読み方:こうのうどにゅうぼう
乳房内の乳腺の密度(乳腺濃度)が高い乳房のこと。乳腺濃度は極めて高濃度、不均一高濃度、乳腺散在、脂肪性の4段階に分類され、このうち「極めて高濃度」と「不均一高濃度」の乳腺濃度を持つ乳房が高濃度乳房とされる。また、日本人の間では、乳腺実質内に脂肪が混在する不均一高濃度を持つ女性が多く見られる。
乳がん検診で、胸部の主要な撮影器具として用いられるマンモグラフィでは、乳腺と乳がんによる病変が両方とも白く映る。このため、高濃度乳房では、乳腺濃度が低い乳房と比べ乳がんの発見難易度が上がる。高濃度乳房の精密な乳がん検診には、超音波を用いた検査を併用するなどの対策が取られている。
超音波検査が高濃度乳房内の乳がん発見に対して有効であることが複数の研究から報告されており、厚生労働省では、がん死亡率減少への効果検証を進める中、市町区村での住民検診への導入を検討している。
関連サイト:
がん検診のあり方に関する検討会中間報告書 ― がん検診のあり方に関する検討会
胃がん・乳がん検診に関する指針の改正について ― 厚生労働省