2011年6月23日木曜日

震災バエ

読み方:しんさいバエ
別名:震災蠅
別名:震災蝿

東日本大震災の被災地で大量発生しているハエ。2011年6月現在、深刻な問題として顕在化しつつある。

被災した漁港などでは、春から初夏にかけて水産工場の水産物などの腐敗が進み、それを餌として大量のハエが発生、遠方の避難所まで飛んできて罹災者を脅かしている。また、強烈な腐敗臭も一面に漂っているという。

大量発生している震災バエの多くは、5月時点ではクロバエが多く、6月を過ぎてからはイエバエが多く見られるようになっている。イエバエはより人間の生活に近い生態を持ち、食中毒を媒介するリスクが高いとされる。被災地での食生活への悪影響が懸念されており、防虫ネットを張ったり瓦礫の上に消毒剤を撒いたりといった対策がとられているが、根本的な対策を講じることは依然として困難な状況にある。

なお、震災の影響で被災地にハエが大量発生することは、2011年春先から懸念の声が上がっていた。4月にはツツガムシ病を媒介するダニの大量発生が危惧されていた。夏にかけては蚊の発生などが懸念される。

なお、国立感染症研究所によると、腐敗した魚介類や糞尿などからはキンバエ、クロバエ、ニクバエなどが発生するという。過去にはヘドロからハマベハヤトビバエが、牡蠣殻からセトウチハヤトビバエ、腐った海藻類からハマベバエが大量発生した事例がある。

関連サイト:
被災地・避難所の感染症対策における衛生昆虫の問題点 - 国立感染症研究所