読み方:けいこうめんえきりょうほう
英語:Oral ImmunoTherapy
英語:OIT
食物アレルギーを誘発する食物を、アレルギー反応が出ない程度の微量だけ摂取し、段階的に摂取量を増やしていき、最終的にはアレルギーを克服する(耐性を獲得して普通に食べられるようになる)という治療法の総称。主に小児の食物アレルギー発症を予防する方法として期待されている。
これまでは、食物アレルギーを抱えた場合は、対象となる食べ物を徹底的に避ける他ないという考え方が一般的だった。経口免疫療法はアレルギーを克服するという点で画期的といえる。
ただし、経口免疫療法は高度な専門知識を持った専門医が綿密に管理しつつ進めるべき療法であり、決して素人が生兵法で試してよいものではない。分量を間違えればアレルギー反応を誘発するだけでなく、アナフィラキシーショックを含む重篤な症状を引き起こす可能性が高い。
2017年には日本小児アレルギー学会が医療関係者向けに経口免疫療法に関する提言を発信し、マスメディアに取り上げられる機会も増えているが、他方で臨床研究のさかなに重篤な症状を発したケースが数例報告されているなどの調査結果も報告されている。
経口免疫療法は一見すると取り組みやすそうにも思われるが、決して安易な気持ちで行ってはならない。そうした啓発・注意喚起の情報発信も必要との声も多い。