2017年9月13日水曜日

残業代ゼロ法案

読み方:ざんぎょうだいゼロほうあん
別名:過労死法案

2010年代半ばから2017年現在にかけて検討されている改正労働基準法案の通称。いわゆる「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)の導入が目指された法案として検討されているが、反発の声も強く、審議が難航している。

「高度プロフェッショナル制度」とは、いわゆるホワイトカラー労働者の労働形態を単純な時間労働の考え方だけで規定せず、仕事の成果に応じて報酬を支払う形態も認めようという考え方に基づく制度といえる。いわば裁量労働制である。これは欧米では「ホワイトカラー・エグゼンプション」の呼び名ですでに導入されている。

政府の改正案では、制度の適用対象として年収1075万円以上の専門職の者が想定されている。改正労基本案は、第三次安倍内閣が掲げる「働き方改革」の具体策のひとつとして推進されている。ただし、裁量労働制は「いくら労働に従事しても成果がでなければ報酬は出ない」という側面も併せ持つ。このため、制度実現に懐疑的あるいは反対の立場を取る者は当該の法案を「残業代ゼロ法案」であるとして強く反発している