2015年7月16日木曜日

アブラソコムツ

別名:油底鯥
別名:エスカラー
英語:escolar

サバ科の海水魚。バラムツの近縁種。水深100メートルから1キロメートル程度の深海に生息する。

アブラソコムツは、肉質が脂肪分に富み、その脂肪分が非消化性の蝋(ワックス)を多く含んでいることで知られる。脂の乗った身は中々の美味とされるが、その脂は人体では消化吸収できないため、下痢に近い形でそのまま排泄されることになる。調理法にかかわらず、刺身にしても煮ても焼いても同様である。

アブラソコムツを食べ過ぎると、脂分が体中の皮脂などから漏れるように排出される「皮脂漏症」の症状があらわれる。このため、アブラソコムツはしばしば「食い過ぎると尻から脂分が漏れ出る」危険な魚と言われる。

日本ではアブラソコムツの販売が禁じられているため、市場に流通することはない。ただし、日本近海でも釣れるため、沖釣りなどで自身で釣り上げたり釣ったり、あるいは漁師の網にたまたまかかった個体を融通してもらったりすれば、入手して食べることも可能ではある。ウェブ上ではアブラソコムツ食の体験談などもいくつか目にすることができる。その体験談の多くが、事後にやはり大変な目にあったという後日談を綴っている。