2017年8月25日金曜日

ジルパテロール

英語:Zilpaterol

分子式C14H19N3O2で表される化合物。主に家畜の肥育を促す目的で用いられる。ドーピング効果があるためスポーツ競技では禁止薬物に指定されている。

ジルパテロールは、厚生労働省の資料によれば、「β2-アドレナリン作動薬であり、脂肪蓄積の抑制、脂肪代謝回転の亢進、グリコーゲン分解及びタンパク質合成を介した筋肉増大作用により、牛の飼育成績の改善及び枝肉組成に影響を及ぼす栄養再分配剤」である(平成26年度「食品に残留する農薬等の成分である物質の試験法開発事業報告書」より)。ヒトに対しても筋肉増強剤の効果が見込めるためドーピング剤として使用され得る。

ジルパテロールは、飼料に用いられる関係上、牛肉を食べて知らず知らずうちに体内に取り込んでしまう可能性もある。故意のトーピングか不本意な摂取かは判別できず、ドーピング検査で陽性反応があった選手は牛肉は食べたがドーピングはしていないと釈明する物も多い。

2017年8月15日、WBC(世界ボクシング評議会)バンタム級のタイトル戦で連続防衛の歴代最多タイ記録に挑んだ王者・山中慎介が挑戦者ルイス・ネリに敗れた。後日、ネリが試合前に実施したドーピング検査で、ジルパテロールの陽性反応があったことが明らかになり、8月25日現在、試合が無効とされる可能性が取り沙汰されている。

関連サイト:
平成26年度「食品に残留する農薬等の成分である物質の試験法開発事業報告書」