2018年6月5日火曜日

ニパウイルス

別名:ニパウィルス
英語:Nipah virus

マレーシアで1990年代に見つかったウィルス。「ニパウイルス感染症」を引き起こす。動物を媒介して人に感染するズーノーシス(動物由来感染症)である。

ニパウイルスに感染すると重篤な脳炎などを患い、苦しんだ末に死ぬという。致死率は極めて高い。マレーシアで報告された最初の事例では、260余名が感染し、そのうち100余名が死亡したと報告されている。2000年代バングラデシュで起きた集団感染では死亡率は7割を超えたとされる。

ニパウイルス宿主は、熱帯域に生息するオオコウモリ(フルーツコウモリ)である。ただしコウモリから他の家畜等を媒介して人に伝播する場合があり得る。マレーシアで最初に感染例は報告された場所は養豚場であり、このときは豚を媒介して人に感染したと見られ散る。2000年代にバングラデシュで感染例が報告されたケースでは、コウモリから果物を通じて人に感染したと考えられている。

ニパウイルス感染症を効果的に予防するワクチンは開発されていない。

2018年5月にもインドでニパウイルスへの集団感染が報告されている。同月末時点ですでに10数名が死亡している。


関連サイト:
Nipah virus infection - WHO(世界保健機関)
ニパウイルス感染症 - 日本獣医学会