2013年6月17日月曜日

トルコ反政府デモ

読み方:トルコはんせいふデモ
英語:anti-government demonstrations in Turkey

2013年5月末にトルコで発生した、エルドアン政権に対する世俗派の一連の反対運動のこと。イスタンブールの公園取り壊し計画に対する抗議が発端となり、大規模な反政府デモに発展した。

トルコ反政府デモの参加者は、現政権が保守的なイスラム主義国家に移行しようとしていることや所得格差の拡大などを主な理由に掲げ、政府に対する反発を強めている。具体的事情の一つには、現政権のアルコールの販売規制強化を推進する政策などに対して、世俗派の不満が爆発した、という経緯があるという。トルコは政教分離を国是としており、国民の大半が世俗派のイスラム教徒である。

トルコ反政府デモは、2010年末から2011年にかけて中東世界を席巻した民主化運動「アラブの春」になぞらえて「トルコの春」と呼ばれることがある。トルコ首相エルドアンは、この反政府デモをトルコの春と呼ぶことに反対を唱え、自身が政権に就いた後の期間こそが「トルコの春」だと述べた。また、エルドアン首相は、アラブの春で大規模な反政府運動が発生した国と比べると、トルコの政治制度は複数政党制であるなどとして、自身が民主的な方法で選ばれたという正当性を強調している。

2013年6月の半ばを過ぎても、トルコ反政府デモが収束の様子を見せず、6月15日には警官隊がイスタンブール市内の公園に集ったデモ参加者の制圧に乗り出すなどしている。

関連サイト:
トルコ反政府デモ続く、市場急落 首相「譲歩しない」と強気姿勢 - ロイター