2010年12月2日木曜日

ショートセール

英語:short sale

アメリカの不動産業界において、まだ購入時に組んだローンの残高が残っている状態の住宅などの不動産を、ローン残高よりも安い金額で売却した上で全額銀行に支払うと共に、ローンの残りを銀行に免除してもらうこと。

アメリカで2000年代に入って発生した不動産バブルでは、2007年頃から次第に不動産の相場が下落し、買値を売値が下回ってしまうようになった。その余波で、いわゆる「サブプライムローン問題」や「リーマン・ショック」が発生し、アメリカ経済全体が深刻な不景気に見舞われたため、月々のローンの返済に困る人が増えた。

結果として、住宅バブルの崩壊以前に購入していた物件のフォークロージャー(不動産の差し押さえ・強制執行)が増加することになったが、フォークロージャーは手続きに時間がかかる上に、通常の中古物件として販売する場合よりも銀行に入る収入が少ないため、「ショートセール」の手法で不動産物件が売却されるケースが増加している。

なお、「ショートセール(short sale)」と言う場合の「short」は、「短い」などの意味ではなく、「不足している」などといった意味合いである。