2011年1月24日月曜日

B型肝炎訴訟

読み方:ビーがたかんえんそしょう

B型肝炎への感染は集団予防接種等を受けたことが原因であるとし、B型肝炎の患者やその遺族が原告となり起こされた集団訴訟。

B型肝炎は血液を通じて感染し、母子感染や輸血による感染が一般的な原因となる。B型肝炎訴訟では、原告は日本で戦後しばらく実施されていた集団予防接種において、注射針が使い回されていたことによって感染したと主張。感染を未然に防ぐ義務を怠ったものとして損害賠償を求めた。

B型肝炎訴訟は1989年に感染者5人が原告となり国を提訴した。2000年の地裁による判決は全員が敗訴したが、高裁では因果関係が認められた。2006年、最高裁において原告全員が勝訴した。

その後、別のB型肝炎感染者らも提訴。法務省によれば、2010年11月時点で、札幌地方裁判所、新潟地方裁判所、東京地方裁判所、静岡地方裁判所、大阪地方裁判所、金沢地方裁判所、広島地方裁判所、鳥取地方裁判所、松江地方裁判所、福岡地方裁判所に係属している。

2010年には札幌地裁で和解案が提示され、原告側が受け入れの方針を示した。B型肝炎訴訟の問題は大きく前進したといえるが、損害賠償の財源の問題など、多くの課題が残されている。なお、B型肝炎患者は全国に100万人から130万人ほど存在するとされる。

関連サイト:
B型肝炎訴訟 訴訟の概要 - 法務省・国に関する訴訟情報
B型肝炎について - 独立行政法人国立国際医療研究センター 肝炎情報センター