばその動きは「World police」と揶揄されることもあった。特に中東地域などへの軍事介入はその顕著な例であった。

近年、アジア諸国が著しい発展をみせていることで、アメリカは中東やその他地域への軍事介入を弱め、主にアジア地域を重視する動きに変わっている。特に中国の経済的、政治的、あるいは軍事的な台頭に伴い、アメリカの関心はアジア地域に向いていった。

軍事リバランスの中心的な意図は、発展を続ける地域大国である中国との政治的、または経済的関係の現状維持と同時に、日本や韓国といった伝統的な同盟諸国と軍事的協力を深めて中国を牽制することにある。

またアメリカは、日本や韓国以外にも、近年発展の著しいインドやタイ、あるいはミャンマーといったアジアの新興国との関係強化も図っている。これらアメリカの動きは、21世紀に入ってから論争になっている米国衰退論や、米中間のパワーシフト論などへの対抗とみる向きもある。

主にバラク・オバマ大統領就任後に軍事リバランスの動きが強まった。中東への介入を緩和し、アジア重視の政策や外交が目立つようになったとされている。これに加え、太平洋地域に位置する同盟国との連携強化も図っている。特にオーストラリアとの間では、軍事的な連携の強化やTPPといった経済的な枠組みの構築などにより、その結びつきを強めている。