2013年9月2日月曜日

汚染水の海洋放出

読み方:おせんすいのかいようほうしゅつ
別名:汚染水の海洋への放出
別名:汚染水の海への放出

東京電力福島第一原子力発電所において、事故後の処理において放射性物質を含んでいるため廃棄せず貯蔵の処置をとっている水(汚染水)を、しかるべき処理を行った後に、海洋すなわち太平洋に放出すること。

2011年3月に原発事故が発生した後、核燃料を冷却し再臨界を防ぐため、核燃料プールの要領で原子炉への注水が行われている。事故が起こった施設の近くには大量の地下水が流れており、一部が注水により放射性物質を含んだ状態となってしまうため、汚染水として危険視される地下水を組み上げる措置が取られている。組み上げられた汚染水の一部は冷却に利用され、残りは未処理のまま貯蔵されている。

組み上げられて貯蔵される水の量は増える一方であり、その対策が急がれている。2013年8月には貯蔵タンクの一部から汚染水が数百トンほど漏れ出ていたことがわかり、国際原子力事象評価尺度がレベル3に引き上げられる事態となった。

原子力規制委員会は2013年9月に、貯蔵していた水を放射性物質の除去装置を用いて放射性物質の大部分を除去した後に海に流す案について言及した。

汚染水に含まれる大部分の放射性物質は、「多核種除去設備ALPS」などの装置を使用すれば検出限界値未満のレベルまで除去できるという。ただし、トリチウムは2013年8月現在でも効果的に除去できない状況にある。